共通フレーム2007

◆ 共通フレーム2007

 共通フレームとは、情報システムの企画から開発、運用、保守、廃棄にいたるライフサイクルにおいて、それらの各プロセスを明確にすることにより、関係者が「共通の言葉」で話すための「共通のものさし」を定義したものです。 例えば、保守という意味を受注者はバグ対応による修正のみと解釈していれば、発注者は業務の変化に対応することまでも修正してくれるという解釈をしている場合もあります。 このようなトラブルを避け、取引を明確化することが共通フレームの目的だそうです。
 実際いろいろ調べてみましたが、標準的な作業項目と内容を示したものです。(作業や手順を規定したものではないです)

◆ システム開発関連のプロセス群

 共通フレーム2007はいくつかのプロセス群に分かれるのですが、過去問題は特にシステム開発関連のプロセス群について(更にこれから詳細みたいなアクティビティというものがあります)意味を問うものが多いみたいです。 (ほぼ丸覚えになりそうです)
 下がそのプロセス群です。(サイクル順です)

 ・企画プロセス
 ・要件定義プロセス
 ・開発プロセス
 ・運用プロセス
 ・保守プロセス

 この企画プロセスと要件定義プロセスについて出題されていたので、過去問題でその意味を簡単に説明します。

 ●共通フレーム2007によれば、企画プロセスにおけるシステム化構想の立案の前提となるものはどれか?

 企画プロセスは以下のプロセスがあります。(サイクル順です)

  ・システム化構想の立案
  ・システム化計画の立案

 更に「システム化構想の立案」は以下の手順が定義されています。(順番どおり)
  ・経営要求、課題の確認
  ・事業環境、業務環境の調査分析
  ・現行業務、システムの調査分析
  ・情報技術動向の調査分析
  ・対象となる業務の明確化
  ・業務の新全体像の作成
  ・対象の選定と投資目的の策定
  ・システム化構想の文書化と承認
  ・システム化推進体制の確立

 まず最初に行なうのが「経営要求、課題の確認」なので、解答は「経営事業の目標」という事になります。 (要件定義とかは企画プロセスの後です)

●共通フレーム2007によれば、要件定義プロセスで行なうべき作業はどれか?

 要件定義プロセスは、以下の様なプロセスがあります。
  ・プロセス開始の準備
  ・利害関係者要件の定義
  ・利害関係者のニーズの識別と制約事項の定義
  ・業務要件の定義
  ・新組織及び業務環境要件の具体化
  ・機能要件の定義
  ・非機能要件の定義
  ・スケジュールに関する要件の定義
  ・利害関係者要件の確認

 要件定義では、新たに構築する業務、システムの仕様を明確化し、それをベースにIT化範囲とその機能を具体的に明示する事が目的です。
解答も「業務上実現すべき要件を定義する。」で大丈夫です。(検討やシステム方式の策定などは企画プロセスになります。)


◆ 契約関連のプロセス群

 順番的には上記のシステム開発関連のプロセス群より前に行なうプロセスです。 実際のその意味を問われるより、RFI や RFP の意味について問われる事が多いです。
 下がそのプロセス群です。(サイクル順です)

  ・取得プロセス
  ・供給プロセス
  ・契約の変更管理プロセス


◆ RFI

 Request for Infometion の略で、情報提供依頼書の事を言います。 下記の RFP(提案依頼書)を作成する為に必要な情報を要請する書類で、 調達条件などを決定するために必要な情報を集めるために、受注者(この時点では契約は結んでなく、業者選定の段階です。)に対して依頼するための書類です


◆ RFP

 Request for Proposal の略で、提案依頼書の事を言います。 上記の RFI を元に発注する情報システムの概要や発注依頼事項、調達条件などを明示した書類です。 分かりやすく言うなら、受注者に対して RFI よりもっと具体的な提案 (必要なハードやソフト、サービスなどのシステムの概要や、依頼事項、保証用件、契約事項など) が書かれた文書です。
 上記の内容を発注者の方が作成し、受注者(やはり同じように業者選定の段階です。)に依頼する書類です。
 (この後に受注者は提案書を提出するという流れです)


◆ RFQ

 Request for Quotation の略で、見積もり依頼書の事を言います。 価格およびその内訳を示す見積もりを作成するように依頼する書類です。
 やはり発注者が受注者(やはり同じように業者選定の段階です。)に対して要請します。
 (この後に受注者は見積もり書を提出するという流れです)
 小規模システムではRFPとRFQが1つに集約されるケースもあります。


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