ローカル役 16・偶然役満


 一筒楼月、二索槍槓、五筒開花というのはどのような役満なのでしょうか。
 まさか一筒をハイテイツモしたり、二索をチャンカンロンしたり、五筒 をリンシャンカイホーしたりするだけで役満になるのでしょうか。

 あと、なぜ一筒 二索 五筒 が選ばれたのでしょうか。

 その「まさか」です(-_-;

 一筒楼月は正しくは一筒撈月(イートンラオユエ)と書きます(撈月とは「月を撈(と)る」という意味)。 もちろん一筒 が月に似ているからですが、これは中国の大詩人・李白が洞庭湖(どうていこ=琵琶湖の数十倍もある大きな湖)で船遊びをしたとき、冗談で湖面に写った月をすくい取ろうとして船から落ちてしまったという伝承を踏まえています。

 二索槍槓は正しくは二索搶槓(リャンソーチャンカン)と書きます(搶槓は「槓を搶(取)る」という意)(やり)が似ていることと、二索 の模様がに似ているのでこの役ができました。

 最後に五筒開花(ウートンカイホワ)ですが、日本で花といえば桜。しかし中国でそれに相当するのは梅です。

※実は中国では牡丹も寵愛されています。そこで国花を決めるのに、梅派と牡丹派が対立して双方一歩も譲らない。首相の鶴の一声で決めればよさそうだが、どちらに決めても失脚する?。そこで「どちらかを国花、どちらかを国民の花としたらどうか」という折衷案が出た。梅派・牡丹派とも「それは名案だ」と云ったが、どちらを国花、どちらを国民の花とするかでやっぱり対立しているとか。。。。

 そこで梅はさまざまにデザイン化されて用いられていますが、このデザインと五筒 の模様が非常によく似ているのです。そして嶺上開花は「嶺の上で梅の花が開く」という意味ですから、五筒 で嶺上開花したものを特に役満貫としたのです。