Mahjan talk 雀話

    (51)無冠の帝王


 有名だからみんな知っていると思うけれど、むかし麻雀新撰組というグループがあった。発足当時は阿佐田哲也氏が隊長で、隊員は小島武夫古川凱章の二人だった。

 小島さんと古川さんは新撰組の隊員として売り出したが、あとから灘麻太郎が世に出た。灘麻太郎を売り出すために雑誌社がつけたキャッチフレーズが「カミソリ灘」。これが受けたので、急いで古川さんにつけたキャッチフレーズが「巨象古川」。そして小島さんにつけたキャッチフレーズが「無冠の帝王

 この無冠の帝王というキャッチフレーズにはわけがある。当時もいろいろなタイトル戦があった。それらのタイトル戦で、古川さんや灘さんが先にタイトルホルダーになっていた。小島さんも常連で出場していたけど残念ながらタイトルに縁がなかった。そこで雑誌社が無冠の帝王というキャッチフレーズをつけたわけ。

 事情はどうあれ、かっくいい。そこである正月、σ(-_-)の麻雀の師匠と雑談しているとき、「先生、小島さんのキャッチフレーズ、無冠の帝王ってかっこいいですね」と話した。

 すると先生、
バカ云っっちゃいかんよ、浅見君
はぁ・・・
無冠の帝王というのはね、そういうタイトル戦に出場したことは無いけれど、出場すればまず優勝、というような人間に使う言葉だ。ばんたび出場してぜんぶ敗退していて、どこが無冠の帝王か
「・・・・」

 帰宅してから(そりゃあ先生だから言えるよなぁ)と思った。

#先生の生涯タイトル数は、大小併せておそらく100を越す(多すぎて勘定する気にもならないくらい)。

PS:その後、小島さんもタイトルホルダーになって、無冠の帝王というキャッチフレーズも返上となった。

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