錯和 04・多牌/少牌
少牌はあがり放棄で多牌はチョンボという取り決めをよく聞きますが、この違いは何故なのでしょうか?
また多牌の場合は見つかった時点でチョンボなのですか、それとも流局した時点でチョンボが確定するのですか?
多牌・少牌であればすでにアガリ不可能です。 となればあらためてアガリ放棄などと宣告する必要はありません。ただ一般にアガリ放棄はチーポンカンの権利も失うとされています。そこで多牌・少牌が判明した時点で、「もうこの局ではチーポンカンできないよ」ということを確認するということで宣言されるという意味はあります。ではアガリ放棄になるのは当然として、なぜ多牌だけチョンボというルールがあるのかということですが、これは多牌法というイカサマと関係があるようです。
多牌法はその名の通り、手牌を何枚か隠してゲームする方法です。余分な牌は手牌としてそのまま並べておいて使ったりします。手牌が長くなって不自然なことを隠すために、手牌の左側をいつも左手で覆って隠すようにします。場合によっては手のひらに1枚隠し持つ場合もあります。これを「握り込み」といい、時に応じて必要牌とすり替えます。
さらにコタツなどでゲームしている場合は(笑)、余分な牌を膝のあたりに置き、必要に応じて上げ下げする場合もあります。これは牌が上げ下げされるので、エレベーターとも呼ばれます。いずれにせよ手牌を余分に持っていますので、早く聴牌します。聴牌したら余分な牌は適当に隠してしまうのですが、場合によってはアガリ形が出来たあとも手牌をすり替えてアガリを表明します。
※たとえば1,2枚余分に持っていることによって、というアガリ形が出来たとします。このとき何かアガリ関連牌が捨てられれば、手牌の関連牌を隠してロンします。たとえば が出れば、とっさにを隠してロンします。が出ればを隠して、切られたロンします。誰も何も切らなければ、不要なツモ牌を隠して、などをツモったような顔してアガリます。これはすり替え系のイカサマが得意とする技です。
すなわち多牌というのは、純然たる間違いのほか、ひょっとしたらイカサマをやっているという可能性もあるわけです。そこでバクチ性の強い中国麻雀の場合、多牌はチョンボどころか判明した時点でゲーム終了・有り金精算となったりします。しかしそこまでバクチバクチしていない日本の一般麻雀では、そんな激しいことは行われません。あくまで「過失」としてアガリ放棄でゲームを続けます。しかし少牌よりは疑わしい点があるというので、流局したときはチョンボとするルールもあるわけです。