流局 08・流し満貫


 流し満貫はアガリ役でしょうか。それとも役ではなくてご祝儀みたいなものでしょうか。


 手役ではありませんし、流局した場で成立するのですから、八連荘ノーテン罰と同じに、ご祝儀とするのが順当と思います。


 流し満貫を和がり役としている場合、三人同時に成立したら三家和で和がりは無効になるのでしょうか。


 アガリ役として採用しており、かつ三家和流局というルールも採用していると云うことであれば、三家和で流局ということになります。

 しかし三家和流局は採用しておらず、また「3人アタリあり」というルールを採用しているとしたら大変なことになりますね。(^-^)


 最近流し満貫を認めているところが増えていますが、流局して始めて成立しますよね。その時にノーテン罰符のやり取りはするんですか?

 前に片山先生の漫画では流局扱いになってた気がします。私はアガリ扱いであるならばノーテン罰符のやり取りは必要ないと思いますが。

 アガリ扱役いということであれば、ノーテン罰符のやり取りは無いことになりますね。その場合、完成者が子であれば子のアガリという事になりますので、親も流れることになります。

 アガリ扱いでない場合は、チョンボ料や八連荘などと同様に番外精算ということになります。

 問題はこのとき、ノーテン罰符の精算も行うかどうかですが、たとえばノー聴立直不可というルールでノー聴立直チョンボなどがあった場合、チョンボ罰を精算するだけでノー聴罰の精算はしないのが普通と思います。そこで流し満貫が発生したときも、ノー聴罰の精算はしないというのが順当と思います。


 流し満貫をアガリ役として考えた場合、「自摸和がり」、「栄和がり」のどちらなのでしょうか。


 ツモアガリと同様の3人払いですから、考え方としてはツモアガリということになりますね。


 流し満貫があったとき、親は連ちゃん?それとも親流れ?


 流し満貫はローカルルールですから、どのように決められていても問題はないのですが。

 チョンボが発生した場合、「すべてのチョンボ=連荘」というルールと「親チョンは親流れ、子チョンは連荘」というルールとあります。そして近年はすべてのチョンボ=連荘というのがメジャーなルールになっています。そこで流し満貫をチョンボ罰同様の番外精算(アガリ役扱いでない)とする場合、チョンボ罰の処理と同様に扱えば良いと思います。

 すなわちすべてのチョンボ=連荘というルールであれば、すべての流し満貫は連荘。親チョンは親流れ、子チョンは連荘というルールであれば、親流し満貫は連荘、子流し満貫は親流れということになります。

 これが番外精算ではなくアガリ扱いということであれば、親の流し満貫は連荘、子の流し満貫は輪荘ということになるでしょう。

 ただ流し満貫は理屈上、3人まで完成が可能です。そこでダブロン・トリロンありのルールの場合、そこに親が含まれていれば連荘ということになります(ルールによっては、親が含まれていても、アガリ牌にもっとも近い状態でなければ、連荘の対象にならないというケースもあるようです)。このダブロン・トリロン有りのルールで複数完成があったとき、完成者同士は相互精算となります。

 アガリ扱いであってもダブロン・トリロン無しのルールで複数完成があった場合、誰の流し満貫をアガリとして認めるかという問題が生じます。これには、「最初の完成者のアガリ」としておくのが順当と思います。


 少牌、多牌で和がり放棄になった人が流し満貫を完成させた場合は認められるのでしょうか。


 リーチ後の見逃し禁止というルールで、見逃しでアガリ放棄になったような場合、たとえ聴牌であってもチョンボ罰払いとなります。そこで多牌少牌以外でアガリ放棄となった場合も同様と考えられます。

 そこでアガリ役扱いであろうと番外精算であろうと、正常ではない手牌のプレーヤーに流し満貫の権利はないと考えるのが順当と思います。


 流し満貫」は役満扱いなのでしょうか、それとも満貫扱いなのでしょうか?
 「流し満貫」の「満貫」は古典麻雀の「満貫」に由来するとすれば、点の扱いは現在の役満に相当すると思うのですが。

 また、頻度も役満なみに希でしょうから、この点からみても役満扱いが妥当と思うのです。


 もちろんこれも「決め」次第ですが。
 たしかに中国古典麻雀の満貫は、現在の役満貫に相当します。しかし当時の「満貫」と現代の満貫とはシステムも価値も異なります。

 頻度としてはたしかに低いですが、内容的に役満貫に相当するほどの価値があるとは思えません。そこで、やはり普通の満貫程度で十分のような気がします。

※1枚もチーポンされなかったら役満貫で、1枚でもチーポンされた場合は満貫というルールもあります。

 流し満貫と関係ないところで誰かがポンかチーをした場合は、流し満貫は無効になるのでしょうか?

 私は、流し満貫をやっている人の捨て牌がポンかチーされたときだけ無効になると思っているのですが・・・。


 その通りですね。
 無効となるのは、流し満貫をやっている人の捨て牌がチーポンカンされたときだけ、というのが一般的なルールです。


 「供託の立直棒は立直者の和がり取り、流し満貫は和がり役」の条件で、立直をして流し満貫を完成させた場合、供託の立直棒は取得できるのでしょうか。


 流し満貫がアガリ役扱いであり、供託の立直棒は立直者のアガリ取りという条件を満たしているのですから、取得できて当然と思います。


 流し満貫が和がり役扱いの場合、完成させたら積み棒の分の点棒ももらえるのでしょうか。


 アガリ役ということであれば、取得できで当然と思います。


 流し満貫を完成させた場合でも、流し満貫を無かった事にして、点棒をもらわず続ける事は可能でしょうか。

 満貫ではトップをまくれず、誰かが箱点で終了になってしまうという理由で。


 事前に「流し満貫は、本人の宣言が必要」という“決め(合意)”でもあれば可能ですね(本人が宣言しなければいいのですから)。

 しかしそのような合意など無い状態でのことであれば、「アガリ役扱いであろうと番外精算扱いであろうと精算しなければならない」というのがルールの基本的な考えと思います。


 上記の回答ですが、流し満貫が和り役扱いならば、和りを宣言しなければ流し満貫は成立しないのではないでしょうか?

 通常の和りの場合で、ツモ和りがあっても本人がそれを宣言しなければ、何事もなかったように続行できるし、ハイテイでロン牌が出ても見逃してテンパイ宣言できるのと同様ではないですか?

 流し満貫をやったことを本人も気づいてない場合の扱いなども考えると「宣言によって成立する」とした方が合理的では?


 あるプレーヤーが、タンヤオ・サンシキをアガったとき、サンシキができあがっていたことに気がつかなくてタンヤオだけを申告したとします。このとき対局者の誰も気が付かなくて、タンヤオだけで精算が終了すれば、それはそれで有効です。

 しかし手を崩す前に、対局者の誰かが気がついて、「あれ、サンシキがあるよ」という指摘があれば、たとえアガった本人が「うっかりしていた俺が悪いんだし、サンシキの申告はしていないからツモタンの分だけでいい」と主張しても認めず、サンシキを加味した点数を精算するというのがゲームのルールです。

 流し満貫も同様で、そこに完成した形が存在していても、誰も気づかず、あるいは気が付いていても誰も口に出さないで進行してしまえば、それはそれで有効です。しかしプレーヤーの誰かが気が付いて一言でも口に出したならアガった本人が何を云おうと流し満貫点を精算するというのが点数精算のルールです。

 そこで本来の点数精算以外の方法、すなわち「流し満貫は完成者の宣言によって成立する」としたいのであれば、そのように事前に“決め”ておく必要があります。

※別カテゴリーで「
裏ドラ拒否権はあるか、ないか」というQ&Aがありました。
 
「リーチしてツモアガリしても裏ドラが乗ると誰かが飛んでしまう。この場合、裏ドラを見ることを拒否できるか」というQ&Aです。もちろんこれも事前に「拒否できる」という合意があればできます。しかしそのような合意がない状態での話であれば、ルールのOS的な考えに基づけば、「できない」ことになります。


 実際には和がりであっても見逃したり、流局後に聴牌でもノー聴と言う事が出来るという事は、和がるかどうかを本人が決められるという事だと思います。

 仮りに河底牌が和がり牌の時に見逃して、流局後に聴牌料を貰えるのだから、流し満貫が完成していても、和がるかどうかは本人が決めれると思います。

 それとも、「河底牌が和がり牌の時に見逃して、流局後に聴牌料を貰う」事は出来なかったり、流し満貫は完成させたら、必ず和がらなければならないのでしょうか。


 たしかに流局後に聴牌でもノー聴と言う事はできます。しかし云ったことが認められるかどうかは別問題です。

 点数について、ルールの基本的考えは正しい精算です。たとえば場3千ルールの場合、3人ノー聴なら聴牌者とノー聴者の間に4千点、2人聴牌なら聴牌者とノー聴者の間に3千点の差ができます。この千点の差でトップがひっくり返ることもあります。

 そこでAがトップ目のとき、3人ノー聴宣言によって1人聴牌だったBの逆転トップという状況が生じたとします。そのときAがC/Dに対して手牌公開を要求したという場合、「ノー聴申告は確認なしで精算する」という
“事前の合意”でもない限り、正しい精算を行うためにC/Dは確認に応じなければなりません。もちろん公開/確認された結果、万が一、CかDが勘違いしていて実は聴牌であったとすれば、それに従った正しい点数が精算されることになります。

>仮りに河底牌が和がり牌の時に見逃して、流局後に聴牌料を貰えるのだから、流し満貫が完成していても、和がるかどうかは本人が決められると思います。それとも、「河底牌が和がり牌の時に見逃して、流局後に聴牌料を貰う」事は出来なかったり....

 たしかにアガリ表明するかどうかはプレーヤーの自由意志です。しかし手牌でアガリ宣言する権利は、ゲームが終れば消滅します。他家のアガリ、あるいは流局でゲームが終了してから、「あのとき、○○の打牌でオレはアガっていた」と云いながらテンパイの手を公開しても無効です。したがって「河底牌が和がり牌の時に見逃して、流局後に聴牌料を貰う」ことはできても、アガリ点をもらうことはできません。

 そして流し満貫も、流局が確定してから発生する権利です。その時点で流し満貫の状態が全員に確認できます。したがってその時点で、誰かが流し満貫成立をアッピールしたならば、正しい点数を精算しなければならないと言うことになります。

流し満貫は完成させたら、必ず和がらなければならないのでしょうか。

 当たり前のことですが、誰も気づかないで次の洗牌が始まってしまったのであれば精算しません。しかし誰か1人でも気づいたら、正しい点数を精算する、というのが点数ゲームの基本です。


 流し満貫を完成させてしまいそうだが、点棒を受け取りたくない場合(幺九牌以外を切ると振り込んでしまいそうで、流し満貫を完成させてしまうと誰かが箱割れで終了してしまう)、 故意に牌を自摸らず打牌し、少牌で和がり放棄するしかないのでしょうか。


 点棒を受け取りたくないのに、どうしてそこまで流し満貫を指向し続けていたのか不明ですが....

いずれにしても土壇場でどうしても点棒を受け取りたくなければ、故意の少牌もウマイ手かもしれません。


 親が流し満貫によって八連荘を成立させた場合はどうなるのでしょうか。


 八連荘を採用していて、かつ流し満貫をアガリ役としているルールであれば、アガリによる八連荘成立ということになると思います。

 八連荘を採用していても流し満貫がアガリ役扱いでなければ、アガリではない以上、八連荘不成立。そして流し満貫の番外精算が行われるだけ、という事になるでしょう。


 流し満貫が「和がり役扱い」の場合と「和がり役扱いでない」場合とでは何がどのように違うのでしょうか。


 アガリ扱いであるかないかで異なってくるのは複数の流し満貫がでた場合ですね。
 番外精算、つまりアガリ扱いでなければ、2人チョンボの精算と逆の方法で、二人がそれぞれ精算します。AとBがノーテン立直をして流局すれば、ABともチョンボでそれぞれ支払いが行われますね。それと逆の事が行うわけです。

 アガリ扱いのとき、複数が成立させれば、ダブルあがりアリのルールであれば全員有効として相互精算となります。ダブルあがりナシのルールであれば、上家優先で処理するのが順当と思います。


<読者の回答>

*アガリ役扱いでない場合 
 ・供託点は、場に残る。
 ・積み棒が和了点に算入されない。
 ・連荘/輪荘にかかわらず、積み棒は1本増しとなる。
 ・ノーテン罰符の授受は特例として消滅するが、連荘/輪荘はテンパイの有無と場(東/南)によって決する。

*アガリ役扱いの場合
 ・供託点は、和了者取り。
 ・積み棒が和了点に算入される。
 ・親が和了者(のうちの1人)であれば連荘、それ以外の場合は輪荘。積み棒は0本に戻る。
 ・複数名が同時に成立させた場合、河底牌を捨てた者から巡に頭ハネ(ここは”決め”次第なのですが)。河底牌が捨てられると、その者から見て下家→対家→上家の巡に栄和する権利が移行し、上家が栄和できなかった時点でその牌が”河の底”に達するわけですから(自家の海底和了権→下家の栄和権→・・・→上家の栄和権→自家の流し満貫和了権→・・・→上家の流し満貫和了権)。


 「ダブロン・トリプルロンなしで頭ハネ」のルールの場合、誰からみて頭ハネ(上家優先)になって、どちらが流し満貫点を取得できるのでしょうか。


二人アガリナシであれば、風位巡が先の方を上家(南家と西家なら南家)とするのが順当と思います。


 先日内輪でやった麻雀大会で出ました。私の立直(11巡目)に対し、下家が流し満貫を継続しつづけ、自摸力の無い私が摸和できずに、最終的に下家に流し満貫を成立されてしまいました。

 対面(対面、つまり流し満貫に鳴きを入れやすい人)は、私の立直に警戒するあまり、最後まで流し満貫に気付いていなかったのが悔しかったです。こういうときは「流し満貫やべぇ、鳴け鳴け」とか言っていいものなんでしょうか。


 誰かが黙テンしているらしいと思ったとき、「おい、**は黙テンらしいから気をつけろよ」と言うようなものですね。

 友達同士であっても、トラブルになりかねませんので、そういう発言は控えるべきと思います。


 この間、どこかで「当人は鳴いちゃダメ」という記事を見ました。仲間内では、「流し満貫を継続している人の捨て牌に他家から鳴きが入ると流し満貫は成立しない」という決めになっていますが、流し満貫続行中の本人は鳴いてもよいかどうかについては議論されたことはありませんでした。

 ただし暗黙のうちに、「流し満貫続行中の本人は鳴いてもよい(つまり鳴いた次の打牌がヤオ中牌なら流し満貫継続)」というような考え方が浸透しています。どちらが正しいのでしょうか。


 一般的には「鳴かれなかったらOK(満貫・倍満・役満貫)、1枚でも鳴かれたら無効。本人が鳴いているとか聴牌しているかは関係ない」というルールがメジャーだと思います。


      流し満貫は中国製なのでしょうか?。


 完璧な日本製です。
 中国麻雀に振り聴はありませんので、捨て牌を整理して並べるという発想もありません。
*一部には、捨て牌を並べる麻雀も行われていますけれど。


 先日友人と麻雀を打っていて分からなかったのですが、流し満貫をあがったときになんと発声したらいいのでしょうか?

 そのときは、私がオーラスの北家で、みんなが「ノーテン」「聴牌」と言った後にとりあえず「ツモ、流し満貫」と言いました。ツモったのとも少し違うし、ロン和がりとも違うし・・・


 正式な言い方と云っても別にないので、単に「流し満貫です」で良いと思います。