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最近の更新履歴


5/19.森絵都著 『希望の牧場』
5/1.♪森絵都著 『みかづき』
4/30.「読書のまち 鶴岡」をすすめる会 設立総会
4/19.桜が満開、花嵐が・・
3/5.小さな読書会 その2 まちライブラリー
2/22.小さな読書会が2つ その1
2/10.6年生たちに最後の読みきかせ
2/5鶴岡の学校図書館事情
1/25.水戸市の公共図書館・学校図書館事情
1/8.鶴岡には、現役の「作家」がたくさん居ます
1/1♪明けましておめでとうございます
12/28.私の読書、吉野せい と出会った
12/16.♪お茶飲みサロンで読み語り
12/8.最上一平さんの本を読みまくっています
12/2.まちライブラリー・ブックカフェ、始めます。
11/18.最上一平さんの講演…この本だいすきの会で本が嫌いだった話
11/14.何かが始まりそうな「読書で元気なまちをつくろう・市民の集い」
10/24.「第6回読書で元気なまちをつくろう・市民の集い」へ
10/2.一箱古本市をやりまーす!


    
2016年7〜9月
    2016年4〜6月
    
2016年1〜3月
    
2015年10〜12月
       
2015年7月〜9月
          
                                                                                                          


全国SLA

鶴岡市朝暘第一小学校




















あんなこと こんなこと

2017年5月19日(金)

   ♪森絵都著 『希望の牧場』

  題名は『希望の牧場』(岩崎書店)だが、まるで希望の薄い牧場なのです。東日本大震災後の福島で原発施設から20キロ圏内の肉牛を飼育していた牧場の今現在が描かれている絵本でした。始め読んだときは、えっなんなんだろう? なぜ絵本に? と正直思ってしまいました。

 330頭いた肉牛の牧場で、一夜にして入っていけない放射能に汚染された危険な場所になり、ついに牛たちの殺処分も決まった。牛飼いのおっちゃんが一人称で語る。しかし、それでも牛たちにえさをやり、水を飲ませ、世話をしている。彼は、放射能は恐いとは思ったが牧場に残り、牛たちの世話をやめない。「オレ、牛飼いだからな。」と…

 牛たちは、エサ食って、クソたれて、エサ食って、クソたれて、まいにちそれだけだ。たくさん食って、うまい肉になる。牧場の牛たちは、そのために生きて、死ぬ。それがこいつらの運命。人間がきめた。そして、原発事故によって、人間がくるわせた。

 殺処分に同意しなかった。汚染され売れない牛を生かしつづける。意味がないかな。バカみたいかな。といっぱい考えたが、「オレ、牛飼いだからさ」そのあたりまえのことを、まいにち、いっしょうけんめい、勝ちとってる。しかし、お金はかかる。近所の牛も頼まれたりまいごの牛をひきとったりして360頭に増えた。

 協力してくれる人もいる。お金やエサを寄付してくれる人もいる。いつしか「希望の牧場」とよばれるようになる。弱った牛が死ぬたびに、ここには絶望しかないような気がする。希望なんてあるのかな。意味はあるのかな。と迷いながら、考えながらすすむ。そして、そして、最後のページに

あしたもえさをやるからな、もりもりくって、クソたれろ。

えんりょはいらねぇ。おまえら、牛なんだから。

オレ牛飼いだから、エサをやる。

きめたんだ。おまえらとここにいる。意味があっても、なくてもな。

 これって牛たちだけのことではなかったのだ。森絵都さんが書きたかったことは、それだけを書きたかったのではなかったのだと・・・

2017年5月1日(月)

   ♪森絵都著 『みかづき』

  物語は、昭和36年から始まります。私が中学校のころです。学校教育の矛盾を、学校からの視点ではなく、塾を営む人の目線でひもといていく。その家族の一人ひとりの思いや関わりと個性を横糸にして織りなしていく展開に、目が離せなず、ぐいぐいと読ませていく森絵都のペンの力に圧倒されながら読み終わりました。なんと467ページ分厚い一冊です。

   戦後、文部省が次々と打ち出していく教育政策が、私たち日本の子どもを育てていったことが、様々な矛盾をはらんで、落ちこぼれを生み出し、矛盾を重ねていくことと、こぼれた子どもを学習塾が補填していく。ああそうだったなあ、と思い当たることが出てきます。

  学校現場に長らく居ましたから、学校側からしか見られない自分でしたが、外側から見れば、そうだろうなと思い当たりることがいっぱいあります。一部のエリートを育てればよしとした国の教育政策が、ついて行けない子どもを大量に生みだしていったことは確かでしょう。

  内容については、読んで頂くことにして、最終章にこんな言葉が出てきます。「教育は、子どもをコントロールするためにあるんじゃない」。「不条理に抗う力、たやすくコントロールされないための力を授けるためにあるんだーー」。このことを伝えたいがために作者はこの物語を編んだのではないだろうか、と。

  学校の教師も、学習塾の先生も、子ども自身が自分の頭で考え、自らの思いで発揮できる力を身に付けたと感じたときこそ、指導者は無情に喜びとしたのではないだろうか。この物語に「図書館」は登場してこないけれど、子ども自らが学びたい、知りたいと自覚したときに「図書館」が活躍するのだろうなあ、と思いながら読んでいました。

 そこに至るまでの「教育」に携わる人たちの葛藤や苦しみなど、よくぞ小説の題材にして提起してくれました。拍手です。本当に書いて欲しい学校現場の矛盾や教師達の頑張りが薄かったのですが、半世紀を超えて教育を俯瞰して書いてくれたことに、読む価値があります。おすすめです。

2017年4月30日(日)

  ♪「読書のまち 鶴岡」をすすめる会 設立総会

 先週の日曜日4月23日に「読書のまち 鶴岡」をすすめる会 設立総会が行われました。前回お知らせしましたように、鶴岡のにこふる三階の大会議室で開催しました。鶴岡市立図書館の松浦幸子図書館長が来賓のご挨拶でしたが、こころ暖まるすてきなお話に感動でした。

 「この会の新たな出発、おめでとうございます。私にとっても読書は大切なものです。読書をこころの種として我が子にも小さいときから絵本の読みきかせをたくさんして育ててきた。ところが次男は6年生のころからスポーツ少年団に入り、本とは縁のない暮らしぶり。あの種はどこへいったのかなあと思っていました。

 その息子も大人になり親となりました。すると生まれた子どもに絵本の読みきかせをせっせとしているのです。種はちゃんと育まれていたのです。 この会の6年間は読書推進の芽を育ててくれました。これからも一層、地域の読書活動をすすめていたたければと願っております。」 と励まして頂きました。図書館の司書として長らく活躍した方が図書館長となったのは、何十年ぶりかです。嬉しいことです。

 総会ですから議事も型どおりにすすむわけですが、「読書のまちの請願はこれからどうする予定なのか」などの意見も出て、満席の出席者で格調高く、知的な雰囲気のなかいい総会になりました。総会後のステージ発表は、お話玉手箱の皆さんによるエプロンシァター「ちからたろう」。琵琶で語る昔話「うらしまたろう」を楽しみました。

 たくさんの市民と共にすすめる読書のまち、これからです。どんな活動ができるか初年度として力をあわせてしっかり進めていきたいものです。

2017年4月19日(水)

   ♪桜が満開、花嵐が・・・・

 鶴岡は、4月15日土曜日に一気に桜が満開になりました。まだ花見もしないうちに、今日は突風が吹きまくり、街中花びらが舞い散りました。花のいのちは短くて・・・ですね。

 「読書のまち 鶴岡」をすすめる会がいよいよ設立総会を開きます。一昨年読書のまち宣言を求める署名活動を行い、13,211筆賛同署名が集まり、2015年12月に鶴岡市議会に請願を提出しました。12月は継続審議となりましたが、翌3月議会で不採択が決まりました。

  不採択の理由は、「宣言」については平和都市宣言があり、重複して読書のまち宣言がふさわしいかは議論ができていない、「宣言の制定」という文言が条例化を意味しているなどなど。それより「この読書のまち宣言を通したら、音楽のまち宣言やらスポーツのまち宣言など請願があったら皆しなければならなくなるから」という市長が言った言葉には驚きでした。そんな請願が市民から出てくるまちなんて素晴らしいと思うのにね。

 しかし、不採択になったことで、かえって多くの市民から反響があったのです。鶴岡は、古い城下町の気風が昔から変わらず、上からのお達しばかりで、市民の声を聞くという姿勢がないところ、読書のまちなんて反対する理由がないのに請願に対してはらいのける体質がある。もっと頑張ってと。

 13,211人の賛同署名に励まされて、読書のまちづくりを多くの市民と共にすすめようと会員・賛助会員を募って、しっかりとした組織と財政基盤を立て直して読書のまちの実現を目指すことにしました。現在200名以上の会員が入会しました。4月23日が設立総会です。会場はにこふるの三階大会議室です。

 ちょうど子ども読書の日なので、それにちなんで「第7回読書で元気なまちをつくろう・市民の集い」が午前11時より午後3時まで、絵本のかえっこくらぶ、だがしや楽校などワークショップ、人形劇、紙芝居もあります。総会後のステージ発表では、午後2時より、おはなし玉手箱サークルによるエプロンシァター「ちからたろう」。琵琶で語るむかしばなし「うらしまたろう」があります。これも圧巻です。参加は自由ですので、お出で下さい。

 この総会準備が忙しく、ホームページをすっかりご無沙汰してしまいました。また再開しますので、よろしくお願いします。

2017年3月5日(日)

   ♪小さな読書会 その2 まちライブラリー

  好きな本を持ち寄って小さな読書会を開く方法として「まちライブラりー」のことを磯井純充氏が出演したディスカッションで伺いました。読書で元気なまちをつくろうと鶴岡で読書のまちづくりに取り組んでいます。小さな読書会こそ本を通して元気なまちにするキーポイントとひらめき、あちこちで読書会を開いたり、すでにやっている読書会にまぜてもらったりしています。先日、仲間の一人が「まちライブラりー」を企画してくれましたので、早速参加させて貰いました。

  「本のむし」というできたばかりのグループ主催です。参加者は9名。10人以内が語り合うにちょうどよい人数なのだそうです。テーマは、バレンタインデーが直ぐのころなので「恋愛」。さて、本番、全体の制限時間もあったので、一人3分で本の紹介をして、質問は2分です。ビブリオバトル状態の制限の中で、それぞれが語りました。その中から印象的だったのを紹介します。

  

 『「暮らしの手帖」とわたし』(大橋槇子・花森安治・暮らしの手帖社)。朝ドラのトトねえちゃんで一躍話題になった暮らしの手帖社の二人。いつかぜひ読んでみたいと思っていました。『夢のカルテ』(高野和明・坂上仁志・)恋愛ミステリーと紹介。銃撃事件に遭遇したことがきっかけで、毎晩のようにその事件が夢に出てきてしまう刑事の麻生。カウンセラーである夢衣の元を訪ね、夢の中に入り込めるという が…

 『恋のトビラ』石田衣良・角田光代・巌元野ばら・島本理生・森絵都の5人が執筆。こんな思いでこんな恋をした。それぞれの恋が、有るなー、そうだよなーと共感。島本理生の物語が好きだと紹介。これもいつか読んでみよっと。

 『星の王子さま』誰でも知っている本、200カ国で翻訳されて、子ども向けのだと思われているけれど、実は恋愛の本なのです。それは、自己中のバラから逃れて7つの星をめぐっきた王子さま。地球でたくさんのバラを目にして、愛に気付くという愛の物語なのだと…。素敵なしかけ絵本を見せながら紹介。6つの星が語っているもの、バラの4つのとげの意味するもの、有名な言葉・大切なものは目に見えないもの、などなど星の王子さまの知らなかったふかーい意味と内容に迫って語ってくれました。

 まちライブラリーで紹介された本は、どれも無性に読んでみたくなります。本で語り合う楽しさ、興味がつきませんし、語っている一人ひとりと距離が近くなり、嬉しいのです。本で人とつながる、人を通して本とつながるおもしろさ。読書会ってやっぱりいいですね。

  3月9日(木)鶴岡銀座の用品店マルタで、午後1時30分から、「ふらっときておしゃべりサロン」をします。好きな本を持って、マルタさんの店の奥にお出でください。手ぶらできても大丈夫です。本をきっかけにして、たのしいおしゃべりをしませんか。

2017年2月22日(水)

   ♪小さな読書会が2つ その1

  先日、読書会に参加してなかなか興味深い本に出会ってきました。ブックライフというランチをしながら気に入った本について語り合う読書会。若いお母さんKさんの一冊目は、『おふろでちゃぷちゃぷ』(松谷みよ子・岩崎ちひろ・童心社)。自分が子どもの時、初めて読んだ絵本で、大事にしまっておいたのが見つかったと、こわれかかった絵本を紹介。かわいいはだかんぼの小さい子が、あひるちゃんとおふろで楽しそうです。岩崎ちひろさんの絵がほんわか格別です。

 鶴岡の市立図書館に最近できたヤングアダルトコーナーで見つけた本『心にひびくマンガの名言』。文章は若者向けではあるが、昔のマンガも出てくる『3月のライオン』など。子どもの本、大人の本と分けないで読めるようにするのもいいのでないか、など図書館の有りようも話題になったり…。

 Kさんから読書通帳を図書館に提案したいという発言。読書ノートがわりに図書館で本を借りたときに発行される期限が書いてあるシート、それを読書ノートに張っているそうです。薬屋で「おくすり手帳」に薬をもらう度に発券されるシートがのり付きになっていて直ぐはれる。それと同じように図書館の貸し出し期限シートものり付きにしてもらえたら、読書ノートに直ぐはれるという提案でした。なるほど、なかなかの発想です。

  などなど読書会の話題はなかなか発展的です。つぎのAさんのおすすめは『なるほど世界知図帳2017』(昭文社)。話題になったニュースや知りたい国のことやら地図だけでなくランキングや知っておきたい知識などがてんこもりという優れものの一冊。新聞を読んだだけでは理解できない疑問なども解りやすく地図と写真を豊富に知識を助けてくれる。

    

 Tさんの紹介図書は『オニのサラリーマン』(福音館・富安陽子作)、いかにも富安さんなら考えそうなとんでもないお話がいい。それと『おでん屋さんが書いたおでんの本』(船大工安行著・三水車)というすごくわかりやすいおいしそうな本。おでんは、ちまちまとつくるのではなく、何でもいいから具材を30種類入れるのがコツだとか。

このつづきは、次回へ

2017年2月10日(金)

  ♪6年生たちに最後の読みきかせ

  東北の日本海側の冬景色は、とにかく雪ゆきゆき…ときどき吹雪また吹雪・・・が常態なのだからちっとも驚かないのだけれど、今年の冬は、日本中あちこちで大雪だったりで大変です。そのせいかどうか、こっちの雪の量はどか雪で積もっても、その内気温が緩んで消えたり、そんなに大雪という程ではなく2月も半ばになりました。

 今日は、近くの小学校で読みきかせがありました。6年生の最後の読みきかせに参加した I さんが、6年生の最後にはきっと読んで上げたい本があるというのでした。それは、『たいせつなこと』  (マーガレット・ワイズ・ブラウン作、レナード・ワイスガード絵、内田也哉子訳、フレーベル館) 

 ガラスにとって大切なことは、向こうがわが透けてみえること。雨は、そらから落ちてきてしとしとざばざば…でも雨にとってたいせつなことは、みずみずしくうるおすということ。くさは、おおきくのびて、あまくあおいにおいでやさしくつつみこんでくれる。でもくさにとってたいせつなことは、…と、ゆきやりんご、かぜ、そらのたいせつなことが語られていく。

  そして、最後のページには、あかちゃんだったあなたは、からだとこころをふくらませ、ちいさないちにんまえになりました。そしてさらにあらゆることをあじわって、おおきなおとこのひとやおんなのひとになるでしょう。でもあなたにとってたいせつなのは…、と問いかけ、さいごの1ページのたった1行の言葉が、ずしりと響いてきます。

  午後の読書会「絵本でティータイム」で、 I さんが私たちにも読んでくれました。やっぱり最後の言葉が、深くふかくこころに問いかけてきます。あなたのたいせつなことは? と。6年生達も、この最後のページの言葉で教室の空気が静かにどよめいたのを感じたと I さんはいいます。子どもたちのこころにまっすぐ届くことば、こんな一瞬があれば、6年間読みきかせを続けてきた甲斐があったと言えるのかもしれないと、少し大げさかも知れないけれど、思ったのでした。

 1年生の一番初めの読みきかせで読みたい本も紹介してくれました。『ぼくだけのこと』(森絵都作、スギヤマカナヨ絵、) ぼくだけできること、ぼくだけ家族の中でえくぼがある。などなどぼくだけのことを並べていきます。ぼくの学校には400人以上もいる、その一人一人がちゃんと個性と表情を持って描かれているのです。ぼくだけのことをちゃんと主張している、多分3年生の男の子自身が愛しいのです。

 ぼくだけの大切なことをちゃんと自己肯定感を持って語れる、子どもはそんなに自分を雄弁には語れません。それは絵本の中だけかもしれないけれど、この子が自分に代わって言ってくれることにほっとしています。1年生なりたての君に、自分を見失わないで自我を育ててほしいとメッセージしているようです。4月初めの読みきかせで読んでみようかな。

2017年2月5日(日)

  ♪鶴岡の学校図書館事情

  2日前までの猛吹雪がおさまり、今朝はささやかな日差しが戻ってきました。が、また雪でも降りそうな空模様。東北の日本海側の冬景色は、毎年こんな天気の繰り返しです。今年は、雪が積もっても消える期間もあるので、まあまあというところでしょうか。1月に梅が咲いていた水戸から帰ってきて、こちらは吹雪の日々、春よこい、はやくこい…です。

  先週、「子どもの読書を支える会」では、鶴岡市の教育長さん、教育課長さんたちと懇談をしてきました。要望書は「子どもたちが本を楽しみ、学びを深める学校図書館職員(学校司書)の充実を求める要望」を提出しました。鶴岡の小中学校では、大規模校12校に、臨時学校司書としてフルタイム・専任・専門の学校司書がいます。しかし、他の30校の中小規模校には、臨時パートタイムで4〜6時間勤務で、給食や事務の兼務で配置されています。

  鶴岡では、一昨年にようやく「子ども読書活動推進計画」が初めて策定され、そこには、学校図書館の機能の充実がちゃんと述べられています。しかし一見、全校配置が実現していますからすすんでいるように見えますが、内容は、ここでも何度か述べているように昼休みも図書館にいられない、授業で図書館が使われるときも学校司書が図書館にいられない、子どもが一番多く来る朝の貸し出しのときも勤務時間に入っていないなど、ちゃんと学校司書がいる図書館にはなり得ていないのが実態です。

  学校司書に研修は欠かせないわけですが、自主研修が認められているだけです。その研修会への参加も中小規模校の学校司書は3分の1は参加出来ないままです。かろうじて市教委で行っている研修は、初任者研修だけです。

  給食との兼務をやめて、専任にしてほしいこと、研修を実現して欲しいこと等を懇談会で話し合いました。が、予算も厳しいし、貸し出しは、図書委員会もあるとか、学校司書だけが図書館の仕事をするわけではなく図書館主任も居るなど、毎年の話合いと同じように進展が見えない懇談でした。

  鶴岡市内の学校図書館が、大規模校ではそれなりに充実したサービスと機能を子どもたちが受けられるのに、中小規模の学校では、1日の殆どが無人状態の図書館です。こんな実情をもっと市民に知って欲しいと思うのですが、それも有効にはできていません。市民サークルがどれだけ学校図書館の実情の改善に踏み込めるのか、そこが難しいところです。

 市の財政が厳しい中で、子どもたちの教育にどれだけ前向きに取り組めるのか。今鶴岡では、小規模校の廃校、統合が着々と進められています。10校以上の小学校が無くなりました。ですから学校司書も10人減少しました。特にベテランの先進的な学校図書館を支えてきた司書たちがクビになり、再雇用されていませんから、現在のレベルがどうなるか不安がつきまといます。若い司書に引き継がれ、子どもたちの図書館活用を高めていく取り組みが心細いところです。

  鶴岡の学校司書が配置されたそもそもは、学校図書館は人が居なくては機能しないと教師達が望んで学校で雇用したのが始まりでした。そして、各学校にPTA費で雇用されていた学校図書館アルバイト状態の人たちを市の雇用にしようと市民運動で実現したことで全校配置への道が繋がったのです。多くの市民の心ある活動によって生み出された学校司書であり、学校図書館の機能アップが図られたのです。

 その学校図書館をすたれさせてはいられません。先人の思いを引き継いで、子どもたちに優れた学校図書館の環境を保証していく、それが私たちの努め、ぐちを言っている場合ではないなぁ、と。吹雪に揺れながら健気に咲いている庭の山茶花を見ながら思ったのでした。あと1か月余で春がきます。

2017年1月25日(水)

   ♪水戸市の公共図書館・学校図書館事情

  茨城県水戸市には初めて伺いました。水戸市立図書館は以前から活発な取り組みで知られているところです。ところが、指定管理問題が出てきて、市民の間から反対の声があがりました。「水戸市立図書館を育てる市民の会」を立ち上げ、市に働きかけてきました。それと一緒に、ボランティアのお母さん達から「学校司書配置」の要望があり、学校司書の配置も働きかけています。

  市議会でもその主旨に賛同してくれましたが、指定管理に切り替えたことでういたとされる嘱託職員を数人だけ学校図書館支援として33校を回るという状態になっています。それも、除籍の仕事やコンピュータ化の入力の仕事をということで、その後学校図書館をどうするのかという方針もないままだということでした。

 私に声がかかったのは、「学校図書館こそが教育を変える可能性を持っている」ということをシンポジゥムを通して、市民、教員に伝えたいというのでした。演題は、「学校図書館の可能性 〜学校図書館が変われば子どもが変わる、教育が変わる〜」です。学校図書館を教育に活用することで、読書活動だけでなく、子どもたちの主体的・探究的な学びを効果的に実現できることなど。また、本を読む子がなぜ伸びるのか、その実際の話を入れながら、話しをしました。

   泊まったホテルの部屋に「水戸ノート」と題したパンフレットが置いてあり、指揮者小沢征爾氏が水戸芸術館の館長に就任して、活発な音楽活動を展開していることが載っていました。こんな芸術的、文化的なまちです。さぞかし水戸の文化は高いレベルなのではと思いましたが、内情は、芸術館に莫大なお金を使っても、子どもたちのためには、学校司書一人配置できていないお寒い学校図書館の現状があるだけでした。

  公立図書館も指定管理にゆだねて財政縮小を図るという施策。海外の有名なお高い音楽会には、全国各地から聴きに来る人たちが中心で、市税が使われ、市民のためには… 他市の話とは思えないような我が市と似たような実態がありました。

 地元鶴岡の子どもたちのために学校図書館を活かせる環境を何とかしなければと思いながらも、殆ど前進していません。学校の統合や廃校が次々と進み、小学校が10校も減りました。学校司書の配置は一応全校配置はなっていますが、中小規模の学校はパート職員が4〜6時間の勤務でこなしています。何とか改善していきたいのですが、市民の会ではなかなか難しいです。いつかは解ってくれるのではと毎年教育長さんと話合いの機会は持っています。

2017年1月8日(日)

   ♪鶴岡には、現役の「作家」がたくさん居ます

  鶴岡の生んだ作家達は少なくありません。古くは、田澤稲舟、高山樗牛、丸谷才一、藤沢周平などなど。児童文学・絵本作家でいえば、赤木由子、ましませつこ、土田義晴。鶴岡にお住まいの作家といえば、直木賞作家の佐藤賢一です。

  ところで、鶴岡に在住している作家・詩人を最近知りました。それもベストセラー作家です。『犬から聞いた素敵な話ー涙あふれる14の物語』(2012年・東邦出版)の著者山口花氏です。初めての著作で30万部超えるのですからベストセラーです。『あなたと暮らせてよかったー犬から聞いた素敵な話』、『ぼくらと犬の小さな物語』など。

  先日鶴岡市立図書館で、山口花の特別講演会があり、聞いてきました。演題は「伝える ということ」。「自分が思ったこと、何気ないことでもその日あったことを手紙にして、自分に向かって書くということをしている。言葉にして書くことを通して、底にある思いが、後から自分に伝わっていくこと」。マイクはあったのですが、よく聞き取れない言葉が多かったので、充分解らない講演でしたが、「話すという伝え方は自分の苦手なことで、書くことが伝えやすい」。といったことが印象に残っています。

  もう一人、やはり最近知った方で、万里小路譲氏。(ペンネーム・本名は門脇道雄)、鶴岡市の著作活動の顕著な方に贈られる権威のある賞で、高山樗牛賞を受賞したという新聞記事を見て知りました。詩人で、執筆した本は14冊といいますから素晴らしいです。元高校の先生です。多才な方で、サックスやフルートも音楽教室で指導していますから凄い方です。

 お二人に、「読書のまち 鶴岡」をすすめる会 で主催している荘内日報紙上の「私の一冊」の連載の執筆をお願いしました。山口花氏の紹介してくれた一冊は『真夜中のピクニック』でした。1月4日付けで「新春特別寄稿」としてすでに掲載されました。

  鶴岡は、やはり読書のまちですね。こんなに作家や本を出版なさっている方々が多いし、読書を楽しむ方、読みきかせ活動など読書活動をなさっている人やサークルの多いこと、他市に見られない程の文化的な人材の多いところではないでしょうか。

2017年1月1日(日)

  ♪明けましておめでとうございます

 またお正月がめぐってまいりました。1年のなんと早いこと。こんなスピードで人生の終末もタッタカタッタカと過ぎて行き、あれ? と思ったときは、もうおさらばなのかもしれませんね。正月からそんなことを考えてしまいました。そう深刻に思っているのではありませんから、まあまあ、幸せなお正月ですね。

   さて、昨年の暮れには、本を一冊改訂出版いたしました。厳密には「本」とは言えないかもしれませんが、『城下町つるおか子ども方言かるた』です。一昨年前、出版したのですが、読み札の音声も入れないと方言のニュアンスが伝わらないのではないか、と実行委員の一人から出された意見で、早速検討しました。まず、読み札の正しい(?)方言での「読み」を録音してみました。実行委員の一人が地域の劇団の重鎮ですから、ばっちりです。

  録音してみると、ゆっくり間を置いて読んでも20分もかかりません。CDを付録につけるとしたら、昔話とかわらべ歌もいれてみよう。鶴岡の音の風物詩も入れてみようとだんだん欲が出て、面白くなってきました。

  『城下町つるおか子ども方言かるた』CD付

 「鶴岡の音の風物詩」なら、鶴岡駅での列車の到着音や「つるおか〜つるおか〜」という到着を知らせる駅員の呼び出しやら、お祭りの大名行列の奴振りのかけ声とか、羽黒山行者のホラ貝の音や花火の音など、鶴岡ならではの音の収録をしてみたのですが、なんと著作権に関わる問題があることがわかってきて、そう簡単にはできないようでした。

 それで、昔話とわらぺ歌なら、田川民話の会の方達で得意な方にお願いをしました。わらべ歌は、「雀」「おらえのちょんべなさん」「さよならさんかく」「たんたんたぬきさん」「せっせっせ」など。昔ばなしは、鶴岡に伝わるお話を集めました。「せやみこき一家」「貧乏士族」「二百人のどろぼう」「貧乏の神」です。方言のいい味を出しています。ほかでは聞けない昔話です。

  音で綴る「つるおかの方言」としてCDに収録して、改訂版第四刷りとして出版しました。音を聞いただけでも楽しいです。地方新聞に記事が出ました。

 購入希望の方は、市内書店か、清川屋(鶴岡市内のお土産展)、NHK文化センター、または、子どもかるた制作実行委員会の事務局(0235−22−7604)にお問い合わせください。お値段は¥1300−(税別) 郵送で送ることもできます。

2016年12月28日(水)

   ♪私の読書、吉野せい と出会った

  本のことを語り合う小さな集まりを昨年から続けているところがありました。ブックライフという月に1回集まる読書会です。12月例会に参加させていただきました。フェースブックにはこんなふうに紹介されています。

 「薪ストーブの柔らかな炎を眺めながら、お勧めの本を紹介し合い、読書の愉しみを深めるひととき。 意外なジャンルの本や、食わず嫌いだった作家の本に出会えるかも」(^_^) 時間は午前11時30分から午後1時30分まで。お弁当を持ち寄って、薪ストーブの脇で語り合うという、素敵な集いです。

 12月の例会日には、集まった方達で、それぞれが持ってきた本を紹介。私は、その前の小さな読書会で紹介された一冊『愛の顛末』(梯久美子著・文芸春秋)の中の最終章に載っていた「吉野せい」の生涯について、ことのほか惹かれましたので、話しました。

 吉野せいは、70代で作家デビューした希有な女性です。純粋無垢な魂で詩と開墾に情熱を傾けた詩人三野混沌(本名・吉野義也)と結婚し、家庭や生活を顧みない夫との相克があり過酷な年月があった。夫と死別した後、混沌の友人草野心平から「あんたは書かねばならない」と説得され、50年ぶりにペンを取り書いた本が、『洟をたれた神』なのです。

  開墾と貧困、子育てに明け暮れた苦難の歳月、そこから生まれた折々の出来事と思いのたけを記した短編は、独特の文体ながら実にすかっとして力強く小気味よいのです。私はいま、吉野せいにぞっこんです。読んだ著作はまだ『洟をたれた神』だけですが、書いた本はこの他『暮鳥と混沌』、『道』3冊のみ、78歳には没してしいます。たった2年間の執筆生活でした。

  吉野せい自身は書くことで、自分を取り戻し、夫との相克から和解へと自らを解放することができたと記しています。そのこころの軌跡を表現する言の葉が、強烈に響いてくるのです。彼女の著作、あと2冊が手に入るかどうか解りませんが、楽しみです。

 本を語り合うって、やっぱりいいですね。読書で人との繋がりを深められるし、人との関わりから本と出会えること、読書に導かれて豊かな世界が拓かれていきます。

2016年12月16日(金)

  ♪お茶飲みサロンで読み語り

  小さな読書会を開けないかなあ、と声かけしていたら、鶴岡で親子読書を一番早く始めたOさんの耳に入り、それならば、読書会の前にまず大山地域の木七町公民館でやっているお茶飲みサロンで、読みきかせをしてほしいと声をかけられました。お茶飲みサロンとは、ディサービスなと介護支援施設に行くまでもないお年寄りの方達が集う老人クラブなどで取り組んでいる交流の場です。いま、Oさんはその町内会のお世話をしています。

  嬉しい呼びかけでしたので、早速本選びから始めました。現在、マイブームが最上一平作品ですから、年配の方達にぴったりの作品は… と探してみるとありましたありました。『おかめひょっとこ』の絵本です。最上さんのお母さんが、おかめの面かぶって踊った姿からヒントを得て書いた作品とのこと。

 まずしい村には、ずっと昔から、おにがきた。で始まる。みねという女の子の一生を描いたものがたり。父母がつくってくれたおかめひょっとこのお面。嫁ぐときも嫁入り道具に忍ばせてきた。子どもに恵まれたが、貧しさに苦しむ暮らしに更に災害なども鬼が出てくると象徴して描かれている。苦しいとき、おかめひょっとこを夫も一緒にかぶっておどけておどり笑い飛ばすときもあった。

 しかし、人生甘くはない。その夫が57で亡くなった。その通夜で、みねは泣きながらおかめの面をかぶって泣きながら「とうちゃん、ほら笑え、ほらわらえ」と踊った。絵本の最後のページは一変して、みねの88歳の米寿の祝いの場面。10人の子ども、25人の孫、ひ孫が11人、やしゃごが1人が集まった。そこでみねばあちゃんは「世界一のしあわせものです」と語る。

 これをお茶飲みサロンに集まった年輩の皆さんに読み語りました。真剣に聞き、見ていました。もっと読んで欲しいといわれたので2冊目は『ぜつぽうの濁点』(原田宋典作・柚木沙弥郎絵)、3冊目が『じぶんの木』(最上一平作・松成真理子絵)をよみました。どれも、人生経験の豊かな方達に読むのに不足は無いかなと思って選びました。あとで、「絵本でも、深い内容でしたね』と言われました。

  読書のまちについても皆さんに語ることができましたし、これからは一歩すすめて、聴くだけでなく、皆さんからも語って貰う時間をとるのもいいなあと提案しました。年配の方達に読み語るって、初めてですが、真剣に聴いてくれるのは、子どもにするときと同じですし、もっと濃い時間だったかもしれません。

2016年12月8日(木)

 ♪最上一平さんの本を読みまくっています

 10月末に最上一平さんの講演を聴いてからというもの、彼の著作を無性に読んでみたくなり、最上さんの本を持っていたら貸して! と知人に頼んだところ、間もなく、ダンボールにいっぱい…がどさっと玄関に置いてあり、ぎょぎょぎょ。マニアな方がいるものです。読みたい本、読まなければならない本があれこれあるのですが、とにかく、最上一平さんの本の虫になって読みました。

 しみじみといいのです。登場人物は、どの作品も、その辺にいそうな田舎のおっちゃんやら婆ちゃんやら子どもたち、偉そうな人など一人も出てきません。どこか偏屈だったり、臆病だったり、けんかしたり、お喋りだったり、それでもどの人も子もみな憎めない愛しい人たちばかり出てきます。一人ひとりのキャラを描きながら、目を細めてうふふと書いている最上一平さんの姿が浮かんできます。

 『ぬくい山のキツネ』のおトラばあさんは、過疎の山里で、村人が次第に山をおりて町に行くなか、ついにたった一人になります。が、それでもやっぱりここに住みたいと、畑を耕し、四季おりおりの暮らしを過ごしています。一人で暮らしていて一番困るのは、話し相手がいないということでした。

 ある日、畑仕事をしていると、亡くなったはずの夫の金五郎が現れます。ははぁ、きっときつねが化かしにきたのだなと様子を伺いますが、余りにもそっくりですし、亡くなった頃より若く男前です。しゃべり方まで同じです。しっぼは無いけれど、ひげが少し金色に見えるくらいです。話し相手のいる嬉しさで、化かされたふりをして、何日か過ごします。 おトラばあさんが、「おっつぁん、よぐきてくれたなあ」と言えば、「うん」と金五郎がもっともらしくうなずき… 半信半疑ながらも金五郎とおトラさんのやり取りが、何ともほほえましいのです。

 そして、季節が移って、ある日、ふっと金五郎がいなくなります。雨のなか、金五郎をさがしまわり、おトラばあさんはすっかり濡れて、寝込んでしまいます。そこへ帰ってきた金五郎は、おトラばあさんの誕生日にと赤い膝掛けを町に買いに行ったというのでした。熱のあるおトラばあさんを心配して、医者を呼んでくるという金五郎を、「おっつぁん、どごさもいかねでけろ」と… ここからは読んでみてください。

  こんな物語を書けるのは、最上さんだからです。人の優しさが、人恋しさが行間からにじみ出てきます。どんな癖のある変な人でもなつかしさがあふれてきます。悪人だってあたたかく人間ってしょうがないんだよな、という筆致です。

  最上さんの講演をもう一度聴く機会があったら、なぜ作家になろうとしたのか、どのようにして作家への道を歩んできたのか、何が書きたかったのか、などを聴いてみたいと思うのです。いくら作品群を読んでも、自分自身のことはどこにも書いていません。きっと、とてもシャイな方なのでしょう。

2016年12月2日(金)

 ♪まちライブラリー・ブックカフェ、始めます。 

  先月、「読書で元気なまちをつくろう・市民の集い」でパネリストの磯井純充氏が提唱していた「まちライブラリー」のカタチをまねて、鶴岡でもできないものかといろいろな人に語りかけてみました。すると「本のことで語り合う会なんておもしろそう」、「やってみようかな」、など少しずつ具体的にやれそうなところが出てきました。今のところ4箇所で動き出しています。

  読書のまちづくりは、大きな仕掛けをして取り組むのではなく、ミニ読書会のような小さな本に関わる集まりをあちこちで行い、1人ひとりが自分の読書を語りあい、喜びを感じる取り組みから、まちづくりは始まるというものです。とてもナットクし、共感しました。

 やり方は、一人ひとりがお気に入りの本を持ち寄り、その本を話題に語り合います。そして、その本にジャバラに折りたたんだメッセージカードを付け、本の寄贈者が初めの1ページ目にコメントをつけて、ブックポケットに入れます。その本を借りた方が、その次のらんに感想などを書いて連ねていくわけです。借りる場合は、別の貸し出しノートに記入して借りていきます。ブックポケットは古封筒を半分に切れば簡単にできます。

  持ち寄った本を置くところが必要です。余りに不特定多数が出入りするところでは、本の管理が出来なくなりますから、会員メンバー同士で貸借ができるカタチにする必要がありそうです。それでも、より多くの人に広げたいという願いもありますから、立ち寄った人も借りられるという方法をするには、そこに管理人的な方がいる「場」がふさわしいかもしれません。

 やり方は、自分たちで一番やりやすい方法を考えて取り組むのがいいと教えられました。それもナットクした点です。まちライブラリーの主旨は次の通りです。

 「まちライブラリー」とは、まちのあちこちにメッセージ付きの「本」を置き、借りあうことをとおして、「本」で人の縁を繋ぐ活動です。

○まちライブラリーは、本を通じた人と人とのつながりを大切にします。

○まちライブラリーは、ご寄贈された思いのこもった本を大切にします。

○まちライブラリーは、会員同士、まちライブラリー同士の交流を大切にします。

○まちライブラリーは、となりの人の話をじっくり聴くことを大切にします。

○まちライブラリーは、上記のことを通して、一人一人が主役になれる機会や場所を目指します。

というものです。とても素敵な活動ですね。

2016年11月18日(金)

 ♪最上一平さんの講演…この本だいすきの会で本が嫌いだった話

  先日、この本だいすきの会の庄内支部が、20周年のつどいを行うというので行ってきました。会場は、羽黒山の宿坊で「大進坊」で行われました。最上一平さんの講演がメインですが、祝舞やら羽黒山に伝わる伝説の紙芝居やら盛りだくさんのプログラムを堪能し、最後には、とっておきの山菜料理、精進料理をいただきました。美味しかったです。特に山から採ってきたトチの実だけでつくったというトチモチのあんころ餅、絶品でした。

 最上一平氏のお話に惹きつけられました。最上氏は冒頭、「私の話はおもしろくありません。90分は長いですね。おもしろくない話を聞く方も大変だけれど、話す方も大変なんです。」と、のたまってぼそぼそと話始めました。ハードルを低くして語り、かえって惹きつけられましたけどね。

 “山形県の朝日町で育った。1964年東京オリンピックのとき1年生、我が家にテレビは無かった。冬は出稼ぎに行く人が多かった。同級生10人のうち、出稼ぎに行かない家庭が1軒だけだった。柿の収穫が終わり、雪囲いをすると出かけた。『銀のうさぎ』に収録されている「夏の写真」の作品。

  小学3年と5歳の兄弟、両親が「じいちゃんとばあちゃんの言うこときいていい子していれよ。正月に一度帰ってくるから」と言い置いて両親が出稼ぎに行く。小さい弟は指折り数えて待っている。しかし、12月に正月に帰れないと手紙が来る。弟は、身の置き場もないほど落胆し、ご飯も食べずに布団をかぶっていた。兄はなぐさめようと夏に両親と一緒に撮した写真を弟に見せる。弟は、布団の中で母の映っている写真をぺろぺろとなめながら泣いていた。今でも、柿の実が赤くなると、ああ…と思う。

 娘が、「お父さんはどうしてお母さんと結婚したの?」と聞く。私と結婚したために貧乏で悲惨なことになったのだが、彼女が「夏の写真」を原稿で読んで分別を無くした、というのが真相。人生を真っ逆さまに変えるほどの作品なのだから…いい作品だと思う。と(会場から拍手)” 

  最上氏のこの話にこみ上げてきました。とつとつと語るのですから、いっそう胸にせまってきます。最上さんの地元での話がもう一つ。

  “学校司書の研修会でのこと。電車の終点から20分も車で行ってやっと到着する会場に1時間も早く着いてしまった。すると会場の一番前の席に、かなりお年のお婆さんが2人座っていた。よく見ると、子どもの頃近所でお世話になったふくさんとのしさんというおばあちゃんだった。ありがたいなーと思った。多分、本なんか読んだこともないのかもしれない。そんなおばあちゃんでも面白いと思える本を書きたいと『ぬくい山のキツネ』を出版し、ふくさんとのしさんに贈った。”

  自分は、“本が嫌いな子だった。今みたいな読みきかせもないし、本を読んだこともない。読書は勉強のひとつだった。勉強ができなかったのが原因かな? 読むとちんぷんかんぷん。一行読んで次の行にうまく行けない。今、同業者の話を聞くと「世界文学全集をみな読んだ」などと。そういう人嫌いだった。が今は、子どものころ本を読まなかったことを返っていばっている。

  学校で、「本が嫌いな人」と手を挙げて貰うとクラスに1人か2人はいる。そういう子が愛しくなる。本が楽しいということを知っていないから本が嫌いになる。本は面白いからトライだけはした方がいい。つまんなかったらポイ。きっと気に入った本があるから、一冊気に入った本があることがいい。

  自分は、本なんか買ってもらえなかった。この本面白いと言える人はすてきだと思う。本を手渡して上げられることはすばらしいこと。子どもには、一冊でいいから好きな本があってほしいと思う。” 

  この後、『じぶんの木』の読みきかせ。実は、この絵本が在庫が無いという。品切れ、再版の予定なしであることが発覚。大事ないい本なので、出版社に促してほしいと。

 “日々の生活のなかに、人を励ますことがあるのではないか。今日の話の結論だ。生活のなかで人と人とが結び合って生きていき、力になっていけるような本を書いていきたい。” と結ばれて講演を終わりました。

   さて、美味しい山の料理をごちになりながら懇談のとき、最上さんに「好きな一冊の本」って何ですか? と伺いました。すると意外や意外…『赤毛のアン』だったと。それも二十代の半ばころ、生活はどん底、食べるものもとぼしく、寂しくて家に帰りたいつらい時期に読んだ『赤毛のアン』になぐさめられたという。

  アンがマリラと手を繋いで家路に急ぐ夕暮れ、「家に帰るってうれしいことね」とアンのつぶやきに心がふるえたという。アンが自分のすぐそばに居てくれた。と最上さんは熱く語ってくれました。私にとっても、つらいことがあったり、眠れないときは、アンを読んで心をおさめてきた大事な本でした。十代から二十代まで、枕元には常に『赤毛のアン』がありました。

 『おかめひよっとこ』は最上さんのお母さんのことを題材にした絵本。サインをして頂きました。「野道のくさむらの小さな花」と書いてくれました。最上一平氏の本をもっと読んでみたい!! 

2016年11月14日(月)

♪何かが始まりそうな「読書で元気なまちをつくろう・市民の集い」

 今夜の大きな満月を雲の切れ間に見ることが出来ました。ほんとに大きなお月様。笑っているような表情に見えましたよ。

 「読書で元気なまちをつくろう・市民の集い」が先週の日曜日に開かれましたが、ばたばたして報告が今頃になりました。 印象的なことをお伝えします。

  会場には、地元絵本作家ましませつこさんや土田義晴さん、佐藤茉莉子さんなどの絵本を展示。そして、メンバーが持ち寄った「私の一冊」にポップをつけて展示しました。ましまさんの絵本原画もあり、なかなか素敵な雰囲気の会場でした。

   集いは、パネルディスカッションのかたちで行い、パネリストには、米沢市図書館の館長の村野隆男氏と、まちライブラリーの発起人磯井純充氏。参加者からの質問や意見を取り入れながらモデレーター(進行役)が進めます。参加者は付せんに意見や質問、アイデアなどを書き、手を挙げて渡します。ステージの後ろのホワイトボードには記録係が、話合いの内容をどんどん書き込んでいきますので、会話の進行で忘れてしまうような話しの流れも、目に見えます。

  磯井氏の「まちライブラリー」は、お金も無い、組織も無いところからのアイデア。本に小さなメッセージカードをつけて持ち寄り、本について語り合うという数人の集まりをすることから始めたもの。生活している場に本を持ち込む。本と人が繋がり、人と本が繋がるという、気軽にできる小さな読書会のかたちが魅力的です。

 有名人を呼んできて高いところで語るのを聞くというイベントのカタチだけでなく、参加者一人ひとりが、語り、意見交換をして、主人公になる集まりをすることが、まちづくりに広がるという。そうか、小さな本を語る集まりならできそうです。それこそが私たちができる「読書で元気なまち」をつくるひとつの方法かもしれません。そのやり方は、千差万別でいいという。集う人たちが自分たちで決めればいいという。

  何だか楽しそうです。やっている人自身が面白がってやるのが一番だという。この集いが終わった翌日、「そんな読書会ならやってみたい」という人が早速いましたから、わくわくしたのは私だけではないようです。アンケートにも、多くの方が、楽しく興味深い集いだった、本を読みたくなったなどと書いていました。

 具体的に読書会がやれそうなところが、2箇所、ただいま進行中です。

2016年10月24日(月)

 ♪「第6回読書で元気なまちをつくろう・市民の集い」へ

  山形県鶴岡市で、「読書のまち 鶴岡」宣言をすすめる会を立ち上げて、もう6年目になりました。東日本大震災が起きた3月に、鶴岡を読書のまちにと準備を進めてきて、ついに立ち上げを表明するちょうどその頃に3.11がありました。日本中が喪中のようなときに、はたして、「読書のまち」などと言っている場合だろうかと悩んでいました。しかし、被災地では、食事も寝るところもままならぬ状況でありながら、本を求め、読む物に飢えていたと聞き、大きな勇気をいただきました。

   人は、どんな環境にあっても、本を必要としていることに、読書が生きる糧になること、読書のまちづくりの意味を確信したのでした。そして5年目の昨年、「第5回読書で元気なまちをつくろう・市民の集い」に片山善博氏を講師に迎えて、講演会をしました。そして、署名活動を開始し、ついに、鶴岡市民の一割に当たる13,211筆の署名が集まりました。12月議会に、署名をつけて請願を提出しました。しかし、一度は継続審議となったものの、3月議会であっさり不採択が決まってしまいました。

  不採択でがっくりしているとき、「そんなことでめげていないで頑張って!」、「鶴岡は、市民が請願することを聞こうとしない古い体質のまちなんだ。読書は反対する理由なんて無いのに」、などたくさんの市民の方々から、怒りや励ましの言葉が寄せられました。不採択になったことで、かえって「読書のまち」に関心が寄せられたという感じでした。

  議会での反対意見は、「このような請願を受け入れれば、スポーツのまち宣言とか合唱のまち宣言などと同じように請願があれば、みな宣言しなければならなくなるから」とか、「読書のまちはいいとしても「宣言」の制定は、条例の「制定」を伴い、宣言制定がふさわしいか疑問」など、「読書のまち」に反対するというより、「請願」がネックという反対意見で否決されたのでした。個々の議員は賛成議員も多かったのですが、会派のしばりで、賛成と思っていても、反対を表明するという市議会議員の不思議な体質も見えたのでした。

  これらのことから、私たちの読書のまち市民運動が、そうたやすく実現するものではないことを知りました。しかし、逆風は、離陸する勢いに変えることができます。新しく若いメンバーを6人も加え、議論を重ねて、今までの活動を更に発展させる体制を考えました。

  ひとつは、会の名称から「宣言」を抜きました。宣言があたかも目的のような誤解を与えないためです。私たちの願いは「鶴岡を読書のまち」に、なのですから、読書のまちが実現してから、必要な場合は、読書のまち宣言や条例をすればいいわけです。

  そして、読書のまちを提案する会から、具体的に読書のまちづくりに取り組むことに舵を切りました。また、財政基盤を持たない会であり、情報発信の手段を持たない欠陥を反省し、賛同する会員を募り、財政をきちんとし、会報等で情報発信と受信を会員との間で双方向から行えるように体制を整えることにしました。

 そのためのキックオフが「第6回読書で元気なまちをつくろう・市民の集い」です。私たちのこの会がどう進めるのか表明し、「私にとって、本のある暮らしとは? 読書が盛んなまちとは?」を語り合い、学び合う会を行います。パネルデスカッションのカタチで、会場から参加の皆さんの声も伺いながら、討議を行います。会場には、楽しいしかけもあります。

  パネラーのお二人が魅力的です。米沢図書館の名物館長、村野氏、図書館の名前が「ナセBA」その秘密を解き明かします。まち塾@まちライブラリーを全国各地に広げているユニークで魅力的な磯井氏。参加チケットは、市内書店やNHK文化センターなどにあります。ご参加をお待ちしています。

2016年10月2日(日)

      ♪一箱古本市をやりまーす!!

  鶴岡の銀座商店街の秋まつりの企画のひとつ「本の楽市楽座@鶴岡銀座」で、みんなの古本市のところで、仲間と一緒に一箱古本市を出店することになりました。場所は、鶴岡銀座の真ん中あたり、セントルの前だそうです。10月8日(土)午前10時〜午後2時までです。お店の名前は、「あ・ら・もーど」。間口2、5メートルのちっちゃいスペースですが、お気に入りの本が見つかりましたら幸いです。うふふ

  本は、それぞれの自分の本棚から抜き出していたさまざまな本です。私の場合、絵本はちよっと出したくなかったので、『こどものとも』のペーパーバックがどっさりあるので、その中から何十冊か抜き出してきました。後は、書庫にうづもれていた本から、抜いてきた何十冊かです。ずいぶんたまっていましたから、少しでも減らしたいと…

 びっくりしたのは、その本の中に女優たち3人のサイン本が入っていました。そういえば、その女優のディナーショウがあったときに買った本だったと思い出しました。いい本は早い者勝ちです。どうぞいらしてください。お待ちしています。

     2016年7〜9月