なんか最近、オレオレ詐欺というのが話題になっている。先日はワタシワタシ詐欺まであったとか。しかし話題になったのは最近でも、この手口は昔からある。
いまから30年くらい前、結婚して借家に住んでいた。隣家も借家だったが、たまたまそのころ、叔母が1人住いしていた。となり同士なので、親子電話にしておいた。電話を2本引くまでもないということもあるが、便利性も考えてのこと。
σ(-_-)はもちろんだが、女房も昼間は留守がち。しかし叔母はほとんど外出しないから、昼間の電話にも対応できるというわけだ。
ある日の昼過ぎ、その叔母から会社に電話があった。(こんな昼間になにかいな)と思って電話にでると、いきなり
「お前、何をした」
「は?....」
話を聞くと、
「先ほど電話が鳴ったので出ると、弁護士の林だという人だった。なにかと思ったら、“オタクのご子息がある人から大借金をしたまま返さない。今日の午後3時までに、いまから云う口座に最低20万円振り込まないと、家屋差し押さえの手続きをとる”と云われた」
「“私は親ではなく叔母だ”と云ったら、“そんなことは関係ない。大事なのは午後3時までに20万円が振り込まれるかどうかだ。それが無ければ、ただちに家屋を差し押さえる”と」
「これは大変だというのですぐ振り込もうとしたが、手元に15万円しかない。そこであと5万円用意して、すぐ飛んで来い」という。(なんちゅうアホなことを)と思いながら直ちに家に飛んで帰った。
実は叔母は農家の出身で、こういうことに詳しくない。10年くらい前にもσ(-_-)が携帯電話を使っているのを見て「携帯電話とは便利なものだが、それは幾らくらいするのか」と叔母から聞かれた。
「タダだよ」と答えると、
「なに、タダ!。それはほんとか!」
「ホントだよ」
「貰う手続きは面倒くさいのか」
「いんにゃ、電話の店へ行って名前と住所を書くだけで誰でも貰える」
「それなら私もほしい。代わりにもらってきておくれ」
「うん、いいよ。でも貰うのはタダだけど、持っているとお金がかかるよ」
「持っていると金がかかる? 使わなくてもか?」
「うん」
「タダで配っておいて、使わなくても金を取るなんてインチキじゃないか」
「・・・・」
「そんなんじゃ、いらない」
なんてやりとりがあったくらい。このときも、話におかしい事があるなんて夢にも思わず、相手の云うことを信じて疑わない。で家に飛んで帰ると15万円用意して待っていた。(^-^;
そいで「そんな話はウソだから、心配しなくてもいい」と云ったが、「心配かけまいとしてウソ云ってるんじゃないだろね」と、まだ疑いの口振り。
そこで「叔母さん、この家は借家だろ」
「うん....」
「つまりσ(-_-)たちのモノではない」
「うん....」
「仮にσ(-_-)が大借金していたとしても、赤の他人のモノを、どうやって差し押さえるんだよ」
「・・・・そうか...」
ようやく納得してもらったので、σ(-_-)に関する限り、一件落着。しかし同様のことがまた行われるといけない。そこで警察に出向いて届け出をするとともに、新聞社にも連絡した。
新聞社からは記者が1人来て取材していった。そしたら翌日の朝刊社会面ににデカデカと出た。といってももちろん犯人じゃないから、σ(-_-)の名前や顔写真はでなかった。(笑)
いずれにしたって、30年たってもそんな詐欺が行われているわけだ。う〜ん、費用としては電話代だけで、よっぽど効率がいい詐欺かもしれない。
そいでこの前、母に、
「お母さんなら大丈夫とは思うけど・・・・もし“オレオレ”とか“ワタシワタシ”って電話が掛かってきたら、“太郎かい?”、“花子かい?”と孫の名前を云わないで、“裕次郎かい?”、“ひばりかい?”とウソの名前を云ってみるんだよ」と云っておいた。(笑)
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