１年ほど前の話。
某日、帰宅したとき 女房曰く。
「ねぇ 私の郵貯カード、無効になってるんだって...」
「？」
「今日ね、郵便局から“手違いで奥様の郵貯カードを無効にしてしまいました”って電話があったの」
「？？」
「なんでも私と同姓同名の人がいて、その人のカードを無効にするつもりで私のカードを無効にしてしまったんだって。それで“さっそく新規発行の段取りをしていますが、当方の手違いですから奥様は何もする必要はありません。ただ新しいカードがお手元に届くのに１カ月ほどかかります。まことにご不便をおかけして申し分けありません”て...」
「なんか おかしな話だなぁ...」
「でも私、いつも通帳で出し入れしてるからカードは使ったことない。だから ちっとも不便じゃない」
「そういう問題じゃないと思うが....いったい どこの郵便局からの電話だった？」
「そんなこと知らないわよ。郵便局は郵便局でしょ」
「・・・・暗証番号など聞かれなかったか？」
「ううん、聞かれなかった」
「確かか？」
「と思うけど....」
どうもアヤフヤ and あまりに不審な話。放っておいたら知らぬ間に残高がゼロ、なんて可能性もある。そこで翌日、最寄りの郵便局へ女房と出かけた。まずは手持ちのカードでATMを試してみると、たしかに無効になっている。そこで念のため
通帳で全額引き出してから、局長さんに事情を話した。するとカードをさんざん調べた局長さん
「たしかに無効になってますな」（そんなことを確認にきたんじゃないよう....）
「ですから、そんな事があるのかどうか聞きに来たんですが」
「いや、郵便局が勝手にカードを無効にしたり、申請も無いのに新しいカードを発行することはあり得ません」
「しかし現にこのカードは無効になってるじゃないですか」
「いや 暗証番号は何回か間違えると 自動的に無効になります。奥様が何回か間違えたんじゃないですか」
「いや、女房はまったくカードを使わないんですが」
「それは奥様が旦那さんに そう云っているだけじゃないんですか（ニヤニヤ）。さきほど申し上げたように、申請も無いのに新しいカードを発行することはあり得ませんので」
ちょっとムカッとして、
「女房がウソ 云ってるとでも...」
「いや、そうは云ってません....」（じゃあ どういう意味なんだ！）
少し押し問答していると
「そんなにおっしゃるなら、○○に問い合わせてみたらどうですか」
「そこは、どういう所ですか？」
「こういう事のクレームなどに対応してるところです。カード発行の手続きなどもしていますので、再発行などの申請書がある筈です。それを見れば、誰が再発行を申請したかすぐ分かります」
“なるほど”というので その番号を聞いて帰宅、さっそく電話してみた。
すると「カード情報などを 電話で お話することはできません」
「いや、本人と そちらへ伺うので場所を教えてくれませんか」
「ご本人がお越しいただいても、カード情報などは お話できないことになっています。ましてや申請書などを お見せすることはできません」（全然 話が違うじゃないか。それに“電話ではダメ”って云うのは、直接 出向けばいいという意味じゃないのか！）
さすがに怒りがこみあげてきて
「それでは、この件については 調べようもないってことですか」と言うと、
「そんなにおっしゃるなら、XXに問い合わせてみたらいかがですか」
どっかで聞いたセリフだと思ったが、こっちもどっかで返答したセリフ。
「そこは、どういう所ですか？」
「実際にカードを作って発行しているところです」
そこで改めて そこへ電話すると
「ここはカードを作っているだけのところで、申請とか そういうことは分かりません」
もう完全に堂々巡りだが、どうしても納得ゆかない。そこで もう一度 最寄りの郵便局へ出かけた。局長さんに
「クレームに対応どころか、“そういう事で申請書を見せることはできない”と云われた」と話すと、
「そんな筈はないんだけどなぁ....」
「どうも個人ではどうしようもないみたいなので、郵便局の方から問い合わせしてくれませんか」
「いやあ、カードについては本人でないと どうしようもないので....」
もう完全に タライ回し。しかし 貯金は全額引き出したので、とりあえず実害はない。これ以上、どうしようもないので放っておいた。すると１ヵ月ほど経って、たしかに新しいカードが届いた。どうやら“どこぞの郵便局の人”の電話は本当だったようだ。しかし あの郵便局長の「勝っ手にカードを無効にしたり、申請も無いのに新しいカードを発行することはあり得ません」という話はナニ？。どっかの誰かが、自分のチョンボを超法規的処置で隠蔽したってこと？
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