(14)金縛り
σ(-_-)は子供の頃から幽霊とか人魂とか、いわゆる霊的な話には懐疑的。そこで金縛りについても、幼少のみぎりから(笑)信用していなかった。ところが二十歳ぐらいのとき、金縛りにあった。
夜中にふと目が覚めて何気なく寝返りを打とうと思ったが、仰向けになったまま躰がピクとも動かない。「(?。?)」と思いながら目だけきょろきょろ。周りを見回しても、ぼんやりした暗がりの中にいつもの部屋の風景が見えるだけ・・・・・。
(ふ〜ん、ひょっとするとこれが金縛りという奴か。別に痛くもかゆくもないな)などと思いつつも、金縛りがこの世に実在することを自分の身で体験証明できたことが少しうれしかった。それはいいけどこのままでも困る。
(痛くもなければどうでもいいけど、朝までこれじゃぁたまらん。よし、このままもう一度寝て、朝になったとき、まだ金縛りだったらそれから考えよう)と決め、もう一度寝直した。そして目が覚めたところ、金縛りは解けていた。しかしいくら実体験したといっても、それ自体夢だったかもしれない。自分でも多少半信半疑だったので、誰にも言わなかった。
それから5年後くらい経ったとき、ある会社でOLさんと話をしていたところ、その女性が「私、昨晩、金縛りにあっちゃった」といった。そこで、「へぇ〜、私も数年前になったことあるよ」というと、「私、しょっちゅうなるの」と言うので驚いた。驚くとともに、(やっぱり、俺のも夢ではなかったんだ)と、なにか自分でも納得した。
その後、30歳ぐらいで、もう一度金縛りにあった。そのときはもう経験者だったし納得済みだったので(笑)、「おお、またか。ひさしぶりだなぁ」と思っただけで、何も考えずにすぐ寝直してしまった。もちろんまた目が覚めた時には直っていた。それ以降は今日まで、一度もお目に掛かっていない。
#別にお目に掛かりたいとも思ってもいないけど・・・・
PS:10年くらい前、どこかのTVで金縛りの科学的解明の話しをしていた。ろくに覚えていないが、なにか躰の緊張感が原因とかいうような話だったような記憶。
前へ 次へ 目次へ