歴史04・「麻雀」という名称
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「麻雀」という名前はどういう意味があるのでしょうか。
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マージャンの母胎は「馬弔(マーチャオ)」という中国カード(紙札ゲーム)に由来するというのが定説です。この馬弔が変化して「麻雀」が誕生しました。馬弔が麻雀と表記されるようになったのは、もちろん馬弔との音通によりますが、1索が鳥の図柄になったことも大いに関係していると思われます。
いずれにしても、麻雀の本来の発音は「マーチャオ」なのですが、馬弔(マーチャオ)は馬将(マーチャン)とも麻将(マーチャン)とも表記・呼称されていました。
その関連で、慣習的に中国でも「麻雀(マーチャオ)」を「麻雀(マーチャン)」と俗読みされていたようです。1920年代、アメリカの麻雀ブームの引き金を引いたJ1.P.バブコックは、これをMah-Jongg(マージョン)としました。
日本ではそれがさらに訛(なま)り、「マージャン」と呼称されています。そして現在の中国では麻将(マーチャン)だけが用いられています。
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は鳥の姿に彫られているので麻雀と書かれても何となく理解出来るのですが、どうして「麻将」とも書かれたのでしょうか。
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これについては次のように推測しています。
「中支(上海近辺)で馬弔という中国カードゲームが天九牌などの骨牌ゲームと融合して新しいゲームが誕生した。そのため1索のデザインは中支地方の人が好む鳥となった。そこで名称も馬弔から麻雀となった。しかしこの頃、「馬将」という表現も用いられていた。それがやがて麻雀という表記と融合して「麻将」という表記が誕生し、やがてそちらが主流になっていった」
「将」の字が用いられた理由は判然としません。ただ「将」には、「すすむ」とか「おこなう」、あるいは「もちいる」などの意味があります。他のゲームでも「将棋(将(すす)める棋?、棋を将(おこ)なう?)」、囲棋(=囲碁)などと使われています。そんな感覚で「麻将」と表記されたのかも知れません。
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中国では「麻将」という表記が主流ということですが、ではどうして日本では「麻雀」という表記が主流なのでしょうか。
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清朝が滅亡した頃、表記は麻将も麻雀も使用されていました。しかし当時、麻雀は欧米に爆発的に普及していました。そしてその欧米人は麻雀の入門書をたくさん出版しました。
なかでも特に有名なのはジョセフ・P・バブコックのRED BOOKとか、「麻雀(MAH-JONG)」ですが、その中で表記はすべて「麻雀」が用いられていました(発音は「マーチャン」、あるいは「マージャン」としていました)。
そして日本へは、こういうアメリカ麻雀の教則本の影響もあり、「麻雀(マージャン」という表記・発音が普及・定着したのです。
*中国に関係のない香港(イギリス領)では、現在でも日本同様、「麻雀」という表記が使用されています。また香港では「雀」という字に、草冠のついた字も用いられています。
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私は「麻雀という名前は、「牌をかき混ぜる音が雀のさえずりに似ているからついたのだ」ということを聴いたおぼえがあるのですが、それは違うのでしょうか。
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これは「麻雀」という表記からの思いつき説と思われます。
中国古代、紙牌(紙札)ゲームは葉子戯≒紙札の遊び)とか摸掉(モーチャオ=持ってきて捨てる遊び)などと呼ばれていたようです。そこでこの摸掉という通称が馬弔(マーチャオ)の語源ではないかと推測されています(もちろん摸から馬への音便変化は、50年〜100年で生じたわけではありませんが)。
さらにこの馬弔が骨牌と融合して新しいゲームが誕生しました。これも「マーチャオ」と呼称されましたが、馬弔と区別するためでしょうか「麻雀」と表記されるようになりました(麻雀が誕生しても、馬弔というゲームが消滅したわけではありません)。
※中国では、現在でも馬弔がゲームされています。
でなぜ麻雀と表記されたのかですが、これまでの先人の検証により、麻雀の誕生は中支(上海地方)にあることがほぼ解明されています。そして麻雀が成立するに従い、一索は銭束の図柄から鳥の図柄に変化しました。
この鳥の図柄は後年になって孔雀・鳳凰となりましたが、鳥になった頃は雀(すずめ)そのものでした。雀(すずめ)は、中国では「麻雀(マーチャオ)」といいます。そのような背景の相乗効果によって、馬弔は魔鳥でも盲腸でもなく、麻雀と表記されるようになったと推測しています。
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今日聞いたラジオで中国人が話していたんですが、私たちがマージャンと呼んでいる「麻雀」という熟語は、中国ではかなり昔の表記になるらしいのです。
中国で「麻雀」と書けば、雀(すずめ)を指すそうです。そこでその中国人の方の友達が大阪に来た時、「どうして日本には雀屋が多いのだろう」と感じたという逸話を聞いて思わず吹き出してしまいました。
そこで逆に、中国ではマージャンを現在どういう表記をしているのかいうことを疑問に思いました。
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たしかに現在の中国では、「麻雀」は用いられていません。しかし中国でも以前は「麻将」のほかに「麻雀」という表記も多く使われていました。どちらか言えば「麻雀」の方がメジャーだったくらいです。
しかし厳密に言えば、「麻雀」というのは中国では「雀(すずめ)」という意味です。これでは紛らわしいというので、近年は「麻将」一本となっています。
ラジオの話ですが、日本では「雀(すずめ)」は「雀(すずめ)」ですが、中国では「雀(チャオ)」は「鳥(とり)」全般を指すような意味になります。つまり「雀(チャオ)」だけでは何の鳥だか分かりませんから、孔雀(くじゃく)とか雲雀(ひばり)とか、「雀」の前に何かつけます。
そして「麻」というのは「斑点」というような意味ですから、「麻雀」は「斑点模様のある小鳥」、つまり日本でいう雀(すずめ)を意味することにわけです。
そこでその中国人が「どうして日本には雀屋が多いのだろう」と感じたのも無理もないかも知れませんね。(笑)
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ゆか 投稿日:2007/04/09(Mon)
始めまして 私はお芝居をしてるものですが
このたび 雀荘を舞台とした芝居を書いてます
で・・・
こんなことを 書き込んで良いものかなやんだんですが
『麻雀』の“じゃん”は なんで“すずめ”なんでしょうか??
どなたか 知ってる方いましたら 教えてもらえませんか?
ちなみに“麻”もわかれば・・・
私なりの 考えとしては
パイが雀のあたまににてるから?
茶色ところが・・・
でもでも やっぱり 正しい語源を知った上で書きたいので ご協力お願いします
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あさみ 投稿日:2007/04/09(Mon)
こんにちわ、ゆか さん
雀荘を舞台にしたお芝居とは面白そうですね。
で 『麻雀』の“じゃん”がなぜ“雀”かというの話ですがが、麻雀というゲームは“馬吊(マーチャオ)”というゲームが変化して誕生しました。
そこで変化の当初は、やはりマーチャオと呼ばれていました。それがルールや使用牌が“馬吊”とは大きく変るにしたがって、「麻雀」と書かれるようになったのです(中国語では「麻雀」もマーチャオと発音します)。
※現在の中国では、「麻将」と表記されるのが普通です。
云うなら“麻雀”は“馬吊”の当て字ですから、「パイが雀(すずめ)のあたまににてるから」とか、「牌を工夫して並べてみると小鳥=雀(すずめ)の形になるから」ということとはまったく関係ありません。
#工夫して並べるのであれば、馬にでも魚の形にでもなります。(^-^;
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