以前、つる薔薇の家に薔薇を見せていただきに行った時のこと。
夕方から雨が上がったので、つる薔薇の家を訪ねてみた。
薔薇の花は雨に少し傷んではいたが、それはもう、すばらしくて・・・
写真を撮らせて頂いていると、30代半ば位の男性が
傘をぶらぶらさせながら薔薇を眺めてウロウロしている。
「本当にきれいですよね。」と声をかけると
「本当にきれいですね。
僕は今まで薔薇がこんなにきれいだとは思わなかった。
歳をとったからなのかな〜とも思ったんですが、
こんなにきれいなものに会えるんだったら、歳をとるのもまんざら悪くない、
と思ってたんです。」
そして、ピエール・ド・ロンサールを指さして
「これも薔薇なのですか?
この花びらの感じきれいですね〜
まるで美しい女の人を見てるみたいです。
僕の妻にもこの花のようになってほしい・・・・
あ、そんなこと言ったらでていっちゃいますね〜」
などと嬉しそうに話している。
「僕の家も絶対こんなふうにしよう。
今度、妻をつれてきます。
本当にきれいですね〜いいなぁ・・・ 」
いつまでも薔薇を眺めてしきりに感激している。
立ち去りがたい様子である。
あまりの感激ぶりに、つる薔薇の家のご主人も苦笑いするばかり・・・
私も嬉しくなって笑いつづけていた。
彼はもうすっかり薔薇の虜だ。
薔薇仲間が一人増えた、そんな素敵な日だった。 |
ピエール・ド・ロンサール |
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