イングリッシュローズと猫
自転車でいつも通る緑道の角のフェンスに、きれいに薔薇が咲いている。
ローズピンク、薄いピンク、しろ、香りもすばらしく、
花が咲くと、その角を通るのを楽しみにしている。
花形から見て明らかにイングリッシュローズである。
フェンスに顔を押し付けてみると、DAIVID AUSTINのラベルも見える。
残念ながら汚れていて、名前までは確認できない。

それにしても、数本ある薔薇は妙にくっつけて植えてある。
場所はマンションの1階の庭。
しかし、1階の人は庭には出られないようである。
とすると、大家さんが管理しているのだろうか?
あまりひと気のないマンションである。

でも、きっとイングリッシュローズが好きな人が植えたに違いない。
いつか会って話がしてみたい。
そう思っていた。

一年程経っただろうか。
ある夏の夕方、自転車で通りかかると、
その庭で草むしりをしている人の姿を見かけた。
私は行き過ぎた自転車を引き返した。

「こんにちわ!イングリッシュローズがお好きなんですか?
 いつも薔薇がきれいなので、見とれているんです。」

「イングリ・・?なんですか?それ」

「えっ・・・・!」

話を聞くと・・・

以前、緑道で猫に餌をやる人がいて、
猫が増えて問題になったことがあるのだそうだ。
このマンションのベランダの下でも、猫が子供を産んで困っていた。
猫はフェンスなど簡単に登ってしまうし・・・
するとある人が、フェンスに薔薇を植えればいい、と教えてくれた。
薔薇があればきっと猫は登らないだろう。
それで植えたのだというのだ。
そういわれて見ると、横のブロック塀の上には猫が歩かないように
有刺鉄線と金網まで張ってある。

そうだったのか・・・
意外な話の展開に私は唖然としていた。

それから帰り道で考えた。
猫よけに何千円もするイングリッシュローズを買うだろうか?
となると、??の苗か?
そう考えれば、薔薇がくっつけて植えてあったのも納得がいく。
ふ〜〜む・・・・・・新苗か??


・・・・・・・


ところで、猫騒動はその後どうなったのだろうか。
緑道では相変わらず猫がのんびりと歩いているし、
堂々と猫カンをやっている人も見かける。
下校途中の女子中学生の膝の上で
気持ちよさそうになでてもらっている猫まで・・・

でも、私は密かに感謝している。
猫のお陰でイングリッシュローズを楽しませてもらっているのだ。
猫君、ほんとにありがとう。










ガートル-ド・ジェキル?


メアリー・ローズ?
シャリファ・アスマ?

アルバ・セミプレナ?
(とするとERじゃないですね)


→こんな実がなります