テレビで「警察24時」というような特集番組をやっていた。ひき逃げやら覚醒剤など、さまざまな犯罪を追求する姿が放映されていたが、痴漢を逮捕する話もあった。その中で、オートバイに乗った犯人に、すれちがいざま胸をつかまれたという女性が警察に訴えている映像があった。それを見ていて、むかし娘から聞いた話を思い出した。
娘は高校時代、バスや電車で学校に通っていた。親が云うのもなんだが、ちと胸が大きい。それで二十歳の頃、なにげなく「お前、痴漢にあったことがあるか」と聞いたことがある。
すると、「うん、しょっちゅう」という返事。
「えっ、しょっちゅう?....」
「うん、高校の時、満員電車に乗るとしょっちゅう」
「どこを触ってくるんだ」
「たいていは、お尻をスルっとなでるだけ」
「ふ〜ん」と聞いていると、
「高校3年のときなんか、歩いているとき胸をつかまれた」
さすがに驚いたので詳しく聞いた。
すると、帰宅する途中、家に近いところで後から来た自転車が自分の横に止まった。
(なにかな?)と思ったら、乗っていた男が腕を伸ばしていきなり胸をつかんだ。
(あっ!)と思ったら、すぐ自転車をこいで逃げ出したという。
「ふ〜ん、ふてぇ野郎だ」と相づちをうっていると、
「それでね、頭にきちゃったから追いかけたの」
「えっ、走ってか?」
「そう」
「でも相手は自転車だろう?」
「自転車も動きはじめはそんなにスピード出てないし、追っかけてくるとは思ってなかったみたい」
「それでどうなった」
「すぐ追いついたので腕をつかんで、“警察にゆきましょうっ”って云ってやった」
なんと危ないことを....
「そいで?」
「そしたら腕をふりほどいて、今度は一目散に逃げていった」
「・・・・」
気の強い娘だと思っていたが、これほどとは思わなかった。(^-^; とはいえ、親としてはなにごとも無くてよかったよかったと思った次第。
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