ある夜、せっせとキーボードを叩いていたら、3男坊が来ていきなりこう云った。
「お父さん、ボクのカバン 知らん?」
「?....いったいどんなカバンのことだ」
「1mくらいの長さで 黒色のレザータイプ」
「知らんなぁ....」
なんで急にそんなカバンが要るのかと思ったら、明日から1,2カ月、三重県に出張だという。そいで、身の回り品をいろいろ詰めてゆくんだと。
「そうか....でもそのカバンのことは知らん。でもお父さん、似たようなカバンを持っている。しまってある場所は、お母さんに聞けば分かるはずだ」
「うん、わかった」
話はそれで済んで、そのまま3男は部屋を出ていった。
それから数日経って、ふと思い出して家人に聞いてみた。
「おい。このまえ3男がカバン探してけど、見つかったのか」
「ええ」
「そうか、それにしても3男もσ(-_-)と同じようなカバン、持ってたとは知らんかったな」
「なに云ってるのよ。3男が云ってたのは“アナタのカバン”ことよ」
「?....3男は“ボクのカバン”って云ってたぞ」
「3男はね、この家にあるものは、全部“ボクのモノ”だと思ってるの」
「 (゚O゚) 」
ちーとも知らなかった....
|