麻雀小説とか麻雀コミックとなると、主人公はたいていイカサマの達人。まぁホントに弱ったもんだ。
それはともかく、このイカサマも個人技とコンビ技の2種類に大別できる。個人技では、むかしから元禄だとか爆弾なんてのが有名。爆弾も2カ所、3カ所となるといくらなんでも難しいが、1カ所だけで済むドラ爆は簡単だし効果も大きい。
大学3年の時、アイウエオでゲームしてるとき、親番となった。壁牌を積み終わってサイコロを振ったら5が出た。そこで「よしっ、ドラ爆成功!」と軽口を言った。そいで配牌を始めたら、ダブが暗刻....(あらぁ・・・)と思いながらドラ指示牌をめくると、なんと。(゚0゚) もう真っ青になった。
手そのものも3上聴くらいだったが、とてもじゃないがアガれたもんじゃない。心の中で(バカバカバカ)と百回くらい云いながら、ひたすら降りた....(号泣涕泣すすり泣き)。
しかし現実にはこんなに効果があっても、麻雀コミックとなると、こんな程度の積み込みではインパクトゼロ。やはり数カ所に仕込んだ爆弾の方が、話としてはインパクトがある。
この手でもっとも有名なのは麻雀放浪記、出目徳の大四喜爆弾。はじめて読んだときは、(やはり達人となると、ここまでやれるのか)と心から感心した。(-_-;
しかし今となっては、この程度の積み込みは陳腐となった。そこで奇想天外な積み込みが登場する。その中で印象に残っているのは、バードに登場する蛇。指先を切り落として磁石を埋め込むなんて、コミックの世界でしかあり得ない大技。
で、もう1種類のコンビ技。ようするに二人が組んで、いろいろな形でサインを出し合って打ち回すやつ。互いにサインを出し合うので、俗に通し(とお)し=TO ̄SI(^-^)とかローズと云う。
通しという表現はそのものズバリだから分かるが、ローズの方はどうしてそう言うのか寡聞にして知らない。このローズ、大別するとチクローズと指ローズに分かれる。
いうまでもなくチクローズの方は、密告する=ちくるから来た表現。これももっとも有名なのは、麻雀放浪記の出目徳の2の2の天和。毎回言葉でサインを交わすチクローズとはちと異なるが、「明日は雨かなぁ」は一世を風靡した名セリフ。
もう一つの指ローズは、仲間同士が指でサインを交わし合うもの。軽く卓上においた右手の指の形で、仲間にテンパイを知らせたりする。
むかしあるところで(って、なんか聖人君子のイメージが崩れっぱなし....(_ _; あ、あ、あのころは、誰でもそんな芸当の一つや二つできるのが常識だったんだってば....)、「これは万子、これは筒子、これは....」と決めておいて麻雀をした。
ところがある局で、との双ポン待ちとなった。数牌と字牌の双ポンまでは決めてなかったので、ハタと困った...仕方ないからリーチしてから、とだけ通した。
ところがそのうち、上家がを切って追っかけリーチと来た。アガリじゃないから知らん顔していたが、対面の相棒が変な顔してこっちを見る。(おひ、そんな顔するなよ。バレちゃうじゃないか...)
そしたら、やがて追っかけリーチの上家がツモアガった。そこでσ(-_-)も「いやぁ、こんな待ちではやっぱりアガれなかったな」と云いながら、手を開けた。そしたら相棒が納得した顔でこっちを見た....(くどいようだけど、みい〜んな、生意気盛りの学生時代の話だかんね)。
で、ようやくこれからが本題。
そんなローズも、σ(-_-)のやったような指ローズでは麻雀コミックとしてはインパクトがない。そこでやはり奇想天外というか傑作な手口が登場する。そんな傑作手口が次から次へと出てくるのが、さいふうめい・原作、星野泰視・画の「哲也(講談社)」。
携帯電話を使ったり、雀荘の中をインコが飛び廻ったり、変わった手がいろいろ登場している。そんなかでも最大傑作と思うのが七色ローズ。
七色ローズというのは、指ローズの1種というか、もう腕ローズ。自分の欲しい牌を手話のように手を動かして相棒に伝える。
この七色ローズ、「が欲しい」というとき、そのサインにプラスして不必要な動きを混ぜる。いうなら野球のブロックサイン。そのため余分にたくさん手を動かすので、「バババッ」ということになる。哲也の相棒であるダンチが「駄目だ、分からねぇ」と悲鳴をあげるが、手話じたい、普通の人間には分からねぇと思うぞ。(^-^;
でどうしてこの七色ローズが最大傑作と思うかと云うと、そもそもローズは、通しをやっていることが相手に分からないようにやるモノ。そこでこっそり携帯電話を使ったり、インコを利用したりする。
なのにローズしていること自体がバレバレの七色ローズでは、たとえ内容が相手に分からなくても意味がない。その意味がないローズを七色ローズと称してやっているのだから、これは間違いなくローズの最大傑作。(^-^)
そんな意味のないことに対して「駄目だ、分からねぇ」なんて言ってるダンチには、「駄目だ、おめぇは分かってねぇ」と小1時間は問い詰めたい。(笑)
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