流局 02・九種九牌


 麻雀には、色々な流局がありますけど、それぞれどんな由来で流局になったのでしょうか?初心者に教えるときなど、ちゃんとした理由がないと説明しにくいものです。

 それぞれの由来みたいなものがあれば教えて下さい。ちなみに私が他人に説明するときにつける理由は、

九種九牌:そんな悪い配牌じゃかわいそうだから。
四風子連打:国士ができないんじゃ、その局はおもしろくないから。
四カン流れ:これは、リンシャン牌がなくなるから。
4人リーチ:4人ともツモ切りで勝負が決まるのもおもしろくないから。
三家和:そら、振った人がかわいそすぎるでしょ。

てな感じです。

 九種九牌は正式には九種幺九倒牌(チョーチューヤオチョータオパイ)といい、「配牌で一九字牌が9種以上あるとき、流局を宣言出来る」という中国伝来の途中流局ルールです。もちろん九種九牌を宣言する、しないは自由です。

 とはいえ本来は一九字牌でも対子や刻子になっているものは九種九牌の計算対象ではありませんでした。 それはもともと九種九牌は悪手を救済する為のルールで、役牌、あるいは点数の高い一九字牌が対子や刻子になっている場合は悪手と考えられていなかったからです。 たとえば次のような配牌は、一般論として「悪い配牌」とは言いませんよね。

東東南南西西北北白白發中一萬九萬

 したがってあくまで単独の一九字牌が9種あるものだけ九種九牌とされ、宣言時期も配牌終了直後に限られていました。それは第一ツモ後の流局宣言を認めると「第一ツモで十種十牌になれば役満狙い。ダメであればゆっくり流そう」という選択ができる事になるからです。

 しかしこれでは「悪手の救済」という事とは逆方向の話となります。そこで宣言時期は配牌終了直後に限られていたわけです。

 さて現在の麻雀は19世紀中葉に誕生したといわれます。誕生当初は単牌式という方法で壁牌が組まれていました。しかし並べやすさからすぐ複牌式(現在、一般的に行われている方法)が主流となり、それにつれて親が跳板(チャオパン=俗に言うチョンチョン)より、配牌で14枚取得する様になりました(単牌式の時代は親も13枚の配牌)。

 すると自動的に親だけ第一ツモを加えた14枚で宣言することになります。となれば親は本来は八種八牌であったのに、第一ツモのお陰で九種九牌になったかも知れず、逆に九種九牌であったのに第一ツモが幺九牌であったせいで八種十牌となり、宣言不可となったかもしれません。

 さらに親が配牌を14枚取得するようになったため、配牌終了時点で天和が可能となりました。そこで「天和と九種九牌の宣言が同時発生した場合、どちらが優先するか」などという問題も出てきました。

※「13枚で宣言するのだから流れ優先」とか、「麻雀はアガリ優先だから天和成立」とか互いに言い分はありますが、基本的にはアガリ(天和)優先とされていることが多いようです。

 それでも日本伝来当時は、親のみ14枚での宣言OKという事で行われていましたが、いつのまにか(時期不明ですが、たぶん戦後と思われます)子供も第1ツモ後の宣言を認めるようになりました。

 それでも初期のうちは対子や刻子は計算にいれていませんでしたが、これも自然に計算の対象とする様になり現在に至っています。そして現在、九種九牌を認めるルールの場合、第1ツモ終了時点でしか宣言できないというルールと、配牌13枚時点での宣言も認めるという2種類のルールが流通しています。

別名・九種倒牌(キュウシュトウパイ)
英名・NINE MUMMIES(九体のミイラ)

※四風子連打、四カン流れ、4人リーチ、三家和については、それぞれのQ&Aコーナーで回答します。


 先日、「親は九種十牌、子は九種九牌第1ツモ終了時で九種十牌なら流せるよ」と言われました。この場合は九種十牌ルールなのでしょうか?

 その卓での決め事には違いないのですが、一般的には九種九牌と言いますよね? ツモる前に他家に鳴かれたら、九種九牌でも流せませんよね?(九種十牌なら国士無双もチャンスあり?)

>この場合は九種十牌ルールなのでしょうか?

 そういう事になりますね。
 別にそれでも構いませんが、全体的には九種九牌でOKという方が多いと思います(元々、そうだったわけですし)。

ツモる前に他家に鳴かれたら、九種九牌でも流せませんよね?
  

     その通りです。


 質問なのですが、下記の場合は現在九種九牌とされてますよね。

白白發發中中東東南一萬九萬一索九索

 でも先日仲間と意見が分かれました。それは字牌は7種でいいのですが、問題はピンズ・ソウズ・マンズの1・9牌はどう区別すべきか?、ということです。

 たとえば次のような親の配牌の場合、どう見るのか?ということです。

  一萬九萬九萬一索九索一筒一筒東南白五索四筒八筒五萬
   
(1)万筒索の三種と東南白の三種で六種十牌
(2)ヤオ九牌五種と字牌三種で八種十牌
(3)上記のままで十種十牌
(4)(なれ合いで疲れも手伝って、皆確認も無しで)残り4牌(中張牌)だけ見て流してしまう。

と意見が分かれたのですがどれが正解でしょうか?

 僕は個人的に各1・9は数字の違いだけで同種であると思う。従って答えは(2)だと思います。本当の見方はどうなのでしょうか?

 現在の九種九牌は、同じものが2枚(この場合なら九萬とか一筒)であっても1種類として計算します。すると質問のケースの場合、一九牌は 一萬九萬一索九索一筒の5種と言うことになります。そして字牌は東南白の3種です。

つまり幺九牌は十牌ありますが九種類はありません。そこで正解は

(2)ヤオ九牌五種と字牌三種で八種十牌

となり、九種九牌になりません。

      9種9牌で親は流れますか。


 九種九牌アリのルールの場合、「親でも子でも、9種九牌は連荘」というルールと、「親の九種九牌は連荘、子供の九種九牌は親流れ」というルールがあります。そして現在メジャーなのは、前者の「親でも子でも、九種九牌は連荘」というルールと思います。

 しかし最近のフリー雀荘では、半荘の回転をはやくするためか、「親でも子でも、親は流れる」としているところが多くなってきたそうです。 また麻雀大会では、「九種九牌ナシ」というルールが多いようです。

 ダブルリーチがかかった1順めに九種九牌があり、その場は、「九種九牌でダブルリーチは流せない」と友人がいい結局続行となりました。

 本当の所はどちらを優先させるのでしょうか?
 普段は九種九牌で流局するルールでやっています。

  ダブルリーチ優先、つまり「ダブルリーチがあれば、九種九牌では流せない」というルールを聞いたことはあります(というか、ある本のQ&Aでそういう回答を見かけた)。しかしそれはマイナーな解釈と思います。

 九種九牌に限らず、途中流局ルールというものは、成立しているゲームを途中で流局させるというルールです。そこでやはり九種九牌優先、すなわちダブルリーチがあっても、九種九牌で流局となるというのが順当な解釈と思います。

 これは四風連打があったときも同様です。たとえば東家が南を捨ててダブルリーチを宣言したとします。その後、子供全員の捨て牌が南であれば、ダブルリーチに関係なく流局となるわけです。

 九種倒牌の第一ツモ宣言というルールの場合、第一ツモの前にナキが入った場合はどうなるんでしょうか? やっぱりそこで権利なくなるのかな?

     その通りです。


 九種九牌ですが、配牌時と、第一ツモ時の両方の時点で宣言可、っていうルールもあるようですが。

 たしかに、そういうルールもありますね。
 しかしこのルールでは、やはり「天和と九種九牌の同時宣言があった場合、どちらが優先するか」というルール的な問題が生じますね。