ふとしたことで出会った修道士カドフェルのシリーズ(エリス・ピーターズ作)
イングリッシュローズのブラザー・カドフェルを育てていたこともあり、
全21巻の再版と共に読み進み、すっかり中世イングランドの世界と本格的ミステリに引き込まれていったのでした。
その都度調べたこと思ったことなど、忘備録として保存します。




1.聖女の遺骨求む
2.死体が多すぎる
3.修道士の頭巾
4.聖ペテロ祭殺人事件
5.死を呼ぶ婚礼
6.氷のなかの処女
7.聖域の雀
8.悪魔の見習い修道士
9.死者の身代金
10.憎しみの巡礼

11.秘跡
12.門前通りのカラス
13.代価はバラ一輪
14.アイトン・フォレストの隠者
15.ハルイン修道士の告白
16.異端の徒弟
17.陶工の畑
18.デーン人の夏
19.聖なる泥棒
20.背徳者カドフェル
21.修道士カドフェルの出現
光文社文庫

参考(^^;
修道士ファルコ
青池保子








ブラザー・カドフェル


ネットをうろうろしていてこんな本を見つけました。

修道士カドフェルシリーズ(エリス・ピーターズ)光文社文庫

12世紀のイギリス、ベネディクト会シュルーズベリ修道院。
薬草園を管理するブラザー(修道士)カドフェル。
50才過ぎのずんぐりした姿で、船員みたいに体を左右にゆすって歩く。。(^^;
ところがひと度事件が起きると、ホームズ並の推理力で事件を解決!
波乱に満ちた過去を持ち、事件解決の後思い出すのは・・・
当時の修道院の生活やイギリスの歴史も興味深い。
聖職者探偵、ミステリファンにはお薦めです。(^^)V
TVドラマ化もされ日本で放送もされているそうです。

イングリッシュローズにもブラザーカドフェルというバラがあります。
1990年の作出。大輪、クリアピンクの芍薬のような花を咲かせる。
イメージ重ねてしまいますね。(^^;
オースチン氏もこのシリーズから命名したとか、、、
思わず!ぷぷっ(^m^)~~
  (2004.10.14)



相変らず・・・


家族ではまっているカドフェルシリーズ。。(^^;

カドフェルは薬草園で様々なハーブから薬を作っている。
それは、イヌゴマとウマノミツバで作った洗浄剤、だったり、
ワインにイヌゴマとオトギリソウを入れたシロップに少量のケシのシロップを混ぜた痛みを和らげる飲み薬や、
夜泣きに効く、イノンドにウイキョウにミント、少量のケシの絞り汁、蜂蜜を混ぜたシロップ、
ユリやバラ、スミレやクローバー、ヘンルーダやセージ、ニガヨモギの香りを合わせた香油、ラードで作った
あかぎれの薬etc

聞いたこともないような植物も多い。
カドフェルの薬草園を想像するのもまた楽しい。
日本もついこの間までは小石川療養所の世界でしたよね。

一番気になったのが、香草を漬けたワイン。
酒類を禁止する宗教も多い中、キリスト教はOK。
親友のヒューベリンガーとともに温めたワインでひとときを過ごす。

で、結局、そんなワインを飲んでみたーいと買ってみました。(^o^;
グートロイトハウスのグリューワイン。ドイツ
シナモンクローブ等の風味が特徴の甘口赤ワイン。
温めて飲みます・・・
甘いぞ〜〜い!ウィ(Θ_Θ)。o○   (2005.2.22)




相変らずカドフェル・2


さて修道士といえばトンスラ(剃髪)
トンスラといえばお馴染みのフランシスコ・ザビエル

本の中にもトンスラに関する表現が多く出てくる。
例えば
赤褐色の針金みたいなかたい髪の毛をトンスラのまわりにはやしている。(コロンバヌス)
トンスラのまわりに見える髪の毛は麦色でごわごわしている。(ブラザー・マーク)
白髪のまじった茶色のトンスラを振りながら・・・(ブラザー・カドフェル)
といった感じ。
印象的なのは、エイルノス神父の
トンスラの周りの黒々とした豊かな髪は針金のように真っ直ぐで、
あまりにもきちんと切りそろえてあるので、黒いペンキを塗っているように見える。
す、すごい!(^o^ゞ
「修道士ファルコ」(青池保子)の中にもトンスラをツルツルにするのに情熱をかける
兄弟アルヌルフがでてくる。(写真右)

というわけでトンスラに興味を持ち実際はどんな感じかと見てみたくなった。
「ブラザー・サン シスター・ムーン」を借りてみた。
この映画、昔見たことがあるのだがトンスラ以外はあまり憶えていなかった。
今回見てみるとこれフランシスコ会の宣伝映画ですね。(^^;
主人公フランシスコのトンスラ(左)
感じとしては頭半分坊主頭という感じで、仏教のお坊さんの頭を思えばそれほど違和感はない。
(ホント?)
カッパ頭というよりは帽子をかぶっているぐらい幅はある。
2週間に一度剃るのが規則だったらしい。
髪の毛を剃るということは宗教では象徴的なことなんでしょうね。(一見してわかるし)

現在トンスラは廃止されているそうで、儀式的に髪の毛を3本ほど切るのだそうだ。
(天然トンスラは日本でも見られますが)
カドフェルはベネディクト会、ファルコはシトー派修道会。そしてフランシスコ会。etc
十字軍の頃にはたくさんの会が出来たのだそうだ。

(な〜んか方向性間違ってるような気がしますが・・・)(2005.3.3)





相変らずカドフェル・3


「修道士カドフェル」を読んでいると、やたらと「蜂蜜酒」(ミード)や「エール」を飲んでいる場面がでてくる。
どんなんだろう?と思っていたら、灯台もと暗し!!
DELさんのHP、「カフェ新世界」の地下酒場に作り方がのっています。
材料をみるとかなり甘そうな感じです。(どなたか作ってみますか?)
じゃあエールって?(ジンジャーエール?)
調べてみるとこんなページに行き当たりました。
エールビールの前進は蜂蜜酒の代用品→エールビールの発展
ふ〜〜ん・・・なるほど。。
蜂蜜が足りなくなって穀物を使うようになり、それがエールビールとなったわけですね。

デパ地下に寄ったのでミードとかエールはないかみていると。。
こんなビールを見つけました(写真)
トラピストビール、左から「シメイ トラピストビール(ホワイト)」「ウエストマール・ダブル」(ベルギービル)
おまけのギネスビール(アイルランド)(^^;
デパ地下の酒売り場の主任さんは「この修道院は小さいんですけど・・・」とか、
さすがに詳しかったですよ。

「シメイ」のラベル
8世紀に亘りベネディクト修道会シトー派トラピスト修道会に伝承された醸造法を守り、
ベルギーはフォージュ村外れに建つの僧侶が自ら醸造し管理するこのビールは、
院内掘抜きの天然地下水と天然原料を使用し、熱処理も濾過もせず、
瓶詰め直前に新鮮な酵母を加えて造る瓶内二次発酵の自然熟成ビールです。
醸造事業の余剰利益は開発途上地域での布教や、社会事業・ボランタリー活動へ使途されています。

やや!シトー派といえば「修道士ファルコ」違うか?

「ウェストマール・ダブル」のラベル
ウェストマール修道院は1794年創立。ビール造りは1836年に始まる。
麦芽の香りとほんのりした甘みが特徴の濃い赤茶色のビールです。(意外と遅いのね)

トラピストビール
更に、こんなページもありました。
大笑い(^O^)!!
キリスト教とビール 修道院でのビールの理想と現実

どれも美味しゅうございました。
特にギネスはクリーミー。
アルコール度数が高いので飲み過ぎに注意!!(2005.3.14)





相変らずカドフェル4


引きずってスミマセン。(^^;

「修道士カドフェル」を読むにはその時代との関わりを無視するわけにはいかない。
1138年5月の「聖女の遺骨求む」からはじまり年を追って話は進んでいく。
(順を追って読みましょう)


・紀元前5世紀頃、大陸からケルト人が渡来する。
・ローマ帝国のカエサルが2度に渡り侵略するが、支配までには至らない。
・紀元1世紀に入り、ローマが本格的に支配するようになる。
・ローマはケルト人ブリトン人の生活に浸透することができず5世紀に引き上げる。
・アングロ・サクソン人が到来し定住、小さな部族国家を建設する。
・王国が分立する中10世紀にイングランド統一国家の行政組織が確立される。
・やがてデーン人の侵入、ノルマンの征服が起こり(ノルマン・コンクェスト1066)
ノルマン王朝(ノルマンディー候ウィリアム)が開かれ、12世紀初めヘンリー一世の時代となる。(解説より)
(フランス人が英語話さないはずだわ)

ウィリアム一世→ウィリアム二世→ヘンリー一世
ヘンリー一世が亡くなり跡目争いが始まる。でやっとカドフェルの時代となるのです。
(あ〜疲れた、間違ってたらご教授ください)
甥のスティーブンを王とするか娘のモードを王にするかその混乱のさなか。
そういった時代背景もストーリーに絡んでくる。
「ノルマン・コンクェスト」?何それ?状態の私もブリテン島の歴史に興味を持ったのだった。

「KING ARTHUR」をレンタルしてきてみた。
アーサー王はエクスカリバーやアーサー王と円卓の騎士としてアニメまでもある有名なお話。
この映画では5世紀、北方からのサクソン人ウォード(現地人)などとの戦いが舞台となり、その時代を堪能でき。
「ラストサムライ」や「七人の侍」なんかも連想したが・・・面白かったですよ。(^^) (2005.4.11)





修道士カドフェル20巻


「ブラザー・カドフェル」

さてエリス・ピ−ターズの本も20巻目となり、
長編は終了です。
20巻では息子オリヴィエを助けるために背教者となるカドフェル・・・
さて運命はいかに!!

息子オリヴィエは、「氷のなかの処女」で初出です。

面長の、痩せてはいるが柔らみのあるあの顔を。広い額にえん月刀の様な鼻、
生き生きとして自信ありげな、しなやかに湾曲した唇、金色の光を放つ黒いタカのような目、
そして帽子のように頭をおおう短くつややかな、青みがかった黒い髪、オリーブ色の肌は黄金色のつやを帯び、
その顔は精巧な青銅の像のように、すばらしく美しかった。

シリア人の血をひきます。
いやいや。。もう、かっこよくて青池保子の世界です
ポッラブ
(2006.5.17)




薔薇好きにお勧めなのは・・・


「修道士カドフェルシリーズ・第13巻」
代価はバラ一輪

町一番の服地屋ヴェスティア家の跡取り娘ジュディス・パールは、
亡き夫、そして授からなかった赤ん坊、そんな思い出のいっぱい詰まった
門前通りの家を修道院に贈りました。

代価(賃料)は家に咲く一輪の白バラ・・・

ところがそのバラを受け取るはずの日に、傷つけられた白バラの根元で
ある修道士の死体が発見されたのです!

さてさてカドフェルの推理はいかに・・・!




清楚な白バラをイメージしながらどうぞ。。