孫1号が電話に興味を持って、やたらに電話に出たがるようになった。電話が鳴ると一目散に駆けよる。こっちが先に受話器をとっても「渡せ」とせまる。仕方ないので渡してやると、「もちもち、あさみでちゅ」などとやる。相手も幼児の声だと分かるので、適当に相手をしてくれる。すぐ取り上げると怒るので、少しは話をさせる。しかし急いでいる場合など、困るときもある。
あるとき電話が鳴った。女房が出ると、孫がすかさず飛んできて受話器をよこせとせまる。しかしそのときはファクシミリだった(うちの電話はファクシミリ兼用)。ファクシミリの場合は専用の通信音がするので、すぐ受話器を置く。孫は、なぜ渡さないかと怒る。説明しても分からないことなので、女房は「ファックスッ」と一言ですませた。
孫はキョトンとしていたが、もう受話器は置かれてしまっている。そこで、なんとなく諦めた。そんなことが数回続いた。これは名案だというので、大事な電話のときも「ファックスッ」と一言。すると孫も引き下がる。
ある日、電話がリ〜ン。女房より先に飛んでいった孫が受話器を取った。そして「モチ モチ」と云ったかと思ったら、次の瞬間 受話器をガチャン!。「あっ!」と云う顔している女房に向かって「ファックス!」
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