市役所、保健所、福祉事務所など役所がいっぱいある。庶民の立場に立っての仕事振りは、尊敬の念を込めて“お役所仕事”と呼ばれている。しかし中には、ちと立場が異なる組織もある。そう、警察署と税務署だ。
他の役所が“所”なのに、ここは目を横にした“署”が使われている。そこで漢数字の四をもじって「四つ目」と呼ばれて敬遠されている(らしい....)。なんでも二つでは足りないから、四つの目でしっかり見張るんだとか。(゚0゚)
そんな四つ目の組織に、なぜか2月にレンチャンで出かけることになった。まず最初は警察署。単純に云って免許更新。
講師が入ってきて、最初にあったのが携帯電話に対する注意。ところが、その注意におどろいた。
10年ほど前に違反者講習を受けたことがある(駐車違反が重なった....)。法令違反者に対する講習と単なる免許更新では、おのずから講師の態度が違う。入場してきたときから何となく横柄な感じだし、口調も攻撃的。
「え〜 携帯電話を持っている人もいると思うが、電源をかならず切っておくように。もし講習中にチリンとでも鳴ったら、即退場していただきます」 するとあちこちで、ガサゴソする音が。(おい、最初から切っておけよ)と思いつつ、念のためσ(-_-)も確認した。(^-^;
そんなんで講習が始まったが、始まって10分ほどしたとき、中程の座席あたりからプルルプルルと受信音。みんな一斉にそっちを振り向く。違反者講習だからみんな静かに受講しているが、呼吸音くらいは聞こえている。しかしプルプルと音がしたときには、全員の呼吸が止まった。
見る20代くらいの男性が、かがみ込んで携帯を耳に当てながら、「おう、ちょっといまマズイんだよう....」なんて云っている。そいで講師の顔を見ると、怒りで顔がゆがんでいた。他の受講者の(アホな奴)とか(いまどきの若い者は....)という心の中の声がよく聞こえた。
若者もあわてて携帯を切った。講師が何か云うかと思ったが、何も云わなかった。ムカっとした顔を押し殺しながら、気を取り直して次の説明へ取りかかった。
そのとたん、前と同じ場所からプルルプルル。とたんに講師が「出て行けー!」
会場はまさにシベリア寒気団。今度は若者も電話に出ないで、そのまま切った。講師が真っ赤になって怒鳴っているので、その剣幕で若者も出て行くかと思った。しかし若者は下を向いたまま机に張り付いていた。(おい、そんなに受講したいんなら、最初から考えろ)
結局、講師も怒鳴っただけで実力行使はしなかったので、若者もそのまま講習を終了した。そんなことがあったので、今回の免許更新で似たようなことを云うのかなと思った。そしたらその注意がものすごくソフトだった。
「え〜みなさん携帯を持ってみえると思いますが、音がしないようにしておいてください。できたら電源を切っておいてくれるとありがたいですね。もし仕事の都合かなんかでどうしても電話する必要があるときは、後ろのドアがら静かに廊下に出てください。ただここの部屋はビルの一番奥なので、電波が届きにくいようです。そこで玄関ロビーまで出ると良いようです」
違反者講習と更新講習の違いがあるとはいえ、あまりの落差にすっかり驚いた。
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