Mahjan talk 雀話

    (122)社会通念


 さわやかカップという麻雀大会が、警察から法律違反との指摘を受けて中止となった。なんでも参加費の中から賞金を捻出する点が法律違反という。これを聞いて、昔話を思い出した。

 30年くらい前(昭和50年頃)、σ(-_-)が参加していた麻雀サークルでは、毎年、麻雀大会を開いていた。参加者は平均400人、多いときは600人を超えていたので、かなり大規模な大会。その大会の優勝商品がカラーTV

この時代、もうカラーTVは広く普及していた。しかしまだ一家に1台レベル。値段もそれなりで、ほいほいと購入できる金額ではなかった。そこで、この優勝賞品は大人気。ところが数年経ったとき、とつぜんカラーTVが賞品から消えた。

 エライ人の話では、警察から「賞品としては高額すぎる」と注意があったという。しかしもう賞品として出るようになってから数年。それにカラーTV高額というイメージも薄くなっていたので、ちと不思議だった。

 もちろんこの賞品、購入費は参加費から捻出していた。そこで賞品が高額というのもさることながら、目立つ賞品の購入金が参加費の一部だったというのが原因だったんだろう。参加費から賞金を捻出すること自体が違反なのだから、金額の大小は問題ではない。10円でも違反は違反には違いない。

 しかし今回のさわやかカップ、警察も「なにがなんでも違法と指摘するつもりはない。これからも社会通念に照らして判断してゆく」とコメントしていた。この「社会通念に照らして」という部分が、金額に対する警察の裁量ということになる。しかし警察の云う社会通念には、優勝金の捻出方法以外の部分があるような気がする。

 よく囲碁・将棋・麻雀と称される。しかし世の中では、囲碁・将棋はゲームでも、麻雀は小バクチ=ジャンブルという認識。雀荘にしても、バーキャバレーと同じ、風営法のもとで許可されて営業している存在。すなわち賞品の購入金が参加費の一部であることがもっとも大きな理由ではあるけれど、麻雀=ジャンブルという社会通念も判断の一つになっていると思う。

 そういう社会通念の是正をめざすのであれば、麻雀プロこそ風営法や賭けからの脱皮を図る運動をするなど率先垂範するべき立場。しかし現状、麻雀プロの多くは日常的にジャンブルに手を染めている。それどころか中には大バクチ麻雀に参加したことがある、あるいは参加していることをステータスかのごとく吹聴する人も....これでは社会通念の是正はほど遠い。

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