

理解しようとしてくれている…
けど、一人の人間としてみる人はまだ少ない!
障害への理解とは、一体どんなときをいうのだろうか。
不自由な生活の中で、苦労や痛みまで分かってもらいたくても、他人には限度がある。
分かち合う道は、お互いがコミュニケーションを深めていくことしかないと思う。
同じ境遇の人たちに、暮らしに関するアンケートをとってみた。
住むよい環境とはいえなくても、みんな精一杯生きている。
集まった回答の一つひとつが、社会への貴重な提言だ。
設問…あなたが日ごろ感じている、地域の人との接し方について、お聞かせください。
【複数回答】
1.障害を理解しようとしていてくれる…28.6%
2.一人の人間としてみてくれる人は、まだ少ないようだ…22.5%
3.引っ込み思案になりがちな私たちを、励ましてくれる…13.7%
4.分からない…13.3%
5.顔を合わせると、相手が戸惑っている様子が分かる…12.9%
6.特に印象はない…12.2%
7.こちらの話が聞き取れていないのに、聞き直そうともしない…4.7%
8.その他…3.6%


《その他》の回答から
☆これから先、つき合っていけるかが不安だ。
☆声をかけてくれる人や知らん顔の人など、さまざまだ。
☆会釈など、ちょっとしたあいさつなら何も問題ない。でも、踏み込んだつき合いになると、(相手が)さけているような気がする。
☆立ち止まって、私を見つめる人が多い。
☆顔(容姿)だけをみて、あれこれ決める人がまだ多い。これは、我々にとって一番つらい。障害の程度は、一人ひとり違うことを分かってほしい。
このほかに、ボランティア・学校教育・仕事・結婚の問題、シルバープランといった
暮らしに関係した設問から、回答してもらいました。
自由記述欄での、貴重な提言を紹介します。

夢は父親になること
俺は好きな人がいても、なかなか告白ができない。(本能的なことだけど)SEXしたい≠ニ思っても、相手の気持ちのことや笑われたりしないかと考え込んでしまう。
近い将来、結婚して父親になりたいという夢を持つ。一人での生活には無理がある。兄弟だって、あてにできない。できることなら、自分たちの家庭を持ち、親を安心させてやりたい。
20歳代・男性・脳性まひ
家に帰る決定権は兄たちにある
親が生きているうちは、自分の希望を通すことができた。ところが兄弟の代になり、甥も家庭を持った。したがって、兄たちの気持ち次第で自分の生き方が左右されてしまう。
現在、施設で生活しているが、将来、家に帰ることができるかを自分では決められない。その決定権は、家を継いでいる兄や家族に与えられている格好だ。
30歳代・女性・脳性まひ
非情な態度をとる職員の心が読めない
私たちの施設の職員は、人によって利用者を差別したり、偏見の目で見たりする。同じ人間なのに、こういう見方しかできない職員の心が読めない。
施設長には頭が上がらないのに、私たちには堂々と、非情とも思える態度をとる職員。とても、さびしい気持ちだ。
30歳代・男性・脳性まひ
健康な人の倍以上の苦労が必要
右手が不自由な私は、何度か転職を繰り返した。薬品を扱う仕事のため、体調を崩したこともある。
自分の体験から、障害を持つ私たちが社会へ溶け込んで生活することは、とても大変だと感じた。健康な人でさえ、仕事によるストレスがたまったり、職業病にも悩まされたりする。こういった現状から、私たちは普通人の倍以上の苦労をしないと、実社会では働けない。
無理をしないで自分のペースで生きる。そして、何がプラスになって、マイナスはどこにあるかを見極めながら、道を決めていく。ここがポイントになると思う。
20歳代・女性・脳性まひ
障害実態調査・1995年実施
回答者数・746人
調査地域・全国
障害の内訳・身体障害、知的障害、後天性障害、脳性まひ、重複障害
報告書名「ありのままの報告書」
B4版・48ページ
「ありのままの報告書」は、朝日新聞・家庭のページ
(1996年・平成8年・6月5日付)にて紹介していただきました。