一巡 02・同巡



 今、仮りに自分が五索 八索待ちでテンパイしていたとします。下家が五索を切ってきたのに見送ったところ、対面がチーをして八索を切ってきました。この時、この八索であがることはできるのでしょうか?

 現在の一般的立直ルールでは、アガることはできません。

 昔は「鳴きが入れば巡は変わったとみなされるからOK」というルールも存在しました。しかしこのルールは、ほとんど行われていません。

 現在は「自分のツモ番を経過しなければ不可」というルールが普通です。したがって五索を見逃した後、ツモ番をポンやカンで抜かされたあと八索が切り出された場合、見逃し者はツモを行っていないのですから、この八索でアガることは出来ないのです。

 たとえば下図のような緑一色をテンパイをしているとき、対面が一索を切り、それを上家がポンして三索を切ったとします。これはロンあがりできますよね?

三索發發發二索二索二索四索四索四索八索八索八索

 たしかに待ちは一索 二索 三索 四索 五索ですが、三索単騎なのですから。

 ほかにも下家のロン牌を見送って、対面の捨て牌を上家がポン・チーして、下家と同じ牌を捨てた場合でもロン和りできますよね?

 同巡フリテンにはならないと思うのですが実際のところどうなのか教えて下さい。


 現行の一般的解釈では、テンパイ者の実際のツモ番を経過していない以上、同巡内となり、ロンできません。

 「同巡」の解釈としては、ポン・チー・カンが入れば新たな巡目に入ったと解釈するのではなく、実際のツモ番が回って来たか否かで考えます。

 またこの例では、対面の捨てた一索をポンするのが上家となっていますが、ポンしたの下家であり、その捨て牌が三索であった場合でもロンできません。

 とにかく実際のツモ番さえ経過すれば、そのときの打牌がツモ切りであろうがなかろうが、以後はロンあがりできます。

 南家が六筒 九筒の両面をダマで張っており、六筒が高めで、タンヤオだけでなく三色もつくとします。はたして東家から九筒がでます。南家が見逃したところ、その九筒を西家がポンして中切り。その中を東家がポンしてさらに九筒切り。

 つまり対子落としだったわけですが、その2枚目の九筒(実際は4枚目ですけど)、南家は当たれますか?

 私の考えでは、「ツモが廻ってないので当たれない」ですけど、仲間内では当たれる派が多いのです。

 現在の一般的ルールにしたがう限り、南家はそのでロンできません。もしロン宣言すると、点棒が入ってくるのではなくて出てゆきます。(笑)

 中国麻雀では、自分がいま六筒を切ったばかりでも、下家がすぐ同じ六筒を切ったらロンできました。日本へもそのやり方で伝わりました。しかし日本では振りテンルールが誕生しました。最初は「現物だけはロンアガリできない」というルールだったのが、「筋牌もロンできない」となり、やがて「筋牌以外もロンできない」、やがて「アガリに関係する牌、全部ロンできない」となりました。

 また、そのロンも「現物だけはロンできない」という頃は、たとえば南家が六筒を切ったのを見逃しても、次に西家が九筒を切ればロンできました。しかし「筋牌もロンできない」という頃になると、そういうアガリは出来なくなりました。これを「同巡内の選択アガリ禁止」といいます。

 問題はこの巡目です。初期の頃は例えて言うと、数え年方式で巡目を計算していました。つまり、ポンをした人は1回摸打したことになりますから次の巡に入ります。そのとき他の3人も同時にポンした人と同様、いっせいに次巡に入る、という考え方だったわけです。

*昔はお正月になると、日本人は一斉に1才年が増えました。それと同じ考え方だったわけです。

 そこで、質問のようなケースでは「ポンにより巡目が変わっている」としてアガリが認められていました。しかしこの方式ではよくトラブルが発生しました。そこでやがていうなら満年齢方式(巡目は摸打によって一人一人づつ変わってゆく)に移行し、現在はこれが主流となっています。

 満年齢では年を取るのは人によって異なります。すなわちいくらポンで抜かされ、ポンした人の巡目はどんどん進んでも、抜かされた人が摸打を一度も行っていなければ、その人は前の巡内のままなのです。

 当然、満年齢式でいけば、質問のケース、南家はアガリを宣言できません。つまりどちらの考え方を採用するかで結論は変わってくるわけですが、いまどきは満年齢式が主流です。


 ルールが上記のようだとすると、すごく極端な例ですが、対面が切った当たり牌を見逃して、上家が切った牌を下家がポンして、下家が切った牌を上家がポン、さらにここで上家が切った牌を下家がポンしてから対面に順番がまわり、トイツ落としされてもロンって言えないのでしょうか?

 そのとおりです。
 もう少し詳しく云いますと、もともと麻雀には振り聴ルールはありませんでした。そこで自分がいまを切ったばかりでも、下家がすぐ同じを切ったら栄(ロン)できました。

 それは中国麻雀ではツモアガリ・ロンアガリに関係なく3人払いであったこと。それと捨て牌は全員が河の真ん中にポイっと山積み状態で捨てるので、誰が何牌を捨てたかなんて、判らなくなるからです。

 日本へもツモアガリ・ロンアガリに関係なく3人払いという方式で伝わりましたが、日本では捨て牌ポイッではなく、一列に並べる方式が行われました(延々と一列に並べていった。。下家の捨て牌にぶつかって、ようやく折り返すというやり方)。こうなると誰が何を捨てたか判るようになります。

 そこへロンアガリが1人払いというルールに変化しました。こうなると、振り聴に放銃して1人払いになるのは、釈然としないようになります。そこでやがて、まず「現物だけはロンアガリできない」という振りテンルールが誕生しました。これがやがて「筋牌もロンできない」となり、やがて「筋牌以外もロンできない」、さらに現在の「全部ロンできない」と変化しました。

 またそのロンも、「現物だけはロンできない」という時代は、南家がを切ったのを見逃しても、次に西家がを切ればロンできました。しかし「筋牌もロンできない」という時代になると、そういうアガリは不可となりました。これを「同巡内の選択アガリ禁止」といいます。

 対面が一萬をポンしているところに

 二萬三萬二筒三筒四筒二索三索四索東東東中中

という手でリーチをかけました。
 2巡目後に対面が一萬を加カンして嶺上牌から持ってきた四萬を切りました。果たしてこの四萬であがる事は出るでしょうか?

 このケース、四萬でアガることはできないというのが、現在のリーチ麻雀のメジャーなルールです。

 通常は、自分が1回摸打するたびに、次の巡目に入ります。しかしリーチをかけた場合、リーチ者の巡目はリーチ時点で固定されます。つまり5巡目にリーチしますと、リーチ者の巡目は、最後まで5巡目扱いとなるのです。

 そしてこのケースの場合、一萬は小明ですから、リーチ者は搶槓(チャンカン)でロンアガリできる牌です。その最初のアガリ可能牌である一萬を見逃し、あるいは見送りした以上、以後はルールによって「ツモアガリのみ」とか、「アガリ放棄、流局後チョンボ」となったりします。
#一般麻雀ではアガリ放棄、流局後チョンボというルールが多いようです。


いおさん    日付:2003/12/05(Fri)

浅見先生にちょっと質問です。
これがリーチではなく黙聴にしてた場合、対面が一萬を小明槓して、四萬を切ったとします。これも同巡であがれないですよね?


あさみ
   日付:2003/12/05(Fri)

こんにちわ、いおさん

その通りです。
しかし黙聴なので、次の巡以降であれば、誰かが四萬を切った場合、ロンアガリできます。