タイトルはレイ・ブラッドベリの名作「ウは宇宙のウ」のモジリ。原題は「S IS FOR SPACE」。そこで最初 この本を手にとったとき、“ 「スは宇宙(スペース)のス」にすればいいのに’と思った。そしたらすぐにそのように改題された(「スは宇宙船(スペースシップ)のス」とも改題されている)。
てな話はさておいて、σ(-_-)は宇宙という熟語が非常に好き。もちろんSF文学とか天文学が好きなのも理由の一つであるが、熟語自体も好き。
宇宙は英語ではSPACE(スペース)という。SPACEはもちろん空間を意味しているが、漢字の宇宙は、それだけではない。宇は天地 四方八方にわたる無限の空間、宙は過去 現在 未来にわたる無限の時間を表している(大字源(角川)p479)。漢字の方が英語より はるかに意味が深い。それが宇宙という熟語が好きな大きな理由。
その宇宙の「宇」であるが、宇は、ウ冠(宀)の中に于と書く。‘于(ウ)’と‘干(カン)’は、縦棒に小さなハネ(」)があるか無いかだけの違いで非常によく似ている。しかし意味はまったく異なる( 干(カン)’は干すという意味で使われることが多いが、もともとは盾の意味)。
それに大して「于」のハネは、キの字に組んだ木の下部が曲がりくねっている状態を表している。そこで原義は“曲がる”とか“くねる”。そこから紆余曲折(まがりくねる)という成語も生じた。
中麻に大于五(ターユーウー)とか小于五(シャオユーウー)という12点役がある。しかし日本語で‘于’が単独漢字として使われることはまずない。ほとんどが盂とか吁など、形声字で音符として使われているだけ。そこで大于五などと云われても、いまいち意味がピンとこない。
じつは于の“曲がるくねる”という意味から、「〜から(曲がる)」とか「〜より(向こう)」という意が生まれた(道を表す進繞(しんにょう)がついて迂回(〜より回る)とか、迂遠(〜から遠い)という熟語が生まれた)。「〜より」であるから 大于五は“5より大きい”、小于五は“5より小さい”という意味となる。おお、これで意味がよく分かる。(^-^;
なお大于五 小于五には、それぞれ大幹五 小幹五、全是大 全是小という別名もある。両方まとめて五下五上(ウーシャーウーシャン)とも云う。
|