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    (192)ドブ板ラーメン


 ココでまずい餃子ライスの話しを書いたら、おもいがけなく反響があった。
なんでも、「そんな餃子ライスをぜひ食べてみたいから、ぜひ具体的な場所を教えてほしい」というもの。もちろん返信したが、なんと変わった人がいるもんだと思った。

 その餃子ライスの話のついでに、今度は信じられないほどまずいラーメンの話し。しかしこれは、「そんなまずいラーメン、ぜひ食べてみたい」と云っても、ちと難しい。なにせ35年前の話しなので、渋谷か新宿近くの国電の某駅という程度で、はっきりした場所も覚えていない。

 その日、σ(-_-)は阿佐田哲也だった(「朝だ、徹夜だ」状態)。テツマンの朝帰り、ぼうぜんとした状態でなぜか午前7時頃、某駅に降り立った。どうしてそんな時間に名前も定かではない駅で降りたのか覚えていない。たぶん私鉄から国電への乗り換えだったんだろうと思う。

 そんな時間なのに、激しくお腹が減っていた。しかし飲食店などが開店する時間までは、まだ数時間ある。なにせコンビニなんか、一軒もない時代。

 (腹減ったなぁ)と思いながら駅の外を見回すと、右方向に横丁がある。なんとなく飲食店が並んでる雰囲気。(ひょっとしたら、朝早い人間のために1軒くらい開店しているかも)と思いながら、そっちへ歩いていった。

 せまい道の両脇にドブ板がはまっている汚い横丁。そんなドブ板横丁にふさわしいような、バラック作りの飲食店が並んでいた。しかしさすがにどこの店も閉まっている。

 (だよなぁ)と思いながら歩いてゆくと、おお、一軒だけラーメン屋が営業している。(しめた)、(それにしても汚い店)、(でも、こんな店が案外、おいしいかも)などといろいろ思いつつ、店に入った。

 注文して出てきたラーメンを見ると、これがなんともまずそう。(-_-) スープはまるでドブ汁のような色をしてるし、匂いも悪い。麺は平麺だったが、くたびれた真田ヒモのよう

 それでも気を取り直して一口食べてみると、見た通りのまずさ。麺は味がないし、スープはドブ汁のよう。あまりのまずさに(これでホントにお客が来てるんだろか)とびっくりした。あんまりまずいので、たしか全部は食べなかった。

 それから1週間ほどしてから、わざわざその店にもう一度行った。特級厨師の店と同じで、(あれは何かの間違いかも。確かめてみなくては)という心境。う〜ん、このころからやっていることは同じだな。(笑)

 もちろん同じ味だった。いまでも、どうしてあれほどまずいラーメン店が営業できていたことが不思議でならない。(^-^;

 

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