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ラテン仮名

 日本語をアルファベットの組み合わせで表した文字をローマ字と呼ぶ。しかしなんで「ローマ字」と云うんだ。そもそもそれが気に入らない。子供の時 塾の先生に聞いたら、「ワシントンは英語でワシングトントウキョウトキョと書く。これでは日本語で正しく読めない。しかしローマは英語でも roma なので、日本語でもローマと読める。だからローマ字というんだ」 ホントか、おい。(゚0゚)
 そのローマ字だが、現在のローマ字はいちおう1989年 国際標準化機構(国際標準化機構|ISO)が制定した訓令式(厳密翻字は日本式ISO3602)に基づいている。
http://bright7.com/838D815B837D8E9A/w8C5097DF8EAE82CC955C
 ところがその末尾の注意書きに「(重要)表記法はそれぞれの規格・方式で異なる。そえがきを参照せよ」とある。たとえば文部科学省の指導により小学校で教育されるローマ字ではアルファベットのうち c q l v x を使用しない。しかし長音記号は使用する。しかし外務省ではパスポートなど公的書類においては、つい最近まで長音記号の使用を認めていない。その反面、訓令式ではあり得ないohなどの組み合わせを認めている。本来 ローマ字にはないohtaという表記を「おおた、または「おーた」と読ませる。

 またチャ,シャは訓令式ではTya,Syaであるが、ヘボン式では cha cya sha と表記する。ヘボン式は義務教育では教育の対象外だ。しかし英語表記との絡みで 一般ではそれなりに用いられている。その英語表記との関連性が理由ではないかと思うけれど、外務省の公文書ではヘボン式一色。
 さすがにabc xyzなど日本語として意味をなさない表記は認めていないが、法務省となると登録商標においてこれを ローマ字表記と称し、すべてのアルファベット、および言葉として意味をなさない組み合わせ(abc xyzなど)も認めている。
商号の登記にローマ字等を用いる為の商業登記規則等の一部改正について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji44.html
 すなわち日本のローマ字表記は文部省,外務省,法務省が入り乱れ、バトルを繰り広げている状態。言葉を換えれば、いろんな役所がやりたい放題。そこでσ(-_-)やりたい放題 はローマ字の統一を目指して立ち上がった。( ̄^ ̄)
 まず「ローマ字」という表現は「ローマ帝国を象徴するラテン文字」ということ用いられている(らしい)。しかし現在 その主旨は曖昧となり、先生でもなぜローマ字というか分からない状態。そこで平仮名、片仮名のヒソミにならい、以後 ラテン仮名 と称する。

(1)文頭は大文字で表記する。
 例 昔々(むかしむかし)=Mukasimukas
(2)姓氏(FamiryName)はすべて大文字、個人名(PersonalName)は語頭を大文字で表記する。
 浅見 了(あさみ りょう) ASAMI Ryō
 湯川 秀樹(ゆかわ ひでき) YUKAWA Hideki
(3)地名の語頭は大文字で表記する。
 例 名古屋(なごや)=Nagoya 横浜(よこはま)=Yokohama
(4)地名等の伸ばし音は長母音(マクロン母音)表記でも可。
 例 東京(とうきょう)→Tōkyō 京都(きょうと)Kyouto→Kyōto
(5)地名と行政区域は(-)半角ハイフンで連結する。
  例 東京都(とうきょうと)=Tokyo-to
    愛知県加茂郡西春町(あいちけん かもぐん にしはるちょう)
    =Aiti-ken Kamo-gun Nisiharu-cyō
  ただし行政区以外の町/丁はハイフン表記をしない。
  例 中央区永田1丁目1番1号=Chuuo-ku Nagata1cyōme 1ban1gō
(6)各単語間は半角スペースを儲ける。
(7)助詞「は、を、へ」は、wa wo xe と表記する。
(8)単語と助詞間には「'」を付す。
  例 昔々あるところに、お爺さんとお婆さんが
    =Mukasimukasi arutokoro'ni ozīsan'to obāsan'ga
    本日の天気は=Hon'zitu'no tenki'wa
(9)助詞の語尾と次の単語間は半角スペースをとる。
  例 昔々あるところに、お爺さんとお婆さんが
    =Mukasimukasi arutokoro'ni ozīsan'to obāsan'ga
    本日の天気は=Hon'zitu'no tenki'wa
(10)句点は「.(ピリオド)」とする。
   本日は晴れ=Honzitu'wa hare.
(11)アクセントの上声(じょうしょう)は母音上にサーカムフレックス(^)、下声はキャロン(v)で示す(平声(ひょうしょう)は無印)。
 有声音には母音(ぼいん)子音(しいん)がある。ローマ字で用いられる k s および ka sa などは、一括して“子音(しいん)”と呼ばれることが多い。しかし“”は“父母”あっての存在。したがってラテン仮名ではk s父音(ふいん)、ka sa などを子音と分類する。

表1 母音(ぼいん)
単独で発音できる唯一の音声

各種母音表記
平声 長声 上声 下声
A a Ā ā Â â Ă ă
I i Ī ī Î î Ĭ ĭ
U u Ū ū Û û Ŭ ŭ
E e Ē ē Ê ê Ĕ ĕ
O o Ō ō Ô ô Ŏ ŏ

単母音(たんぼいん)
大文字
小文字 i u e o
発音
長声(長母音(伸ばし音))
母音上に長音記号( ̄ マクロン)を表記する ā ī ū ē ō
ア- イ- ウ- エ- オ-
ただし平仮名が異なる場合は母音表記する 大きい O'okii →Ōkii
外来語の伸ばし音は、長母音表記する  トーキー Tōkī
 ターキー Tākī
語で同母音が連続
母音間に「 ' (半角上カンマ)」を入れて表記する
長雨 naga'ame
子音 si 'in
保温 ho'on
不運 hu'un
大川 O'okawa または Ōkawa
遠い To'oi または Tōi
1語句で同母音が連続
「 ' (半角上カンマ)」、あるいは長母音(マクロン母音)表記
  
通り To'or i →Tōr i
大通り O'odo'or i →Ōdōr i
飯塚 I 'iduka →Īduka
   I 'izuka →Īzuka
伸ばし音
異なる母音でも伸ばし音となる場合は長母音表記でも可  王様  Ousama=Ōsama
 東京  Toukyou=Tōkyō
 京都  Kyouto=Kyōto
アクセント
上声は母音上に「^」(サーカックフレーム)、下声は母音上に「v」(キャロン)を付す
平声(ひょうしょう) 上声(じょうしょう)
前母音にアクセントがある場合
下声(かしょう)
 kani 可児 kâni
入試 nyûsi 乳歯 nyûsi
断行・断交 dankou 断固 dânko
下段果断 kadan 花壇 kâdan
端・橋 hasi hâsi
kumo 蜘蛛 kûmo
足・脚 asi 葦・葭 âsi


 表2 父音(ふいん)
単独では発音できない無声音
清音ka(カ) sa(サ)等)濁音ga(ガ) za(ザ))/半濁音Pa パ )など 下記のように分類される

清父音(せいふいん)(清音(せいおん)の父音) K(k) S(s) T(t) N(n) H(h) M(m) Y(y) R(r) W(w)
濁父音(だくふいん)(濁音(だくおん)の父音 G(g) Z(z) D(d) B(b)
半濁父音(はんだくふいん(半濁音の父音) P(p)
新父音(しんふいん)(拗音の父音) C(c) F(f) Y(y) L(l) W(w)
Q(q)
新濁父音(しんだくふいん)濁拗音の父音 J(j) V(v)
祖父音(そふいん)(二重父音)父音 y h w s と結合し、拗音の子音をつくる
祖父音(せいそふいん) Y タイプ ky Sy Ty Ny Ry My Ry Wy
      仝    H タイプ Sh Th Wh
Ch
      仝    S タイプ Ts
      仝    W タイプ Kw Tw
濁祖父音(だくそふいん) Y タイプ Gy Zy Dy By
Vy
      仝    H タイプ Dh
      仝    W タイプ Gw
    半濁祖父音(はんだくそふいん) Py

表3 子音(しいん)
有声音である子音は、清音(せいおん)濁音(だくおん)拗音(ようおん)の3種類がある

清音(せいおん)
 表4
父音による子音 Ka Sa Ta Na Ha Ma Ya/Yo Ra Wa
カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行
濁音(だくおん)
 表5
濁父音による子音 Ga Za Da Ba
ガ行 ザ行 ダ行 バ行
半濁音
 表6
半濁父音による子音 Pa ・・
パ行
1.拗音
 表7ー1
 表7ー2
新父音による子音 Ca Fa Yi Wi
キャ行 ファ行 ユィ行 ィ行
Qa
クァ行
祖父音Y タイプの子音 Kya Sya Tya/Cya Nya Hya Mya Rya
キャ行 シャ行 チャ行 ニャ行 ヒャ行 ミャ行 リャ行
祖父音 H タイプの子音 Sha Cha
シャ行 チャ行
Tha
テャ行
祖父音W タイプの子音 Twa
ツァ行
2.3.濁拗音
 表8
新濁父音の子音 Ja Va
ジャ行 ヴァ行
濁祖父音 Y タイプの子音 Gya Gya(Ja) Dya Bya
ギャ行 ジャ行 ヂャ行 ビャ行
濁祖父音 H タイプの子音 Dha
デャ行
濁祖父音 W タイプの子音 Gwa
グァ行
6.半濁拗音
 表9
半濁祖父音と母音が結合し
た音声
Pya
ピャ行

表4  清音(せいおん)
父音による子音
                               
母音 A I U E O
父音 子音
K カ行 Ka Ki Ku Ke Ko
S サ行 Sa Si Su Se So
T タ行 Ta Ti Tu Te To
N ナ行 Na Ni Nu Ne No
H ハ行 Ha Hi Hu He Ho
M マ行 Ma Mi Mu Me Mo
Y ヤ行 Ya Yu Yo
R ラ行 Ra Ri Ru Re Ro
W ワ行 Wa
ン行 


表5  濁音
濁父音による子音

母音 A I U E O
父音 子音
G ガ行 Ga Gi Gu Ge Go
Z(は用いない) ザ行 Za Zi Zu Ze Zo
D ダ行 Da Di Du De Do
B バ行 Ba Bi Bu Be Bo

 表6  半濁音
半濁父音による子音
母音 A I U E O
半濁父音 子音
パ行 Pa Pi Pu Pe Po


                   表7ー1
  拗音 1                    
新父音による拗音

母音 A I U E O
父音 子音
C(c) キャ Ca Ci Cu Ce Co
キャ キィ キュ キェ キョ
Q(g) クァ行 Qa Qi Qe Qo
クァ クィ クェ クォ
F(f) ファ Fa Fi Fe Fo
ファ フィ フェ フォ
Y(y) ユィ行 Yi Ye
ユェ
L(l) リャ行 La Li Lu Le Lo
リャ リィ リュ リェ リョ
W(w) Wi We Wo
ウィ ウェ ウォ(ヲ)

 表7ー2  拗音 2
祖父音による拗音

母音 A I U E O
祖父 子音
Sh シャ行 Sha Shu She Sho
シャ シュ シェ ショ
Cy or Ch チャ行 Cha Chu Che Cho
チャ チュ チェ チョ
Ts ツァ行 Tsa Tsi Tse Tso
ツァ ツィ ツェ ツォ
Th テァ行 Tha Thi Thu The Tho
テァ ティ テュ テェ テォ
Ny ニァ行 Nya Nyu Nye Nyo
ニァ ニュ ニェ ニョ
Hy ヒャ行 Hya Hyu Hye Hyo
ヒャ ヒュ ヒェ ヒョ
My ミャ行 Mya Myu Mye Myo
ミャ ミュ ミェ ミョ
Wy 旧仮名行 Wyi Wye
(ゐ) (ゑ)


                   表8ー1  濁拗音 1                     
濁父音による拗音

母音 A I U E O
父音 子音
ジャ行 Ja Ji Ju Je Jo
ジャ ジィ ジュ ジェ ジョ
ヴァ Va Vi Vu Ve Vo
ヴァ ヴィ ヴュ ヴェ ヴォ

 表8-2  濁拗音 2
濁祖父音による子音

母音 A I U E O
濁祖父 子音
Gy ギャ行 Gya Gyu Gye Gyo
ギャ ギュ ギェ ギョ
Gw グァ行 Gwa Gwi Gwe Gwo
グァ グィ グェ グォ
Dh デャ行 Dha Dhi Dhu Dhe Dho
デャ ディ デュ デェ デョ
By ビャ行 Bya Byu Bye Byo
ビャ ビュ ビェ ビョ

表9  半濁拗音
半濁祖父音の子音

Py ピャ行 Pya Pyu Pye Pyo
ピャ ピュ ピェ ピョ

単独では無声音であるが、子音と結合したとき音声を得るものを中声音と呼ぶ。中声音には促音(そくおん)撥音(はつおん)があるが、促音表10撥音表11のように表記する。

表10 促音(そくおん)
母音と子音間 、または子音と子音間における断裂音

促音あと父音、または濁父音を連続させる kk ss tt hh mm yy rr ww
gg zz dd bb

 例 1 「さっと」  satto
 促音「っ」の後の子音「と」の父音は「t」、したがって「t」の連続で「っ」を表わす。

 例 2 「パッド」  paddo
 促音「ッ」の後の子音「ド」の父音は「d」、したがって「d」の連続で「ッ」を表わす。


 表11 撥音(はつおん)

語中および語尾における鼻濁音(父音n1文字で表す)
※父音 (n)は単独では発音できないので、単独の場合は
「un=ウン」と代用発音する
箪笥(タンス)=Tansu
安心(アンシン)=Ansin.
語中 nのあともnの場合、またはnの次が母音の場合、
最初のnの肩に半角上カンマ「’」をつける
新年(シンネン)=Sin'nen
新案(シンアン=
Sin'an
 nのあとが父音 b m p(閉唇音) の場合もと表記する 新橋(シンバシ)=Sibasi
蜻蛉=Tobo
干満(カンマン)=Kaman
反発(ハンパツHapatu
語尾が助詞に接続する場合、語尾と助詞間に
半角の上カンマ「'」を付す
新年(シンネン)に= sin'nen' ni
緩慢(カンマン)な=kaman'na

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