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8/11.不登校と学校図書館
8/5.高松市の「学校図書館を考えるつどい」 20周年
7/29.ただいま子育て練習中
7/10『子どもと本』 松岡享子
7/3.BooK!BooK!Okitama 2016 川西町に行ってきました
6/28.図書館を生涯頼るという意識を育てたいから…
6/22.学校図書館を語る会
6/19.アーサー・ビナード講演会・茨木のり子を語る
6/12.長月の会 ミニ朗読会
6/6.チビッ子広場で子どもたちと楽しい時間
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5/20.読みきかせサークル交流
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4/17熊本の大震災、お見舞い申し上げます。
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全国SLA

高鷲忠美先生のブログ

鶴岡市朝暘第一小学校




















あんなこと こんなこと

2016年8月16日(火)

  ♪中学校の図書館活用、素晴らしい実践の本が出ました!!

  中学校での図書館活用は難しいとよく言われます。目が回るほど忙しい中学校では、図書館や読書どころではない、というのが実態かもしれません。そんななかで、札幌市の佐藤敬子先生は、中学校の司書教諭として試行錯誤しながら、「学び方の指導」の実践をすすめてきました。

 敬子先生は、全国学校図書館研究集会では、毎年のように実践発表をされていましたし、私もその分科会を聞かせていただき、こんなふうに校内の先生方を巻き込みながら、子どもたちの学び方の力を育てていくのだなあと感心していました。

  学校司書もいない、先生方の理解もない、図書館も使えない状態のなか、それでも子どもたちに「学び方の力」をつけることが大事だと奮起した敬子先生。まず、図書館を変えることから始めます。

  なぜ学び方指導が必要なのか。例えとして、ミシンの使い方を教えないで、ミシンでエプロンを縫いなさいと始めたら、針が折れたり、ケガをしたり、うまくいかないとホッチキスで布を留める子までいるかもしれない。図書館に連れてきて調べ学習をしなさいと解き放ってもうろうろするばかり。ネットで適当に見つけたウェブサイトを切り取って貼り付けたところで、何の力になるのだろうかと、学び方指導の大切さを説きます。まさに中学校の生徒たちの現実です。

  学び方指導をするには、とにかく楽しく、生徒たちがわくわく興味を持って取り組む方法を、いろいろ工夫して、失敗例や子どもたちの思いがけない反応やらを、読んでいてつい引き込まれて、面白い打ち明け話でも読んでいるようです。語り口調の文章の魅力でしょうか。司書教諭の自己紹介をしたら、ある生徒が「図書館の紫蘇醤油」と間違えて言ったエピソードやら、生徒達との愉快なやりとりなど、落語でも聞いているような、といったら大げさでしょうか。

 学び方の指導は、まず年度初めに全校一斉に校内放送を使って行う「図書館学活」を紹介しています。生徒は、プリントを見ながら聞くわけですが、教師も全員聞いているので、その効果は大です。学校司書もいない、理解も無い中学校で孤軍奮闘におちいらないで全校を巻き込みながらすすめる手法は、あっぱれです。

 でも、どこの学校でもできるように、やり方やワークシートなど全てを公開していますから、すぐにでも取り組めます。こんなに役立つ本、ぜひ読んでみてください。

  いままでも、佐藤敬子先生が執筆された共著は多く、一昨年出版した『学びを拓く授業モデル』(学校図書館から教育を変えるV)国土社、に実践を書いています。昨年、36年間の教職を定年退職し、ついにご自身の本を出版。『楽しく進める「学び方の指導』:中学校司書教諭のあゆみ(2016・全国学校図書館協議会)です。

  内容を紹介すると、教科での参考図書指導ー辞典はユニークで、生徒達が盛り上がること請け合いです。情報カードの作成法と参考図書活用法の指導。新聞活用法の指導。情報や情報源の比較、レポート作成法の指導。などなど…

 見逃せない圧巻が、第四章「学び方の指導」を全校で体系的に展開するためには? 先生方をどう巻き込み、共に取り組んできたかを、職員会議や研修会で使ったプリントまで公開しています。まず、自分で実践してみて、回りの教師に口コミし、じわじわと広げ、ついには、体系的な指導計画を先生方とつくってしまうという、すごーいことがやれてしまうのですから、素晴らしいです。

 中学校の先生でなくとも、きっと役に立つところや参考にしたい箇所、私にもやれるかもと気付かされるところが見つかると思います。この夏の読書にどうぞ。

2016年8月11日(木)

   ♪不登校と学校図書館  その1

 不登校の子どもについて、卒論のテーマで取り上げ、調べている方がいるけれど、と知り合いの先生から電話でありました。学校図書館と不登校の関わりについて、何か情報が無いだろうか、というものでした。

  在職中に不登校の子どもたちとは、何かと働きかけたり、関わりを持ったりしたことが多かったと思います。図書館という教室とは違った子どもの居場所として、教室に行けない事情のある子どもにとって、図書館はふさわしい「場所」ではないかと思うのです。それに学校に来られない間は、本を読む時間がたっぷりあるわけですから、図書館の本を大いに活用してほしいと思い、不登校の子どもたちを読書に誘いました。

 こんなことがありました。1年生の男の子T君は、2学期ころから学校を休みがちでした。学校に来たときは、心細いような不安な表情が気になりました。1年生は、担任が図書館には毎日のように連れてきて、読みきかせも本を借りるのも習慣になっていました。T君が長期に休むようになったのは2年生のころでした。

  新しく担任になった新任教師が、毎週T君の家に訪問していました。2年生になってT君の読書カードは、まだ初めの2〜3冊だけ記載してあるだけです。不登校になって、お家で何をしているのかなあ、本を持って行ったら読むかもしれない、と思いつき、担任に「T君への訪問のときに絵本を何冊か持って行きませんか」と提案してみました。教師になりたての若い担任は、それではと、選んでやった何冊かを持って家庭訪問に行きました。

 翌日、その担任から思いがけない話を聞きました。T君に「図書館から絵本を持ってきたよ」と見せたら、読んでもらえると思ったのか、絵本を開くと、担任の膝のなかに入ってきて、絵本を見つめているので、自然に読んでやることになったというのです。持っていった絵本を何冊も読んだのかもしれません。そんな経験は初めてだったのか、「何だか不思議な感触だった」と面はゆいような調子でした。

  それ以来、家庭訪問の日は毎回、絵本を持って行くのが恒例となり、行けば、T君は待っていたように先生のあぐらをかいた膝に座って、読みきかせを楽しむのだそうです。学校にも来ることも増え、登校した日は必ず図書館に寄って本を借りていきました。そんなときは、どんな本が借りたいの、とかせっつくこともせず、彼の好きなように本を選んでいる姿を見ていました。選ぶ本は、担任が持って行って読んで貰った絵本を借りることが多いようでした。

 3年生になって、T君は新学期から殆ど休まず登校するようになりました。勉強も遅れがちだったのでしょう、居残り勉強をして放課後遅くなることがあっても、必ず図書館に立ち寄り、「まだ本を借りてないから」と本を借りていくのでした。不登校の時期があっても、T君は本を読むことで多くのことを学んでいたのではないかと思うのです。また、図書館の本で学校と繋がっていたのかもしれません。

 大規模校でもありますし、気がかりな子どもがいても、個々にはそんなに親密な関わりを持つということは学校司書としてはしてはいませんでした。それでも気になる子には、何気ない声かけと担任との連絡は取るようにしていました。それから、その若い担任教師が、それ以来読書教育に目覚め、子どもたちに本を借りるように声かけしたり、図書館をひんぱんに活用するようになったのでした。大きな収穫です。

 もうひとつ、不登校の例です。4年生の女の子S子さんは、不登校になったわけは解りませんが、3学期は殆ど登校していませんでした。春休みは蔵書点検です。S子さんが借りていた本がそのままです。未返本とか本を壊したとか、そういった特別のことがある場合は、その子どもと親しくなる機会でもあります。マイナスな要因であっても、それが図書館に親しむチャンスになるかもしれません。

  S子さんの自宅に電話をかけて、直接S子さんと話しをしました。蔵書点検があるので、借りている本を返してほしい旨を説明し、「蔵書点検中は子どもは誰も図書館に入れないのだけど、私も一人で点検の仕事をしていて寂しいから、もしよかったら、図書館で少し手伝ってくれると嬉しいな」と頼んでみました。すると、S子さんはすぐに、「行く」と返事でした。

 それから毎日、1〜2時間図書館に来て、手伝いをするようになりました。不登校が2〜3か月続いていましたから、体力が無く、すく゜疲れるようでした。が、春休みの期間ですから他の子どもはいませんから葛藤も少なかったかもしれません。学校にくれば、先生方からもほめられ、図書館の手伝いをしては、「あなたから助けてもらってさびしいのがなおった。ありがとう」と感謝され、少しずつ明るい表情になっていきました。

 不登校になる子は、だいたいが真面目な子が多いような気がします。葛藤し苦しんでいるだろうなと想像します。図書館に来たときは、不登校のことはもちろん、学校のことなどいっさい話題にせず、おいしい食べ物の話とか、大失敗したおかしなこととか、物語の中の不思議なお話など、のんびりとおしゃべりしました。そういう関係を自然にかもしだすためにも、不登校の理由など知らない方が、先入観なしで関われていいように思いました。

  私も子どものころ、学校になんか行きたくなくて、しょっちゅうお腹をこわしたり、風邪をひいたり、休むことが多い子でした。でもお腹はいつか治るので、このまま治らないでいたいなーとおふとんの中で念じていたことを思い出します。しかし、誰か一人でも、私のことを大事に思ってくれる人がいたら、学校がそんなのイヤでなかったかもしれないなどと今思うのです。

 ただ、私が救われ、なぐさめられたのは、学校図書館にあった本たちでした。だから、うまく本との出会いをつくれたら、つらい気持ちでいる子たちは救われるし、変えられない現実から、逃避できるのではないでしょうか。本の中から、客観的に見る見方や、私だけではないという認識が得られたら、苦しみから逃れられ、生きていけるのではないかと思っています。

  「不登校と学校図書館」については、たくさん語りたい例があります。 つづく

2016年8月5日(金)

 ♪高松市の「本があって人がいる学校図書館を願う会」 20周年

  高松市の市民サークル「本があって人がいる学校図書館を願う会が20周年になると聞きました。会主催で毎年9月の第一土曜日に「学校図書館を考える集い」が開かれます。私は、2007年と2011年の2回呼ばれて参加しています。初めて伺ったときは、高松と丸亀と鳴門の3箇所をめぐって、研修会をした記憶があります。このときは、「第11回学校図書館を考える集い」でした。移動の車から瀬戸大橋が美しかったことを思い出します。

 その当時は、10年以上もうまずたゆまず続けてこられた活動にだだ感服し、その原動力って何だろうかと考えていました。その頃、鶴岡では学校司書の引き上げ問題もあって「子どもの読書を支える会」を立ち上げて3年目を過ぎたころでした。

 10年以上も市に働きかけ要望を続けて来ても、その当時の高松市の学校司書の人数は、まだ理想とは遠くかったようでした。それでも毎年、市に対して要望書を提出し、年に3回は話合いの機会を持ち、要望をし続けていたと伺いました。それだけではありません。

  願う会では、冒頭に書いたように毎年「学校図書館を考える集い」を開催し、外部講師を招いて学校図書館の研修を続けていました。私たちもこのような活動をしなければと学ぶことが多く、見習いたいと思いました。鶴岡でも、毎年「学校図書館を語る会」を行うようになりましたし、市教委とも話合いを持っています。が、いつもあしらわれて終わりで、余り進展が見られず残念でしかたありません。

 高松市では、現在71校の小中学校に62名の学校司書が配置され、54校が1校に1名勤務、8人が2〜3校勤務というところまで進展しているそうです。考える会の働きかけが、確実に実っているということです。

  そうそう、高松に2回目呼ばれた2011年の9月3日の土曜日、研修会でしたが、何と台風が高松を通過するというので、交通がみなストップ。瀬戸大橋も通行止め、市教委からは予定した集まりを中止するようにと指示がありました。100人ほど集まる予定でしたが、誰も来れないかもしれないね、と話し合っていました。が、30人余が集まり、突風が吹きすさぶ中、研修会を行いました。後で聞いてみると、参加した方の中で、その日は交通機関全てストップで帰れず、高松市の親戚に泊まったという人もあったそうです。

 とにかく、そのくらい熱心なのです。そのパワーが人々を動かし、市に影響し、学校をも変えていく力なのでしょう。世話人代表のTKさんの、けして揺るがず、誠意をつくす人柄に、私たちも学ばなければと思うのです。

 とにかく、「本があって人がいる学校図書館を願う会」20周年に祝意を表し、エールを送ります。私たちも頑張ります。

2016年7月29日(金)

   ♪ただいま子育て練習中

  2番目の娘が、8月の出産を控え、間もなく2歳になる男の子を伴って里帰り出産で我が家にやってきました。長男Sちゃんはママにぴったりで、少し離れただけでママ、ママとかまびすしい。それはいいとして、さて、出産入院時には、Sちゃんの代替ママとして風呂も食事も添い寝もしなければならないことになります。

 小さい子の子育てなんて、もう何十年も前のこと。今時の子育ても基本は変わらないとしても、細かい習慣やSちゃんなりのくせや傾向を解って対応しないと、その答えはぎゃん泣きで返ってくるという、とほほほほの繰り返しになりそうです。

  そこで、Sちゃんの日常のあれこれを一緒にやってみて、ママが入院しても困らないように、子育てトレーニングに励んでいます。大事なことは、Sちゃんが受け入れるかどうかが肝心の問題です。まずは、お昼寝の添い寝から、馴染んでもらう作戦その1。もちろん脇にママがいて、何気なく私も横になっているというカタチ。成功でした。夜の添い寝も1日目、2日目、これも繰り返して馴染んでくれそうです。

  Sちゃんは、絵本の読みきかせが大好きです。私が娘達にしてやったように、娘も我が子が乳児のころから続けていて、いえいえまだお腹にいたときから読んでやっていたというから半端でありません。Sちゃんの絵本への集中具合は大したものです。今日は、『ふたごのくまちゃん』と『いもむしごろごろ』、いもむしごろごろ、と自分もころがって楽しんでます。

 今日は、病院に検診で付き添い、ママが診察している間何とか泣かずに廊下を散歩したり、おやつを食べたり過ごすことができました。毎日こんなふうに孫に振り回されています。今年の夏は、全国学校図書館研究集会がありますが、それも参加できません。孫の誕生を待つ夏休みというところです。

  赤ちゃんの誕生を待つ嬉しさ、心配もありますが、楽しみです。我が家の孫は小学4年と中学生、この子たちも夏休みに入り、毎日の食事の世話だけでもたいへんですが、Sちゃんと一緒に遊んでくれるし大助かりです。ゲーム三昧の日々にならないよう、注意したり、おばあちゃん稼業もなかなか忙しいところです。

2016年7月10日(日)

    ♪『子どもと本』 松岡享子著

  読みきかせサークル交流会で昔話を語られたSさんから、「保育士をしていた若いころ、3日間もの研修出張があり、まだ小さい二人の娘をおばあちゃんに頼んで出かけた。終わって帰ったら、娘たちは、今夜も昔話を聞くからおばあちゃんと寝る、と言う。」母の帰りを首を長くして待っていたはずの子たちが、昔話を聞くからとあっさりふられてびっくり。

  この時、Sさんは、昔話には、きっと不思議なすごい力があるのだと、子どもが求めているものが昔話のなかにあるのではないかと感じたそうです。その不思議が解明されたのが、松岡享子著『子どもと本』 (岩波新書)だったと紹介され、私も早速読んでみました。

  松岡享子さんの優しく親しみやすい語り口調の文章にまず惹きつけられました。少し引用してみます。「現在、子どもたちをかりたてている忙しさの故に、中学、高校と、いちばん充実した読書生活をしてほしい時期に、十分本が読めていないという状況は確かに深刻な問題ですが、…(中略) 十代になって、本はきらい、読書は苦手という若者は大勢いますが、三、四歳で、絵本を読んでもらうのがきらい、お話を聞くのはいやという子はいません。この時期、大人が手を貸して、本への道をつけてやれば、生涯にわたる本とのつきあいの基礎ができるのです。」

  一つひとつがナットクのいく丁寧な文章で、説得力があります。Sさんが、昔話の不思議が解明されたという「三章・昔話のもっている魔法の力」の箇所は、多くの文献と研究の引用も豊富に述べていますが、何よりも子どもの姿を通して実践的に語っているのが魅力です。共感できます。内容を少しかいつまんでみます。

  昔話の不思議な共通性は、よその国でも日本の昔話でも同様であること。「不思議を受け入れる子どもの能力」は、おとなに比べて各段に高いこと。子どもにとっては、現実と空想の間に隔絶はなく、両者のあいだを自由に行き来できるのは、子どもの特権といっていい。

  子どもをひっぱっていく昔話の最大の魅力は、ストーリーであり、主人公の行動であること。子どもの関心は「なぜ?」「どうして?」といった理由や動機ではないこと。それは確かにそうですね。だから子どもは、昔話を楽しめるのですね。理屈ばかり考えるおとなになっては、昔話を心から楽しめなくなることがわかりました。

 昔話の表現様式も世界共通というのも不思議です。はじまりと結びのきまり文句。空想の世界に引き込む強力なおまじないの言葉です。鶴岡に伝わる決まり文句は「むがしむがしあっけど」と「とっぴんからり、あどねっけど」です。くりかえしの多様。特に三つの繰り返し。例外なくハッピーエンドで終結するお話。などなど。

 理不尽な残虐性が、あっさり入ってきても子どもは大人が感じるような受けとめはしないこと。しかし、河合隼雄氏など深層心理学者たちの研究て゜、心理療法の現場で、人間が直面する悩みや、その解決の過程が、昔話の展開と驚くほどぴったりと重なる事例が多いこと。昔話が心の深いところにおいて、乗り越えなければならない心理的葛藤に有効であることを読むとナットクします。

  それらの昔話を子ども自身が本能的に求め、必要としていること。成長の過程で欠かせない栄養素とも言えるのかもしれない…目からうろこがぽろりでした。

2016年7月3日(日)

 ♪BooK!BooK!Okitama 2016 川西町に行ってきました

 山形県の置賜地域を巻き込んで、読書に関わるイベントがあるというので、行ってみたいとうずうずしていたのですが、県内とはいえ、何しろ東京に行くより遠いというところです。それでも、ついに行ってきました。車で行くから一緒にどう?と誘われたのが前日の夕方…運転して行くとしたら3時間以上はかかります。長距離運転が苦手なワタシ、乗せてくれるのなら、と、夜に予定が詰まっていたけれど、とにかく行ってきました。

 「BooK!BooK!Okitama 2016 本と出会い、人、店、まちとつながる 心が通う9日間」というキャッチフレーズのイベントです。置賜地区とは、県内の4分の1の地域です。米沢市、長井市、南陽市、白鷹町、高畠町、小国町などなど9市町村を巻き込んでの取り組み。興味津々です。

 何が行われるのか、一端を紹介すると、ワークショップ「自分新聞を作ってみよう!」とか、「図書館に泊まろう! 川西町図書館・遅筆堂文庫、とか、断片小説ワークショップ、とか、読書と昼寝の日曜日(7/3日曜日10:00〜15:00)、とか、一箱古本市とか、紙もの市、とかいろいろあります。盛りだくさんです。

 メイン会場は西川町フレンドリープラザです。誘われたのは、7月2日のトークイベント。内沼晋太郎氏(ブックコーディネーター)と聞き手、ナカムラクニオ氏(ブックカフェ「6次元」店主)の若いお二人。初めて聞くお名前でした。

  私が一番聞きたかったのは、誰がどのようにして、なぜこれだけのイベントに広げられたのか、です。 幸い、実行委員長の女性と直接お話することが出来ました。そもそもは、一箱古本市を本好きな者でやった。仙台・会津でブック・ブック仙台の取り組みを知り、刺激を受けたそうです。

  ブックブックおきたまの企画の始まりの言い出しっぺは、本好きな図書館員の女性と飲食店のオーナー。女性2人、どちらもそれぞれのネットワークを持っていた。いろいろあって、とにかく置賜を巻き込んで、3年前2014年に始まった。今年で3年目となるそうです。

 私の疑問は、民間の発想で官(お役所)が共に動くのかということ。役所で企画したことなら市民がそれなりに参画するけれど、これだけ豊かな発想で、ユニークな取り組みが官民合わせて出来るのだろうか? です。

 メイン会場の川西町立図書館は、井上ひさしさんの蔵書で遅筆堂図書館と2つの顔を持つ、官民合体の図書館なのです。ですから、市民の発想でいろいろな取り組みをするのは慣れていたのだそうです。なるほどです。

  若い人が中心になってバリバリとやっていました。鶴岡の読書のまちの取り組みも、行政を巻き込む必要はあります。が、その前に市民やお店の方、企業の方達を巻き込んで、流れを作っていく……なるほど、目からうろこがぽろりでした。

 トークイベントも刺激的でした。このつづきは、また…

2016年6月28日(火)

   ♪図書館を生涯頼るという意識を育てたいから…

  前回紹介した学校図書館を語る会が6月25日(土)行われました。今回は、学校図書館での仕事を通した実践を5人の方が発表しました。始めに発表されたNさんは、元新聞社に勤めていた経験が、学校司書としても活かしているという話をされました。

  例えば、「夢をかなえる」という単元で、池上さんが子どもの頃なりたかった職業は? などクイズにして興味を持たせたり、新聞のコラムの切り抜きでスクラップブックを作って、役に立つ資料づくりをした例を出してくれました。化石の発見の記事は、本になるまで時間がかかるので、新聞に出たときにスクラップしておくと役に立つとか、新刊図書を選ぶときも情報を駆使して限られた予算で、より適切な図書を選ぶなど、なるほどでした。

  昨年4月に転勤したばかりのOさん。先生方の図書館に対する意識がそれぞれ違っていて、図書館を学習に使うということに馴染まない先生が多かった。それでも、学校司書として何とか図書館活用教育を後押しできる仕事がしたいと思った。まず、国語の教科書を読んでみた。前のと違って今の教科書は、図書館を使ってどう学習展開するのかや、活用する図書もわかり、図書館としても準備しやすかったこと。

  年間指導計画も机の前に貼って、教科単元の学習タイミングを見ながら、単元の参考になる本を選んで、ブックトラックで教室に持ち込み先生に紹介したら、感謝された。そんな押し売り図書館活用から、そのうち、教師の方から、次の学習に必要な本を頼まれるようになった。きっと学校司書に何を期待し頼んでいいのかが分かってきたようで、嬉しかった。

 Oさんは、“図書館活用教育を後押しする図書館に”と題した資料「教職員に対して」と「児童に対して」の2枚のプリントを出してくれて、実践を語ってくれました。子どもたちにとって分かりやすく魅力的な図書館は、先生方にとっても魅力がある図書館になると、様々な工夫を惜しみなく公開してくれました。

 学校司書になってまだ3年目というKさんは、学校図書館に勤務して心がけていることは、図書館の無い地域だが、図書館を生涯頼りにする意識を育てたいと思っている。そのためにも、学校図書館が楽しいところという印象にしたい。同時にお家の人にも読書習慣を付けてもらいたいと、お家の人への貸し出しも始めた。と積極的に利用を高める活動を発表ました。

  学校司書さんたちの実践発表は、本当に勉強になりました。勤務の状況も決して恵まれているわけではなく、厳しいのですが前向きに真剣に、子どもたちと先生達のことを考えながら取り組んでいる姿には頭が下がります。

 「学校図書館を語る会」を毎年行っていますが、学校の現場から、実際にやっている仕事を出して貰う話合いを中心にしたのは、久しぶりです。充実した収穫の多い会になったようです。

2016年6月22日(水)

   ♪ 学校図書館を語る会

 子どもの読書を支える会の主催で、学校図書館を語る会が6月25日(土)午後1時30分から、会場は「鶴岡市にこふる」の三階小会議室です。子どもの本・学びの会の恒例の講座です。学校図書館の充実を願って、多くは、様々な課題や学校司書の劣悪な状況を改善に向けた話合いが行われてきましたが、

  今年は、各学校の実践を持ち寄って語っていただき、図書館担当者が何かやれそうだと、ヒントと元気をもらえる情報交換の場にしようと企画しました。テーマは、@“効果のあった働きかけ” “子どもに喜ばれた活動” A子どもに薦めたい本や読みきかせ本の紹介 B学校図書館の喜びや悩み、課題についての話合い、などです。

 5人の学校司書の方が発表を予定しています。ほかに参加者の皆さんからも小さなことでも、普段から当たり前にやっていることや工夫している仕事について出して頂きます。校内で習慣的にやっていることでも、他校から見るとすごいアイデアや見習いたい取り組みが潜んでいるかもしれません。図書館担当者として聞きのがせないチャンス。ぜひご参加ください。

 参加費は、支える会の会員は無料ですが、それ以外は300円の資料代が必要です。お待ちしています。参加希望の方は、会場に直接お出でください。

  そうそう、絵本作家の武田美穂さんが鶴岡にやってきます。今年最大の楽しみな特別講座です。9月25日午後です。会場は「こぴあ」お楽しみに…

2016年6月19日(日)

       ♪ アーサー・ビナード講演会・茨木のり子を語る

  茨木のり子の詩を愛してやまない人たちの「六月の会」が、アーサー・ビナード氏を招いて講演会を開催しました。アーサー氏は、広島に在住している詩人。生まれはアメリカミシガン州。コルゲート大学で英米文学を学び、その途中、日本語に出会い卒業と同時に来日し、日本語で詩作を始めたという方。詩集『釣り上げては』(思潮社)で中原中也賞、絵本『ここが家だーーベン・シャーンの第五福竜丸』(集英社)で日本絵本賞を受賞しています。ほか著作活動、翻訳も数多いのです。

  しかし鶴岡では、知名度がいまひとつだったことと、各種行事があふれかえるほど重なった日で、講演チケットがなかなか売れず、運営委員の学習会ということでもいいよね、と覚悟したらしい。ところが、鶴岡市内の人だけでなく、遠く県外からの参加者も多く、160席しか入らないらしい会場に200人以上は入ったのでしょうか、びっしり溢れかえり、椅子をどんどん増やしていました。

  茨木のり子90歳の誕生日の6月12日、亡くなって10年という記念の年、アーサー氏の講演を聴いて、すっかりアーサーファンになりました。彼の著作を、これから読みアサるのも興味津々楽しみです。絵本『さがしています』が彼の著作と自覚せずに読んでいたのもウカツなことでした。

  茨木のり子六月の会の講演会ですから、当然茨木さんの詩を語るわけですが、「彼女の詩には、他の詩人が言えないことを言う詩人だった」、「書かずにいられない詩人だった」と語りつつ、日本の政治のごまかし、政権の座にいる者のとんでもないおためごかしを語り、それを容認する国民性、日本の民主化がすすまないワケを解き明かしていきます。どきっとさせる話しが繰り広げられ、刺激でした。

 1975年天皇裕仁が新聞記者から、自身の戦争責任について問われたとき、「そういう言葉のアヤについては、私は文学方面はあまり研究もしていないのでわかりませんから、お答えできかねます。」とこたえた。茨木のり子は、詩「四海波静」で、この天皇発言に怒りをぶつけている。「三歳の童子だって笑いだすだろう。文学研究はたさねば、あばばばばばとも言えないとしたら・・・」と、そして、天皇発言に批判さえできない日本のマスコミと国民を「黙々の薄気味悪い群衆」と断じている。アーサー氏は「要するに、わかんない」と答えたのである。それに何も言えないのが日本の現実だと。

 さらに、「ポツダム宣言をどう思うか」と安倍総理への質問に、「つまびらかに読んでいないのでおこたえできません。」の返答に、アーサー氏は、天皇の答えと同様「わかんない」と高校生並の答えだったと。これをマスコミはもちろん、国民もさほど問題視せず、言葉も賞味期限のごとく忘れていく。これが日本の民主化を遅らせている原因だと語る。

  オバマ大統領の広島訪問のときには、広島演説の同時通訳をアーサー氏が行いました。アーサー氏は、同時通訳という難しいことをしたけれど、後で振り返ると、オバマは大統領としての発言は何一つしていなかった。誰が発言しても可笑しくない内容でしかなかったと・・・。核廃絶を言える一番ふさわしい大統領なのに、生ぬるいスピーチに終わった・・・とズバズバと批判します。

 茨木のり子の詩には普遍性があり、誰も書きえなかったことを書いた詩人であったこと、改めてナットクでした。茨木さんの詩集をもう一度読みなおしてみよう。

2016年6月12日(日)

  ♪ 長月の会 ミニ朗読会 

  朗読会に加わって1年経ちました。まだまだ新参者で朗読の「ろ」を少しだけかじったかな、程度でお恥ずかしいのですが、6月11日のミニ朗読会に参加しました。今回は、発表者10人が、それぞれ自分で選んだ10分前後の小作品を朗読しました。絵本あり、宮沢賢治あり、向田邦子、藤沢周平、幸田文、渡部和子等々の作品など多彩な作品群でした。聞き手の皆さんは、耳で楽しむ読書タイムだったのではないでしょうか。

 私は、とても短かかったのですが、アーノルド・ローベル作『ふたりはいっしょ』より「はやくめをだせ」を読みました。がまくんの可笑しさ、かえるくんとのやりとり、いつ読んでも楽しいのですが、その味を出すのに苦労しました。このお話の世界に私自身が浸れるか、乗れるかが決めてだったようです。やり過ぎてもやらしいし、その案配が難しいです。

  会場は、鶴岡市街のちょっと外れにあるお屋敷の広いリビングを借り(日枝)、うっそうとした木立に囲まれた素敵な空間でした。

  長月の会は、朗読を学びたいと思っていた方々が、西澤和子先生という指導者を中心に集まった十人余の小さいサークルです。もう9年目です。和気あいあいと仲良く研鑽を積んでいるのは、西澤先生の飾らないお人柄と包容力によるところが大きいのでは、と思います。

  さて、朗読会の様子を写真で紹介しようと思ったら、写真の取り込みがうまくいきません。先日パソコンのバージョン何とか切り替えからいろいろ分からないことがあり、困っています。

  まずは、新参者の朗読の苦労話しです。他の方の練習を聞いていて、いいなぁーこんなふうに読めたらステキと思うのですが、自分が読むとなると頭にあるイメージとは別物です。 私なりに理想とすころは、読んでいる内容と言葉が、聞き手にきちんと届き、そして、その文章が聞く人の頭の中で立ち上がり、ありありと画像に結ぶこと、イメージ化できることではないかと思うのですが…。

 初心者の私が偉そうに何言っても、アクセントや言葉の強弱、流れやら、直さなければならないことがいっぱいですし、その上方言の癖がありで、注意を受けることばかりです。でも、朗読という表現の奥深さ、楽しさが少しずつ分かってきたような気がしています。子どもたちへの読みきかせも前より改善されてきたかな、というところが何よりの収穫です。

 まだまだ修業の身、これからです。○○の手習い、楽しんで頑張ります。

2016年6月6日(月)

   ♪チビッ子広場で子どもたちと楽しい時間

  我が家の近くにある第三学区コミュニティセンターの生涯学習推進員をしています。私の担当は、小学生たちの「チビッ子広場」という土曜日の午前中に行われる楽しい企画を行っています。対象の子どもたちは、半年単位で申し込んだ1〜6年の子どもたちです。5月からメンバーも決まり、開始しました。

 初回の企画は、「紙であそぼう」。宮川ひろ作『びゅんびゅんごまがまわったら』に出てくるびゅんびゅんごまづくりです。牛乳パックの底を使ってコマをつくり、回してみます。ちょっとコツを教えると工夫したり、他の子のやり方を見て何とか殆どの子が、びゅんびゅんと回せるようになりました。

 その次が紙鉄砲です。バァンと景気よく打ち鳴らすとじきに破れてしまいます。そこで、カレンダーの紙だと丈夫で張りもありますから、1年前から貯めていたカレンダーや厚紙をどっさり持ち込んで、破れたらどんどん作り、バンバン鳴らして楽しみました。

 3つ目は、いよいよ紙飛行機。よく飛ぶ紙飛行機の折り方を研究していましたから、初めは折り方を手ほどきしました。が、子どもたちはいろいろ工夫して、うまく飛ぶようにためしつつ、用紙を変えたり、飛ばし方を研究していました。大きなホールでやりましたから、1メートルずつしるしをつけて、何メートル飛んだか測れるようにしました。

  

 家では、ゲームにばかり熱中する子どもたちも、紙を折り、体をせいいっぱい動かし、夢中になって飛ばしたり鳴らしたり、パワー全開でした。ゲームより楽しいことがあることを体感することで、少しはゲームから離れるのではないかと期待します。

 2回目のチビッ子は、打って変わって、お茶会です。30人以上の子どもたちが集まりましたから、どうなることかと心配でしたが、お茶の先生たちのご指導をちゃんと聞いて、神妙にお茶を点て、お作法どおりにお茶をいただいていました。

  

 やんちゃ坊主たちが、ていねいにお辞儀をしたり、お茶を点てたりする姿はなかなか見応えがあります。ほほえましくて可愛いのです。高学年の女の子たちは、もうすっかり慣れて、作法も心得たもので、最後には、私たちもお茶を点てていただき、ごちそうになりました。久しぶりで味わいましたが、結構なお点前でございました。

  近頃は、読みきかせで行くときしか、子どもたちとの接点がないので、チビッ子広場は楽しいひとときです。子どもって、やんちゃでとんでもなくて、はらはらすることもあるけれど可愛いいものですね。ふふふ

2016年5月23日(月)

      ♪読みきかせサークル交流会 その2

 前回の続きです。読みきかせサークル交流会の後半は、サークルの情報交換や話合いです。皆さんから出た発言や話題を拾ってみます。まず、 昔話を語ったSさんから、民話・昔話には残酷な話しが多く、残酷性については以前から議論のなるところで、皆さんはどう思われますか、と質問がありました。

 Sさんが昔聞いた民話の中で、ずっと引っかかっていたのが、サル婿のお話。3人の娘がいる家で、サルに嫁がなければならないことになる。上の2人は嫁に行けない理由を言い立てて断るが、3番目の娘がサルのお嫁になることになった。嫁に行ってしばらくして里帰りのとき、サル婿を木に登らせて落ちるようにしむけて川にお落とし、赤子も川に流してしまう。それが頭から離れず、なぜ異類との結婚が民話のなかにはたくさんあるのだろう、と。

  人間と異類との結婚はたくさんの昔話が残っているが、お話のなかでは必ず去っていく運命がある。なぜなのだろう。 京都でもそうだが、洛中洛外などと差別の意識が根強く残っている。鶴岡は城下町なので、部落差別が残っていて、その地名を言っただけで違う人々の地域という差別意識があった。

  そのことと異類との結婚という昔話のなかで、動物に置き換えて語られたということが無関係ではないという。昔話の中には、今なら言ってはならない差別言葉が出てくる。民話伝承だからと、深く考えずにそのまま伝えていいのかどうか、精査する必要もあるのだと、意見がだされました。

  読みきかせでも対象の子どもたちの状態や、配慮しなければならないことは多い。子どもたちにお話を語るとき、15分も語ると子どもたちは長くて疲れてくる。12分程度で収まるお話だと、特に集団に話す場合は、気を付ける必要がある。 学年100名もの子どもたちに読みきかせをするときは、意識してゆっくり間をとって読んでいる。子どもが思い描き考える時間を考慮しなければならない等々、読みきかせや昔話の素語りで配慮していることが出されました。

  週刊誌「女性セブン」4月28日号に、「本を読む子と読まない子の頭ん中」の見出しで、とてもいいことが書いてあった。この手の週刊誌は美容院くらいでしか読まないだろうけれどとても、分かりやすくナットクいく書き方で読書につい表現してあったそうです。こんど次美容院に行ったら、ぜひ読んでみようと思いました。

  ブックスタートで、絵本を読んでもらっている子とそうでない子の違いは、6か月でわかるとのこと。ページをめくると、赤ちゃんの目が離れないでじーっと見つめる。しゃべれない時代の読みきかせが大事だと。スマホがコミュニケーションを無くしている問題も出されました。スマホがテレビより悪いのは、スマホはどこにでも持って行けること。

 読みきかせをして、お話に入り込んでシーンとして聞いていることも大事なのに、受ける・受けないという読みきかせの評価は、あやしいのでないか。高学年の読みきかせは、あり得ない話ではなく、あり得る話を選ぶことが必要でないか。「この人下手だ」と思うと聞いてくれない。朗読の勉強はきちんとする必要がある。

 我が子は高校生と大学生になったけれど、親たちが楽しんでやっていると子どもも楽しいだろうといつも思う。こういう読みきかせの交流会で勉強すると楽しく元気になる。新鮮な気持ちで子どもたちに向かえるように、学びあい、刺激し合っていきましょう。

2016年5月20日(金)

     ♪読みきかせサークル交流会

 子どもの読書を支える会が主催で、毎年恒例にしている「子どもの本・学びの会」の第二講座、読みきかせサークル交流会が行われました。前半は、読みきかせサークルによる読みきかせの実演です。

  初めは、朝暘第三小学校の読みきかせサークルダンボのみみの皆さんによるペープサート「きつねと羽黒山伏(やまぶし)」。地元に伝わる昔話です。山伏が松の勧進(年末から正月に行われる「羽黒山松例祭」への寄進を集めるために、山伏がホラ貝を吹きながら一軒づつ回りつつ集める)のために街にやってきます。我が町の12月の風物詩ともいえる年中行事です。

 

  その山伏が、きつねが橋の上で気持ちよく昼寝をしているのを見かけ、いたずら心でほら貝を耳元で吹いてびっくりさせて、きつねを川に落としてしまいます。すると間もなく、まだ昼のはずなのに夕暮れとなり、ついにさんざんな目にあってしまう。実はきつねの仕返しという、ちょっと恐い民話です。語りをしたのがダンボのみみのメンバーで、年配の男の方お二人です。演劇もやっている方ですから、真に迫っていてどきどきでした。

  

 次の実演サークルは、朝暘第四小学校のおはなしオルゴールのみなさんのスクリーンシアター『したきりすずめ』です。ボランティアを始めてからもう17年にもなる歴史のあるサークルです。朝の読みきかせだけでなく、低学年に学期1回はお話の時間があり、授業時間を使って、読みきかせだけでなく実演や昔話の素語りをしたり、頑張っています。

 

 三つ目の実演は昔話の語りです。大先輩のSさんの語りはファンも多く、この度もリクエストがあって実現しました。演目は、庄内に伝わる“さるときじ” さるかにがっせんのお話の要素もあり、なまけてズルをするさるを栗や蜂、うす、うんこたちがさるをこらしめるというお話でした。庄内弁で味わい深く語り、楽しみました。

 

  後半は、サークル同士の交流会です。とても内容の濃い話合いになりました。Sさんから民話や昔話についてのお考えや疑問なところなども話題になり、大いに盛り上がりました。その報告は、次回にします。 つづく

2016年5月8日(日)

  ♪初体験、ワンちゃんと暮らした4日間

  犬がとても苦手な母からの影響でしょうか、小さい頃から犬が恐くて嫌いでした。我が家の娘が小さいとき、「犬を飼ってー!」と連日のようにねだられことがありましたが、決して飼うとは言えませんでした。だって恐かったのですから、とてもとてもです。

  さて、その娘が、連休中にトイプードルを連れて実家帰りをするということなりました。我が家では、全員犬と暮らしたことがないのですから、どうなることかと戦々恐々。ところが、やってきたパン君(と孫がつけた名前)、つぶらな瞳でじっと見上げて、しっぽを振っています。ワンとも言わず、フレンドリーな態度と表情でご機嫌です。

  なでるところの注意などを娘から教えられ、恐る恐るなでてみると、ご本人まんざらでもなさそう。きっと気をつかってくれたのかも。その内、身を寄せてきて、もっとなでてと言わんばかりにごろんと横になり、リラックス姿勢で、全面信頼の雰囲気です。もうこうなっては、宗旨替えをせざるを得ません。パン君にノックダウンです。 生まれて初めて、犬って可愛いと思った私でした。

  連休が終わり、昨日帰ってしまいましたが、残念、写真を撮らないでしまいました。まるでぬいぐるみのようなかわいいトィプードルです。他の犬もどうかと言われたら、やっぱり大きな犬は避けたい気持ちは変わりませんが、それでも犬と近しくなれた体験は、我が人生で画期的な出来事でした。

  これを機に、ひょっとすると、苦手な人とも抵抗感を持たずに繋がりあえるようになるかもしれません。自分の殻を破ればいいのですから… ん? それとこれとは違うだろうって? いやいや案外思い込みから来る狭さでバリヤを張っているのは自分かもしれませんからね。パン君に見習って、全面信頼で当たっていけば、相手も応えてくれるかもしれないです。

2016年5月5日(木)

   ♪憲法をもっと身近に考える・・・大阪弁で翻訳!!

  私は、戦後産まれなので戦争体験はないのだけれけれど、小・中学校では、先生方が真剣に戦争への反省と平和教育をいろいろな場面で話してくれたのではないでしょうか。戦争をあたかも体感しているような感覚がどこかに残っています。物語、小説のなかでも戦争の存在が人生を狂わせるおぞましい体験として体に染みつくほど読んできました。  だから、近頃何かと戦前の軍国思想の気配がはびこりつつあるような動きに、敏感になっています。ことに憲法を変えようとしている動きや世論に不安を感じています。 

  「全日本おばちゃん党」というグループを作って、フェイスブック上で憲法問題について発信している法学者の谷口真弓先生(大阪国際大学准教授)のことが、5月4日の朝日新聞に大きく取り上げられていました。憲法なんてなかなか身近に感じられないという声に対し、日本国憲法を“大阪おばちゃん語訳”で、とても親しみやすくしているのがユニークです。一部引用させて頂くと

【日本国憲法前文】

日本国民の皆さんは、まっとうな選挙で選ばれた国会議員をとおして政治にもちゃんと参加しなはれや。よその国の人らとも仲良うしながら、日本のすみずみまで自由であることがええなぁって思ってますねん。 (中略) もう戦争はしやしまへんってきっぱり決めましてん。そのためには、主権は国民にあるってちゃんと宣言しときますな。

  谷口さんは、改憲や護憲を語る前に「知憲」から始めるということだと語る。憲法議論に欠けているのが、次の世代の人たちが今より良くなるようにという視点だ。権利が拡大され、それによってしんどい人が減るのであれば変えていい。けれども、改憲を言う人たちは、権利を制限する方向で進んでいると。しかし、多くの国民はその中身も知らずにいると懸念する。

【11条】 国民は、すべての基本的人権をもってますねん。基本的人権っちゅうのは、人が生まれながらにしてもってる権利(自然権)のことですねんわ。(中略)いまの私らにも、将来の世代の子らにも永久の権利として与えられまんねんで。

【12条】 この憲法が国民に保証してる自由とか権利は、みんなで普段から絶え間なく努力することで持ち続けていかなアカンねんで。ほんで、私らもこれを自分のためだけにつこたらアカンねん。ひとさまにご迷惑おかけせーへんようにつかわなアカンねんで。自分だけが大事とか言うてたらアカンねんで。

  なぜ「おばちゃん」なのか? 隣に困っている人がいたら助けて上げる誰かのために労力をいとわず何かをしてあげるおせっかい感や他者への配慮が「おばちゃん」だと。その正反対の存在が「オッサン」。ありがとう、ごめんなさい、おめでとうの言えない人たち。政治の世界も力のある組織もいまだ「オッサン」が中心。「オッサン政治」に嫌気がさして「全日本おばちゃん党」を立ち上げたそうです。

 おばちゃんと同じように、不当な扱いを受けている人を守ろうとすることができる男性は「オッチャン」と呼ぶ。できない女性を「オバハン」と。…なるほど、何と明快なことか。  憲法を考え、自立した考えを持つ個人はまだまだの社会。めんどうでも声をあげていく必要がある。そのためにも、おばちゃん目線で「オッサン政治」にツッコミを入れていくことが大事だと強調しています。

  難しげな理論や法律を、一般大衆にも分かりやすくして、みんなのものにしていく。そうだ!「大阪おばちゃん語訳」でやってみよう。と、これを思いついたとき、谷口先生、ワクワクしながら大阪弁に翻訳していたのではないでしょうか。あっぱれな発想です。おせっかいおばちゃんの傾向が強い私としては、大いに賛成です。勉強します。応援します。

2016年4月28日(木)

  ♪ナイナイづくしの学校図書館に赴任したSさんへ

  先日、嬉しいメールが届きました。「いままで学校司書不在、本も無い、お金もない、利用者もいない、貸し出し冊数130冊余(一人当たりではない、全校で一年間の貸出総冊数)という私立の学校に勤務することになった!」という便りです。

  ばりばりと学校司書の仕事で成果を上げ、教職員も巻き込んで図書館だけでなく、学校まで変えた学校司書のSさん。鶴岡にも研修会に来ていただき、その実践を学ばせていただいた方です。しかし、事情があって3年前から学校司書の仕事を辞めていました。あんなに活躍していた方ですし、私は、残念で残念で仕方ありませんでした。

  発展途上にある学校図書館、その人的な課題のひとつが学校司書への期待です。学校司書がどんな仕事をし、役割を担うのか。教育者である先生達に図書館活用を触発し、教育活動に新しい学びのをどう促していくのか、学校司書の果たさなければならない職務を具体的に切り開いて見せてくれたのがSさんなのです。それも図書館活用が難しいとされている中学校で、年間、図書館活用授業が200時間にものぼる学校に変えていったのです。

 その先駆者である学校司書の活躍が、これからの図書館活用教育を切り拓くと思っていたので、辞めると聞いてショックでした。それでも、今年から、ナイナイづくしの学校図書館に赴任し、マイナスからの出発をすると聞いて、一人飛び上がって喜んでいました。

  彼女のメールには「ワクワクしています。早速、図書館の大改造を終え、まずは生徒にアクションしていきます。やはりやはり、水を得た魚のような気持ちです。」とありました。嬉しくて、泣けてきました。あんまり無理しちゃだめよ、なんて野暮なことは言いません。どうぞ、あなたの住むべき水の中で、存分に信じるやり方でやってほしい。気の済むまで、とエールを送ります。 いつか、その学校に行ってみたいです。

 『学校図書館ビフォーアフター物語』(国土社刊)89pに彼女の実践が載っています。ゼロからの学校司書の奮闘記です。お読みください。素晴らしいです。

2016年4月17日(日)

 ♪熊本の大震災、お見舞い申し上げます。

  東日本大震災から5年、復興もはかばかしく進んでいないのに、追い打ちをかけるように九州に大震災が起こり、日本は地震の国であることを思い知らされました。どうお見舞いの言葉を伝えたらいいのか…。どうぞお体をいたわってこの苦難を乗り切ってほしいとしか申し上げられないところです。

  つくづく震災は、よそ事ではなく、いつ我が地域に来ても不思議ではないと思われた方も多かったのではないでしょうか。それにしても、日本中にある原発に少しでも地震が影響すればどうなるのか、福島の原発で分かったはずなのに、もう一度、日本の原発について考え直す必要があるのではないかと考えてしまいました。経済効率だけでしか思考できないトップに響かないのでしょうか。

  ところで、全国学校図書館協議会の月刊誌「学校図書館」4月号、もうご覧になったでしょうか。鶴岡市立朝暘第一小学校で研究主任・図書館主任をなさっていた柴田陵子先生の連載が始まりました。51p 図書館活用術のタイトルで、図書館を活用した授業実践を10回、紹介するとのことです。

 今回は、4年総合的な学習の障がいのある方から生き方を学ぶ「ハンディをのりこえて」の授業から、子どもたちが、どう受けとめ、自ら働きかけて学んでいったかを書いています。この授業には、資料面でどう支援するのか、図書だけにとどまらず、映像やネット資料、多方面の情報資料などを集めました。学校司書としても鍛えられた授業でした。子どもたちがとても生き生きと授業に取り組んでいたことが目に浮かびます。

 市の福祉協議会の方にもご協力いただいて、障がいのある人たちの日々の苦労を自分たちも体感して、実感してみることまでしていました。もちろん本からも読み、知識としてだけでなく、物語などからも障害を持つ人の思いを受けとめていました。参考図書リストは、「視覚障がい者」、「聴覚障がい者」、「高齢者」など障がい別に「障がいのある人の理解に役立つ本」のタイトルで、かなり膨大なリストを作りました。

  柴田先生が、朝暘一小を卒業した子たちに、心に残った授業の思い出を聞いたら、「ハンディをのりこえて」の授業は、直接人ともふれあえて、驚きの連続で、大切な学びだったと一番に上げたとか。10年も経て、子どもの心に残っている授業だったなんてすごいことです。

  もう一つ、中学校の司書教諭の先生の素晴らしい実践の連載も4月号から始まりました。77p「キラリ! 司書教諭」、教科等のコラボで図書館利活用を広げる図書館をみんなのものにするために〜 6回の連載になるようです。

 中学校の図書館活用は、多くの学校が開館時間が昼の20分だけとか、貸出冊数もほんのわずかとか、情けない実態を聞くことが殆どです。ところが、大阪府の熊取町立熊取中学校の司書教諭のk先生の実践発表を聞いて、感激でした。教科を超えて、先生達が図書館を活用した授業を工夫してばんばん使っているというのです。それには、やはりちゃんと仕掛け人がいました。

 司書教諭のk先生は、ご自身の国語科で図書館を活用した授業はもちろんのこと、他教科の先生とコラボレーションして調べ学習を展開したり、教科と図書館をつなぐ見事なまでの司書教諭の役割を果たしているのです。

  4月号に掲載されている「図書館活用年間計画」78pの一覧を見て下さい。一年間だけでなく、数年間で行われた図書館を活用した授業例が載っています。このような授業ができるという可能性を、新学期に先生方に見せて、新年度の予定を書き込む用紙も一緒に配ります。年間指導計画を組むときに、図書館活用も一緒に予定に組み込んで貰うという司書教諭としてもドキドキの勝負を仕掛けます。

  熊取町では、2001年から学校司書の全校配置を実現しています。教育委員会の姿勢からすでに優れています。だから学校現場でもいい教育が展開できるのです。そして、学校司書との連携があってこそ、司書教諭の活躍が一層効果的に校内に浸透していくことは間違い有りません。

  K先生の画期的な取り組みをぜひ注目して読んでみてください。図書館担当の教師を増やしたり、図書委員会のユニークな取り組みやら、目を見はるような企画や創意がたくさん出てきます。中学校の図書館担当の方には見逃せない実践です。ぜひ読んでみてください。ヒントになるものがいっぱいあると思います。

2016年4月10日(日)

 ♪第18回鶴岡江戸川友好交流演奏会

  鶴岡にも桜が咲き始めました。今日は満開です。つい先日梅が咲き始めたと思ったら、桜も同時にほころび始め、町中いっせいに花が溢れています。我が家のすぐ近くにある鶴岡北高校の校庭の桜とそのななめ向かいにNHK文化センターの見事な桜の大木です。

 

  この4月24日(日)、鶴岡市と姉妹都市にある江戸川区との友好交流演奏会があります。毎年、交互に合唱の演奏会を行ってもう20年近くなります。今年は、鶴岡での演奏会が予定されていましたが、鶴岡の文化会館が建設中なので、隣町にある庄内町文化創造館 響ホールでの演奏会です。

  いつもの演奏会は、オーケストラ演奏付きの大曲を歌い上げるのですが、この度は、会場が640席の中会場ですし、フルオーケストラは無理なので、プログラムは、第一部が日本の歌、二部が外国の歌、第三部に小編成のオーケストラを向かえて、ヴィヴァルディのグローリアを歌います。一部も二部もすてきな曲ばかりで、練習で歌っているときもほれぼれします。

 演奏するフルオーケストラは、創立50年の歴史のある酒田フィルハーモニー管弦楽団です。先週初めての音合わせをしましたが、プロのオーケストラではないにしろ、みごとな音色で、わくわくしました。酒フィルは、オペラの演奏もこなす歴史有る管弦楽団です。

 合唱団に私も長らく参加しています。どきどきですが、楽しみです。お近くの方はぜひ聞きにきてください。また席はあります。

  江戸川区とは、交流演奏の縁もあって、長くかかわっていますが、江戸川区の学校図書館には「人」を置かないという方針らしく、学校司書が配置になることは殆ど有りませんでした。その替わりというか、ボランティアの方達が一生懸命支えていましたし優秀な方々も育っていました。が、その方達も他の区にどんどん流出していました。

 それでも江戸川区に「読書科」を立ち上げたり、学校図書館の活用や読書活動を頑張っている先生達もおられます。こちらでは何の応援もできなくて…と思っていましたが、「学校図書館」4月号に、何と江戸川区に10人の学校司書が配置されたことが、稲垣達也先生の報告レポートに記載されていました。これこそびっくりぽんです。

  全国的にも学校図書館が学校司書配置で機能化の方向にすすむ中、江戸川区だけ取り残されるのではと諦めていましたが、荒川区で大活躍したスーパーバイザーの藤田利江先生と、一昨年学校図書館大賞を受賞した稲垣達也先生が区教委指導室長で活躍しています。「読書科」を活かして、学校図書館の先進地が立ち上がるかもしれません。期待しています。

2016年4月3日(日)

   ♪八千代市 学校司書 実践報告集

  毎年、年度末になると学校図書館の実践報告集が届きます。千葉県八千代市の学校司書たちの1年間の仕事内容をまとめた実践集です。33小・中学校に22名の学校司書が勤務校での活動を各2ページにまとめてあります。

 内容は、読みきかせや授業支援内容、図書委員への活動支援、ブックトーク、アニマシオン、オリエンテーション、並行読書や調べ学習等への資料支援、クラスへの図書紹介、公共図書館との連携やボランテイア・PTAとの協力状況、図書館改革などなど、学校司書が1年間でどんな仕事をしていたかが報告されています。例えば、教科単元への資料支援など1年間で各学年に十数回、79件の授業への関わりの事例を記録してある学校もあります。

  写真あり、図あり授業支援一覧ありと各人の2ページ編集は個性的ですが、必ず記載してあるのが、その学校の児童数等の基礎的な項目の他に、司書の勤務日数、勤務時間、学校司書の読みきかせ授業支援の概況、ボランティアの協力状況、学校司書と図書委員とのかかわりの記載項目もあります。ちなみに学校司書の勤務日数は、多い学校で週に3日、年間108日、4時間勤務、少ない学校で週1日、38日です。

  加えて、どの学校のページにも「わくわく学校図書館」のコラムがあり、図書館主任が図書館の活動の様子や学校司書の活躍ぶりを書いています。こんな記載もありました。「『世界遺産白神山地の提言』で授業をするとき、学校司書の先生は世界遺産の本、自然の本、環境問題の本、とあらゆる種類の本を用意してくださった。驚いたのは、白神山地に関係している全てのページに付せんが貼ってあったこと…子どもたちは図書の時間が大好き。これからも学校司書の先生とともに、図書室大好き!読書大好き!子どもが思う指導をしていきたい。」と。

  八千代市の学校司書との関わりは、学校司書Sさんとの出会いが始まりでした。八千代市で平成6年から2名の読書指導員を配置したころから勤務していたSさんの奮闘ぶりに驚きました。週2日、1日4時間勤務のなか、各学級への授業支援からブックトークなどをこなしていたのです。絶対的な時間不足のなか、学校司書の仕事の大切さに真剣に取り組む真摯な姿に頭が下がりました。

  しかし、学校司書の仕事はなかなか理解してもらえません。学校司書配置が少しずつ増えてきた平成14年当時、自主研修組織「ルピナスの会」を立ち上げ、毎月1回研修会を行い、情報交換や学びあいを行い、「読書指導状況」報告書を毎年発行します。それが、この実践報告集として教育委員会指導課から発行されるようになったそもそもでした。

 学校司書が何をするのか、どんな仕事をし、教育に関わっているのかを示してきたこと、まさに「継続は力なり」です。Sさんの頑張りが『学校図書館ビフォーアフター物語』(国土社刊)に、116p〜「学校図書館に命を吹き込め!学校司書、十年のあゆみ」を執筆しています。ぜひ読んでみて下さい。学校司書の先駆者として苦悩と夢と情熱をしたためています。今、改めて読んでも、感動がよみがえります。

  学校司書の法制化も実現し、学校司書配置が努力義務になりました。しかし、学校司書は増えても、その仕事への無理解と待遇の劣悪さは増大していると言わざるをえません。それでも八千代市の学校司書の皆さんが続けてこられた「学校司書実践報告集」のように、少しずつでも努力し認められていく方法が有るのではないかと期待するのです。多くの学校司書たちの参考になると思います。

  八千代市では、昨年度から「読書指導員」の名称が「学校司書」になりました。これからも更に学校司書としての仕事が充実し、勤務状況も確立していくことを期待しています。子どもたちの「学びの場」としての学校図書館の機能アップは、人的充実に他なりません。学校図書館の機能の格差が、教育環境の格差となって、「学力」の格差になっているのですから。

      2016年1〜3月