槓12・槓と振り聴


 東東東中中中三萬三萬三萬五萬 (暗カン)裏向き四萬四萬裏向き

 これはフリテンになりますか?。
 また四萬が明カンの場合はフリテンになりますか?。


 フリテンというのは、自分が不要として河(ホー)に捨てた牌が対象です。そして暗はもちろん、明も自分の手牌です。そこで振り聴の対象にならないというのがメジャーな解釈になっています。

 ただ四萬暗槓大明槓ならわかりやすいのですが、小明槓の場合は搶槓でロンされることがあります。そこで「ロンされる可能性があるなら捨て牌と同じではないのか」というところから、こういう疑問が生じたのと思います。

 しかし加槓牌であっても
手牌であって、捨て牌ではありません。それを「搶槓があり得る」という理由で捨て牌と同様に扱うのは行き過ぎと思います。

 それと、副露牌も手牌のうちですが門前牌
(捨てることができる牌)ではありません。そこで副露牌が何であろうと、門前牌のマチとは関係ないのです。


いおさん 日付:2004/04/02(Fri)

 こんにちは、浅見先生。
 最近、加カンのルールについて驚いたことがあるので書き込むことにしました。先生のQ&Aいわく、僕もずっと加カン牌はフリテンの対象にはならないと思っていましたが、101競技連盟ではなるそうです。理由はもちろん、「加カン牌はロンされる可能性があるので、捨て牌と同等とみなす」ということです。

 もし、ご存知でしたら、こんなことわざわざ書き込んで申し訳ないのですが。色々とこれについて考えてみたんですが、どうもしっくりきません。

 あの、すごく初心者的な質問なんですが、大明カン小明カンではつけ牌の仕方が違うのですか?区別できないと、このルールでは困ってしまいますもんね。

 あと、戦略上(得点上)、どうしても符を増やし、それが自分のあがり牌でも加カンしないといけない状況もありそうですが・・・浅見先生はどう思われますか?


あさみ 日付:2004/04/02(Fri)

こんにちわ、いおさん。やっとかめ。

 たしかに101ルールでは、加槓牌は振り聴の対象となっていますね。ローカルではそういうルールを聞いたことはありますが、麻雀団体で採用しているのは珍しいですね。

>戦略上(得点上)、どうしても符を増やし、それが自分のあがり牌でも加カンしないといけない状況もありそうですが・・・

 槓のあるルールでは(って、いまのところ槓が無いのは純麻雀だけですが(^-^;、槓すると符が増えます。暗槓なら一翻アップ以上の価値が生じる場合があります。中国麻将なら、明槓1つでも立派なアガリ役です。

 また副露牌であっても手牌です。槓ドラが増えるというののは別の話にしても、搶槓があり得ると云う理由で、加槓牌を捨て牌と同様に扱うというルールには、σ(-_-)も釈然としません。

 こういうルールでゲームしているとき、一萬三萬三萬三萬という形でテンパイしているところへ四萬を引いたとします。当然一萬を切りたい。しかし自分が五萬 を小明槓していれば、四萬を切らざるを得ません。こういうルールでも五萬 が暗槓牌であれば振り聴の対象となりません。しかし五萬を暗槓していなければアガっていたかもしれないという点で、五萬 を小明槓しているケースと本質的には同じことと思います。まぁ、いずれにしても、「うちはそういうルールなんだ」と云われれば、「へえ、わかりますた」と云うしかありませんが。(^-^;

 「大明槓と小明槓の副露の違い」については、槓のNo.14「明槓の副露法」に収録しました。


なるなる 日付:2004/04/06(Tue)

浅見先生,はじめまして。
いつも楽しく勉強させていただいております。

「槓12・槓と振り聴」を拝読させていただいた時に疑問が生じまして、振り聴の対象について今一度先生のお考えを伺いたいと存じまして書き込ませていただきました。

> それを搶槓があり得ると云う理由で、
> 加槓牌を捨て牌と同様に扱うというルールは、σ(-_-)も釈然としません。

 この部分に関してなのですが、オーラス、北家のトップ目に対して、他の子方2者が次のような手牌になっていたと仮定します。

南家: 中中中一萬一萬四萬五萬三筒四筒五筒四索五索

西家: 四萬五萬三筒四筒五筒三索四索五索八索八索  六萬六萬六萬

 で、両者とも三萬で和了するとトップになれるという点数状況で、六萬では(南家は例え搶槓であっても 、西家は例えツモアガリでも)トップになれないのであがらないつもりだとします。
 ここに東家が三萬を打しました。通常ならば所謂「頭ハネ」で南家のアガリとなります。ところが、その直前に西家は六萬をツモってきていて、「これではトップになれない」と、

 1.そのまま六萬を打していた場合、

 打した西家はもちろん、南家も所謂「同巡内振り聴」で和了することはできません。

 2.六萬を加槓していた場合、

 南家は所謂「同巡内振り聴」で和了することはできません。なぜなら、「同巡内振り聴に関しては搶槓があるという理由で、加槓牌を捨て牌と同様に扱うというルール」が一般的だからです。

 ところが西家は「搶槓があり得るが、加槓牌は捨て牌と同様には扱わないというルール」のために和了することができるというものなのでしょうか。

1.のケースならば打した本人も他者も振り聴

2.のケースならば加槓した本人は振り聴にならず他者は振り聴

 となるくらいなら、「加槓牌を捨て牌と同様に振り聴の対象にする」方が個人的には納得がいくのですが、先生はどのように感じられますでしょうか。

 いずれにしても、「そういうルールなんだ」と云われれば、「はい、わかりました」と言うしかないことがらであるのは承知しているですが。


あさみ    日付:2004/04/08(Thu)

はじめまして、なるなるさん

 .は西家が六萬を捨て牌してしまっているので問題ないとして、問題は.のケースですね。
 たしかに西家が六萬を加槓したとき、搶槓を見送った南家は、その1巡内、ロンアガリできないというルールがノーマルです。であるなら、西家がその1巡内ロンアガリ不可であれば、ツモアガリを見送って加槓した南家も、その加槓牌を捨て牌と同様と考え、その局内、振り聴の対象とした方が納得できるということですね。

 ほんらい捨て牌というのは、基本的にロンだけでなくチーもポンもできる牌を指します。チーもポンもできない加槓牌は、もちろん捨て牌ではありません。その捨て牌でもない牌をロンアガリの対象とするのは、それが珍しいケースだからです。

 そういう特殊なケースでのアガリが認められているからと云って、捨て牌でもない牌を振りテンの対象にするのは行き過ぎに感じます。

 国士無双は暗槓でも搶槓できるというローカルルールがありますね。ローカルですからどんなルールでも構いませんが、仮りにそういうルールのとき、あるプレーヤーがオーラス、下記のような手で一萬をツモったたとします。

 白白一萬一萬一萬二萬三萬二筒三筒四筒  二索三索四索 ツモ一萬

 アガリトップですが、一萬ではアガれません。そこで一萬を暗槓。同巡、下家の四萬でロン。通常なら何も問題はありませんが、国士無双は暗槓でも搶槓できるというルールなら、一萬は搶槓される可能性があった捨て牌と同様である下家の四萬でロンできない、と云う話になるわけです。

 しかし国士無双は暗槓でも搶槓できるというルールでも、一九牌の暗槓牌が振り聴の対象になっていません。これは通常の搶槓にしても同様で、搶槓という特殊なアガリが認められているからと云って、加槓牌を普通の捨て牌と同様にみなし、フリテンの対象とするというのは行き過ぎに思います。

 国士無双は暗槓でも搶槓できるというローカルは極端にしても、なるなるさんが例にした状況で西家の手が下記のようだったとします。

 四萬五萬六萬六萬六萬三筒四筒五筒八索八索  三索四索五索

 西家はここへ六萬をツモってもサンシキ=逆転トップにならないので六萬を暗槓します。暗槓ですからフリテンの対象にならないのですが、西家の手はアガリ形になっていたという点で六萬を加槓したケースと本質的に同じことと思います。そこでσ(-_-)は「搶槓はあり得ても、加槓牌は捨て牌と同じではない=槓が完了した時点で、手牌として確定」という解釈の方が順当と思います。