初凪の岬釣人(はなつりびと)のシルエット 竹内通信
(龍馬像にて)建白の文握りしか懐手 高橋太呂
おとなしき子の楽しみやお年玉 大西蓮行
濠の鴨つと飛び立てる城趾かな 光田兎角
1月13日荏原城、新張城吟行
戦国の土塁の矢竹北風(きた)の中 竹内通信
古城址に世の浮き沈み枯木立 大西蓮行
古城址に老農夫をり冬日向 光田兎角
8月20日勝山句会
暮れ迅やきビルの谷間の暗さかな 高橋太呂
枕辺に濁流音と蝉時雨 大西蓮行
手拍子と児らの歓声西瓜割 光田兎角
星合の空を見上げてひとりかな 竹内通信
9月15日吟行句会 蛇の釜
刑部狸棲みし里とや法師蝉 光田兎角
早稲の黄の田ごとに違(たが)ふ棚田かな 高橋太呂
享保の飢饉はむかし豊の秋 大西蓮行
豊秋の棚田を今に狸の碑 竹内通信
9月17日勝山句会
玻瑠越しに芒人呼ぶ百貨店 大西蓮行
残りばえふらりふらりと飛び狂ふ 辻内 欣
よく肥ゆる泥鰌混じりし落とし水 竹内通信
熟れまたず落ちゐる柿の青さかな 光田兎角
陽の下にゐる者うだる暑さかな 高橋太呂
9月23日第42回子規顕彰全国俳句大会
当日句部門 稲畑汀子特選
ありふれし一句を供ふ子規忌かな 大西蓮行
10月15日勝山句会
秋の水瞬時魚獲る鳥の影 光田兎角
澄む秋の水琴窟の音なるや 高橋太呂
戸無門額淵にして秋の空 大西蓮行
里人の神事に席次在祭り 竹内通信
11月19日勝山句会
コンビニのおでん幟の早々と 高橋太呂
母となり紅うすく引き七五三 大西蓮行
(岩屋寺)
千丈の岳に紅葉の遅速かな 竹内通信
12月17日勝山句会
貼り替へし障子に写る影濃ゆし 大西蓮行
白壁に添ひし黒猫日向ぼこ 光田兎角
九天のカランコロンと音凍てて 高橋太呂
伊予土佐の峠煌めく寒の星 竹内通信
1月5日吟行句会 杖之淵公園
名水や陽を浴ぶ鴨の羽繕ひ 光田兎角
鴨降りて水の輪さっと広ごれり 大西蓮行
寒椿蜘蛛は蜜むさぼれり 辻内 欣
新春や紅白の鯉めでたけれ 高橋太呂
名水を汲み来る人も松の内 竹内通信
1月21日勝山句会
昼近く音たて落つる垂れ雪 大西蓮行
弘法の泉に鴨の水浴びて 光田兎角
懐も心も寒き世相かな 高橋太呂
脱走の棚田駈く雉鶏初高音 竹内通信
2月18日勝山句会
雨止んで温かき朝となりにけり 光田兎角
立春の窓辺白むやうっすらと 大西蓮行
アルコール飛ばして下戸の玉子酒 高橋太呂
「森元青芳」
白梅の香り練り込む陶士かな 竹内通信
3月17日勝山句会
確かなる雨音となり春来る 大西蓮行
旭光を浴びて輝く猫柳 辻内 欽
うららかや干潟の鳥の寛げり 光田兎角
遠霞空島船を隠しけり 高橋太呂
皿・石鎚・瓶・笹ヶ峰笑ひけり 竹内通信
4月21日勝山句会
花の下足軽やかに行き交ひぬ 大西蓮行
乗り合いの電車ひとりに遍路かな 光田兎角
咲き初むる千の牡丹の匂ひ愛し 竹内通信
5月19日勝山句会
鯉のぼり垂れ下がりたる羊刻 光田兎角
どくだみ茶飲み壮健の五十路かな 大西連行
教会の屋根の十字架聖五月 竹内通信
6月16日勝山句会
立葵闌けて長雨終りけり 大西蓮行
爺と婆二人の田植日和かな 光田兎角
父の日や父似と云はれ孫二人 竹内通信
7月14日勝山句会