一般役10・七対子


 七対子で同じ種類の牌4つを、なぜ対子2つと数えてはいけないのでしょうか。


  それは七対子は「7種の異なった対子」というのが基本だからです。たとえば次のような形を、「 のシャンポンでテンパイ」とは云いません。これは同種牌4枚を、2種の対子とは考えないからです。

中中中中一萬二萬三萬四萬五萬六萬七萬八萬九萬

*ローカルルールには同種牌4枚使った七対子を「普通の七対子より難しい」として認めているルールもあります。
詳しくはこちらをご覧ください。


 七対子って、生まれはどこなんでしょうか?
 確か、記憶では「アメリカ役」だったと思うんですが...


 中国起源説アメリカ起源説とあり、ハッキリしません。つまり細々ながら中国麻雀の一部に存在していたものが、上海在住の英米人に麻雀が普及する過程で積極的に採用され、普及していったという説。また一つにはアメリカ本土でポーカーのワンペアー、ツーペアーからの連想で創案されたという説があります。しかし確認されている状況のなかでは、アメリカ起源説の方が有力なようです。

 当時、太平洋航路の客船の中で、欧米人の間で船旅のつれづれに麻雀がよく楽しまれましたという記録があります。そして日本へは上海=米国西海岸の太平洋航路経由で伝来したことはたしかです。そこで伝来した当時は「アメリカ」とも呼ばれていました。つまりその成立にアメリカ人が大きく関与していることは確かなようです。*もちろん当時普及したのは100符無翻方式です。

詳しくはこちらをご覧ください。


 前記の回答に「中国起源説とアメリカ起源説とあり、ハッキリしません」とあります。しかし麻雀の本なんかには結構 自信を持って「チートイツは米国製の手役である」と書いてあったのですが。


 アメリカ生まれならもちろん米国製ということになりますが、たとえ中国の一部に存在していたとしても普及的に採用したのはアメリカ人。そこで どちらにしても全体的な意味で「米国製」ということで問題ありません。しかし起源と云うことになると別問題です。

七対子の出自には、次の3通りが考えられます。
1) アメリカ本土で誕生した。
2)中国(上海租界)で生まれたけれど、考案したのはアメリカ人。
3)元ネタは中国麻雀にあったが、採用・普及させたのは上海租界のアメリカ人。

 このうち(1)(2)であれば無条件に米国製、あるいはアメリカ起源と云っていいことになります。しかし(3)となると、微妙なところです。そしてわずかな資料なのでまだ調査が必要なのですが、中国古典麻雀の一部に、すでに七対子が存在していたことを伺わせる記述がある本があります。

 そこで元ネタは中国麻雀にあったが、採用・普及させたのは上海租界のアメリカ人であれば、米国製と云っても良いかも知れませんが、アメリカ起源とは言えない事になります。いずれにせよもう少し資料が出てこないとはっきりしないので、「中国起源説とアメリカ起源説とあり、ハッキリしません」とコメントしました。


 混老頭七対子に使える牌は13種、混一色七対子に使える牌は16種なのに、混老頭七対子は四翻、混一色七対子は五翻と点数が高くなるのはおかしいと思いますが、何故でしょうか。


 たしかにその通りですね。しかしもこれは仕方がないという部分でもあります。麻雀のルールには、自然成立という部分がたくさんあります。そのためアガリ役の扱いにも、いろいろアンバランスが生じているからです。

 混老頭も混一色も古典麻雀では、門前/副露に関係なく一翻役でした。やがて両方とも両翻に昇格したのですが、やがて混一色だけ門前アガリ三翻に昇格し、ここで混老頭と差ができました。このため七対子においても、混老頭七対子四翻/混一色七対子五翻という事になってしまいました。

 混老頭が混一色と一緒に門前アガリ三翻に昇格しなかったのは、しょっちゅうできる役ではないので無視されたことや、門前で摸和すれば絶対に四暗刻になるので これ以上昇格させる必要性を感じなかったことが原因と思われます。とはいえやはり不公平というので、一部では混老頭を三翻としているルールもあります。


 七対子の点数(飜数)ですが、この手役が採用されだしたときは100符0飜扱いの特殊役であったものが、やがて50符1飜となり、現在では、50符1飜と25符2飜の2つのル−ルが混在状態?かと思います。これらの変遷、及びその経緯について教えてください。


 七対子は上海租界に住む欧米人、それもどちらかいうとアメリカ人がポーカーのワンペアツーペアからの連想で採用した、というのがほぼ定説となっています(元ネタが中国にあったかどうかははっきりしません)。実際、昭和初期、日本に七対子が伝来したとき、当初は「アメリカ」と呼ばれていました。

 しかし1雀頭4面子という形ではないので点数のつけようがなく、分かりやすく100符で採用したと思われます。そして日本へも、この100符無翻で伝来しました。
*役の複合も無し(七対子のみも、字一色・七対子も同じ点数)。

 やがて日本麻雀は二十二麻雀(無翻でもアガリ可)から一翻縛り麻雀となりました。一翻縛りとなると100符無翻では具合が悪いので、50符一翻の扱いとなりました(一翻となっても、符が半減したので合計点は同じ)。

 これで落ち着くはずですが、もう一つ問題がありました。50符一翻ですから、「立直・自摸・七対子・ドラ2」は七翻で跳ね満になりません。しかし100符無翻二十二麻雀時代、得点は400点(子。以下同)となります。ピンフのみは240点、タンヤオ・ピンフの二翻で480点です。そこで当時、七対子は「二翻相当の役」という認識がありました。その認識の流れで、満貫以上の翻数となったときは二翻として計算されたのです。

 その内にあちこちから(どっちか言うと若い人の中から)、「満貫を越したとき、七対子だけ二翻勘定するのはおかしい」という声が上がるようになり、「それなら最初から二翻にする代わりに、もう一度、符を半分にしよう」というので25符二翻が登場し、現在は両者が混在しています。

 もちろん二翻とされても、ベースが25符ですから「立直・自摸・七対子」は六翻でも6400となり、満貫になりません。ピンフ・ツモの時、関東流の自摸八計算でも20符六翻は5200で満貫にならず20符七翻で初めて満貫(8000)になります。そして八翻以上は翻計算だけで符計算しません。そこで20符八翻は跳ね満になります。それと同じ感覚です。

 そして現在、「オール切り上げ式なのに、ベース25符はおかしいとして、一部には「30符二翻」という計算法も用いられているようです。


 質問なのですが、七対子と一盃口、七対子と二盃口は複合するのでしょうか?

 人に聞くと、「両方とも複合しない」とか、「一盃口だけ複合する」などバラバラな答えが返ってきました。

 一般高(一盃口)や両般高(二盃口)は順子として数えます。たとえば
 二筒二筒三筒三筒四筒四筒七索七索八索八索九索九索中中
とある場合、二筒二筒 三筒三筒 四筒四筒 七索七索 八索八索 九索九索 中中 ではなく、二筒三筒四筒 二筒三筒四筒 七索八索九索 七索八索九索 中中となります。

 つまり、見かけは同じでも、二筒二筒 三筒三筒 四筒四筒 と考えるのが七対子、二筒三筒四筒 二筒三筒四筒 と考えるのが両般高(二盃口)です。したがって七対子と両般高が複合することはありません。

 そして完成したとき、どちらを取るかについては得点が高くなる方をとることになっています。※一般的には両般高の方が得点が高くなります。


とつげき九州 投稿日:2005/10/31(Mon)

いつも楽しく拝見させてもらってます。とつげき九州といいます。
いくつか麻雀のことで質問してもよいでしょうか?

1.私たちのグループでは4枚使いの七対子あり(カンコ1個につき1役アップ、チートイチートイと言ってます)でやってます。4枚使いといっても、2つのトイツと判断していいものでしょうか?たとえば中が4枚の七対子では、中チートイ×2としてもよいのでしょうか?

2.東東東東南南南南西西西西北北
  これは小四喜字一色としてもよいのでしょうか?
  清老頭(一筒一筒一筒一筒一萬一萬一萬一萬九索九索九索九索九萬九萬)や字一色は全体役だから認められそうな気がするのですが、四喜和は部分役に分類されるので疑問です。また、三元牌をすべて四枚使ったチートイも気になるところです。

以上です。よろしくお願いします。


あさみ 投稿日:2005/10/31(Mon)

こんにちわ、とつげき九州 さん(^-^)/

1.4枚使いのチートイツ

 どんな特殊な取り決めでも、そのグループでOKとなっていればOKですよね。4枚使いの七対子にしても同様で、とつげき九州さんのグループでOKとなっているならOKですし、それが「1役アップ」であってもなんの問題もありません。

2.4枚使いの小四喜字一色

 これも取り決めだけの問題と思います。しかし手牌すべてが風牌という形は、いうまでもなく普通の小四喜字一色より難しいわけです。そこで4枚使いのチートイOKであれば、質問の形も小四喜+字一色としても構わないと思います。


みよ 投稿日:2010/11/16(Tue)

また新たな疑問が1つ湧いてきました。それは、「七対子」という役についてです。
「七対子=七つの雀頭」という説明を時々耳にしますが、これは、果たして正しい言い方なのでしょうか???

「雀頭」=「順子や刻子とは別の2枚の組み合わせ」「面子とは別の、独立した2枚の組み合わせ」…ということは、「雀頭」というのは「面子」とは全く別のものだということですよね。

だから、七対子は「七つの雀頭」ではなく、「七つの対子(=面子)」であり、「七対子の中には雀頭は無い」と理解しているのですが、どうでしょうか???
「対子」というのは「面子」なのだから、あくまで「雀頭」は異なるものだと思いますが。

あさみ 投稿日:2010/11/15(Mon)

こんにちわ、みよ さん。(^-^)/

七対子に関しては、まったくみよさんのコメント通りですね。
やはり七対子のトイツは、雀頭ではなく メンツと考えた方が順当と思います。

とはいえ七対子以外に手牌に複数のトイツが存在する組み合わせはありません。
そこでん麻雀スクールなどで「七対子=七つの雀頭」と説明しても、あとで支障がでることはないと思いますが。(^-^;

みよ 投稿日:2010/11/18(Thu)

こんばんは。
あさみ先生、先日来、つたない質問に丁寧にお答えくださって、本当にありがとうございました。
本屋さんで麻雀に関する本をいくらか見てみましたが、麻雀の技術的な解説はたくさんあっても、私が疑問に思うような初歩的な事については全くと言っていいほど記述が無く、すごくモヤモヤしていました。それがようやくスッキリして、本当にうれしいです★
周りに答えてくれそうな人もいないので、もしかしたら、これからも駆け込み寺のようにこの掲示板で質問するかもしれません。その時にはまた、ぜひよろしくお願いいたします。

あさみ 投稿日:2010/11/19(Fri)

こんにちわ、みよさん。

bbsはコミュニテイサイトみたいなものと考えています。
麻雀に関連した話なら、どんなことでも気軽に書き込みしてください(^-^)/