平成23年5月16日 勝山句会
仏壇の日牌に紙魚走りをり 大西蓮行
賜はりし文学全集紙魚の痕 光田兎角
たまさかの礼服喰ひし紙魚の奴 松岡孝一
陰干しに本の喜ぶ紙魚退治 高橋太呂
衣魚一つ無き紋付や亡父忍び 竹内通信
平成23年4月18日 勝山句会
この里の要に桜大樹かな 光田兎角
麗らかや老婆と犬は夢の中 松岡孝一
大の字に寝て席を取る花の下 大西蓮行
山肌の処々に白きの桜かな 高橋太呂
道祖神祭る祠や蛇出づる 竹内通信
平成23年3月21日 勝山句会
春耕す地球のほんのひと隅を 大西蓮行
ひひ鳴の棲処はいづこ麦鶉 松岡孝一
驚きし子の言の葉や麦鶉 光田兎角
麦鶉夕べの河口徒ならず 竹内通信
平成23年2月21日 勝山句会
しづり雪大屋根落つる音高し 松岡孝一
寒の鳶波打ち際の風に乗り 光田兎角
はぎ二枚やつと釣れけり冬の晴 大西蓮行
椿祭世界に春を祈りけり 高橋太呂
如月や電波時計の音も無く 竹内通信
平成23年1月17日 勝山句会
風荒ぶ最中に寒の梅赤し 松岡孝一
伊勢海老のでんと構へし祝ひ膳 高橋太呂
大寒や眼を下げて見る温度計 大西蓮行
伊勢海老の殻を惜しみて飾りけり 光田兎角
生造り伊勢海老の髭隆々と 竹内通信