Treatis 論考

    (18)麻雀点数論 9


第3項 切り捨て法

 連底を累乗計算したのち、算出された得点の一桁部分を四捨六入ではなく切り捨てる計算法である。たとえば次の手を子がアガったとする。

中中中一筒一筒四萬四萬四萬六萬七萬 ポン五索五索五索 ロン八萬

 連底(小符合計点)は34符。そこ得点は34×2=68点となる。しかしこの端数の8点を無条件に切り捨てる。すると子1人あたりの支払額は60点。親からは120点を受け取るので合計は240点となる。これは四捨六入法より簡便であったが、せっかく取得した点数が切り捨てられるのがネックとなったのか、普及しなかった。

第4項 切り上げ法

 連底を累乗計算したのち、算出された得点の一桁部分を四捨六入ではなく無条件に十位に切りあげる計算法である。たとえば上記と同じ手を子がアガったとする。

中中中一筒一筒四萬四萬四萬六萬七萬 ポン五索五索五索 ロン八萬

 連底(小符合計点)は34符。そこで得点は34×2=68点となる。この端数の8点を無条件に切りあげるので、子1人あたりの支払額は70点。親からは140点を受け取るので合計は280点となる。

 一桁部分を十位に切り上げるので「切り上げ法」と呼ぶ(切り上げを1回のみ行うので「シングル切り上げ」とも呼ぶ)。このシングル切り上げは簡便な上に点数が増えるという点が愛雀家にフイットし、一般麻雀にもかなり普及した。

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