(15)捏造旧石器
記者会見の様子をニュースで見て驚いた。まったく破廉恥な話だ・・・・しかしそのとき素朴には、“どうしてバレたんだろう?”とも思った。翌日、たまたま来宅した人にその疑問を話したら、「うん、事情はもうインターネットに書いてあったよ」という。
経緯を聞くと、
「藤井というのは遺跡発掘で有名な人。そこで毎日新聞が本人の了承を得て24時間密着取材のドキュメント番組を作っていた。ある日、夜中に藤井が起きだし遺跡の方に行く。『夜中まで遺跡のチェックに行くなんて、熱心な人だ』と思いつつ、密着取材だから邪魔にならないように静かに付けていった。そこで偶然犯行現場が撮影できた」という話だという。
“ふ〜ん、なるほろ、そりゃ毎日新聞の大スクープ。きっと藤井もドキュメント番組の中で、いい格好がしたかったんだろう”とまぁそのときは、そんな事を思った。しかし数日後、また疑問がわいてきた。
“いくら静かに付けたといっても夜中だろう。おまけにカメラを抱えてるんだから、足音で気づかれるだろうに・・・” そこでそのとき考えたσ(-_-)の推理。
“あれはもともと毎日新聞が藤井を疑っていて密着取材を口実にカメラを持ち込み、遺跡が見渡せる遠くの方にあらかじめ特殊望遠カメラを設置しておいた。そうとは知らない藤井がまんまと罠にハマった”
すると数日後、週刊新潮 にその内輪話が載るという。発売日、さっそくコンビニに走った。記事を見たら、基本的にはやっぱりそうだった。ちょっと違ったところは、“遠くの方にあらかじめ特殊望遠カメラを設置しておいた”という点。実際は遺跡のすぐ側の木立の中にあらかじめカメラマンが潜んでいて、石器を埋めに来た藤井の行動を撮影したという。
さらに読むと、毎日新聞は「疑っていて」というより、「あとは証拠をつかむだけ」というくらい確信があり、その遺跡だけでなく、藤井の立ち回りそうな他の遺跡にも、いつでも対処できるように要員を準備してあったそうな。
藤井は「捏造したのは今回バレたココと北海道の計2カ処だけ」なんて言ってるけど、ありは絶対ウソだ。それなら前科は北海道の1回だけという話になる。しかしたった1回怪しげな噂があったというだけで、大手新聞社が立ち回りそうな遺跡に漏れなく要員を準備配置するほどの作戦を立てるわけがない。ゴッドハンドと呼ばれるほどの大発見が続いたからこそ、新聞社が疑問を持ったに決まっている。となれば藤井の“大発見”があった遺跡は全部怪しい。
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