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    (215)四国巡礼


 どうやら橋本元総理大臣もシラを切り通して派閥の領袖に居座ることが難しそうな雰囲気。一方、未納三兄弟発言でミソをつけた民主党元代表、菅直人議員。点数自動計算機の特許は取ったが、政界は麻雀の点数計算ほど簡単ではなかったのよう。そこでいまは四国巡礼の最中とか。

 σ(-_-)もいまから30年ほど前、3年かけて友人と2人で四国巡りをした。3年掛けたと行っても、3年間、歩いて四国一周をしたわけではない。1週間ほどの盆休みに、自動車で30カ寺ほどをドーっと回る。翌年、また30カ寺ほどをドーっと回る。それで3年かかった。そんなに一所懸命回ったからといって、信仰心からではない。単に神社仏閣見て歩き。

 それはいいが、四国巡礼はどうして始まったんだろうと思った。もともと知りたがりで、そういう曰く因縁みたいなことを知るのが大好きな。そこで四国巡礼がどうして始まったということが書いてある本を探して読んだ。読んでみてオドロイタ。(゚0゚) なんと、四国巡礼が始まったきっかけは、坊さんの恨みによる一家七人みな殺し事件だった....

 むかしあるところ(もちろん四国)に裕福な大庄家がいた。美しい妻と5人の子供みも恵まれ、幸せに暮らしていた。ある日、その家に修行僧が托鉢に来た。そして鉢を差し出し、一椀の布施を望んだ。ところがこの庄家はケチだった。

 そこで、「乞食坊主にやる食い物はない」と云って、鉢をたたき落とした。するとあら不思議、たたき落とされて8つに割れた鉢は空の彼方に飛び去り、ある場所に逆さまになって着地した。そのまま山となったが、それがいまの石鉢山だという。

 で、残された坊さんは、「そんな根性では、お前の家にすごい不幸が訪れるぞ」と云った。しかし庄家は、気にも留めず追い出した。

 ところがそれから数日後、最もかわいがっていた末っ子が熱病に罹り、1週間ほど苦しんだあげく死んでしまった。みんな「坊さんのたたりじゃ」とおそれたが、 庄家は強気だった。すると子供が次々と熱病にかかり、ついには全員死んでしまった。落胆のあまり、妻も死亡。使用人もたたりを畏れて次々に辞め、ついに大庄家も超ビンボーなってしまった。

 ここにいたってさすがの強気の大庄家も悔い改めた。聞くところによると、あの坊さんは修行しながら四国中の寺を巡り歩いているという。そこで坊さんに一言詫びを云おうと旅に出た。しかし5年だか10年だか四国の寺を巡り歩いたが、会うことができない。

 そこであるとき思いついて逆回りで四国を回った。それでもタイミングが悪くて会うことができない。ついに或る山道で行き倒れとなった。もう息を引き取る寸前、旅の坊さんが通りかかり、「どうしたのか」と訳を聞いてきた。

 そこでかくかくしかじかとワケを云うと、「あのとき托鉢に行ったのは自分である。ここまで後悔したのであるから、なんじの罪は許される。なんじは裕福な家に生まれ変わるであろう。生まれ変わりが行われた証拠に、この石を与える」と一つの石を与えた。庄家はその石を握って死んだ。

 しばらくしてある村の金持ちの家に丈夫な男の子が生まれた。ところがこの子、生まれたときから右手を握ったまま開かない。家族は不思議がったが、仕方ないのでそのままにしていた。

 しかしあるとき、お経かなにかを聞いたとき、右手を開いた。すると石が転がり出た。その石には、白い文字でという数字が書かれていた。それでこの子が生まれ変わりだということがわかった。そこでその石をお寺に奉納し、供養した。そしてこの縁起をもとに四国88カ所巡礼の風習ができたのだという。

 30年くらい前に読んだ話で、細かいところは覚えていないが大筋はこんな話。

 88カ所のうちに一心寺という寺がある。境内には、その石がいまでも奉ってあり、多くの参拝客がお参りしている。σ(-_-)も見てきたけれど、たしかに灰色の丸石の横腹に、白い成分でという数字がくっきり浮き出ていた。

 それはいいけどこの丸石、直径が1Mくらいあった。石も成長するんかいな....

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