歴史02・長寿役/短命役


 これまでの麻雀の歴史の中で、一番長く存在した役はどんな役でしょうか?

 またルールとしてきちんと文献に載ったりした中で、いちばん存在が短かったものはどんな役でしょうか?

 中国で紙牌や骨牌系統のゲームが融合して麻雀が成立したのは19世紀中葉と云われます。それらの紙牌や骨牌ゲームには麻雀のアガリ役の原型が存在していたわけですが、そこまで遡りだすとキリがありません。そこであくまで麻雀のアガリ役として考えてみます。

 当時のルールを大先人、故・榛原茂樹氏が考証しています。これを「想定寧波規則」といいます。それによれば、この当時すでに搶槓や対々和、嶺上開花、海底撈月などがありましたが符役でした(単騎や嵌張などのように符がプラスされるだけの役)。

 そして普通の役としては、混一色(一翻)、清一色(三翻)が挙げられています。つまり普通の役としてはこの2種だけで、あとは役満貫しかなかったわけです。そこで普通の役の中でもっとも長命なものを敢えて1種だけを取りあげるなら、やはり清一色と言うことになると思われます。

*役満貫としては、下記の記載があります。
・地和(親の第1打牌で栄和)
・三元和
・四喜和(自風の刻子があれば小四喜でも可)
・九連灯・十三幺九(配牌で十三種が一枚づつあるもの。雀頭不要)


 短命役の方ですが、昭和50年頃(←ちと記憶モード)、日本牌棋院という団体が報知新聞社との兼ね合いで新報知ルールというルールを発表しました。そのなかに「報知(ほうち)」という二翻役があります。

 これは待ちが辺張・嵌張・単騎であったとき宣言できるもので、「報知!」と宣言します。しかし宣言すると二翻になる代わりに嵌張や単騎待ちである事がバレてしまいます。それがバレるのがイヤであれば、一翻役である普通の立直を宣言してもOKというもの。

 逆に両面以上の待ちなのに報知を宣言すると偽報知(にせほうち)で錯和(チョンボ)になるというルール。しかし普及どころか、その存在もほとんど知られぬまま消えていってしまいました。そこで、これがもっとも短命な役ということになるかも知れません。