用語・“子”という字
キヨト 日付:2003/04/08(Tue)麻雀用語で「子」の字って多いですねぇ〜
この「子」とはどのような意味を持つのでしょうか?
教えてくださいm(__)m
キヨト@久々に麻雀関連発言(笑)
あさみ 日付:2003/03/14(Sun)
これを機会に、ちと詳しく調べてみた。そしたら、「子」というのは非常に応用範囲の広い言葉と云うことが分かった。詳しく書くと、それなりの論文が一つできそうなくらい。勿論そんなことが目的ではないので、要点だけごく簡単にまとめる。
いうまでもなく「子」というのは子供の形から来た象形文字(上部のマは子供の頭、下部が体を表す)。当然、妻子・息子・童子・男子・女子など、子供そのものを表す。
※息子は、もともと男女を問わず用いられていたが、現在では男子だけを表している。
その子供の意味から転じて“人”を表すときにも使われる。そこで古代中国で天子・君子といえば帝(みかど)か王様。太子といえば跡取り息子。王子・公子はそのほかの子。この場合は「人」というより、敬称・尊称の意味。
そんなところから王室ではなくても、孔子・孟子・孫子など、立派な人の敬称としても使われる。かといって弟子(でし)というのは「立派な弟」ではなくて、弟や子供のような目下の存在を表す。ゆめゆめ間違えないように。(笑)
いや、弟子を立派な弟と間違えるならまだいいが、儒子(じゅし)といえば儒学の偉い先生ではなく、「小僧め」の意味。游子(ゆうし)となると現代で云えばプータロー(遊び人)、梁上君子となると泥棒の意味。必ずしも立派な人の意味とは限らない....
さて「子」が子供の意味である以上、生物の種子も表す。たとえば裸子・被子・芥子・精子・卵子・孩子などがそれ。十二支でもねずみが一番小さな動物。そこで十二支で“子”はねずみを表す。
その「小さい」から派生して、小さな塊、一単位の意味でも用いられる。粒子・分子・原子・陽子・電子などがそれ。麻雀の万子・索子・筒子・刻子・順子・対子などは、この分類に入る。う〜ん、麻雀は、最先端物理学と連動したゲームであったのだ。(笑)
なお、さらに変化して事物の接尾語として名詞・形容詞・量詞・動詞+“子”の形でも用いられる。実は用例としては、これが一番多い。100や200じゃ済まないけれど、一般的に知られている例を少し挙げるとこんなところ。
帽子(ぼうし)・椅子(いす)・裙子(スカート)・卓子(テーブル)・緞子(どんす)・餃子(ギョーザ)・冊子(さっし)・格子(こうし)・鉗子(かんし)・障子(しょうじ)・調子(ちょうし)....
キヨト 日付:2003/04/14(Mon)ありがとうございましたm(__)m>あさみ先生
なるほど、そのような意味でしたかぁ〜
勉強になります(^^)
あさみ 日付:2003/04/15(Tue)こんにちわ、キヨトさん
いや、こちとらも思いがけず勉強になった。
いままで漠然と “子=小さい” という意味くらいに思っていたが、こんなに範囲の広い言葉だったとは知らなかったよ。
むかし孔子とか孟子とか、なんで偉い人は、“子”をつけて呼ぶのか中国人に聞いたことがある。すると「孔子とか孟子というのは“孔さんの子”、“孟さんの子”の意味。つまり本人が偉いのではなく、親である孔さん、孟さんが偉かった。そこで“孔さんの子”、“孟さんの子”という主旨で孔子、孟子と呼ぶ」という話だった。「ふ〜ん」と思ったが、いまいちピンと来なかった。
それが今回、天子=天帝の子、皇子=皇帝の子など、目上の立場から見た“子”という呼称に、いつのまにか尊称、敬称の意味が生じたらしいということが分かり、改めて“なるほろ”と思った次第。