ローカル役20・十三不搭


 以前サークル仲間と麻雀を打っていた時、四暗刻の単騎待ちにズバッと打ち込んで気持ちも点数も撃沈した直後に(ドボンなし(T_T))十三不塔を和がられ大変な事になったことがあったのですが、十三不塔ってどういった和がりなんですか?

 和がった奴の言うには、第一ツモ時(親なら配牌時)に手牌に対子が一つあって、あとはバラバラ。塔子が無い(鳴きが入らなかった場合)、という物らしいですが。

 しかしこの十三不塔って普及してるんですか?
 私が思うにあまり普及していないと思うんですが・・・ まぁ、このへんはあれなので、みなさんのルールでは認めているかどうかを教えていただければ。

 あと、ついでに八連荘の普及度についても教えてください。

 現在メジャーなのは、たしかに質問にある通りの解釈と思います。

 「配牌時の宣言でもいい」というルールもあるようですが、この場合は天和と子の十三不搭が重なった場合、どっちが優先するのかなんていう理屈上のトラブルが考えられることになります。

 普及度ですが、八連荘にしても十三不塔にしても非常に低いと思います。

 ところで十三不搭は「搭子(ターツ)」の略ですが、このは「土」偏の「」ではなく、「手」偏(才)のです。

 は「付ける」とか「乗せる」の意味。つまり搭子は「牌がくっつくメンツ」という意味です。
 のほうは、いまは高い建物の意味ですが、建物に限らず高いモノの意味があります。そこでお寺などで、お墓に立てかける戒名を書いた長細い板も(そとうば)と書かれます。

の語源は、サンスクリット語のストゥ−パ。仏教が中国に伝来したとき、意味も含めて音写したもの。


「十三不搭」は何故、役満でなくなったのでしょうか。

 役満でなくなったというより、中国古典麻雀でも必ず採用されていたわけではないようです。またたとえ採用されている場合でも、ルールによっては九種九牌と同様、配牌やり直しを要求できるだけの扱いしかされなかったとも云われます。

 大正末期から昭和初期にかけて、麻雀が本格的に日本に伝来したころ、十三不搭も他の役とともに伝来しました。しかし恰好が悪い役であるうえに手作りの役ではありません。そこで「十三不搭というものがある」ということが口づて、あるいは書物で知られただけで、当時の麻雀団体のルールにはどこにも採用されませんでした。

 この状況は現在も同じで、どこの麻雀団体でも採用されていません。それでも或る程度の頻度で発生するのであれば、一般麻雀でも役満」とか満貫で採用されたりしたかも知れません。しかし頻度が低いためか、非常にマイナーな存在となっています。


 国士無双を、天和であがると十三不搭のかたちにもなっています。となれば天和+十三不搭+国士無双で3倍役満になるのですか?

 役満貫の重複を認めるルールで、かつ十三不搭を役満貫として採用しているとの前提で考えるわけですが、そういうルールであっても十三不搭天和 or 地和と重複するは考えにくいです。

 それは十三不搭の現在の一般的解釈では天和・地和状態におけることが前提となっているからです。天和(地和)状態が前提である以上、天和(地和)+十三不搭とはならないわけです。

 次に十三不搭とですが、元々の十三不搭は配牌で十三門張になっているものをいいました。いわば十三不搭は国士無双の出来損ないだったわけです。しかしルールの変遷とともに国士無双は手作りによるアガリが認められるようになり、現在では、「十三不搭は国士無双以外のバラバラ形」というのが一般的な解釈となっています。そこで十三不搭と国士無双が複合する事も無いことになるわけです。

 しかし国士無双が手作りOKとなっている現状では、そしてダブル役満を認めているルールであれば、天和+国士無双=2倍役満ということはあり得ることになりますね。


リーチ一発 投稿日:2004/09/10(Fri)

 ちょっと前の書き込みのレスですが、配牌国士を私の店でも見たことがあります。学生のセットでしたが、西 待ちで当然のようにダブリーして和りました。

 ところで福地泡介氏のエッセイで、配牌国士テンパイが発生したとき、同卓していた黒鉄ヒロシ氏が「それは十三不搭ですでに上っているので、振聴ではないのか」と疑問をていした、というモノがありました。たしかに配牌国士が十三面待ちではなく、第一打が4〜6の数牌だとしたら十三不搭になっています。

 そのセットでは十三不搭を採用していたので、そのことを言うと「そうだよ、そうかもしれない。早く言ってくださいよ(笑)」と感心されました。

 ところで十三不搭を採用していたら、本当に振聴になるんでしょうか。そもそも十三不塔は和り役なのか?

あさみ 投稿日:2004/09/10(Fri)

 なるほど。
 たしかにダブリー国士なら、一門張でも充分「役満」の価値はありますね。

>そもそも十三不搭は和り役なのか?

 手牌構成が対象なわけですから、採用するのであればアガリ役とするのが順当と思います。

>ところで十三不搭を採用していたら、本当に振聴になるんでしょうか。

 天和・地和と同じで、十三不搭も現在の一般的な解釈にしたがえば純正な第1ツモが済んだ時点で宣言する必要があります。そこで配牌がどうであろうと、第1打をした段階で天和・地和・十三不搭いっさいの権利が消滅します。となればその後 何を目指すにしても、中張牌が国士無双の振り聴対象になることはあり得ないと思います。

リーチ一発 投稿日:2004/09/12(Sun)

 なるほど、第一打をした瞬間に十三不搭ではない状態になるので振聴ということではなくなるのですね。

 黒鉄ヒロシ氏は十三不搭の振聴(第一打を切る前は和りなので、和り牌を切った状態=振聴)と考えたんでしょうね。

あさみ 投稿日:2004/09/12(Sun)

>黒鉄ヒロシ氏は十三不搭の振聴(第一打を切る前は和りなので、和り牌を切った状態=振聴)と考えたんでしょうね。

 たぶんそうでしょう。
 第一打した瞬間に十三不搭は消滅するわけですから。存在しない役に対して振り聴ということはあり得ないので、「十三不搭に振り聴は存在しない」ということになりますね。

熱血の志封 投稿日:2007/06/23(Sat)

1.十三不搭(塔)の第一の純正ツモ和了
 世界ルールでは自分の手で作成することが出来ます.なぜ日麻ルールでは不可?

あさみ 投稿日:2007/06/23(Sat)
こんにちわ、志封さん
十三不搭は、日本に麻雀が伝来した当初から知られました。しかし役の構成が日本人の好みではなかったので、正式の役として採用されませんでした。そこで日麻では、現在でも正式な役として認められていないのです。