連荘 04・八連荘

 
     八連荘は中国麻雀にもあるのでしょうか。


 戦前、日本麻雀連盟が発行していた「麻雀春秋」という機関誌の昭和4年9月号(発売・日本麻雀連盟、発行・文藝春秋出版部、編集・空閑緑)の質疑応答欄(p47)に、次のような記事があります。

Q「連荘の限度は?」

A「連荘はなんどでも差し支えありません。しかし八連荘満貫の制度は採用していません」

 このようなQ&Aがあるのですから、八連荘がすでに昭和初期に存在していたことは確かです。そして このような麻雀伝来初期に、日本で独自に考案されたルールとも思いにくいので、中国にも存在し、それが伝来したと考えられます。

 おそらく「連荘が延々と続いてはキリがないから、8回くらいで打ち切ろう。その代わり満貫(現在で云う役満点)をあげよう」というところから発生したのではないかと思います。


 八連荘は7回目のあがりなのか8回目のあがりなのか、9回目のあがりなのかわかりません。


  1回アガると積み棒が1本、置かれます。つまり置かれた積み棒がアガった数を表しているわけです。したがって7本積んであれば7回、アガった証明ということになります。そして八連荘は8回続けてのアガリですから、7本積んである状態でアガったら八連荘ということになります。

 もちろん当時のルールで、両飜縛りは一般的ではありません。そこで一翻縛りのままでの連続8回目のアガリでした。しかし近年は 5本場から両翻縛りというのが普通のようです。そこで八連荘を達成するということは両翻縛りになってから3回アガリ続けていることになります。

 親が両翻縛りの状態で3回アガるのですから、すごい収入となります。そこへ八連荘の役満がプラスされるのですから、ものすごい得点となるでしょうね。

 むかしの麻雀は、親がアガらなければ連荘できませんでした。しかし現在の一般麻雀では、テンパイしていれば連荘となるルールが多いと思います。このルールの場合、途中で流れて積んだ回があれば、流れの局から以前は無効。次の回からあらためてスタートとなります。


 八連荘したあとのアガリはどうなるのでしょうか。
 九連荘めにアガればそれも役満になるのでしょうか。


 八連荘は、「8回アガったら、満貫点(現在の役満点)を受け取って打ち止め=親移動」という主旨で成立しと思われます。

 しかしその点が不明瞭なので、一般では「8回以降のアガリは、すべて役満」とか、「八回で一区切りだから、そのあとまた八回アガリ続け、十六回目のアガリで、もう一度役満」とか、さまざまに云われています。

 ハウスルールであればどのようなルールでも可ですが、「8回以降のアガリは、すべて役満」となると、やられた方は破産するでしょう。(^-^)

 そこでソフトなルールとすれば「八連荘が達成された段階で親は打ち止めで輪荘」、ハードなルールとすれば、「最初の八連荘で1回役満、そのあと8回アガリ続ければもう一度役満」というところになると思います。

 ハ−ドといっても「8回め以降のアガリは、すべて役満」よりソフトです。それでも親が16回アガリ続けてそのうち2回が役満となるのですから、やはり相手はみんな破産するかも。(-_-;


 あるルールに次のように書いてありました。
 「八連荘は、親が八回連続してアガリとなって連荘をした時に有効となるルールで、以降 輪荘になるまで親は役が無くてもアガることができ、役満分の得点をもらうことが出来ます

 回答と、このルールには相違点がいくつか在ります。
 親が1飜縛りでないこと、もちろん2飜縛りでもない。
 八連荘の有効期限が連荘8局目以降、子にアガられるまで有効であること。

 こういうルールを用いているところはあるのでしょうか?


 「親は役が無くてもアガルことができ、役満分の得点をもらうことができるというのは、超ハードなルールですね。

 これは単純に その本の著者が、そういうルールが好きだったくらいのことではないでしょうか。もちろん八連荘自体ローカルですので、どのようなルールでも自由です。しかしさすがにそのようなルールを採用しているところは無いと思います。


 もし8回目に子がアガった場合、8回も連続してあがろうかというバカヅキの親を阻止する子に何も功労金がでないというのはどうなんでしょう。

 ツイている親と2飜縛りという同じ条件で勝負をして見事八連荘を阻止するのですから跳満相当ぐらいのボーナスがあってもいいのではないですか。


 天野大三という方の著書には、「八連荘を阻止した子のアガリは破八連荘(ポーパーレンチャン)という役満になる」という記述があります。

破八連荘(ポーパーレンチャン)が中国伝来なのか、あるいは天野氏の創案なのか不詳です。しかしいまのところ中国ルールでそのよ9うなルールを聞いたことがないので、なんとなく天野氏の創案のような気がします。


 八連荘は間に子のチョンボがあってもいいのでしょうか。
 子のチョンボで出来なくなるのなら、八連荘めに故意のチョンボで妨害できる可能性があると思うのですが。

 たしかにその可能性はありますね。
 しかしたとえ親が八連荘目に立直していても、まだアガるとは限らない時点で、犠牲的精神を発揮してチョンボするというのも大変なことです。しかしそれでも16000点払うより8000点払いの方がいいと云うので、あり得るかも知れません。

 といってもどうしても心配であれば、「八連荘めの局でのチョンボは役満払い」と決めておくのも一案です。じっさい一般麻雀では、「オープン立直に放銃すれば役満払い」というルールもあるわけですから。

 しかしそれでも親にしてみれば48000点入る予定が、16000点では不満かも知れません。そこで「立直」No.7「オープン立直」にあるFさんの

1.チョンボをしたものは、流局まではあがり放棄とした上で続行する。
2.流局した場合は、チョンボ者はチョンボ料を支払う。
3.流局せず正当なあがりがあった場合は、チョンボは免責となる。

 というルールを採用するのも一案と思います。これならチョンボしたプレーヤーも32,000点ではなく8,000点ですみますし、親も48,000点の可能性を維持できます。


 私たちは「チョンボの局はノーゲーム」というルールでゲームしています。このルールであれば、子のチョンボで八連荘が妨害されることはないと思います。


 たしかに最近は「チョンボの局はノーゲーム」というルールが増えてきました。これは、「チョンボ料は払う。しかしその局は積み場としてカウントしないで次局を行う」というルールです。

 ただし本来、「ノーゲーム」というのは、そのゲーム(局)を無かったことにするという意味です。その局が無かったという以上、アガリもチョンボも無かった事になり、アガリ点の支払いもチョンボ料の支払いも発生しないことになります。

 
しかしチョンボ料を精算をすると云うことは、チョンボが発生したゲーム(局)が存在した事になります。そういう意味で、「チョンボの局はノーゲームという表現は正確ではありません。そこでこれを正確に表現すると、「チョンボの局はチョンボ料を精算したうえ、積み棒ナシで再ゲーム」ということになります。

 でチョンボの局はチョンボ料を精算したうえ、積み棒ナシで再ゲームというルールの場合、たしかに子チョンで連荘が妨げられる可能性はすごく低くなります。それはいいのですが、それだけですと今度は親みずからがチョンボして、八連荘めのキープが可能ということにります。

 つまり親はどうしてもこの手では八連荘できないと思ったとき、わざチョンして満貫罰(12000点)を払い、もう一度八連荘=役満(48000点)にチャレンジすればいいことになるわけです。

 そこで「八連荘めの局でのチョンボは、親でも子でも役満払い」と決めておけば、さすがに親もワザチョンはできないと思います。(^-^;


 八連荘めではなく、その途中で親チョンボや子チョンがあっても、八連荘状態は続いているという事でいいのでしょうか?


 チョンボの局はチョンボ料(普通の満貫点)を精算したうえ、積み棒ナシで再ゲームというルールであれば、そういうことになります。


 ダブル役満アリのルールのとき、八連荘めのアガリが役満(たとえば大三元)であればダブル役満となりますか。


 八連荘は、8回続けてアガったことに対する役満点取得です。そこで仮りに八連荘めのアガリがリーチ・ピンフであった場合でも、「リーチ+ピンフ+八連荘役満」ではなくて、「八連荘=役満点取得」だけです。つまりそのときにどんな役でアガったかは関係ないわけです。

 したがって八連荘めのアガリが役満であっても「役満貫+役満点取得」ではなく、「八連荘=役満点取得」とするのが順当と思います。

 しかし八連荘はローカルなルールですし、世の中にはダブル役満を認めているルールもあります。そこで役満貫+役満点取得でも、構わないのではないでしょうか。