ある日、突然、電話がリーン(って、予告してから鳴る電話は無いわな....)。
「はい、アサミです」と出ると、
「アサミさんですか。こちら○○警察といいます(大阪の某警察)」
ハッ!(゚0゚)(ナニガ バレタンダロ....)と心の動揺を隠しながら、「はぁ....」と生返事する。
すると、「ン年前、ナゴヤの○○で不動産の詐欺事件があったのを記憶してますか」
(おお、そういえば、そんなことがあったっけ)と思い出した。
すると「こちらで、その事件の主犯を捕まえまして」
「へぇ〜(ピコピコピコ80へー)」(笑)
「ついては面通しに協力して頂きたい。近日中に大阪へ来られる予定はありませんか?」
「(そんなもん、あるわけないだろ)いや、特にそんな予定はありませんが」
「近いうちになんとかなりませんかねぇ」
(要するにサッサと来いということか....そういえば他に用事が無いこともないな....ついでにそれも済ませてくるか)
「では○月○日でどうでしょうか?」と云うと、
「それで結構ですので、お願いします」
「で、どこへ行けばいいですか?」
「○○警察署はご存じでしょうか?」
「(知るか、そんなもの....)いいえ、ご存じではありません」
「では通天閣は?」
「それなら知ってますが」
「うちはそのすぐ近くです」
「(そうですか、よかったですねぇ)いえ、どこにあるかまでは知らないのですが」
「誰かに聞けばすぐ分かると思いますよ」
「誰に聞いたらいいんでしょう?」←ウソ
「分かりました。で、交通費は出るんでしょうか?」←ホント
「申し訳ありません。犯罪捜査への協力ということで」
と言うことで、個人的用事をかねて、急遽大阪へ行くことになった。
詳しいことは省略するが、ナゴヤで起きた不動産詐欺事件というのは、5人ぐらいの地面師グループが、相場よりうんと安い値段でナゴヤの某土地の売却話をでっち上げたもの。
σ(-_-)サイドに何の被害は無かったが、当時、主犯と2,3回会ったことがあった(もちろんその時点では、地面師とは知らなかった)。
某月某日の午前、ぶじ○○警察署着。担当刑事と少し話しを交わした後、腰縄をつけた主犯が連れてこられた。
「こいつですが、ナゴヤの事件の星に間違いありませんか?」
と云われて、いささか困った。
ナゴヤで会った地面師は、パリッとした背広にネクタイ姿。
ところがここにいる人間は、髪はボサボサの無精ヒゲ。服装だってボロボロのトレーナー姿。とても同じ人物とは思えない。そこで
「申し訳ないけどは分かりません。と言うより違うような気がします」と返事した。すると
「いやぁ、格好が違うから、そう思えるだけです」
「そうですかねぇ」
「いや、絶対にこいつです(きっぱり)」
「・・・(どっちが面通ししてるんだか....)」
「それに本人も自白してます」
「そうなんですか」
すると犯人が「その節はご迷惑をおかけしました」
で、犯人にσ(-_-)と会ったときの様子を聞くと、σ(-_-)の記憶と状況が一致。
(ああ、これなら間違いない)と納得して、調書に署名捺印した。
犯人がまた引っ立てられて行ったあと、刑事にどうやって捕まえたか聞いてみた。すると、
「そういうことは話さないことになっている。しかし遠いとこを来て頂いたので」ということで、犯人逮捕のノウハウみたいなものを少し教えてもらった。もちろんそんな内容はここで書けないけど、差し障りないと思うし傑作だと思ったのを1つだけ。
いまは多くの人が運転免許証を持っている。もちろん犯罪者もだ。で、もちろん免許には有効期限がある。そこで待っていると、本人が顔写真つきの免許証持参でノコノコと更新にくるそうだ。それを「ようこそ、いらっしゃい」と捕まえる。(笑)
もっともこういう犯人は、「自分は大した犯罪者ではない」と思いこんでいて、まさか指名手配されているとは夢にも思わない人間がほとんどらしい。
まぁ、とんだ大阪行きだったけど、勉強になった。
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