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     (119)水素エンジン


 よく怪しげな話を持ち込んでくる知人がいる。数年前、その知人が、また怪しげな話を持ち込んできた。

「おひ、このパンフレットを見ろ」
なんだ
「広島のある人が、水で動くエンジンを開発した」
・・・ひょっとして、それは水素エンジンか?
「まぁ、そういったところだ」
実用になると凄いな
「ところがもう実用化されている」
おぉ!、そいつはすごい!
「ところが凄すぎて困ってる」

「これが自動車エンジンに採用されると、アメリカの自動車産業は壊滅する」
ふ〜ん、そりゃあたしかに....
「そこでアメリカ自動車業界から、広島の開発者に『もし、その発明で自動車エンジンを作ったら、お前を殺す』との警告がきた」
・・・・GMやフォードから殺し屋が来るのか
「バカだな、お前。アメリカの大問題だから、殺し屋はCIAから来るに決まってるじゃないか」
う〜む・・・・(_ _;
「それで発明を自動車エンジンに応用したくても出来ない」
・・・・それならいっそのこと、アメリカにその発明を売ればいいじゃないか
「いや、アメリカはすでにいままでのエンジンに莫大な金をかけている。急に方向転換なんかできない」
ふ〜ん」
「それに世界の石油業界も関係してくる。アメリカだってヘタに手を出すと、世界的な大問題になる」
・・・・
「しかしそれではせっかくの発明が無駄になる。そこで開発者がアメリカと交渉した結果、オートバイのエンジンならOKということになった」
ほ〜ぉ
「それで今そのオートバイを作り始めている」
・・・
「完成して売りに出されれば、広島の会社の株価は暴騰する。しかしアメリカの妨害でなかなか銀行が金を貸さない。そこでいまは資金繰りが苦しい」
・・・・
「で、いまのうちにその会社の株を買えば大儲けができる。どうだ、お前、いまのうちに一口乗らないか」
う〜むのるかっ!)」
「絶対、儲かるって!」
「・・・・(絶対、損するってか)」
「お前、信用しないなら、この写真を見ろ」(古くさいスクーターの写真を出してきた)

「これはそのエンジンを積んで作ったスクーターの試作品だ」
「ふ〜ん」
「もうここまで出来ている。あとは改良を加えてバイクを作るだけ」
ま、しかし俺は金が無いからいいよ・・・・
「バカだな、お前。このバイクは秋には売りに出されるんだぞ。それで事がおおやけになってからでは 株はお前に回ってこんぞ」
それでもいいよ。じゃあオートバイが秋に売りに出されるのを楽しみにしてるから

 それから5,6年経つが、まだそのオートバイは売りに出されていない。やはりアメリカの妨害か・・・・(笑)

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