Aphorism 箴言 .

    (18)必勝十則


 どんなものにも格言がある。もちろん麻雀だってたくさんある。「早いリーチは14索」(ホントか?)に始まり、「単騎は西で待て」から「東緑(トンリュー)つきもの」までワンサかある。中国にもいろいろある。そんな中国の格言の中では、「好牌先打(こうハイせんだ)」が、もっとも有名だろう。

 「今 緑紅(こん りょくこう)」(もちろんペンネーム)という方がいた。麻雀界の先人の1人で、終戦直後の昭和23年9月、まだ紙事情の悪いときに早くも「麻雀指南(同潤社)」という入門書を著している。その今さんが中国格言や日本格言の中から選抜したのが、この必勝十則。

 用語は古めかしい、また現代麻雀では必ずしもピッタリとはいえないものもある。しかし基本的には十分通用するどころか、重要な格言ばかりと思ふ。少なくとも「早いリーチは14索」よりは役に立つ格言だと思うぞ。(笑)

第1則
三軍、発すべからず
 三軍とは三元牌のこと(三元牌は三軍牌ともいう)。これが配牌に1枚づつあるときは、率先して打ち出すべきではないということ。これは現代麻雀にも通じる。現代麻雀は役が多様化しているから、むかしに較べると粗末にされている。しかし上級者は、三元牌といわず字牌を上手に利用していると思うからだ。

第2則
好牌先打(ハオパイシェンター)
 解説の要も無いくらい。
 ただ古典麻雀と現代麻雀では、「好牌」の概念がかなり異なるかも知れない。

第3則
自摸に好牌多し
 勝つ秘訣は我慢だよん、ということ。
本来、「自摸」は自摸和の略であって、「壁牌から牌を持ってくる」と云う意味ではないが、原文に従った。
「壁牌から牌を持ってくる」のは、厳密に云えばチーライ(ライは「来」だが、チーは「手偏に庶」(字が出て来ん....)。

第4則
一歩、先んずれば克つ
 昔から云う「機先を制す」ということ。ではどのようなことが機先を制すことになるのか、それはみんなで考えよう(笑)

第5則
敵手三家(てきしゅサンチャ)
 ノミテンだが待ちは両面だ。いけっ、リーチ!。あぁ、親が追っかけて来た。こんなクソ手でこまったなぁ。うわぁ、親満に打っちゃったぁ。。。。1人相撲しちゃいけないよん。

第6則
双石並不如一嵌(シャンポンプルイーカン)
 シャンポンはカンチャンに及ばない、そこでたとえば335八八とあり、何かを切ってテンパイというなら3を切りなさいということ。これも有名な格言だが、実はこいつには異議がある。。。(__ _; 紹介しておいてなんだが、近いうちに書こうと思っている・・・・

第7則
栄牌、二ならず
 アガリ牌は1枚しかない。確率のいいほうで待て、という意味。なんだか最近よく聞くデジタル麻雀の標語みたいだ。

第8則
阻喪、身中の敵
 どんなに状態が悪いときでも、意気阻喪してはいけないよ。メゲる気持ちは、自分の最大の敵だよん。

第9則
牌運、潮のごとし
 波のように引いたり寄せたりするということ。ほら、むかしから云うでしょ、「禍福はあざなえる縄の如し」って。

第10則
放棄も、また戦術
 毎回、アガろうと思うな、だよね。

以前へ  以降へ  目次へ