歴史 20・伍萬


 「伍萬」は、なぜ「五萬」ではないのでしょうか。


 「伍」という字は、「人(にんべん)」と、数字の五の組み合わせで、「5人一組」という意味を現します。そして現在でも商取引等において数字を漢数字で表記するとき、「五」ではなく「伍」と表記されることがあります。

 「五」という立派な数字があるのにわざわざ「伍」という漢字を使うのは、重要な数字の改竄をしにくくするためです。そこで中国では、商取引においては、すべての数字に下記のような漢字を用いていました。

 (1)壹 (2)貳 (3)参 (4)肆 (5)伍 (6)陸 (7)黍 (8)捌 (9)玖 (10)拾

 麻雀の「五」は、このうちの「伍」が使われているわけです。問題は「なぜ五だけ伍を使用するのか」ですが、残念ながら現時点では判然としていません。

 一説に「麻雀の前身である中国ゲーム、馬弔では壹貳参肆伍という表記が用いられてた。やがて麻雀が誕生したとき、小さい骨牌に複雑な漢字を刻印するのは大変なので簡単な一二三四・・・が用いられた。 しかし五は伍と大差ないので、そのまま伍が用いられた」と言われます。

 しかし古い馬弔カードにも、一万・二万・三万....と表記されているのがいくらでもあるので、この説もいま一歩の感じです。 そこでこの解明には、もう少し時間がかかるようです。