基本 21・ルールの疑問 あれこれ


1年ほど前、韓国麻雀連盟の会長さんからルールにカンしてメールをいただいた。
すぐ返信させていただいたが、upするのを忘れていた(>_<)
*個人的な内容以外は、弊サイトに収録させていただくことは了承済み。


 James Yu 2013.2.1

こんにちは 浅見さん、ご無沙汰しております。
ルールに関して確認したたいことがありまして、メールさせていただきました。

1.二翻縛りと8連荘
・二翻縛りが存在する理由が気になります。個人的には親の過度な連荘を防ぎ、
 8連荘の難易度を高めるためと思っていたのですが、実際どうなのでしょうか。
 もちろん現在の日本では二翻縛りと8連荘が大体 無くなっていることは知って
 いますが、実際どうなんでしょうか。

2.嶺上開花ツモの場合、ツモ符がないこと
・こっちでは嶺上開花ツモの場合、ツモ符なしで計算しています。日本はどうなんでしょうか?
・嶺上開花ツモの場合ツモの符がない理由はなんでしょうか?そして平和役のツモ符がない
 理由も気になります。

3.同点者処理
・同点者処理の際、席順じゃなく同一順位にするルールの場合3人が同一順位になったら、
10−20馬などを適用したら3人が馬を分け取りするのが難しくなりますが、日本ではこんな
場合どう処理するのかが気になります。

韓国麻雀連盟 James Yu


 あさみ 2013.2.3

どもJames さん、久しぶり〜(^^)/
お会いしてから、アッという間に4年ほど経ちました(゚0゚)

>1.二翻縛りと8連荘

 いうまでもなく、二翻縛りとなるのはプレーヤー全員です。つまり子供も同時にアガリにくくなる
のですから、「親の過度の連荘を防ぐ」効果はありません。また いま4回,5回とアガリ続けている
親は、俗に言う “ツキ” があるわけです。そして親も子も二翻縛りという条件は同じである以上、
ツキがある方が有利とも考えられます。

二翻縛りは1950年くらいに採用されだしたのですが、何のために採用されだしたかと云えば、
「最低のアガリを二翻以上と設定することによって低得点のアガリを禁止し、みんなが大きな手
(高い得点になる手)を作りやすくするため」ということです。
すなわち二翻縛りは 大きなアガリを望む射幸心が生み出したルールであって、「過度の連荘を
防ぐ」、あるいは「八連荘の難度を高める」ということとは関係ないのです。

>・現在日本では二翻縛りと8連荘が大体的になくなって行くんだと知っておりますが、
実際どうなんでしょうか。


たしかに、どんどんと無くなっています。
“二翻縛り”は、採用している団体はゼロ。フリー雀荘でもゼロ。しかしセットグループ*では、
わずかに採用されているという状態と思います。
また “八連荘” は採用している団体はゼロ。フリー雀荘でもセットグループでも、まず採用して
いないと思います。
※“セットグループ”とは、知人同士の4人グループのことです。
 麻雀荘では、その4人で決めたルールでゲームします。

>2.嶺上開花ツモの場合、ツモ符がないこと
>・こっちでは嶺上開花ツモの場合、ツモ符がないことにし計算しております。日本はどうなんで
 しょうか?

 日本では一部のセットグループが “ツモ符 ナシ” を採用している程度。あとは麻雀団体でも
 フリー雀荘でも、まず採用していない状況と思います。

>・嶺上開花ツモの場合ツモの符がない理由はなんでしょうか?

 中国古典麻雀では、嶺上開花や海底労月などは一翻役ではなく“2符加算”という存在でした。
これを“符役(ふやく)”といます。その2符加算というルールが、時代とともにインフレ化し、20世
紀に入ると一翻役に昇格しました。符を加算する代わりに一翻となったのですから、
“一翻+嶺上符”、または“一翻+海底符”という事にはなりません。

 また嶺上開花や海底自摸和した時、もともと ツモの2符は加算されなかったので、嶺上開花や
海底自摸和が一翻役に昇格してからも、ツモの2符も加算されませんでした。しかし麻雀が日本
に伝来した後、「嶺上開花や海底自摸和もツモアガリなのだから、ツモの2符を加算するべきだ」
という事になり、認めるルールが採用されるようになりました。現在でも一部グループで嶺上開花
や海底自摸和のツモ符を認めないル−ルを採用していますが、それはほんの一部。あとは麻雀
団体でもフリー雀荘でも、ツモ符を認めている状況と思います。

>・平和役のツモ符がない理由も気になります。

 この問題は点数計算の歴史と深く関わっています。
 かなり複雑なので、簡単に説明することはなかなか難しいのですが、一言で云えば「得点計算
上、その方が合理的」というのが その理由です。

 ツモアガリするとツモの2符が加算されます。となれば同じ手であれば、ロンアガリよりツモアガ
リの得点の方が必ず高くなります。これをルール論上、摸高栄低(もこうろんてい)と呼びます。
こういう状況のなか、1929年から日本で “門前清栄和=加10符 ”というルールが採用され、普及
しました(なぜ そういうルールが採用されたのか、という説明は省略しますm(_ _)m)。
ところが その結果、平和(ピンフ)をツモアガリしたときに限り、ロンアガリの得点より低くなるとい
う逆転現象が生じてしまいました。

 この逆転現象を是正するために自摸八(ツモはち)計算というものが考案されました(なぜ “つ
もはち計算” と呼ぶかという説明も省略m(_ _)m )。この自摸八計算とは「平和をツモアガリした
ときのみ、ツモの2符を計算しない。その代わり平和の一翻を計算するという計算法です。
それ以来、日本では この自摸八計算法が普及したため、現在でも平和をツモアガリしたとき 
ツモ符が加算されないのです。

>3.同点者処理
>・同点者処理の際、席順じゃなく同一順位にするルールの場合、3人が同一順位になったら、
>10−20馬などを適用したら3人が馬を分け取りするのが難しくなりますが、日本ではこんな場合
>どう処理するのかが気になります。

賭け麻雀のルールは非常に杜撰(ずさん)なので、3人が同一順位になるなど、めったに発生しない
状況については事前に処理法が決められていません。そこで実際に このような状況が発生した場合は、
そのグループでもっとも発言力があるプレーヤーが判断することになると思います。