(12a)久米正雄    .


 明治24年、長野県に生まれた。東大卒。菊池寛についで、日本麻雀連盟2代目総裁となる。

 昭和6年、日雀聯の段位選考委員長に就任した時、文藝春秋社から刊行されていた雑誌「麻雀春秋」に「麻雀段位論」(MT9号)を掲載した。

 その一節
一事をマスターするには、自ずからなる標準数がある。それは千という数字だ。網打ち千番といって、千度打って網は自由に捌かれる。短冊千枚といって、千枚書いた人にして、初めて字配りは所を得る。碁さえ千盤といって、ザルと然らざる者特別が付くという。我が田の話しにしても、原稿千枚にして作家の素人、玄人は自ずから分かれる。四圏千盤、初めて牌を知る。勿論己を知り、朧げに敵の聴牌を知り、場の形勢を知り、人に迷惑をかけず、抑うべきを抑え、ガメクるべきをガメクるーこれ斯界の初段である

 この一文を持って、永遠に輝く。

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