役満05・国士無双


 国士無双は麻雀の歴史のどのあたりから登場するのでしょうか。


 うんと最初の頃からのようです。それこそ麻雀が手牌13枚の骨牌ゲームとして成立した頃。

 ただし最初の時点では、アガリ役というより九種九牌の同類、つまり「手牌がバラバラだから可哀相」という
配牌やり直しの対象だったものが、九種九牌と分離して成立してきたようです。


 国士無双の1面待ちは、両面待ち、とか単騎待ちという呼び方の種類で何待ちになるのでしょうか。


特にそのマチを表す中国用語はありません。そこであえて云えば、国士マチとか、単に一門張とでもいうしかありません。

 
 リーチ後に待ちが変わるのでカンできないのに、暗槓(アンカン)をしてしまいました。その暗槓が国士無双に当たって
しまったのですが、その和了(アガリ)は認められるのでしょうか。
 具体的には待ちの部分がの手牌でリーチをして、あとから を引いたので暗槓したら、その
が国士無双に当たってしまったような場合です。

 
 競技麻雀ルールでは国士無双といえども暗槓は搶槓(チャンカン)できませんし、一般でも「出来ない」というルールがメジャーと思います。
しかし一般では、まだ「国士無双に限り、暗槓でも搶槓できる」というルールもかなり採用されているようです。

 そのようなルールでマチが変わる暗槓をしてしまった場合でも、それはリーチ者以外には判らない事です。そこで暗槓でも搶槓でき
というルールを採用しているのであれば、文句なく国士無双のアガリとなります。

 そんな搶槓で放銃ということになったあとで手牌を公開し、「よく見たら待ちが変わるからアンカンできなかった。そこで暗槓は無効
になる→搶槓も無効になる
」などと主張しても意味がありません。それはアガリがあった局では、アガリ者以外は手を公開する必要も
なければ義務もないからです。

 また暗槓が間違いであるとして捨て直しを認めた場合でも、どのみち国士無双に放銃するわけです。もっともこの場合はひょっとして
頭ハネによって、国士以外に放銃できるかも知れませんが(^-^;


 前の回答に、「競技麻雀のルールでは、国士無双といえども暗槓は搶槓(チャンカン)できない」とありますが、私の知っている麻雀団体
では暗槓への搶槓がOKとなっています。

 それは麻雀団体ではあっても、麻雀愛好団体であって 競技麻雀団体ではないのではないでしょうか....


 前記の質問に便乗します。
 「国士のアンカンへのチャンカン」が認められないルールだとすると、この場合、本来ならを捨てねばいけないわけです。
それがアンカンされる事により、アガれるはずの国士が不当なアンカンによってあがれなくなってしまうわけですよね。
これについては、どのような処置が妥当なのでしょうか?

 バレなければ、アンカンした者の丸儲け?。また、流局してバレた場合、さかのぼって国士アガリになり得るのでしょうか?


 一言で云えば、たしかにバレなければアンカンした者の丸儲けです。

 世の中どんな不正であろうと すべて同じ、バレなければ丸儲けです。また流局して間違い暗槓、あるいは不正暗槓であった
ことがバレた場合でも、さかのぼって国士のアガリになりません。それは不正な暗槓であったことが後から判明し、国士聴牌者が、
九萬を暗槓したとき、すでに俺は国士をテンパイしていた。だから間違いをせずに九萬を捨てていてくれれば、俺はアガっていた」と
主張しても、それが事実かどうか証明することができないからです。


 国士無双の十三面待ちになりましたが、いくつか現物を捨てているというとき、フリテンになるのでしょうか。


 国士無双の十三面マチの場合、「十三面待ちであっても、現物以外は振りテンにならない」というルールと、「1枚でも捨ててあれば、
すべて振りテンとなる
」というルールがあります。昔は前者のルールがメジャーだったのですが、現在は後者のルールの方がメジャー
です。


 フリテンリーチ無しルールのとき、国士無双の13面待ちでフリテンのとき、リーチはかけられるのでしょうか。

 またそれがフリテンリーチ有りルールだったとき、出上がり(もちろん現物以外)はできるのでしょうか。

 「十三面待ちであっても、現物以外は振りテンにならない」というルールでは現物でロンさえしなければいいのですから、仮に自分が
必要牌を1枚捨てた状態でテンパイしたとき、下家が現物を捨てても同巡で対門が現物以外を捨てればロンできることになります。

 こうして同巡内のロンが認められているということは、このルールの場合、国士無双の十三門張の場合は、普通の意味における「振
りテン」とか「見逃し」には関係ない状態とされているわけです。

*「現物以外は振りテンにならない」というルールであっても、一部には「先に現物が捨てられた場合には、同巡にあとから現物以外の
牌がでてもロンできない」というルールもあります。

 そして現物以外ロンアガリOKですから、フリテンリーチ無しのルールであっても立直できることになります。ただしリーチしますと、リー
チ者にとっては巡が固定され、以後、ずっと同巡状態が続きます。そこで最初の現物以外の牌でアガらないと「見逃し」となります。
見逃してもフリテンリーチ有りルールならツモアガリすればいいのですが、フリテンリーチ無しのルールだと大変なことになります。

 次に現在主流である「1枚でも捨ててあれば、すべて振りテン」というルールの場合。この場合はフリテンリーチ無しのルールであれば、
リーチそのものができません。もししてしまったら流局時にはチョンボとなります。

 振りテンリーチ有りのルールであれば、もちろん立直自由ですが、どっちみちツモアガリのみしかできません。そこで立直してもしなく
ても事態は何も変りません。とはいえ振りテンリーチがOKであろうとなかろうと、得点に変りはありません。おまけにルールによっては
チョンボになりかねないのですから、いくら国士の十三門待ちでも立直など掛けない方がいいですね。


 国士無双で現物の栄和が認められていたならば、むかしは現在よりも簡単にアガれたのはないでしょうか。

 現在は国士無双も、手作りによるアガリが認められていますが、本来は配牌で十三門張状態のものだけをいいました。この状態で
雀頭関係なしにアガリ宣言したのです。配牌で十三門張だなんて、まさに国士無双の名称にふさわしい状況です。

 しかしあまりに国士無双すぎて、まったく出来ません。そこでドンドン条件がゆるめられ、ついに現在の出来やすい役満N0.1になって
しまいました。


 子の第一ツモで、国士無双を単騎待ちでテンパイした場合、十三不塔をアガっているのでしょうか。
それとも、国士無双というテンパイがあるので、不成立なのでしょうか。


国士無双のダブリー状況ということですね。
もともと国士無双と十三不塔は同根の役と思われます。いうなら国士無双は十三不塔の完璧型なわけです。
そこで十三不塔は、完璧型以外のバラバラ型ということになります。したがって質問のケースは国士無双の聴牌であって、
十三不塔ではないと考えるのが順当と思います。

 第一ツモで、国士1枚待ちをテンパイした形はシーサンプトウかどうかですが、これは不必要牌を一枚切って国士だとしても、
シーサンプトウのフリテンになるのではないでしょうか。

 回答からはフリテンじゃないような感じですが、フリテンと指摘されれば、フリテンのような気もします。
実際の取り決めではどうなっているのでしょうか?


 国士無双と十三不搭(シーサンプター)は同根の役ですが、現在ではまったく別なものになっています。

国士無双=一九字牌1枚づつ+一九字牌の1雀頭。ツモ牌による手作りも可。
十三不搭=純正な第1ツモ終了時、国士無双型以外の1雀頭+ノー面子(辺張・嵌張・両門などが一つもない)であれば宣言できる。
それ以外の時では宣言できない。
という感じです。
 「不必要牌を一枚切って国士だとしても、シーサンプトウのフリテンになるのでは?」とのことですが、十三不搭は国士無双型以外の
1雀頭+ノーメンツ型なのですから、十三不搭と国士無双が重なることはありません。
また「フリテンじゃないらしいですが、フリテンと指摘されれば、フリテンのような気もします」とのことですが、十三不搭は第1ツモ終了
時、すなわち捨て牌前にしか宣言できないのですから、振り聴という状況が起きる事はありません。


三跪九叩頭 投稿日:2007/06/10(Sun)

浅見さんこんにちは

なぜ、十三ヤオチュウには、国士無双という名前がついたのでしょうか?
ちなみに、中国の人に国士無双と書いても通じませんでした(*_*)


あさみ 投稿日:2007/06/10(Sun)

ども、三跪九叩頭さん

 国士無双は十三幺九の“雅名”です。雅名は、人で言う“雅号”みたいなもので(柳生石舟斉とか、勝海舟とか)、本来の名前の他につけた
恰好よさげ”な名称のことです。

 たとえばこの他にも、サンシキには三姉妹(サンチーメイ)対々和 には鸞鳳斉鳴(ランフォンチーメイ)九連宝灯紫気東来(チーチートンライ)
なんて雅名があります。たしかに三色同順とか対々和なんていう即物的な名前より、三姉妹とか鸞鳳斉鳴と云った方が恰好いいことは
たしかですね。

 また一つのアガリ役に、複数の雅名がついているものも幾つかあります。というか、それが普通です。たとえば九連宝灯紫気東来
のほかに天衣無縫という雅名があります。てゆ〜か、“九連宝灯”そのものが、もう雅名みたいなもの。そしてサンシキやトイトイになると、
字違いも含めると数十の名称があります。

 しかし日本でも十三幺九国士無双は誰でも知っていますが、他役の雅名は知られていません。そしてたぶん中国では、雅名そのも
のを知る人が少なくなっているのかもしれません。まぁ雅名なんて、地方地方で勝手につける傾向もあるので、普及するとは限りませんし。


三跪九叩頭 投稿日:2007/06/11(Mon)

なるほど。
「ニコニコ!」「アオ!」(←雅名か 笑?)みたいなのが定着しちゃったわけですね(^-^)


あさみ 投稿日:2007/06/10(Sun)
さすがに「ニコニコ!」や「アオ!」は“雅名”と云うより、通称か俗称というところ。(^-^;


疑問子 投稿日:2008/07/15(Tue)

 はじめまして。
 国士無双に関する説明の中で、『国士無双というのは十三幺九の雅名である』というくだりを読みました。
この雅名は一体いつ頃生まれたものでしょう?
 また なぜこれだけが雅名で、他のたいていの役満が雅名ではないのでしょうか?
現在広く認められている役満の中で、これだけが、もうあまり十三幺九と呼ばれることはなく、雅名を以って‘市民権’を
得ているように思うのですが…???


あさみ 投稿日:2008/07/16(Wed)

 こんにちわ、疑問子さん(^-^)/

 国士無双という雅名がいつ頃生まれたかという点について確かなことは分かりません。(_ _;
ただ漠然とですが、「現在の136枚(花牌を入れて144枚)麻雀が誕生した初期には存在」と思ってます。

 また「なぜ国士無双だけが雅名で他の役満が雅名で呼ばれないのか」ということですが、これもはっきりした理由は分かりません。
しいて考えれば十三幺九の場合、「シーサンヤオチュー」より「コクシムソー」と呼称した方がカッコよかったからかも知れません。(^-^;

>雅名を以って‘市民権’を得ているように思うのですが…???

市民権どころか、国籍取得(笑)