先週のある日、名古屋にいる大学時代の友人、花村(仮名)から携帯に電話が入った。(お、珍しいな、なんだろう?)と思いながら電話に出た。すると「富山の羽柴(仮名)が、また名古屋へ来る。金曜日の夜、名古屋で飲まないか」という話。詳しく聞いてみると、ほかにも数人集まるという。ひさしぶりなので二つ返事でOKした。
約束の夜、名古屋へ出掛け、楽しく飲んだ。なんのことはない。2年前の同窓会麻雀の時と同じメンツだ。席中、花村が「明日、2,3人で篠島(しのじま)へ泊まりがけで行くことになっている。お前来ないか」という。篠島は三河湾に浮かぶ小島、海鮮料理が大変おいしい。
しかしσ(-_-)は用事があったので、「残念だけど....」と断った。
「そうか、しかしいま3人だから、お前が来ないとテツマンできんな」
「ま、それは仕方ないだろう」
実はこちとら、ハナから麻雀をする気はない....いや、彼らが麻雀がヘタだからというわけじゃない。学生時代の麻雀仲間だから、打ちたい気持ちがないわけではない。しかし宴会が終わった後なんて、みんな酔っぱらっているに決まっている。そうなれば、急所に来ると、「ちょい、待ち」、「タンマ」「待った」なんでもあり。そんな眠たいような麻雀を打ちたくないだけ....(-_-;
でその話は一段落。それからいろいろ話をしているうちに、花村の死んだオヤジの話になった。花村のオヤジは粋な人だった。学校を卒業してしばらく経ってから、花村の家に遊びに行った。
繁華街へ飲みにつれていってくれたその帰り、停めたタクシーにわれわれ若いモンだけ乗せ、「中村(名古屋のソープランドが集まっているところ)へつれていってやってくれ」とのたもうた人。それだけでも変わった人だが、なんせ、その中に結婚前の息子も入っているんだから。
#あ、σ(-_-)だけ途中下車したからね....って、誰か信じるか?....
「いやぁ、お前のオヤジは粋な人だったなぁ」
「うん、オレもそう思う」
てなことを話しているうちに、こんなことを言い出した。
「オレが大学に入ったとき、オヤジが“3つのことをやり遂げてこい”と言った」
「ほうほう、それはなんだ」
「友達をたくさんつくること、麻雀をマスターすること、中国語をマスターしてくることの3つだ」
「ほうほう、なるほろ」
「残念ながら中国語はマスターできなかった。しかし友達はたくさん作ったし、麻雀はマスターしたから、二つは達成した」
知ってる人は知ってるが、σ(-_-)は人生をヨイショ一本で渡ってきた。(笑) そこでこんなときは、おとなしくても「たしかに....」、その気になれば「いやあ、ホントにお前は学生時代から麻雀が強かったなぁ」くらいなことは平気で言う。ところがそのときは酒を飲んでいた。おまけに相手は40年来のポン友。
そこでつい、「友達はともかく、麻雀をマスターしたというのは言い過ぎだろう」とやってしまった。(_ _;
(しまった!)と思ったが、もう遅い。「なにをコノヤロー。表に出ろ」というのはウソだけど、「オレのプライドをキズつけた」とオシボリが飛んできた。(笑) こちとらも失言だと思っているので、「いや、冗談だよ。オレが悪かった。そう怒るな」と平身低頭。
「冗談にも程がある」と大分怒っていたけど、ようやく怒りは収まった。
「よし、わかった。勘弁してやる。その代わり、明日はつきあえ」
「?」
「篠島だよ」
「いや、だから明日は用事があるって....」
「いや、何時になっても来い。徹夜で麻雀勝負だ」
「ひいぃ....」
身から出たサビで、行くことにした。その代わり、宴会が始まる時間を1時間遅くしてもらった(σ(-_-)が着いたとき、宴会が終わっていたんではアホらしいから)。
で、この結末がどうなるか、みんなの気になるところ。なぁに、こういうことの結末はあっけないのが通り相場。
翌日、約束通り、一人さびしく篠島に着いた。着いた民宿では、宴会の真っ最中。「ようきたな、われ」というので、一緒になって飲んだ。そしたら花村、「ようし、今晩は浅見をケッチョンケッチョンにやっつけてやる」と言いながら、酒をぐいぐい。「なーに、返り討ちだ」と言いながらこっちも飲んでいた。
宴会もぼちぼち終わりという頃、ちと疲れていたのでゴロリと横になった。そしたら、「お、麻雀にそなえて身体を休めているのか」と言いながら、花村も近くに横になった。それから約10分ほど経った頃、ふとみると花村はそのままぐっすり寝てしまっている。
「おい、花村」と声を掛けてもまったく反応無し。これ幸いと寝支度にかかり、温泉に入ってサッサと寝てしまった。羽柴1人だけ、最後まで「麻雀やらんのか、麻雀....」と騒いでいたな。(笑)
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