携帯電話の調子がどうも悪いので、機種変更の手続きに行った。いろいろな新機種が載っているパンレットをあちこちみていると、各種サービスというところに、お線香サービスというのがあった。
なにかと思って読んでみると、「ご親戚、あるいは親しい方の法要などに際して、お線香を送りませんか。電話一本でお届けします」というようなことが書いてある。
(へぇ、いまじゃこんなサービス、というか商売もあるんだ)と思うと同時に、あるエピソードを思い出した。
むかし父が親しい友人の命日に際し、遺族宅へお線香を送った。それがたまたま1月。そしたらその遺族からキツイお叱りの電話があった。いわく。
「正月早々、突然、線香を送ってくるなんて、なんて縁起の悪い!」
たまたま電話を受けたのがσ(-_-)。
σ(-_-)は父が線香を送ったことじたい知らなかったので、「なにかの間違いかと思いますが、大変失礼しました」と、とにかく謝っておいた。
あとで父に聞いてみたら、「仏前に供えて貰おうと思って送ったんだが、そうか、誤解されてしまったか....」
しかしよく聞いて見ると、父は何の説明もつけず、ただ線香を送ったという。それで相手は事情がよく分からず誤解してしまったと云うことが分かった。そこで父には、「一言、書き加えておけばよかったのに....」とは云った。
とは云うものの、父とその未亡人とはそれほど親しくないとしても、まったく見知らぬ人間というわけでもない。“亡き夫の法要のため、友人が送ってきた”というくらい分かりそうなもんだがとも思った。
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