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4/15.中学校図書館の奮闘
3/31.学校司書の図書館業務について
3/23統合学校の図書館の支
3/11.あれから7年、いま
2/23.朝暘第一小学校に行ってきました
2/15.市長さんと学校図書館について懇談!
1/29.世界的に急増している発達障害は…
1/23.♪「私の一冊」をめぐって
1/7.子どもたちの育つ環境と発達を阻害するもの
1/3.♪うれしい年賀状
2018.1/1.あけましておめでとうございます。
12/13.読書活動推進は成果が見える
11/27.長らくご無沙汰しておりました。ようやく復活です
5/19.森絵都著 『希望の牧場』
5/1.♪森絵都著 『みかづき』
4/30.「読書のまち 鶴岡」をすすめる会 設立総会
4/19.桜が満開、花嵐が・・
3/5.小さな読書会 その2 まちライブラリー
2/22.小さな読書会が2つ その1
2/10.6年生たちに最後の読みきかせ
2/5鶴岡の学校図書館事情
1/25.水戸市の公共図書館・学校図書館事情
1/8.鶴岡には、現役の「作家」がたくさん居ます
1/1♪明けましておめでとうございます


    
2016年10〜12月
    
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鶴岡市朝暘第一小学校




















あんなこと こんなこと

2018年4月15日(日)

       ♪中学校図書館の奮闘

  鶴岡の桜が3日前から咲きそろい、この土日が満開の見どころなのに、ここ連日気温が低く寒くてセーターを着込んでいます。それに、今日は朝から雨雨雨・・・・。花見もしないうちに散りそうです。そういえば、昔から花寒(はなざむ)という言葉があったっけ。

  昨日、親しくしている県内の学校司書さんからとてもいい話を聞きました。中学校に転勤になったのは2年前の4月、その時は、以前勤務した「小学校図書館と違って、この図書館は分類も配列もさんざんで、生徒も余り来ないし、先生達の関心も図書館に向いていないし、いいのは図書館からの眺めが最高であることだけ・・・」となげきの言葉でした。

  とにかく、図書分類を本を探せるように日本十進分類法できちっと並べ、配列を直すだけでも1年かかりそうだとぼやき、中学校で何ができるかと悩んでいました。私は、でもそういう未開拓で前世紀のような学校図書館が面白いのだと、話したような気がします。さて、その後です。昨年も一度会ったときに、他校のビブリオバトルの資料などをコピーして上げたのでしたが、それらを参考にして取り組んだということは聞いていましたが。

  昨日は打って変わって、「昨年度は、貸し出し冊数が2倍になったの。貸し出しゼロが1人もいないし、校内がとても落ち着いていい学校よ」とにこにこです。なぜ2年間でそんな成果があったのか。傾向と対策を聞いてみました。

   対策のひとつは、図書館をビフォーアフターしたこと。本のラペルが分類記号だけで著者表示が無かった。そこで、ラベル記号を図書委員の協力も得て1冊1冊直し、NDC順に配架を整え、本を探せる仕組みの図書館としてよみがえらせ、ガラガラと変えていったのが、1年目の28年度でした。この年にビブリオバトルが1年と2年で実現しました。

  2年目、29年度、「読書活動」が、学校の重点目標のひとつにかかげられ、校長先生も生徒達に何かと読書について語り刺激してくれるようになりました。図書館では、学級日替わりで、朝読書を図書館で行うことを提案し、6月から実現しました。例えば、6月1日は3年1組が図書館で朝読書、6月2日は3年2組というように図書館での朝読書の割り当てを決め、そこで担任の監督のもとで全員が本を借り、読むという習慣化が図られたのです。

  日替わりの図書館で朝読書の効果は大きく、貸し出しゼロの生徒がいなくなりました。担任の先生方の読書への関心も高まったのではないでしょうか。さらに、ビブリオバトルを全校で取り組むこととなり、3年生には受験の面接のために「心に残る本」というねらいも加えて読書を奨励。

  図書委員会では、先生の進める本の紹介文を、教師にお願いに回り、殆ど全員の先生から頂き掲示をしました。それだけならどこの学校でもするでしょうが、この中学校では、先生のおすすめの本として冊子につくり、全校に配布したのです。そして、生徒の読書活動に大いに生かすわけです。

  1年目は図書館改造に取り組み、2年目は読書活動の普及と定着、読書の質を高める取り組みで成果を上げました。貸し出し冊数2倍はそれらの取り組みで現れた数でした。

  さて、3年目は、生徒自身の主体的な学習活動が求められています。図書館が学びの場として、授業における学習活動を支える学習情報センターとして活かされるかが問われます。期待して注目しています。

2018年3月31日(土)

     ♪学校司書の図書館業務について

  前回、統合する小学校の図書館の統合準備について記しましたが、改めて学校司書の仕事について校内で理解されているのかどうかが問われている問題を考えさせられました。

  鶴岡では、小規模学校にも学校司書が配置されているものの、「給食・図書パート」という兼務で、図書館業務ができる時間は、ほんの2時間程度。その学校での例です。学校司書が図書館で仕事をしていると校長が図書館にのぞきに来て、職員室で電話番をしてくれとか、客のお茶だしを指示に来るということが度々あり、図書館業務がほとんどできない日常であったと聞こえてきました。

  確かめたわけではありませんが、職員室でそのような事務補助的な仕事をパート職員に求めてくることはありがちです。私も若いときに、事務職員の方が図書館に来て、「午前中は職員室で仕事をしなさい」と言われ、矛盾を感じたことがありました。それに対し、学校司書がどんな仕事をするのかを示していくしかないと思いました。

  それで、やったことが、学校司書の年間業務計画を毎年提出しました。内容は、@学校図書館業務の目的、A今年度の課題、B主な仕事内容の1日の仕事、週単位のやること、月ごとの仕事計画、などなどを記載して、管理職と図書館主任に提出しました。ここまでやる必要を感じたからです。しかし、職務として当たり前にやる仕事を認められない、学校図書館の仕事を軽んじてよしとする無理解が、今でも学校現場であることは否定できない事実です。

   特に校長が、学校図書館に司書が居ることより、職員室にいて職員室の雑務をさせたいというのでは、困ります。その学校の校長は、市教委で指導主事をしていたからと特に学校司書に対して管理的な態度で、仕事量も考えてやれないのでは、学校司書配置の意味が無くなります。

  学校司書としての仕事ができなかったということが判明したのが、学校が廃校となり、統合する学校へ蔵書を移転する膨大な業務がほとんどできなかったという実態からわかったのでした。このような管理職が増えては、学校図書館の未来はどうなるのでしょう。残念でしかたがありません。

2018年3月23日(金)

     ♪統合学校の図書館の支援

   鶴岡市では、ここ数年で小学校が10校も合併統合となり、閉校が行われています。統合になる場合は、当然図書館も統合となります。その図書館統合が周到な準備と打ち合わせが充分に行われないと大変な状態となることは想像できると思います。そんな状況におちいった小学校に、この年度末ボランテイアに行ってます。

  鶴岡市の学校司書は一応全校配置になっているとはいえ、小規模校や中規模校には、事務や給食業務と兼務でパートが配置になっています。そのため図書館に関われる時間は、1日2〜3時間程度。図書館業務に当たれる時間が足りないだけでなく、子どもとの接点も持てないという情けない勤務状態です。

 そんな学校で、統合という大仕事をすることになっても、そのための時間も取れないし、統合学校との打ち合わせも充分できず、文書でやり取りしていても、学校司書にもその文書が渡らず、具体的な仕事が進められないまま、勤務切れとなります。その例が、今回のF小学校の状況を司書から聞き、すわっ大変と応援に行ってきました。

 統合の受け入れ学校は、新たに入ってくる図書の配架の鳥瞰図(ちょうかんず)を作って、受け入れた本をスムーズに分類ごとに挿入するわけです。その基本となる、分類単位の冊数と幅(cm)を、本校と統合校の両方でデータを事前に調べます。足りない書架、段数が配架する前に分かります。ところが、その打ち合わせがきちんと行われなかったことが、3月に入ってからわかりました。それでも短時間のパートなので、その時間も持てず、ただ本が送られてくるということが3月半ばに判明。

 卒業式の後、図書パートの勤務は2日間のみ、ということもあり、真っ青。その上、図書パートは、55歳の定年ということと勤務年限ということで、次年度に統合の仕事もできません。他校の例では、校長が市教委に掛け合って勤務年限を伸ばしてもらったり、春休み間の勤務を伸ばしてもらったりしています。F小にその事例を伝え、校長が市教委に話しましたが、春休み中の勤務は了解もらいましたが、勤務延長はかないませんでした。

 何とか応援して、新学期から図書館の開館をする必要があります。新たに入ってくる統合校の子どもたちが、図書館に我が校の本が入ってる、と安心してもらうことも大事です。書架の配置図と鳥瞰図をつくり、本の配架図をつくるところまで応援してきました。26日には、書架と図書が一斉に運ばれてきます。その作業がスムーズにいくには、周到な準備がものをいいます。図書館主任も一緒に奮闘して、どうには職員作業の段取りも付けてくれました。

 さて、今日23日は、新たな配架の表示を書架に張る段階です。午後からまた支援に行きます。その前に子どもの読書を支える会の会報の印刷原稿と準備に奔走です。

2018年3月11日(日)

  あれから7年、いま

  東日本大震災から7年も経ちました。大した応援も協力もできないまま、ぬくぬくと暮らしてきたと、いつもこの時期になると複雑な思いにかられます。昨年、南相馬市の図書館ともの会のお誘いで研修会に伺ってから、福島がとても身近に思えるようになりました。各地に避難した方達が戻らず、人不足のままの暮らしが続くまちです。それでも、まちを元気にしようと頑張っている一人ひとりの思いを聞きながら、かえってこちらが励まされているのでした。

 南相馬市には、それは素敵な図書館がありました。うらやましいほど魅力的に配置や空間が心地よく考えられ、どの部屋からも緑が見える、いやし効果満点のおしゃれな図書館でした。我が町の図書館と引き比べてしまうのも恥ずかしくなる程でした。

  先日、2月末に愛知県犬山市の研修会に行ってきました。学校図書館には、学校司書が週に2日勤務、2校兼務でしたが、皆さんとても熱心でした。研修会の後、司書の方々との懇談会の時間を取って頂きましたら、バンバン質問も出て、現場を離れて何年も経った私としては刺激的でうれしいひとときでした。

  翌日は、帰るまでの半日を使って小学校図書館の大改造の計画づくりとビフォーアフターのやり方研修会を行いました。出発時間ぎりぎりまで話をしてきましたが、来年度に実際に大改造ができればと思いました。本校の皆さんも同じように、図書館改革ができたらと夢をふくらませていたと思います。

  さて、帰りの道中、春の大嵐が通過中とさかんに伝えられましたが、あっけらかんと上天気。とにかく、名古屋から新幹線にのり、品川から羽田空港に着くと、何と東北に向かう飛行機は完璧に全て欠航! 陸路も突風で不通というのです。前日から報道されていたから、調べればわかったはずなのに、愛知県も東京もピカピカ天気過ぎて、油断してしまいました。その上、道中 恩田陸の『木漏れ日に泳ぐ魚』(文芸春秋)に読みふけって、お天気情報を忘れてしまったのです。読書がゆっくりできるのは、旅の帰りぐらいなのでついつい…

 というわけで、藤沢市に住む娘の家に泊まり、1歳と3歳の孫と遊んで・・・というか珍しそうに2人から見つめられ続け、嬉しいひとときを過ごしました。翌日の午後になって、まだ突風が止まないけれど、やっと飛んでくれた飛行機に乗って帰り着きました。

  冬の間は、一週間に3日は吹雪というひどい悪天候つづきの今年です。2月までは遠出を避けて、ようやく春めいての出張でしたが、春の嵐に見舞われるとは、いくら名前に嵐がつくからといっても、春嵐にまで遭遇するとは初体験です。

  ところで、読書に関わる「私の一冊」に投稿された本で、今読んでいる本が2冊。『夜明けの図書館』(埜納タオ・双葉社)、図書館司書がレファレンスを苦労しながらも真摯に応えていくという図書館マンガです。もう1冊は、『本を読む人だけが手にするもの』(藤原和博・日本実業出版社)。この世は本を読まない人と読む人に二分される階層社会がやってくるだろう、と言い切る。本人は、自分は本を読まなかった子ども時代のこと、人生を変えた1冊に出合ったことなどの体験談。脳科学から解明する読書と脳の働きなどなど。あれ? というところもありますが、説得力があります。

2018年2月23日(金)

   ♪朝暘第一小学校に行ってきました

  地方新聞に連載している「私の一冊」に、子どもの本の紹介が掲載されることがあります。それは、高山樗牛賞奨励賞を受賞した小中学生に執筆をお願いして書いて頂いているのです。この度は、朝暘第一小学校の6年生と朝暘第二小学校の6年生が受賞しましたので、掲載されました。ちなみに、朝暘第一小学校の学区にお住まいの作家、佐藤賢一さんの息子さんが、この受賞をされたのです。

 というわけで、掲載された新聞を持って、久しぶりで朝暘第一小学校に訪問したのです。新校舎になり、図書館は校舎の中央に位置して、広くて2部屋もあります。同時に3クラスが図書館で授業できる環境があります。私が在職していた頃に整えた図書以外の情報資料や本の案内や学習に役立つ本「単元別図書資料」充実して活躍しているようでした。この隣はパソコン室です。

 「情報ファイル」が一角にずらり

木の香りがする木製書架と木の椅子

 資料リスト各種も整理されて

廊下の向かいは第2図書室・文学中心に配置

中央廊下はさんで両側に図書室

図書館前は広いオープンスペース

  読みきかせもできる階段のある広場。この向かいには、図書館を使った学習などの展示や掲示スペースもある。私が在職していた頃の古くてぽろっちい雰囲気はどこにも見当たらなくて、ステキで明るくてきれいなのです。図書館内も毎日たくさんの子どもたちが押し寄せてきても、きれいに整えられていました。司書さんの努力も大きいだろうなと感じてきました。 あの頃と同じように、遅くまで仕事をしているとか。

 これからも視察の機会ができるといいですね。

2018年2月15日(木)

  ♪市長さんと学校図書館について懇談!

  鶴岡に若い新市長さんが誕生したのは、昨年の10月です。皆川治市長、43歳。読書のまちをすすめる会の役員もやっていた方です。農林水産省に勤務していたのですが、地元鶴岡に帰ってきて農業を継ぐ予定でしたが、公益大学の特任講師をなさって3年目、市長候補を決意し、党派をこだわらず市民党として昨年の4月から選挙活動に取り組みました。

 立候補することを告げられ協力を願われた時、「どんな公約なのかが肝心です。」と、つい厳しい言い方で応じたものです。皆川さんは、「市民の各分野の声を聞いて、要望のある課題を公約にするつもりです。」との即答。市民の声を聞いて、それを反映する市長さんなんて聞いたこともない保守のまちです。城下町鶴岡は、市に請願をしたり意見を言う者は「反対勢力」として切り捨てられる土地柄です。市民の願いを実現したい? それなら、長年の懸案である学校図書館の問題にも取り組んでもらえるのかもしれない、と期待しました。

  鶴岡の学校図書館には、一応全校に学校司書が配置されています。しかし、ちゃんとフルタイムで勤務しているのは、大規模校12校だけで、後の小規模校・中規模校には、パートタイマーで4〜5,5時間程度で、それも給食と兼務ですから、昼休み時間も図書館にいられない状態なのです。実際に図書館の仕事ができるのは、3時間あればいい方です。その上、大規模校の臨時学校司書は、1校に5年間勤務で2校勤務して10年で雇用止めとなります。パートは7年で雇用止めで、習熟した司書が次々とクビになり、人材が切り捨てられる状況が10年以上続いているのです。

 研修もありません。新採研修がかろうじてあるという程度です。自主研修を私が在職中に「田川司書の会」を立ち上げて研修会の定期的に行い、今も続いています。この研修会に参加できるのは、大規模校のフルタイムの司書が殆どで、小規模校の司書は年休を取って参加するような状態が半世紀も続いてきたのです。それも全く参加できない司書が10人以上もいます。

  さて、このようなもろもろの課題のある学校図書館について、13年前に「子どもの読書を支える会」という市民団体を立ち上げ、毎年学校司書問題について、市長や教育委員会と交渉を続けてきました。しかし、毎回あしらわれて、殆ど成果もなく終わっていました。

 この度、新市長になってから初めての市長懇談会です。懇談には、市長のほか、教育部長、管理課長、図書館長も来ました。教育長は別件があって来られないと恐縮していました。要望書も出していましたので、時間は30分でしたので、早速、要望の項目について話し合いました。中心議題は、小・中規模校の学校司書問題にしぼりました。

 市長さんは、「図書パートが給食と兼務ということで昼休みも図書館が閉館状態では困るので、やはり直していかねばならないと考えています。子育て世代に選ばれるまちにするためにも、学校図書館は良くしていきたい。教師の働き方改革という点でも改善していきたい。ただ、30年度は給食費の無料化に向けて予算の調整中なので、確約はできませんが。大規模校12校の司書の配置の形を広げていくことについてどのようになるのか検討したい。」と明確に方針をだして頂きました。

 トップが換わるとここまで違ってくるのかと、今までのむなしい歳月を思いました。しかし、今までうまずたゆまず言い続けてきたことが、この度の方向転換に生きたと思うのです。市長さんを変えなければと半年間頑張ってきた甲斐がありました。このHPを開く時間が6か月も無かったのは、市長選を頑張ってきたからなのです。皆川さんの著書を120冊も頒布しました。だって何者であるか誰も知らない人が立候補したのですから。それにしても、皆川治さんは素晴らしい方です。私たちの期待を担って果敢に取り組む姿勢が惚れ惚れとします。

 しかし、どう変えていくのか、どのように改善していくのか、これからです。

2018年1月29日(月)

    ♪世界的に急増している発達障害は…

  月に1回、小さな読書会を続けています。お気に入りの本を持ち寄って、本の紹介をしながら次々と話題が広がり、話しが止まらないのです。お喋りをすることがこんなにストレス解消になるとは驚きでした。毎回それが楽しくて、一年間続きました。冬の雪深いときは冬眠することにして、雪解けとともに再開する予定です。

 さて、その読書会に持ち込まれた月刊誌「食べもの通信4月号」に衝撃の特集がありました。先進国で発達障害が増えているという問題を取り上げていました。自閉症やADHD(注意欠如多動性障害)が、通常の学級でも6.5%にもなり、特別支援学級・学校を入れると10%にもなるというのです。

 以前より増えているのではという印象はありましたが、現代の子どもの神経や脳の発達に、これまで考えられなかった大きな変化が起きているのです。なぜそのようなことが起きているのか。その原因として、日本では高齢出産やネット・ゲームの影響などが指摘されてきました。

  しかし、欧米で注目されているのが人口科学物質の影響です。農薬のばく露が妊婦や乳児への影響を発表しています。例えば、有機リン農薬が尿からたくさん検出された子どもに、ADHDが多いと発表されました。大気汚染濃度が高い地域に住んでいると、産まれた子どもの自閉症発症率が高かったなど。

 農薬使用量と自閉症の有病率を比較した研究がありました。なんと農地単位面積当たりの農薬使用量が世界2位の日本と1位の韓国が自閉症児の有病率でも世界2位と1位の結果が… 3位はイギリス、4位がアメリカで、やはり有病率は共に一致したと…この結果からも農薬の使用量と自閉症児の増加の関係は無視できないのです。

  また、大人なら何の影響も受けない程度の化学物質でも、胎児や未発達の乳児では、超微量でも重大な影響を受けると言うのです。性的違和感を持つ人が増えています。米国産肉牛の肉質を柔らかくするために女性ホルモンが日本国産の数百倍も使われているといわれ、市販牛乳にも女性ホルモンが含まれています。体は男性、心は女性という人が目立ってきたのも、胎児期にホルモンの影響を受けたことが関係していると推測されるというのです。

  まさに農薬は脳毒です。日本では、発達神経毒性を持つ環境化学物質を野放しにしてきたことが、日本における発達障害児の増加の主因だと疑われています。農薬の空中散布はもちろんですが、殺虫剤の室内散布も危険危なのです。農薬の規制が日本では緩いため、無農薬、減農薬の農産物を選んで求めることも大事だと訴えています。

 

2018年1月23日(火)

  ♪「私の一冊」をめぐって

  長く学校図書館の仕事をしてきて、読書が人を育て、人生を豊かに楽しくするだけでなく、地域社会を興す力にもなると考えていました。そして、仲間達と一緒に「読書のまち 鶴岡」をすすめる会を立ち上げて、もう7年にもなります。その活動のひとつに、地方新聞に「私の一冊」の連載をしています。800字という限られた字数で、自分にとってこだわりの一冊、好きな本を、なぜ私の大切な一冊なのかも含めて書いて頂くものです。

 先日、新聞掲載された若い女性の方に、次の方にリレーのお願いをしましたら「読書リレー」について簡単に教えてください、という質問がありました。とのこと… 事務局をしている私としては、いつものようにいとも簡単な説明で執筆を依頼していましたので、本を読むと言うこと、読書について書くと言うことについて、改めてメールでこんな説明を書きました。

  私たちの会では、読書を多くの方に広げたいといろいろな取り組みをしています。そのひとつとして、自分の好きな本やこだわりの一冊を紹介していただいています。読書を通して人と人がつながり、人を通して本が広がり、繋がっていく、そんな活動が人を豊かにし、ひいては豊かなまちに…と地道でささやかなことですが、もう何年も続けてきました。

 「感動とは、伝えたいという衝動だ」と言ったのは、鶴岡で作家活動をしている佐藤賢一さんでした。本を読んで感動したり揺すぶられたりした経験を「書く」ことでいっそう自分の中で確信したり深めたりしていくのではないかと思うのです。「書くことは考えること」です。でも人から読まれる文章を書くことは簡単ではありません。人から評価される怖さ、自分をさらける恥ずかしさ、抵抗感を持つ方が多いのは当然でしょう。

 それでも、「読書リレー」をすることで思いがけない方にバトンされ、予想もつかない一冊の本で目が開かれる、そんな経験がたくさんありました。執筆し新聞掲載され、それを読まれた方が、その感動を伝え、伝搬されていくなんてすてきです。

 人との関わりややっかいなことはできるだけ避けあうこのごろの風潮です。でも人と人とが共感し合い、感動しあうことが、ほのぼのと人生を楽しませ、豊かな気持ちになるのではないでしょうか。

 昨年の11月に「読書で元気なまちをつくろう・市民の集い 山根基世後援会」で、山根さんは、「本というのは、人と人とがつながる糸口です。気持ちのよいつながりがあれば、人はしあわせになれる。みんなで幸せになりましょう」と語ってくれました。 嬉しいメッセージでした。

 さて、質問をした彼女から返信メールで、こんな素敵な言葉が届きました。

「本」の語源は、「太い木の根」をさし、物事の「根本」という意味です。つまり、本心じゃないもの、本気じゃないもの、本音じゃないものは、根がはえないんです。

本心、本気、本音、本番、本腰、本質、本性、本覚、本願、本の字がつくものはいい 本の字でゆこう いつでも どこでも 何をやるにも

相田みつを 「本の字」 出典『じぶんの花を』より

2018年1月7日(日)

  ♪子どもたちの育つ環境と発達を阻害するもの

  朝日新聞1月4日のトップページに、ネットゲーム依存の障害(依存症)を「疾病」として世界保健機関(WHO)が、病気の世界的な統一基準である「国際疾病分類(ICD)」に初めて盛り込む方針を報道していました。

 「ゲーム症・障害」とはどんな症状か。「持続または反復するゲーム行動」として、ゲームする衝動が止められない、ゲームを最優先する、問題が起きてもゲームを続ける、個人や家族、社会、学習、仕事などに重大な問題が生じるなどを具体的な症状としています。

  ゲームを含むネット依存の人は、酒や薬物依存者のように脳の働きが大きく低下し、感情をうまくコントロールできなくなるという研究論文が多数報告されています。ゲームを含むネット依存は、世界人口の6%(役4億2千万人)以上という研究者が推計をだしていると言いますから驚きです。日本でも厚生労働省発表で、成人約421 万人、中高生の約52万人にネット依存の疑いがあるとしています。

  とんでもなく多くの人がネット依存症に陥っているわけです。その数は、本を読まない人でもあるのでしょう。都会に出て電車に乗ると、殆どの人がスマホに見入っています。たまに本を読んでいる人を見かけるとホッとします。これらの現象に非常な危機感というか不安を感じます。読み考える思考が停止して、映像に垂れ流される情報を鵜呑みして流されていくのではないだろうかと。

  テレビが各家庭にあまねく入った当時、テレビ漬け現象が指摘され、「国民総白痴化」と盛んに言われました。当時、テレビは手に持って行かれませんでしたが、今や、ゲームやスマホなどメデァはどこにでも持っていけます。旅先でのこと、家族旅行らしい一家が、飛行機の待ち時間1時間以上、子どもたちはゲームに熱中し、親子で一言の会話も交わされることはありませんでした。

  家族の会話どころか、学校や仕事場でもひょっとしたら会話が希薄になっているのでは…と不安になりました。ゲームにはまってしまうと、依存症だけでなく、ゲーム内容に影響されて異常思考や異常行動を起こす危険性を、研究者らが警告しています。

  子どもの読書活動について語る機会があると、ゲームやネット依存の問題を抜きにしては済まされません。もっともっと社会問題、子どもの発達を阻害する危機的な問題として取り上げていく必要を感じます。

2018年1月3日(水)

    ♪うれしい年賀状

  年賀状は毎年の儀礼のようだけれど、年に1回の懐かしい便りの交換でもあり、繋がりを確認しあう大事な年中行事という意味も大きいと思っています。今年の年賀状の中に、「おおっ!」と驚く嬉しい便りがありました。

  「遅ればせながら、我が家にもコウノトリが舞い降りました。昨年10月に男の子が生まれ、賑やかなお正月です。」とあり、直筆で「念願叶い母となりました。今までの経験を生かし、たくさんの本と出合わせたいなと思っています。」とありました。きゃっ !よかったー と、元旦なのに思わず電話をかけてしまいました。関西方面の親しくしていた方です。

 子どもがほしいと医者に相談して治療や手立てもしていたことを知っていましたので、心から よかったねー と言いたかったのです。 私は、結婚をしたのが22歳、若かったし仕事に邁進していましたし、子どもはまず産まなくてもと思っていましたが、そのうち「お子さんは?」などと、度々言われるようになったのが結婚5年目間近いころでした。

  私も子どもがほしいなーと思うようになっていました。それでもなかなかだったので、産婦人科に診察に行ったら、妊娠するには治療が必要であることが判明。ショックでした。が、それから1年近く、真面目に治療の甲斐あって、めでたく赤ちゃんができました。女の赤ちゃん誕生に狂喜乱舞。するとそれから2年目で次女が産まれ、今度は少し間を置いて3女誕生。その3人もあっという間に親になりました。昔々あっけど…の話です。

  誰でも簡単に親になれるものではないということを人ごとではなく理解していましたので、子どもができない人の悩みはわかります。とにかく嬉しく喜びに満ちた年賀状に、昨年暮れから落ち込んでいた気持ちがいっぺんで青空に変わったような気分でした。彼女に思わず、何歳ですか? と失礼なことを伺ったら、「50歳になったの」という返事でした。

  高齢出産であることでいろいろ心配だったでしようが、大丈夫。待ち望んだ赤ちゃんです。大変なお仕事をこなしてきたあなたです。やわな若者に負けないくらいの体力はばっちりでしょうし、きっといい子に育ちます。まずは、赤ちゃん誕生おめでとうございます。新春に嬉しいお知らせを感謝します。生きる力がわいてきました。なんと単純な私です。

 

2018年1月1日(月)

   ♪あけましておめでとうございます。

  昨年中は大変お世話になりました。昨年は日常の忙しさにかまけてついつい半年以上もご無沙汰をしてしまいました。本人はいたって健康で元気なのでしたが、時間的な問題だけでなく、こころの余裕が無いというか、訪問して下さった皆様にたいへん失礼いたしました。今年は気持ちを入れ替えて、発信したいと思っています。

  昨年は、秋から冬にかけて、私の大切な方が次々と亡くなり、つらく悲しい思いでふさぎ込んでいました。私のもう一人の母と慕ってきた叔母さんが92歳でお別れをしました。幼いときから可愛がっていただいた叔母さんです。小学校の教師をしてこられたすてきな方で、その生き方を人生の師としてきたのです。

  叔母さんは退職してから、自宅で人形教室をしていましたから、私も習いに行って、人形づくりを楽しみながら、おしゃべりするのが何より癒しの時間でした。もちろん人形もちゃんと完成させて、展示会にも出品しました。高齢になってからは、教室も閉じたので、時々会いに行き、人には言えない愚痴や悩みを聞いてもらっていたのです。終わり方も人生を全うしたと言える静かな逝き方でした。

  ほんの2年程前から、ひょんなきっかけで朗読サークルの集まりに参加しました。そのときに聞いた朗読、物語の読み語りを聞く快感にはまり、つい朗読をやってみたい衝動にかられて入会したのです。それがなかなか難しく、アクセントや滑舌は根本から変ですし訛りは生まれつきだしさんざんでした。読みきかせはよくやっていたのですが、恥ずかしくなります。

 が、指導者の西澤和子先生の人柄にすっかり惚れ込んで、指導していただくと嬉しくて、毎回頑張って参加していました。ところが、仲間たちは10年近くやっている方も多いし、私は新参者の上にちっとも上達しなくて、だいたい予習復習もやってこない不真面目な生徒です。でも西澤先生は、ほんの少しでも上手く読めると褒めて励ましてくれました。大好きな先生でした。

 その西澤先生が、12月12日に突然亡くなられたのです。お風呂でのヒートショックでした。前日の夜、先生と一緒に市民劇場(会員制の鑑賞団体)の例会で、文化座「三婆」を観に行って、大いに笑い、楽しんできたのです。その翌朝、朝風呂に入っての事故でした。一人暮らしの先生と最後に会ったのが私です。演劇の興奮で大いに盛り上がっておしゃべりをしながら、先生のお宅に送りました。吹雪の夜でしたが、先生は門のところでにこにこしながら、両手でバイバイをしていました。それが先生との別れになるとは…。

  それだけでなく、涙もぬぐわない内に近しい方の葬儀が次々と…。人生には誰にも平等に終わりがあることを知っていますが、余りに突然で、まだ受け入れがたい思いでいました。それでも日々の雑事は、そんな落ち込みにもお構いなくやってきます。正月もいつもの通り訪れ、その支度に翻弄されるし、会議の予定やしなければならないことが溢れています。悲しむひまもないうちに、いつか彼岸をうろうろしていた境目の不安定な気持ちがぬぐわれているのでした。薄情のような気もします。

   お正月の話題にはふさわしくないのですが、大切な人との別れを、このことはどうしても書いておかねばすまなかったので、新年早々にご免なさい。どんなに悲しくても、やっぱり生きている者は、おかまいなく生きてゆかねばならない・・・変な言い方ですが真実です。

 新年に当たり、その日が来るまで「生きる」ということを、改めて問い直しています。

2017年12月13日(水)

  ♪読書活動推進は成果が見える

  先日、京都府の京田辺市の小学校の公開研究発表会に行ってきました。「読書活動推進モデル校」として市教育委員会の指定事業を受けて、4年間の実践を発表する公開研です。公開授業のほかに、全ての学級が読書に関わる活動を展開していました。ざっと回ってその一端を垣間見ただけで恐縮ですが、少し紹介します。

  1年生は、隣の幼稚園の子どもたちに読みきかせをしていました。今までも何度か読みきかせを行い、小さい子たちともすっかり馴染みになっているようでした。幼稚園の年長さんたちもこれから入学する学校に親しんでいましたし、来年は、今度その子たちが得意そうに幼稚園児に読みきかせをするのでしょうね。

  2年生は、国語の公開授業で「お話の作者になろう」。学校司書によるブックトークを聴き、お話の「中」の部分の物語を考え書いてみる学習でした。物語の展開でよく使われるつなぎ言葉の例を担任が示し、作者気分になってイメージを膨らませて簡単な絵や文章を書いてみるのでした。先生は、子どもたちが描いている途中の物語を映して画像で紹介しながら「すごいねー」と。

  3年生は5年生と組んで公開授業。5年生のブックトークを聞いて、興味を持った本を選んで味見読書をしてみるという読書活動です。グループ4〜5人ごと、5年生の各グループがブックトークをしているところを回って聞き、カードに興味をもったかそうでなかったかを◎をつけていました。屋台方式というグループ発表を朝暘第一小学校でもよくやっていましたが、子どもたちは楽しそうでした。

  4年生は「俳句名人になろう」は、冬に関する言葉を本で調べてことば集めをして、俳句作りをしてみる授業でした。それぞれ子どもたちは、頭をひねり、他の子の作品を見せて貰ったりしながら苦心していました。なかなか楽しそうです。

 5年生の別のクラスは、リテラチャーサークルに取り組んでいました。3〜5人のグループで同じ本を読み、話合いながら読み進む読書活動です。それぞれが役割分担があり、質問をつくる役目、内容のつながりを発見する役目、疑問質問を考える役目など事前に決めて、自分の役割に注目しながら読み進め、途中で話合いながら長編の物語を読み進むという方法です。これは新潟大の足立幸子先生が紹介した読書推進活動です。

 6年生は、「この絵、私はこう見る」という絵から読み取ったことを表現する授業。絵本の一部を絵から様子を読み取り、本の中身を想像して説明したり、紹介するコミュニケーションが楽しい学習。

  4年間ここまで様々な読書活動に取り組み、子どもたちも豊かに育っていました。さて、今年で「読書活動推進モデル校」は終わります。来年からどんな学校研究のテーマに取り組むのか興味があり、駅に送っていただきながら校長先生に伺ってみました。校長先生は、「そうですねー、読書推進に取り組むと子どもたちの育ちがはっきり見えますからね。」とおっしゃっていたのが、この学校に呼ばれて来て一番嬉しい言葉でした。

 そうなんです。読書の効果は長いスパンで見ないと分からない、とよく言われますが、実は、読書の効果はすぐにも見えるのです。例えば、朝読書をした日は、子どもたちが1日しっとりと落ち着いていると先生達からよく聞きます。全校で読書教育を真剣に取り組み、一年も経たずに学力が上がったなどの事例は珍しくありません。こんな教育効果がはっきり見える読書活動を、学校ではもっともっと取り組んでもいいのにといつも思います。

2017年11月27日(月)

  ♪長らくご無沙汰しておりました。ようやく復活です。

  どうしたの?  元気してますかと心配のメールなどいただくこともありました。が、いたって元気で日々活動していました。ただ忙しさが半端でなく、このホームページを開く余裕もない暮らしでしたのでお許しください。

 忙しさのわけを明かしますと、一番は鶴岡市の市長選挙でした。今から2年前、鶴岡を読書のまちにしたいと願って、市議会に「読書のまち 鶴岡」宣言の制定を求めて請願を提出しました。ところが、市長の「この請願を通せば、スポーツのまち宣言とか音楽の町宣言とか請願があれば皆しなければならなくなるからダメだ」と言うわけのわからない一言で不採択になったのでした。一事が万事、市民の願いは殆ど却下されるという古い体質の鶴岡市です。

  市民の不満は、私たち「読書のまち」をすすめる会だけではありません。文化会館建設予算が当初45億円から79億に跳ね上がり、ついに97億円と倍予算になっても説明もないままとんでもなく変なデザインの文化会館が建設され、市民の不審が炸裂したのでした。もうトップが代わらなければ収まらない、というタイミングで今年10月市長選挙がありました。

  「読書のまち 鶴岡」をすすめる会の理事の皆川おさむさんという43歳の若者が市長選に立候補したのです。学校図書館の学校司書配置が学校規模によって格差が大きい問題の解消についても公約にしてくれました。これは何としても市長になっていただきたいと応援をしました。皆川氏のキャッチフレーズは「鶴岡を対話で元気に」でした。市民の願いを基に市政を考えるというのです。

 私たちは女性の会を立ち上げて大いに盛り上げました。城下町は根強い保守のまちです。簡単ではありません。攻撃も激しいものでした。しかし、しかし、ついに皆川市長が実現したのです。圧勝でした。本当の市政の転換はこれからです。市民としても見守り応援せねばと思っています。

 さて、選挙が終わってほっとしたところで、読書の秋です。読書のまちをすすめる会では、2つの集いに取り組みました。一つは、「古典の日の集い」が11月4日、もう一つは「第8回 読書で元気なまちをつくろう・市民の集い 山根基世講演会」11月25日でした。どちらもとても内容が充実していて、どちらも満席でした。

  というわけで、読書のまちをすすめる会の事務局をしている私は、てんてこまいだったのです。これらの活動のなかで、たくさんの人と知り合いました。意見を戦わせ、共に泣き、共に喜び合い、心通うときのふるえる感動、濃厚な日々を過ごしました。学ぶことも多かったなぁとしみじみ振り返っています。

 このページに訪問して下さった方々には、長い留守の間失礼致しました。これからも呆れずにおつきあいいただければ嬉しいです。よろしくお願いします。

2017年5月19日(金)

   ♪森絵都著 『希望の牧場』

  題名は『希望の牧場』(岩崎書店)だが、まるで希望の薄い牧場なのです。東日本大震災後の福島で原発施設から20キロ圏内の肉牛を飼育していた牧場の今現在が描かれている絵本でした。始め読んだときは、えっなんなんだろう? なぜ絵本に? と正直思ってしまいました。

 330頭いた肉牛の牧場で、一夜にして入っていけない放射能に汚染された危険な場所になり、ついに牛たちの殺処分も決まった。牛飼いのおっちゃんが一人称で語る。しかし、それでも牛たちにえさをやり、水を飲ませ、世話をしている。彼は、放射能は恐いとは思ったが牧場に残り、牛たちの世話をやめない。「オレ、牛飼いだからな。」と…

 牛たちは、エサ食って、クソたれて、エサ食って、クソたれて、まいにちそれだけだ。たくさん食って、うまい肉になる。牧場の牛たちは、そのために生きて、死ぬ。それがこいつらの運命。人間がきめた。そして、原発事故によって、人間がくるわせた。

 殺処分に同意しなかった。汚染され売れない牛を生かしつづける。意味がないかな。バカみたいかな。といっぱい考えたが、「オレ、牛飼いだからさ」そのあたりまえのことを、まいにち、いっしょうけんめい、勝ちとってる。しかし、お金はかかる。近所の牛も頼まれたりまいごの牛をひきとったりして360頭に増えた。

 協力してくれる人もいる。お金やエサを寄付してくれる人もいる。いつしか「希望の牧場」とよばれるようになる。弱った牛が死ぬたびに、ここには絶望しかないような気がする。希望なんてあるのかな。意味はあるのかな。と迷いながら、考えながらすすむ。そして、そして、最後のページに

あしたもえさをやるからな、もりもりくって、クソたれろ。

えんりょはいらねぇ。おまえら、牛なんだから。

オレ牛飼いだから、エサをやる。

きめたんだ。おまえらとここにいる。意味があっても、なくてもな。

 これって牛たちだけのことではなかったのだ。森絵都さんが書きたかったことは、それだけを書きたかったのではなかったのだと・・・

2017年5月1日(月)

   ♪森絵都著 『みかづき』

  物語は、昭和36年から始まります。私が中学校のころです。学校教育の矛盾を、学校からの視点ではなく、塾を営む人の目線でひもといていく。その家族の一人ひとりの思いや関わりと個性を横糸にして織りなしていく展開に、目が離せなず、ぐいぐいと読ませていく森絵都のペンの力に圧倒されながら読み終わりました。なんと467ページ分厚い一冊です。

   戦後、文部省が次々と打ち出していく教育政策が、私たち日本の子どもを育てていったことが、様々な矛盾をはらんで、落ちこぼれを生み出し、矛盾を重ねていくことと、こぼれた子どもを学習塾が補填していく。ああそうだったなあ、と思い当たることが出てきます。

  学校現場に長らく居ましたから、学校側からしか見られない自分でしたが、外側から見れば、そうだろうなと思い当たりることがいっぱいあります。一部のエリートを育てればよしとした国の教育政策が、ついて行けない子どもを大量に生みだしていったことは確かでしょう。

  内容については、読んで頂くことにして、最終章にこんな言葉が出てきます。「教育は、子どもをコントロールするためにあるんじゃない」。「不条理に抗う力、たやすくコントロールされないための力を授けるためにあるんだーー」。このことを伝えたいがために作者はこの物語を編んだのではないだろうか、と。

  学校の教師も、学習塾の先生も、子ども自身が自分の頭で考え、自らの思いで発揮できる力を身に付けたと感じたときこそ、指導者は無情に喜びとしたのではないだろうか。この物語に「図書館」は登場してこないけれど、子ども自らが学びたい、知りたいと自覚したときに「図書館」が活躍するのだろうなあ、と思いながら読んでいました。

 そこに至るまでの「教育」に携わる人たちの葛藤や苦しみなど、よくぞ小説の題材にして提起してくれました。拍手です。本当に書いて欲しい学校現場の矛盾や教師達の頑張りが薄かったのですが、半世紀を超えて教育を俯瞰して書いてくれたことに、読む価値があります。おすすめです。

2017年4月30日(日)

  ♪「読書のまち 鶴岡」をすすめる会 設立総会

 先週の日曜日4月23日に「読書のまち 鶴岡」をすすめる会 設立総会が行われました。前回お知らせしましたように、鶴岡のにこふる三階の大会議室で開催しました。鶴岡市立図書館の松浦幸子図書館長が来賓のご挨拶でしたが、こころ暖まるすてきなお話に感動でした。

 「この会の新たな出発、おめでとうございます。私にとっても読書は大切なものです。読書をこころの種として我が子にも小さいときから絵本の読みきかせをたくさんして育ててきた。ところが次男は6年生のころからスポーツ少年団に入り、本とは縁のない暮らしぶり。あの種はどこへいったのかなあと思っていました。

 その息子も大人になり親となりました。すると生まれた子どもに絵本の読みきかせをせっせとしているのです。種はちゃんと育まれていたのです。 この会の6年間は読書推進の芽を育ててくれました。これからも一層、地域の読書活動をすすめていたたければと願っております。」 と励まして頂きました。図書館の司書として長らく活躍した方が図書館長となったのは、何十年ぶりかです。嬉しいことです。

 総会ですから議事も型どおりにすすむわけですが、「読書のまちの請願はこれからどうする予定なのか」などの意見も出て、満席の出席者で格調高く、知的な雰囲気のなかいい総会になりました。総会後のステージ発表は、お話玉手箱の皆さんによるエプロンシァター「ちからたろう」。琵琶で語る昔話「うらしまたろう」を楽しみました。

 たくさんの市民と共にすすめる読書のまち、これからです。どんな活動ができるか初年度として力をあわせてしっかり進めていきたいものです。

2017年4月19日(水)

   ♪桜が満開、花嵐が・・・・

 鶴岡は、4月15日土曜日に一気に桜が満開になりました。まだ花見もしないうちに、今日は突風が吹きまくり、街中花びらが舞い散りました。花のいのちは短くて・・・ですね。

 「読書のまち 鶴岡」をすすめる会がいよいよ設立総会を開きます。一昨年読書のまち宣言を求める署名活動を行い、13,211筆賛同署名が集まり、2015年12月に鶴岡市議会に請願を提出しました。12月は継続審議となりましたが、翌3月議会で不採択が決まりました。

  不採択の理由は、「宣言」については平和都市宣言があり、重複して読書のまち宣言がふさわしいかは議論ができていない、「宣言の制定」という文言が条例化を意味しているなどなど。それより「この読書のまち宣言を通したら、音楽のまち宣言やらスポーツのまち宣言など請願があったら皆しなければならなくなるから」という市長が言った言葉には驚きでした。そんな請願が市民から出てくるまちなんて素晴らしいと思うのにね。

 しかし、不採択になったことで、かえって多くの市民から反響があったのです。鶴岡は、古い城下町の気風が昔から変わらず、上からのお達しばかりで、市民の声を聞くという姿勢がないところ、読書のまちなんて反対する理由がないのに請願に対してはらいのける体質がある。もっと頑張ってと。

 13,211人の賛同署名に励まされて、読書のまちづくりを多くの市民と共にすすめようと会員・賛助会員を募って、しっかりとした組織と財政基盤を立て直して読書のまちの実現を目指すことにしました。現在200名以上の会員が入会しました。4月23日が設立総会です。会場はにこふるの三階大会議室です。

 ちょうど子ども読書の日なので、それにちなんで「第7回読書で元気なまちをつくろう・市民の集い」が午前11時より午後3時まで、絵本のかえっこくらぶ、だがしや楽校などワークショップ、人形劇、紙芝居もあります。総会後のステージ発表では、午後2時より、おはなし玉手箱サークルによるエプロンシァター「ちからたろう」。琵琶で語るむかしばなし「うらしまたろう」があります。これも圧巻です。参加は自由ですので、お出で下さい。

 この総会準備が忙しく、ホームページをすっかりご無沙汰してしまいました。また再開しますので、よろしくお願いします。

2017年3月5日(日)

   ♪小さな読書会 その2 まちライブラリー

  好きな本を持ち寄って小さな読書会を開く方法として「まちライブラりー」のことを磯井純充氏が出演したディスカッションで伺いました。読書で元気なまちをつくろうと鶴岡で読書のまちづくりに取り組んでいます。小さな読書会こそ本を通して元気なまちにするキーポイントとひらめき、あちこちで読書会を開いたり、すでにやっている読書会にまぜてもらったりしています。先日、仲間の一人が「まちライブラりー」を企画してくれましたので、早速参加させて貰いました。

  「本のむし」というできたばかりのグループ主催です。参加者は9名。10人以内が語り合うにちょうどよい人数なのだそうです。テーマは、バレンタインデーが直ぐのころなので「恋愛」。さて、本番、全体の制限時間もあったので、一人3分で本の紹介をして、質問は2分です。ビブリオバトル状態の制限の中で、それぞれが語りました。その中から印象的だったのを紹介します。

  

 『「暮らしの手帖」とわたし』(大橋槇子・花森安治・暮らしの手帖社)。朝ドラのトトねえちゃんで一躍話題になった暮らしの手帖社の二人。いつかぜひ読んでみたいと思っていました。『夢のカルテ』(高野和明・坂上仁志・)恋愛ミステリーと紹介。銃撃事件に遭遇したことがきっかけで、毎晩のようにその事件が夢に出てきてしまう刑事の麻生。カウンセラーである夢衣の元を訪ね、夢の中に入り込めるという が…

 『恋のトビラ』石田衣良・角田光代・巌元野ばら・島本理生・森絵都の5人が執筆。こんな思いでこんな恋をした。それぞれの恋が、有るなー、そうだよなーと共感。島本理生の物語が好きだと紹介。これもいつか読んでみよっと。

 『星の王子さま』誰でも知っている本、200カ国で翻訳されて、子ども向けのだと思われているけれど、実は恋愛の本なのです。それは、自己中のバラから逃れて7つの星をめぐっきた王子さま。地球でたくさんのバラを目にして、愛に気付くという愛の物語なのだと…。素敵なしかけ絵本を見せながら紹介。6つの星が語っているもの、バラの4つのとげの意味するもの、有名な言葉・大切なものは目に見えないもの、などなど星の王子さまの知らなかったふかーい意味と内容に迫って語ってくれました。

 まちライブラリーで紹介された本は、どれも無性に読んでみたくなります。本で語り合う楽しさ、興味がつきませんし、語っている一人ひとりと距離が近くなり、嬉しいのです。本で人とつながる、人を通して本とつながるおもしろさ。読書会ってやっぱりいいですね。

  3月9日(木)鶴岡銀座の用品店マルタで、午後1時30分から、「ふらっときておしゃべりサロン」をします。好きな本を持って、マルタさんの店の奥にお出でください。手ぶらできても大丈夫です。本をきっかけにして、たのしいおしゃべりをしませんか。

2017年2月22日(水)

   ♪小さな読書会が2つ その1

  先日、読書会に参加してなかなか興味深い本に出会ってきました。ブックライフというランチをしながら気に入った本について語り合う読書会。若いお母さんKさんの一冊目は、『おふろでちゃぷちゃぷ』(松谷みよ子・岩崎ちひろ・童心社)。自分が子どもの時、初めて読んだ絵本で、大事にしまっておいたのが見つかったと、こわれかかった絵本を紹介。かわいいはだかんぼの小さい子が、あひるちゃんとおふろで楽しそうです。岩崎ちひろさんの絵がほんわか格別です。

 鶴岡の市立図書館に最近できたヤングアダルトコーナーで見つけた本『心にひびくマンガの名言』。文章は若者向けではあるが、昔のマンガも出てくる『3月のライオン』など。子どもの本、大人の本と分けないで読めるようにするのもいいのでないか、など図書館の有りようも話題になったり…。

 Kさんから読書通帳を図書館に提案したいという発言。読書ノートがわりに図書館で本を借りたときに発行される期限が書いてあるシート、それを読書ノートに張っているそうです。薬屋で「おくすり手帳」に薬をもらう度に発券されるシートがのり付きになっていて直ぐはれる。それと同じように図書館の貸し出し期限シートものり付きにしてもらえたら、読書ノートに直ぐはれるという提案でした。なるほど、なかなかの発想です。

  などなど読書会の話題はなかなか発展的です。つぎのAさんのおすすめは『なるほど世界知図帳2017』(昭文社)。話題になったニュースや知りたい国のことやら地図だけでなくランキングや知っておきたい知識などがてんこもりという優れものの一冊。新聞を読んだだけでは理解できない疑問なども解りやすく地図と写真を豊富に知識を助けてくれる。

    

 Tさんの紹介図書は『オニのサラリーマン』(福音館・富安陽子作)、いかにも富安さんなら考えそうなとんでもないお話がいい。それと『おでん屋さんが書いたおでんの本』(船大工安行著・三水車)というすごくわかりやすいおいしそうな本。おでんは、ちまちまとつくるのではなく、何でもいいから具材を30種類入れるのがコツだとか。

このつづきは、次回へ

2017年2月10日(金)

  ♪6年生たちに最後の読みきかせ

  東北の日本海側の冬景色は、とにかく雪ゆきゆき…ときどき吹雪また吹雪・・・が常態なのだからちっとも驚かないのだけれど、今年の冬は、日本中あちこちで大雪だったりで大変です。そのせいかどうか、こっちの雪の量はどか雪で積もっても、その内気温が緩んで消えたり、そんなに大雪という程ではなく2月も半ばになりました。

 今日は、近くの小学校で読みきかせがありました。6年生の最後の読みきかせに参加した I さんが、6年生の最後にはきっと読んで上げたい本があるというのでした。それは、『たいせつなこと』  (マーガレット・ワイズ・ブラウン作、レナード・ワイスガード絵、内田也哉子訳、フレーベル館) 

 ガラスにとって大切なことは、向こうがわが透けてみえること。雨は、そらから落ちてきてしとしとざばざば…でも雨にとってたいせつなことは、みずみずしくうるおすということ。くさは、おおきくのびて、あまくあおいにおいでやさしくつつみこんでくれる。でもくさにとってたいせつなことは、…と、ゆきやりんご、かぜ、そらのたいせつなことが語られていく。

  そして、最後のページには、あかちゃんだったあなたは、からだとこころをふくらませ、ちいさないちにんまえになりました。そしてさらにあらゆることをあじわって、おおきなおとこのひとやおんなのひとになるでしょう。でもあなたにとってたいせつなのは…、と問いかけ、さいごの1ページのたった1行の言葉が、ずしりと響いてきます。

  午後の読書会「絵本でティータイム」で、 I さんが私たちにも読んでくれました。やっぱり最後の言葉が、深くふかくこころに問いかけてきます。あなたのたいせつなことは? と。6年生達も、この最後のページの言葉で教室の空気が静かにどよめいたのを感じたと I さんはいいます。子どもたちのこころにまっすぐ届くことば、こんな一瞬があれば、6年間読みきかせを続けてきた甲斐があったと言えるのかもしれないと、少し大げさかも知れないけれど、思ったのでした。

 1年生の一番初めの読みきかせで読みたい本も紹介してくれました。『ぼくだけのこと』(森絵都作、スギヤマカナヨ絵、) ぼくだけできること、ぼくだけ家族の中でえくぼがある。などなどぼくだけのことを並べていきます。ぼくの学校には400人以上もいる、その一人一人がちゃんと個性と表情を持って描かれているのです。ぼくだけのことをちゃんと主張している、多分3年生の男の子自身が愛しいのです。

 ぼくだけの大切なことをちゃんと自己肯定感を持って語れる、子どもはそんなに自分を雄弁には語れません。それは絵本の中だけかもしれないけれど、この子が自分に代わって言ってくれることにほっとしています。1年生なりたての君に、自分を見失わないで自我を育ててほしいとメッセージしているようです。4月初めの読みきかせで読んでみようかな。

2017年2月5日(日)

  ♪鶴岡の学校図書館事情

  2日前までの猛吹雪がおさまり、今朝はささやかな日差しが戻ってきました。が、また雪でも降りそうな空模様。東北の日本海側の冬景色は、毎年こんな天気の繰り返しです。今年は、雪が積もっても消える期間もあるので、まあまあというところでしょうか。1月に梅が咲いていた水戸から帰ってきて、こちらは吹雪の日々、春よこい、はやくこい…です。

  先週、「子どもの読書を支える会」では、鶴岡市の教育長さん、教育課長さんたちと懇談をしてきました。要望書は「子どもたちが本を楽しみ、学びを深める学校図書館職員(学校司書)の充実を求める要望」を提出しました。鶴岡の小中学校では、大規模校12校に、臨時学校司書としてフルタイム・専任・専門の学校司書がいます。しかし、他の30校の中小規模校には、臨時パートタイムで4〜6時間勤務で、給食や事務の兼務で配置されています。

  鶴岡では、一昨年にようやく「子ども読書活動推進計画」が初めて策定され、そこには、学校図書館の機能の充実がちゃんと述べられています。しかし一見、全校配置が実現していますからすすんでいるように見えますが、内容は、ここでも何度か述べているように昼休みも図書館にいられない、授業で図書館が使われるときも学校司書が図書館にいられない、子どもが一番多く来る朝の貸し出しのときも勤務時間に入っていないなど、ちゃんと学校司書がいる図書館にはなり得ていないのが実態です。

  学校司書に研修は欠かせないわけですが、自主研修が認められているだけです。その研修会への参加も中小規模校の学校司書は3分の1は参加出来ないままです。かろうじて市教委で行っている研修は、初任者研修だけです。

  給食との兼務をやめて、専任にしてほしいこと、研修を実現して欲しいこと等を懇談会で話し合いました。が、予算も厳しいし、貸し出しは、図書委員会もあるとか、学校司書だけが図書館の仕事をするわけではなく図書館主任も居るなど、毎年の話合いと同じように進展が見えない懇談でした。

  鶴岡市内の学校図書館が、大規模校ではそれなりに充実したサービスと機能を子どもたちが受けられるのに、中小規模の学校では、1日の殆どが無人状態の図書館です。こんな実情をもっと市民に知って欲しいと思うのですが、それも有効にはできていません。市民サークルがどれだけ学校図書館の実情の改善に踏み込めるのか、そこが難しいところです。

 市の財政が厳しい中で、子どもたちの教育にどれだけ前向きに取り組めるのか。今鶴岡では、小規模校の廃校、統合が着々と進められています。10校以上の小学校が無くなりました。ですから学校司書も10人減少しました。特にベテランの先進的な学校図書館を支えてきた司書たちがクビになり、再雇用されていませんから、現在のレベルがどうなるか不安がつきまといます。若い司書に引き継がれ、子どもたちの図書館活用を高めていく取り組みが心細いところです。

  鶴岡の学校司書が配置されたそもそもは、学校図書館は人が居なくては機能しないと教師達が望んで学校で雇用したのが始まりでした。そして、各学校にPTA費で雇用されていた学校図書館アルバイト状態の人たちを市の雇用にしようと市民運動で実現したことで全校配置への道が繋がったのです。多くの市民の心ある活動によって生み出された学校司書であり、学校図書館の機能アップが図られたのです。

 その学校図書館をすたれさせてはいられません。先人の思いを引き継いで、子どもたちに優れた学校図書館の環境を保証していく、それが私たちの努め、ぐちを言っている場合ではないなぁ、と。吹雪に揺れながら健気に咲いている庭の山茶花を見ながら思ったのでした。あと1か月余で春がきます。

2017年1月25日(水)

   ♪水戸市の公共図書館・学校図書館事情

  茨城県水戸市には初めて伺いました。水戸市立図書館は以前から活発な取り組みで知られているところです。ところが、指定管理問題が出てきて、市民の間から反対の声があがりました。「水戸市立図書館を育てる市民の会」を立ち上げ、市に働きかけてきました。それと一緒に、ボランティアのお母さん達から「学校司書配置」の要望があり、学校司書の配置も働きかけています。

  市議会でもその主旨に賛同してくれましたが、指定管理に切り替えたことでういたとされる嘱託職員を数人だけ学校図書館支援として33校を回るという状態になっています。それも、除籍の仕事やコンピュータ化の入力の仕事をということで、その後学校図書館をどうするのかという方針もないままだということでした。

 私に声がかかったのは、「学校図書館こそが教育を変える可能性を持っている」ということをシンポジゥムを通して、市民、教員に伝えたいというのでした。演題は、「学校図書館の可能性 〜学校図書館が変われば子どもが変わる、教育が変わる〜」です。学校図書館を教育に活用することで、読書活動だけでなく、子どもたちの主体的・探究的な学びを効果的に実現できることなど。また、本を読む子がなぜ伸びるのか、その実際の話を入れながら、話しをしました。

   泊まったホテルの部屋に「水戸ノート」と題したパンフレットが置いてあり、指揮者小沢征爾氏が水戸芸術館の館長に就任して、活発な音楽活動を展開していることが載っていました。こんな芸術的、文化的なまちです。さぞかし水戸の文化は高いレベルなのではと思いましたが、内情は、芸術館に莫大なお金を使っても、子どもたちのためには、学校司書一人配置できていないお寒い学校図書館の現状があるだけでした。

  公立図書館も指定管理にゆだねて財政縮小を図るという施策。海外の有名なお高い音楽会には、全国各地から聴きに来る人たちが中心で、市税が使われ、市民のためには… 他市の話とは思えないような我が市と似たような実態がありました。

 地元鶴岡の子どもたちのために学校図書館を活かせる環境を何とかしなければと思いながらも、殆ど前進していません。学校の統合や廃校が次々と進み、小学校が10校も減りました。学校司書の配置は一応全校配置はなっていますが、中小規模の学校はパート職員が4〜6時間の勤務でこなしています。何とか改善していきたいのですが、市民の会ではなかなか難しいです。いつかは解ってくれるのではと毎年教育長さんと話合いの機会は持っています。

2017年1月8日(日)

   ♪鶴岡には、現役の「作家」がたくさん居ます

  鶴岡の生んだ作家達は少なくありません。古くは、田澤稲舟、高山樗牛、丸谷才一、藤沢周平などなど。児童文学・絵本作家でいえば、赤木由子、ましませつこ、土田義晴。鶴岡にお住まいの作家といえば、直木賞作家の佐藤賢一です。

  ところで、鶴岡に在住している作家・詩人を最近知りました。それもベストセラー作家です。『犬から聞いた素敵な話ー涙あふれる14の物語』(2012年・東邦出版)の著者山口花氏です。初めての著作で30万部超えるのですからベストセラーです。『あなたと暮らせてよかったー犬から聞いた素敵な話』、『ぼくらと犬の小さな物語』など。

  先日鶴岡市立図書館で、山口花の特別講演会があり、聞いてきました。演題は「伝える ということ」。「自分が思ったこと、何気ないことでもその日あったことを手紙にして、自分に向かって書くということをしている。言葉にして書くことを通して、底にある思いが、後から自分に伝わっていくこと」。マイクはあったのですが、よく聞き取れない言葉が多かったので、充分解らない講演でしたが、「話すという伝え方は自分の苦手なことで、書くことが伝えやすい」。といったことが印象に残っています。

  もう一人、やはり最近知った方で、万里小路譲氏。(ペンネーム・本名は門脇道雄)、鶴岡市の著作活動の顕著な方に贈られる権威のある賞で、高山樗牛賞を受賞したという新聞記事を見て知りました。詩人で、執筆した本は14冊といいますから素晴らしいです。元高校の先生です。多才な方で、サックスやフルートも音楽教室で指導していますから凄い方です。

 お二人に、「読書のまち 鶴岡」をすすめる会 で主催している荘内日報紙上の「私の一冊」の連載の執筆をお願いしました。山口花氏の紹介してくれた一冊は『真夜中のピクニック』でした。1月4日付けで「新春特別寄稿」としてすでに掲載されました。

  鶴岡は、やはり読書のまちですね。こんなに作家や本を出版なさっている方々が多いし、読書を楽しむ方、読みきかせ活動など読書活動をなさっている人やサークルの多いこと、他市に見られない程の文化的な人材の多いところではないでしょうか。

2017年1月1日(日)

  ♪明けましておめでとうございます

 またお正月がめぐってまいりました。1年のなんと早いこと。こんなスピードで人生の終末もタッタカタッタカと過ぎて行き、あれ? と思ったときは、もうおさらばなのかもしれませんね。正月からそんなことを考えてしまいました。そう深刻に思っているのではありませんから、まあまあ、幸せなお正月ですね。

   さて、昨年の暮れには、本を一冊改訂出版いたしました。厳密には「本」とは言えないかもしれませんが、『城下町つるおか子ども方言かるた』です。一昨年前、出版したのですが、読み札の音声も入れないと方言のニュアンスが伝わらないのではないか、と実行委員の一人から出された意見で、早速検討しました。まず、読み札の正しい(?)方言での「読み」を録音してみました。実行委員の一人が地域の劇団の重鎮ですから、ばっちりです。

  録音してみると、ゆっくり間を置いて読んでも20分もかかりません。CDを付録につけるとしたら、昔話とかわらべ歌もいれてみよう。鶴岡の音の風物詩も入れてみようとだんだん欲が出て、面白くなってきました。

  『城下町つるおか子ども方言かるた』CD付

 「鶴岡の音の風物詩」なら、鶴岡駅での列車の到着音や「つるおか〜つるおか〜」という到着を知らせる駅員の呼び出しやら、お祭りの大名行列の奴振りのかけ声とか、羽黒山行者のホラ貝の音や花火の音など、鶴岡ならではの音の収録をしてみたのですが、なんと著作権に関わる問題があることがわかってきて、そう簡単にはできないようでした。

 それで、昔話とわらぺ歌なら、田川民話の会の方達で得意な方にお願いをしました。わらべ歌は、「雀」「おらえのちょんべなさん」「さよならさんかく」「たんたんたぬきさん」「せっせっせ」など。昔ばなしは、鶴岡に伝わるお話を集めました。「せやみこき一家」「貧乏士族」「二百人のどろぼう」「貧乏の神」です。方言のいい味を出しています。ほかでは聞けない昔話です。

  音で綴る「つるおかの方言」としてCDに収録して、改訂版第四刷りとして出版しました。音を聞いただけでも楽しいです。地方新聞に記事が出ました。

 購入希望の方は、市内書店か、清川屋(鶴岡市内のお土産展)、NHK文化センター、または、子どもかるた制作実行委員会の事務局(0235−22−7604)にお問い合わせください。お値段は¥1300−(税別) 郵送で送ることもできます。

           2016年10〜12月