Free talk 雑談

    (83)焼き肉 and 痴漢


 Kさんと話をしていたら、「今度、Nさんと松阪まで出かけ、焼き肉を食べようという話になっている」という。松阪といえば松阪牛で有名なところ。おまけにσ(-_-)も焼き肉は大好きだ。それで、その話に加えてもらうことにした。

 当日、松阪まではNさんの車に同乗させてもらった。ぶっ飛ばすのでエンジンの音が轟々(ごうごう)と。。。。思わず昔の歌を思い出してこう言った。

「“ 加藤隼(はやぶさ)戦闘隊 ”って歌、知ってる?」
「いえ、知りません」
「そか....ま、ちと古いから知らないのも無理はないけど・・・」
「どんな歌ですか?」
「こんなんだ。♪エンジンの音、轟々(ごうごう)と〜、隼は行〜く♪♪」
「エンジンの音、聞きたいですか?」
「?」
「轟々という音、聞きたいですか?」
「....いま轟々っていってるじゃないか....」
「こんなん、轟々のうちに入りませんよ」
「・・・・・」
「轟々っていうのは、こういうのです」

と言うなりアクセルをギュウッ、とたんに車が 轟〜〜
ギョエ〜〜、何さらすねーん!

 なんて事もあったけど、なんとか目的地に着いた。翌日の昼、あとから合流した人も含めて、「いっしょうびん」という焼肉店に行った。
変な名前だなぁ」と思いながら店に入った。店自体は、どうということはない。しかし出てきた各種焼き肉を見ておどろいた。見るからに新鮮な生肉!「おお、うまそうだ」、食べてみたら、想像以上のオイシサ!(^0^)V さすがは本場。

 実は行く前は、「焼き肉なら、どこで食べてもおいしいに決まっている」、あるいは「高ければ、おいしくて当たり前」なんて思っていた。実際、松阪には名の知れた高級店もある。ところがこの「いっしょうびん」、うちの近所の店と変わらないリーズナブルな値段なのに、むちゃおいしい。これはホントに目からウロコだったぜい。

 楽しいひとときが終わって、帰宅の時間となった。帰りは近鉄電車だ。いや、エンジンの音、轟々が怖かったからではない。最初から、その予定だった。

 名古屋駅についてから、ローカル線に乗り換える。もう終電に近い時間帯。ところがこんな時間帯なのに、ホームには乗客がわんさか。これを逃すと次は30分後、込むのも無理ないか。そんなことを思いながら、最後尾に並ぶ。しかしやがてホームに滑り込んできた電車はガラガラでホッとした。

 扉が開いて、みんながゾロゾロと乗り始める。σ(-_-)のすぐ前には、先ほどから携帯を握りしめてわき目もふらずに親指を動かしているヤングギャル。それは構わないが、歩みが遅い....たしかに全体的にもノロノロ、しかしそれよりもうワンテンポ遅い。こっちは扉が閉まってしまわないかハラハラ。。。

 するとまだ彼女も乗らないうちに、「まもなく発車致します。お早めにご乗車ください」とアナウンスが入った。(そら、みろ)と内心焦る。ようやく彼女が乗り込んだ。続いてと思ったら、そこで彼女が止まってしまった。 「エッ」と思ってみると、その場所でうつむきながら一所懸命、親指を動かしている。しかしこっちはまだ片足が車内、片足がホーム。。。

 車内にはまだ余裕がある。しかし彼女の両脇には、先に乗り込んだ人が数人立ち止まっている。完全に入り口をふさがれて、乗り込むことができない。そこへ追い打ちをかけるように「ドアがしまります。お早めにご乗車ください」のアナウンス。

 (えい、こうなったら仕方がない)と、ヤンギャルを中に押し込むような状態で、「ゴメン」と声を掛けながらグイと乗り込んだ。とたんに後ろでドアがプシューッ。同時に彼女がキッとした顔でこっちを振り向いた。そりゃ、彼女を押し込むような形だから、身体は接触するわいな....

 そのまま数歩進んで吊革につかまった(さっき言ったように、車内は余裕があるのだ)。吊革につかまったところで視線を感じたのでそっちを見ると、彼女がムカッとした顔で、こっちをジーッと見ている。

 (痴漢と間違われたか)と思ったが、どうしようもない。知らぬ顔をしてまっすぐ前を向いていたが、彼女のジーッはそのまんま。まさに(痴漢は絶対に許さない!)と言わんばかりの雰囲気。。。。

 こっちにも言い分はあるが、言える状態ではない。一言でも口を開けば、「チカンよ〜」と叫び出しそうな雰囲気。仕方ないので吊革を持ち替えて彼女に背中を向けた。(ふう〜、しばらくの辛抱だ)と思っていたら、がさごそ誰かが横を通る。

 (ン?)と思って見ると、なんと彼女だ。(今頃、なんで中のほうに....)と思っていたら、σ(-_-)の数歩前で振り向いて、こっちをジーッ.....
(ひぃ〜、助けてくれ〜)
 このまま降車駅まで針のムシロに座らされた....(泣)

PS:こんなんならエンジンの音、轟々のほうがよかった。。。。

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