用語 43・砌2010/06/07(Mon)
“砌”の原義は「軒下で雨水を受ける敷石や石畳、あるいはその場所」。そこで洗牌(シーパイ)してから牌を積み重ねて壁牌を作ること、あるいは一列に並べられた牌そのものを砌牌(チーパイ)という。まぁ「石偏に切る」となれば、読んで字のごとしという感じ。
現在の中国語(マンダリン)ではチー(qi)と発音されるが、日本語の音読みでは「セイ」または「サイ」と発音する。しかしセイだろうがサイだろうが、一般語での熟語例は無いといっていい。そこで 中国語に近い“チーパイ”でそのまま発音されている。とは云うものの、麻雀用語としても ほとんど普及しなかった。
そんな気の毒な“砌”であるが、意外に身近なところでの用法もある。軒下の間際にあれば雨水がしたたり落ちる。そこで「水限(みぎ)り=みぎり」と和訓される。そして石を切ったり 水を限ったりするところから、「節目、切れ目=そのとき、そのころ」の意味が生まれた。ここまで来ると、どっかで聞いたことがある。
かしこまった手紙などで、よく「暑さ厳しきみぎり、いかにお過ごしでしょうか」などと表現することがある。それが この「砌(みぎり)」