Tile colection 珍奇牌


    
  (36)パッコロ


 麻雀では、サイコロを2個同時に振って、開門箇所などを決める。出目から12まで。しかし出目は6,7が一番多い。それではイカサマがやりやすいというので、2度振りも行われる。これなら出目から24と倍増する。

※2度振り=親が振った出目が7なら、7に当たる対面がもう一度振る。その出目が6なら7と6を足して13。そこで対面の右側から13番目を開門箇所とする。

 また合計数は同じ13でも、先にが出るのと、先にが出るのでは開門箇所が異なってくる。それは利点であるが、2度振りの分だけ手間がかかる。その手間を解消しようというので、30年くらい前に考案されたのが、このパッコロ。

         

 考案したのは大脇善明という人で、実用新案も出願したという。当時、竹書房から1セット\380-で発売された。

         

 12面体のコロが2個。一つには1から12まで、一つには東西南北が彫られている。出目は1から12までと1度振りと変わらない。しかし取り出し位置は2度振りと同じくらいに多様となる。

 しかしこのパッコロ、大ぶりで重かった。どんな樹脂で出来ているか分からないけど、とにかく重い。卓の真ん中にコロコロさせればいいけれど、すこし強く壁牌にぶつかると壁牌が壊れる。そんなに強く振らなければいいようなものだが、お客さんにはいろんな人がいる。

 また大ぶりなので、卓の上においてあると、ごろごろとジャマになる。そこではじめて手にしたとき、全然普及しないだろうなと思った。また実際にぜんぜん普及しなかった。たまにどこかの雀荘で見かけるだけだった。

 そのうちに世の中は自動卓が全盛となった。自動卓ではバードヘビでない限り、積み込みはできない。もちろんサイコロボックスもついている。そこでパッコロ、いまや幻の商品となってしまった。といっても、現時点では骨董的価値もほとんどない....

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