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2/8.会計年度任用職員の募集しています
1/26.楽しい読書会のはなし その3最新情報
1/17楽しい読書会のはなし    その2
1/13.楽しい読書会のはなし
1/5.学校図書館から読書のまちへ
1/1 2020年 明けましておめでとうございます
12/19高槻市で学校図書館ビフォーアフター
12/15来年度4月より、会計年度任用職員に制度改正
10/27 ♪4か月ぶりです
6/28.庄内沖地震では、ご心配頂きありがとうございました。
5/6長い長い連休いかがお過ごしでしたか?
5/2♪カルミナ・ブラーナ演奏会で152人の大合唱
4/19.桜が満開!「読書のまち 鶴岡」をすすめる会総会
3/27.朗読集団 長月の会
3/6.『ゴリラからの警告』 人間社会ここがおかしい
3/5まちじゅう図書館マップ発行記念&交流会
2/17.♪これから教師になる大学生たちに
2/9出る杭は打たれる。しかし、出ない杭は朽ちる
1/23椎名誠氏の講演会「本の夢 本のちから」
1/19読みきかせ絵本のはなし
2019年1月1日♪明けましておめでとうございます


    
2018年7月〜12月
    
2018年1月〜6月
    
2017年1月〜12月
        
                                                                                                                                


全国SLA




















あんなこと こんなこと

2020年2月9日(日)

    ♪会計年度任用職員の募集しています

  今年4月から、会計年度任用職員制度に切り替えられ、採用の募集が始まります。公的機関に働く全ての臨時職員が該当しますから、学校司書の多くの方が任用職員となります。鶴岡市でも学校司書は全校配置になっていますが、臨時職員かパート職員になっていますから、任用職員に切り替わります。どのような採用条件になるのか、今より悪くなるのではないかと心配していました。

 鶴岡市の広報に公募が発表されました。市のホームページにも職種ごとのくわしい募集要項が掲載されていますので、ご覧下さい。その中で、心配な点がありました。制度の概要に「一会計年度内の任期で採用されます。ただし、従前の勤務実績に基づき再度の任用は2回までとします。」とあります。ここのカ所について、学校司書の方達は、とても不安に思っていると聞きました。

 この2回までの意味は、市教委に確かめて頂いたところ、@再任用の1回目が2年目で、2回目が3年目となるので、実際は3年間となります。Aただし、その後に公募しても、再任用をさまたげるものではない。要するに任用制度に雇用止めはなくなりますので再任用が可能となります。B学校司書の場合、採用に当たって、実績、経験が加味されると市教委との話し合いで確認しています。子どもの読書を支える会では、今後の実際の雇用について、市教委と学校司書の処遇について、話し合いを続けたいと考えています。

 この任用制度は、国が推進する「同一労働同一賃金」や「働き方改革」によって、地方自治体で働く非正規職員の待遇改善をめざすものとされています。ところが、自治体によっては、財政難のところなど、かえって賃金を下げたり悪化しているところも少なくない実態が報道されています。声を出していく必要があるのではないでしょうか。

2020年1月26日(日)

    ♪楽しい読書会のはなし その3

 読書会のつづき3回目です。私が日頃読むのは、読書のまちをすすめる会で、地方新聞に連載して頂いている「私の一冊」で紹介された本です。すすめる会の事務局をしていますから、新聞に投稿する原稿は、私に送られてきます。それがとても興味深い本が多くて、直ぐ図書館の本を検索して、あれば予約します。ですから、次々と読みたい本がたまっていきますから、読書冊数は多くなります。

 読書会で紹介する本も、おのずと「私の一冊」から読んだ本を持ち込みます。その中から。『選択の科学』シーナ・アイエンガー著 文春文庫、副題に「コロンビア大学ビジネススクール特別講義」とあります。人は生きていくなかで、折々様々な選択をして生きていきます。シーナが研究課題としてなぜ「選択」についてを選んだのかから実に興味深いのです。

  何かを選ぼうとするとき、自分で選んでいるようで、意外と習慣や本能で選択しているとか、選択の基準が、自分個人だけを視野に決めるのか集団のためかも、その国の特徴があるという。例えば、日本人は得てして、みんなが良ければいいわという。しかし、アメリカは個人の意見をはっきり言うのが普通。選択を自由にしているように見えて、意外と左右する要素が創られていると。

 シーナは全盲です。どのようにして膨大な書物を読み、情報を集めているのか、私の関心はそこにもありました。結婚して子育てもして、大学の教授もしているし、社会心理学の博士号も取得しているすごい女性です。この本は学校司書をしてきた友人から紹介された本です。長くてすごい本ですが、2回も読みました。

 80歳を過ぎた方からの紹介本です。『生き物の死にざま』稲垣栄洋著 草思社 強烈な内容の本でした。長い年月土の中で幼虫時代を過ごし、成虫になってわずかの日数だけ地上でなき息絶えるセミ、卵を守り育ててめんどうを見るハサミムシ。その間エサを食べることもしない。卵からかえり幼虫になると、子ども達は母を食べて大きくなる。命まで子どもに捧げて一生を終えるのです。サケの一生、カゲロウ、タコ、クラゲ、ウミガメなどの生きざま、死にざまを、愛情深く見つめ、その一生をあたたかく書きつづるのです。感動でした。

 宮部みゆき著『過ぎ去りし王国の城』不思議な本でした。絵の中に入ってしまうという不思議な体験をする。一人ではない、中学生の僕と隣のクラスの女生徒と、男の人と3人で、絵の中のお城に探検に行く。そこに捕らわれた女の子を救うために。一人ひとりが苦しみや矛盾を抱えているのだが、それも含めてずっとドキドキが続く物語です。ハラハラしすぎる本は苦手だが、この本は、登場人物たちへの愛情が底辺にあるので、読まずにいられない物語です。

 まだまだ紹介したい本がありますが、またそのうち…

2020年1月17日(金)

    ♪楽しい読書会のはなし その2

  前回の読書会のつづきです。持ち寄った好きな本の話題から、自由な話し合いを楽しく展開するお喋りの会、思い出すままに書いてみます。

  『大相撲の不思議』内舘牧子著、潮出版社 土俵に女人が昇るのはなぜ許されないのか。内舘牧子氏は、大相撲のなぜを解明するために東北大に入り、研究課題に取り組む。彼女は、大相撲は神事である。伝統文化であると力説する。大昔から相撲を神事として大事に守ってきた歴史が、現在の大相撲に活かされていると。

  ただ強ければ、勝てばいいというスポーツではないのだ。大相撲を取り巻く人々が、必死になって政界や高貴な人との関わりを利用して、大相撲を単なるスポーツというだけではなく、伝統をつくり、神事としたり、その上、見事にビジネスとして成り立たせてきた歴史をひもとく。

 内舘牧子氏の著書『終わった人』とか、『すぐ死ぬんだから』など前回の読書会で話題になった。興味津々で、持ち込まれた本は必ず借りて読んでしまった。内舘氏の独特の書きっぷりというか気取りのない文章に惹かれる。共感も持つ。批判も激しいが、ナットクする。彼女の本が語られると、読書会は一気に盛り上がるから不思議。

 『母に歌う子守唄』落合けいこ著 一人っ子の自分と母一人。認知症になった母の介護日誌である。私も母の介護に明け暮れた8年間があった。母が40歳のときに産まれた私は、母の介護と子育てとが同じ時期に重なる。子ども達にもおばあちゃんの介護に巻き込みながら必死になっていたあのころを思い出す。次第に赤ちゃんに戻っていく母の姿に、娘としての葛藤があったあの頃を思い起こして切なかった。

 『ラチとらいおん』マローク・ペロニカ 絵本を読んでくれた。せかいじゅうで1番弱虫の男の子ラチ。友だちの犬もこわい、しかし、小さな赤いらいおんがあらわれ、らいおんに励まされて鍛えられる。しだいに強くなっていくラチ・・・  大人になっても読みきかせしてもらう楽しみはなかなかである。

 『本所おけら長屋』畠山健二 時代ものの傑作なシリーズ。これが読書会のメンバーにヒットして、次々と借りられて読まれた。12巻あるが、あっという間に読んでしまう面白い本だった。人情があり、お家騒動があり、事件があり、殺人事件ありで刺激もある。それにしても貧しい庶民にしみじみとあったかいのがいい。

2020年1月13日(月)

   ♪楽しい読書会のはなし

 前回、読書のまちについて書きましたが、あちこちで広がっている楽しい読書会のはなしをします。もう5年も前になります。読書で元気なまちをつくろう・市民の集いで、パネルデスカッションに、まちライブラリーを提唱する磯井純充氏をお呼びしました。

  磯井純充氏は、「本でひとをつなぐまちライブラリー」を思いつき、実践している方です。自分の好きな本を持ち寄って、小グループで集い、本をきっかけにしてお互いが存分に語り合うという取り組みをしています。

  私たちの読書のまちのキャッチフレーズは「読書で元気なまちをつくろう」ですが、彼が言うには、いくら著名な人を呼んで講演会をしたり、いい話しを聴いても、元気なまちにはならないよ。自分で話し、発言し聴いて貰うことで人は元気なるのだ」と力説します。本を持ち寄って、小人数で本について話すことで、親しく語り合う仲間になる。そこで持ち込まれた本をその場所に置いて、互いが借り合う活動で、例え本が無い所でも持ち寄った本でライブラリーとなる。という説でした。

  なるほどです。本を媒介にして読書会をする、それも4人か5人の少ない人数でテーブルを囲んでの語り合い、それなら簡単にできると、早速やってみました。本の好きな人に声をかけて気さくに集まれる場所を確保し、お気に入りの本を持ち寄って集まってみました。これが何と楽しいおしゃべりの会となり、それが、ストレス解消になることもわかりました。

  何の制約もなく、難しいこともなく、ただ好きな本を持ってきて、どんな本かなど語ると、集まった人たちからそれに関わって次々と話題が広がり、それがまた何とも言えず面白い展開となりました。我が家のこと、自分の体験、困っていること、嬉しかったことなど次々と、ちょっと知的で素敵な話題が飛び出します。

  これがやはり本とか読書を通した話題から始まるので、単なる噂話とかどうでもいいようなレベルの話しで終始するようなことではないところがちがうのだなと思います。「読書会」だからとしゃっちこばって、無理に語り合う必要はないわけです。自分が好きな本を気軽に、この作家が好きだから、とかたまたま読んでみたら、ここに感動したとか、違うと思ったけどとか、勝手に話し合うところに親近感が湧き、自分をさらけて語り合える魅力です。

  誰も意図したり意識的に話題を持って行くのではないのに、不思議です。これが読書を素材にして語り合うという、本をきっかけにしている良さなのかもしれません。磯井さんの提唱する「まちライブラリー」の形も惹かれますが、鶴岡では、もっと簡単にしました。だいたいのやり方は、

@ 簡単な安く集まれる場所・ただがよい A人数は4〜5人、多くても6人くらいまで B好きな本、読みかけの本など何でも Cお弁当を持ち寄って昼どきでもいい。D会場費はワリカンか、会費を決めてもいい Eだいたい月に1回集まるが冬は冬眠というのもあり F集まる日と集まる時間は、この日集まった人の都合いい日を次回日程にする。などが主なやり方です。持ち込んだ本が、その本貸してとか、盛んにやり取りされるのがいい。

 次回は、どんな話しが展開したか、紹介された本も含めてお知らせします。とにかく、集まったメンバーの持ち味に合わせて、好きなように決めることがコツといえます。

いかがですか、仲良しと始めてみませんか。

2020年1月5日(日)

  ♪学校図書館から読書のまちへ

  私の住むまち、鶴岡市を読書のまちにできたらいいなぁと考えたのは、今から10年も前のこと。何故思いついたのかを明かせば、学校図書館で子ども達が読書に親しむようになると、子どもは必ず伸びるし元気になった。子ども同士の関係が良くなるのは、コミュニケーションが豊かになったからだったように思う。学校全体も活気が出てくる。朝暘第一小学校だけのことではない。前任校、その前勤務した学校でも同様だった。

  それならば、地域で読書文化が広がれば、心豊かな人が育ち、地域を起こす力になるのではないかと思い立った。もう一つは、学校図書館に対する行政の理解が進まないことに対し、「読書のまち」づくりという外堀から意識改革ができるのではないかとう期待もあった。

 2011年3月に立ち上げるつもりで「読書のまち」鶴岡をすすめる会を準備していた。しかし、大震災で立ちすくんだ。読書どころではないと。しかし、被災者たちは、食べるものも乏しいなか、本や読むものを求めていると耳にした。子ども達に絵本をと。物の豊かさより、心の豊かさに気付いた今だから「読書のまち」に取り組もうと励まされた。あれから8年になる。

 様々な起伏があった。ドラマチックな展開があった。誰も反対することではないが、足を引っ張りようなあれこれもあった。しかし、「読書で元気なまちをつくろう」をキャッチフレーズに、面白い取り組みも地味ながら続けた。地方新聞にリレーエッセー「私と読書」を連載して200人が投稿した。それを2冊の本にして出版。その後、「私の一冊」の連載を続けている。現在、執筆者が220人を超えた。

 「読書で元気なまちをつくろう・市民の集い」を毎年取り組み、講師に柳田邦男氏、片山善博氏、山根基世氏など著名な方々を講師に招聘。「古典の日の集い」も始めてから3回目である。それに、まち中にある読書環境を掘り起こし「まちじゅう図書館マップ」を作成し発行した。小さな読書会も広がっている。

 地域の方々の読書体験と本の紹介の投稿が500人になろうとしている。会員と賛助会員も350人を超えた。いつの間にか、たくさんの読書仲間が広がっていた。我がまちに、静かな読書の波が起きている。

 学校図書館の体験から巻き起こした「読書のまち」づくり。きっと学校図書館にも新たな道が開けてくるような気配を感じる。

 このことを、今年の夏に開催される全国学校図書館研究大会で、実践発表しようかと思っている。これが、私の今年の抱負の一つかな? まだ道半ばではあるが、発信することで何かが見えてくる気がしている。全国大会、高松で会いましょう!

2020年1月1日(水)

  ♪2020年 明けましておめでとうございます

 また新しい1年が始まりました。

  昨年暮れのびっくりからお知らせします。「12月22日の山形新聞朝刊の1ページの「談話室」らんに私の名前が出てるよ!」と、早朝に友人から電話がありました。驚いて開いて見るとこんな内容でした。

▼転校生の小学6年女児は不登校がちで、寂しげだった。学校司書の絹子先生は彼女に手紙を書く。自分も子ども時代にいじめられていた。学校の図書館から借りて読む本だけがつらい現実をわすれさせてくれたー。▼だから「放課後皆が帰った後、図書館に本を借りにきていいよ」。すると彼女は裏口からそっと図書館を訪ねるようになる。やがて友だちができ、学校にまた通い始めた。鶴岡市で長年学校司書を務めた五十嵐絹子さんが著書「子どもが本好きになる瞬間(とき)」で紹介している。

▼このような役割を分かってくれない方々もいるようだ。学校司書の配置増を求める国会決議案に、日本維新の会が与野党で唯一反対し、12月9日閉会した臨時国会への提出が見送られていた。「近い将来、司書の仕事は人工頭脳(AI)で代替可能になる」がその理由である。▼「生徒が望む書物を取り出すという業務は、必ずしも『人』が担うべきものではない」とも。だが子どもたち一人一人に目配りし、自ら働き掛けもする司書の重要性をもっと認識すべきだろう。五十嵐さんはこうも述べる。ぬくもりのある図書館には「人こそ1番大切」と。

 11年も前に出版した拙著から引用しての記事に、びっくりしました。そして、AIで学校司書の仕事が肩代わりできるとする意見にゾッとしたのです。何故そのような発想になるのでしょうか。学校図書館に司書がいないのが当たり前の学校で育ってきたのではないしょうか。図書館を利用する経験が無いのかもしれません。貧しい教育行政の中で育ったお粗末な教育観に、心底がっかりしています。

  そういえば、学校図書館にコンピューター管理システムを取り入れるから学校司書はいらないという地方の教育委員会がありました。

 人が人を育てるのです。学校司書の教育的役割と任務を、学校現場ではもちろん、社会的にももっともっとアピールする必要を強く感じました。

 嬉しい話題があります。が、長くなりますので、次回、報告します。

2019年12月19日(木)

  ♪高槻市で学校図書館ビフォーアフター

  大阪の高槻市立安岡寺小学校で、昨日、学校図書館の大改造に取り組んできました。久しぶりのビフォーアフターです。楽しかったです。

  高槻市とのご縁は、5年前(2014年2月)に「高槻市学校図書館を考える会」が主催する講演に呼ばれたのがきっかけでした。講演が終わった後、市教委の指導主事と指導課長さんがおられて、そこで高槻市の学校図書館の活性化に向けた取り組みへの依頼をうけ、学校司書の研修会や図書館担当者の研修会、小中学校のビフォーアフターなど、何度か呼ばれて伺いました。

 始めに声をかけて下さった市教委の指導主事だった方が校長先生になられた小学校での研修会の企画が昨年10月にありました。その時に、来年は本校の図書館をビフォーアフターする計画を立てました。それが実現してこの12月17日と18日に図書館の大改造となったのです。

  司書さんが1年がかりで準備をすすめていました。メールでのやり取りで打ち合わせを行いました。昨年伺ったときは、1日だけで慌ただしかったので、十分な話合いが出来なかったのですから心配なところがありましたが、とても頑張ってすすめていました。分類変更をする本がかなりあったのですが、司書のTさんが一人でこつこつと直し、分類の書架に振り分けていました。

 ですから、0〜8類は、本を出して平積みする必要がなく、18日の大改造では、絵本と文学だけで済みました。人数も少ない作業でしたから、それで助かりました。

 17日は、飛行機二つ乗り継いで、昼に高槻市に到着し、直ぐに本を平積み仕分けをするための分類記号を書いた紙を150枚貼り、児童の作業グループの作業分けの紙を全書架に張り、その後、4時からは、全職員の研修会です。

 18日は、朝から大作業の準備、4年生の子ども達の本出し分類仕分け作業。続いて鳥瞰図に本の配架計画を書き出し、続いて書架に書架表示の分類記号を張り、司書さんは、テプラで必死になって足りない分類記号表示づくりをやり・・・てんやわんやしているうち、職員作業の本入れが3時30分から始まりました。

 ところが、平積みされた本の量を一カ所でも間違うと、本が書架に入りきれない! と騒ぎがおこります。あまりにばたばたとやったので、やはり間違いがありました。4時には帰りの飛行機に乗るために出発です。先生方の作業は実にチームワークが抜群で、どんどん進み、帰るころには、おおかたの本が書架に収まっていました。

 17日から18日の2日間、かなりの作業ながら、楽しい仕事からか、それほどへとへとにならず家に帰り着きました。

安岡寺小学校の4年生の子ども達の一生懸命にやる姿にも感激し、校長先生はじめ司書さん、図書館主任の先生、全職員の協力体制に助けられて、ばっちり1日での図書館改造は一応整ったと思います。後の微調整は司書のTさんがしっかりやってくれることでしょう。任せて安心な優秀な司書です。

 ありがとうございました。

2019年12月15日(日)

 ♪来年度4月より、会計年度任用職員に制度改正

 またまた長期にお休みしていました。お久しぶりです。

  鶴岡の学校司書も臨時職員とパート職員なのですが、来年4月から「会計年度任用職員」に制度改正となります。どのような法改正なのか心配で、その学習会があるというので行ったことがありました。働く人の60%が期限付きの臨時職員となった今日、働き方改革が叫ばれ、臨時や非常勤職員も地方行政の重要な担い手として任用の適正化を図るとして改善の方向で、臨時職員のほぼ全員が任用職員となるということでした。

 さて、心配なのは学校司書の処遇です。鶴岡では小中学校が37校あります。その中で大規模校12校は、フルタイムで司書資格のある臨時学校司書が配置されています。その他、小規模、中規模の学校20校には、「給食・図書パート」が、5〜6時間勤務で給食業務と兼務で働いています。さらに事務と給食の兼務をしているフルタイム臨時事務職員が5校です。

 フルタイム臨時職員の1日の勤務は、7時間45分です。それより1分でも短い場合はパート職員となります。ボーナスの支給が可能となります。しかし、鶴岡の司書たちは、長期休暇で雇用が切れていました。雇用保険も切れますから、夏休みなど無給なのに、国民健康保険に切り替えるために3万円も支払う必要が出てきます。新制度になってボーナスが出ることになっても、細切れ雇用では、支給対象にはなりません。

 それらの問題について、今年、子どもの読書を支える会では、教育委員会や市長さんに要望を提出し、懇談を行ってきました。12月市議会では、議員さんが学校司書の雇用について質問をしました。それを傍聴したところで、疑問点について3回目の懇談を先週行いました。

 分かったことの一つは、37校の学校司書の臨時フルタイム司書も、パートの人も一年間を通した通年雇用に切り替えるということが分かりました。しかし、フルタイムが、時間を削られてパート職員になるかどうかは、まだ明らかになっていません。一歩前進ですが、課題もあります。

 2つ目は、通年勤務になったことで、年末手当が出るようになります。

 3つ目は、通年雇用になっても、勤務日数や勤務日については学校規模で一定数にして、学校の都合や本人の都合も加味して決めるとのことでした。

 4つ目は、今までは、大規模校は5年で転勤があり、2校勤務すると10年で雇用止めとなり、再雇用はありませんでした。それが、1年ごと切られます。ただ再雇用はできます。しかし、いつでもクビにできるわけですから不安でした。現在勤務している方々が、制度変更を理由に切られては困ります。現在働いている方を再任用するように強く要望しましたころ、新規の人も今働いている人も等しく選考した上で、経験者を採用することは十分あり得るとの回答でした。

 5つ目は、休暇制度や社会保険等、厚生年金などの適用になるということでした。

 6つ目は、お産の度にクビになるという状態がありましたが、今度は産後の復活勤務が可能となるとのことでした。

 今まで16年間も要望し続けてきたことが、殆ど聴いてもらえなかったのですが、長年言い続けてきたことが今になってようやく願いが届いたのではと思っています。ただ、フルタイムの司書が、勤務時間を減らされてパート職員になるのでは、とか今働いている方が切られるのではないかなど、心配がまだまだあります。それでも、私たちが願ってきたことに耳を傾けてくれたことに感謝です。

 現場の学校司書さんの奮闘に期待して、市民の会である私たちも頑張りたいと思っています。全国各地ではどのような動きになっているでしょうか?

2019年10月27日(日)

  ♪4か月ぶりです

  長らくこのページをサボっておりました。訪問して下さった皆様ごめんなさい。もう呆れて誰も見向きもしなくなったかもしれません。忙しさにかまけて、ついつい書けなかっただけで、至って元気でおりました。これからもぼちぼち頑張りますので、よろしくお願いします。

  昨日、朗読会の発表がありました。朗読集団・長月の会というサークルで11回目の朗読会です。私の読んだ本は『僕は46億歳』という絵本です。豊田充穂氏が構想から20年かけて絵と言葉を書きためて出版した素晴らしい内容の本です。この本に出会ったとき、これをぜひ朗読会で読みたいと強く思いました。

  サークルの方達に聞いて貰いましたが、科学読み物は朗読会に馴染まないとか、ピンとこないとか、聞く人が難しくて寝てしまうかもとか反対されました。それでもぜひ読みたいと思い、内容をコンパクトに縮めてみたり、言葉を大幅に抜粋したりして、分かりやすくしてみました。そして、ハープの演奏を入れることも考えました。素晴らしいハープ奏者が近隣のまちにおりましたので、お願いに行きました。

  初対面の方でしたが、会いに行ってお願いすると、直ぐ、こんな曲がいいかしらと、私の読みに合わせてくれたのでした。Fさんという女性です。ハープの音色が、宇宙的な絵本の雰囲気にぴったりマッチしますし、何といってもうつくしい音色が詠み語りに不思議なほど調和するのでした。

 しかし、私の朗読は、始めてまだ3〜4年で、へたっぴいです。その上訛りが色濃くありますから、アクセント直しだけでも一苦労です。それでも指導して頂きながら少しずつ朗読らしくよめるようになりました。私たちの朗読は、ドラマチック朗読です。娘の言葉は娘らしく、じいさまのセリフはじいさまの雰囲気を出し、物語をイメージしやすく語ります。

 『僕は46億歳』は、地球自身が僕という少年の言葉で、一人称で語りつづけます。壮大な地球の歴史を自ら物語るという展開です。人間に対しては、君たちと呼びかけます。それはいいのですが、歴史を語った最後に、君たちへのメッセージを述べるのです。

 『思えば46億年間、苦しいことや/辛いことがいっぱいあった。でもうれしいこともいっぱいあったよ。/中でもいちばんは、僕という星に/「命」が生まれてくれたこと。(略)

 これからもいろんなことが起こるだろうけど/僕は君たち人間の知恵をかりて、/そのピンチに立ち向かえることがいちばんうれしい。/僕のことを知っている君たちとともに、/大切な「命」を守っていけることが/いちばんうれしい。

 もう一度いうよ。ありがとう。 /僕と君は、これからも /ず〜っと一緒だ。』

 この最後の、地球の僕から人間の君たちへ語る言葉が、何度読んでも読み方が嘘くさくて、伝わらない気持ちがして、悩んでしまいました。もう一度絵本の本文を読み返すと、この言葉は、作者自身が、全ての人々への願いであり、祈りであり、切ないうったえでもあると思えるのです。20年間もかけてこの絵本を描きたかった作者の思いが、ここに凝縮してあると。

 ハープを演奏してくれるFさんに、メールで悩みを伝えました。Fさんは、読み手の私と同じ思いで作品を理解しながら演奏をしてくれていました。その彼女から「思いがあればきっと伝わります。願い、祈りがあれば必ず通じますよ。」と返信が来ました。そして、「マザー・テレサ」の言葉を歌う、ちひろの「メッセージ」を送ってくれたのでした。ユーチュウブで聴いてみてください。

 勇気をいただいて、ゆっくりていねいに思いを込めて読みました。

 朗読も表現活動です。朗読の上手を披露するものではなく、聞き手にいかに作品をイメージさせ、物語を立ち上がらせるかが、読み手の力です。とても難しい世界です。でも朗読の面白さ、魅力が分かってきました。私にとって大きな収穫です。

2019年6月28日(金)

 ♪庄内沖地震では、ご心配頂きありがとうございました。

 6月18日の夜に起きた大地震で、鶴岡の被害が全国報道されました。遠くにお住まいの親しい方々から「大丈夫ですか」「被害はありませんか」とメールや電話を頂きました。ご心配いただきありがとうございます。鶴岡市は、広さだけで言えば、東北で1番の面積がある大きな市で、新潟県境まであり、海と山地と平野が広々と広がる地域です。鶴岡市の市街地は、地震が6度弱とそれほど被害は出ませんでした。

 ひどかったのは、あつみ温泉のある温海地域で、温泉旅館や住まい、学校も被害がありました。海岸が近い大山地域では、酒蔵が何軒も被害があり、酒瓶が2000本も割れたという報道もありました。

 我が家では、二階の棚にしまっていた花瓶類が落ちて、かなり割れました。庭の石灯籠が倒れて、明かりを入れるところが割れていました。孫の勉強机の棚が落ちて中に入っていたもろもろがぐちゃくちゃに散らかりましたが、片付けたら、部屋がかえってきれいになりました。おかげでした。書庫がある中二階の納戸は書架が5〜6台あり、本や資料が床に散らかっていましたが、そこは、まだ行かずに後回しにしているところです。

  電気も止まらず、その程度で済みましたので、ほっとしました。55年前の新潟地震では、保育園がつぶれて死傷者も出ましたし、酒田の中学校では、グランドにできた地割れに中学生が落ちて救えないという惨事が起きました。あの地震では津波災害が無かったので、それが悪い教訓となって、津波警報があっても高いところに逃げなかったという海岸地域の方の話しもありました。人は、なかなか学ばないものですね。 我が家でも、いざという時の災害グッスの準備すらしていません。反省です。

  地震が起きたときは、風呂に入っていたのですが、びっくりして体を拭いてパジャマに着替え、家の中をうろうろしていただけでした。災害への心構えはなっていませんね。皆さんからとても心配していただいたのに、申し訳ないようです。

 しかし、日本中で地震が起きていますし、いつ何があるか分からない状況なのですから、心を入れ替えて備えを考えたいと、やっと思っているところです。

2019年5月6日(月)

   ♪長い長い連休いかがお過ごしでしたか?

 年がら年中、毎日が連休のわたしの場合、家族の休みに合わせて家事もろもろが派生してきますし、地元での様々な活動の準備やら原稿書きやら、とにかく忙しい休日が続いている状態です。それでも、連休中は会議や集まりが極端に少なかったので、かなり自由時間がありました。

  連休ま始まりは、カルミナ・ブラーナ演奏会があり、姉たちが聴きにきてくれたので、翌日には、その家族たちと市内の博物館に行ったり、久しぶりに我が町の名所を見て回りました。鶴岡ってなかなかいいまちです。見るところもハンパでなく魅力的です。

  客たちが帰った後は、つれを誘って羽黒山の中腹にある桜ヶ丘の満開の桜を花見して、その帰りに今井繁三郎美術館に寄ってみました。人里離れた羽黒山の林の中にひっそりと蔵の風情で隠れ里っぽい美術館です。これがなかなかステキなのです。油絵画家の今井繁三郎氏が、住まいの一角に建てた個人美術館です。隣のアトリエ跡に小さなレストランがありました。ここのコーヒーがとにかく美味しくてびっくり。

  翌日は、お天気も上々ですから、午前中に雑事をかたづけて、月山までドライブ。新緑の山々の清々しさに、身もこころも洗われるようでした。山桜があちらこちらにピンクの綿菓子のように咲いています。

  連休のシメは、映画鑑賞。日頃からめったに映画館にも行かないので、いざ時間があるからといっても、さて何を観たらいいのかわかれません。映画サークルの友人におすすめを聞き、「グリーンブック」に決定。素晴らしい映画でした。黒人の天才ピアニストと言われたドクター・ドン・シャーリーとイタリア系のガラの悪い運転手件用心棒が、南部に公演旅行に行くのですが、1960年代ですから黒人差別のはげしい中とんでもない事件が次々と起こります。

  エリートである黒人のピアニストと教養どころかけんかっ早くて危なっかしい白人運転手。人種差別をこういう描き方と事実の裏付けのある事件が衝撃的です。そして、二人の2か月に及ぶ旅行の間に信頼と友情が芽生えていくドラマが、何とも言えずほっとさせるのです。さすが、アカデミー賞作品賞、助演男優賞、脚本賞を受賞した作品だけありました。

  そして、読書三昧の日々。素晴らしい本に出会いました。『森の旅人』(ジェーングドール著、角川書店) アフリカの山の中でチンパンジーの観察と研究にたずさわることになったジェーン自身の来し方を綴ったドキュメントというか、その生き方、考え方が人類の進化を見つめ、魂の根源に挑む姿勢に、たくさんのことを気付かせてくれます。何度も読み返しながらスローリーディングしています。読み終わるのが惜しい一冊です。

2019年5月2日(木)

   ♪カルミナ・ブラーナ演奏会で152人の大合唱

  先週の日曜日28日、鶴岡江戸川交流演奏会があり、1年以上かけて練習したカルミナ・ブラーナを歌い、オーケストラが70名と合わせての大演奏がありました。大成功でした。その練習はもちろん、チケット販売やら、会場準備などなど、たくさんの人たちが心を合わせての演奏会でした。演奏が終わると拍手鳴り止まず、感動の渦でした。

 江戸川区と鶴岡市は有効都市です。そのきっかけというのが、戦争末期、江戸川区の子ども達が鶴岡に学童疎開で来たのが縁で、なつかしんだ江戸川区の人たちが、個人的に交流していたのが始まりでした。食べるものもろくに無い時代でしたが、鶴岡は農村地帯に囲まれた市ですから食料事情はそれほど悪くなかったのでしょう。

  それに、親と離れて疎開してきた子ども達を「めじょけね(かわいそう)」と思って、可愛がり、美味しいものを分け隔てなく十分に食べられるように心にかけて慈しんだということが、その後の交流に繋がっていったものでしょう。そんなことから、鶴岡と江戸川区とで、第九交響曲を合同演奏したことが始まりで、今回で20回目の演奏会となったのです。

  私はソプラノですが、今回は高い音が気持ちよく出せないと思って、メゾソプラノを歌いました。歳と共に声も落ちてきて、もともとそんなに得意というわけでもない合唱ですが、みんなと歌うことの喜び、醍醐味に魅せられて続けています。

  来年の11月は、江戸川区で21回目の交流演奏会です。曲は、ベルディのメサイヤです。死者への鎮魂歌なのですが、聴いてみるとかなり激しい曲で、死者をもたたき起こすような強烈な演奏が続きます。合唱も激しそうです。

 読書のまちの総会が1週間前にあり、翌週が演奏会ですから、ここ1か月は、目が回るような忙しい日々でした。が、どちらも期待した以上の成功でしたから、5月の連休は、心持ちゆったりと過ごしています。お天気も良く、羽黒山の中腹にある桜ヶ丘の満開の桜を見てきました。鶴岡のさくらは20日過ぎに終わったのですが、山の方は、山桜なども一緒に咲いて、とてもきれいでした。

2019年4月19日(金)

   ♪桜が満開!「読書のまち 鶴岡」をすすめる会総会

 鶴岡公園はもちろん街中のさくらが満開です。うすいやさしいピンクでおおわれています。この桜の季節は、「読書のまち 鶴岡」をすすめる会の総会が恒例になりました。4月21日(日)午後1:30から、鶴岡市勤労者会館ホールです。

  今年の総会は、目玉が二つ。一つは、「鶴岡市の読書環境の今と未来」と題して、鶴岡市の総合計画に組み込まれた「市民の読書活動の奨励・推進」と「子ども読書活動推進計画」について、の情報を伝え、意見交換を行います。

 もう一つの目玉が、記念講演です。鶴岡出身の絵本作家ましませつこさんの絵本『てんさらばさら てんさらばさら』の読み語りをします。それもバイオリンとピアノの演奏付きでの読み語りですから、それはそれはステキです。これを聴きに来るだけでも価値ありです。会員でなくても参加OKですから、お時間ありましたらいらして下さい。

  読み語る方々は、ナレーターは読みきかせサークルの方ですが、登場人物をそれぞれを、ばばちゃんは昔語りの語り手、まゆの役、風太郎の役などぴったりの配役です。演奏も合わせて、1月から練習をしていましたが、私は画像のパソコンのページめくり役をしながら、毎回感動しています。ぜひお聴きください。

 総会準備で今まで大忙ししていましたが、21日は楽しみでもあります。

2019年3月27日(水)

     ♪朗読集団 長月の会

 この歳になってから、朗読の会に参加しています。ほんの3年ほど前から始めたばかりで、全くの新参者で恥ずかしいのです。それでも発表の日には、ベテランたちと共に朗読をやってみました。朗読は奥が深いです。それぞれの朗読の会では、読み方、解釈の仕方の違いがあり、新参者としては、まだ、読むだけで精一杯というところです。それでも、他の方の朗読を聞くと、いいなとかあれ? というのが分かってきたような気がしています。これから面白くなるところでした。

 しかし、この会を立ち上げ、指導していた西澤和子先生が一昨年前の12月に亡くなり、その後の1年間は、西澤先生の意思を継いで、10周年の記念講演を何とか行いました。が、その後、どうも元気が出ません。メンバーが減るということもありましたし、それは、個人的な事情がありましたのでやむを得ませんが、微妙に影響しています。

 さて、それはともかく、朗読の会で読んでみたい本が見つかりました。『僕は46億歳』(豊田充穂作・絵・学研)という、およそ朗読の会には似合わない異色の絵本です。朗読の会の皆さんに読みましたが、朗読には科学物は馴染まないのでは、と言われました。でも、読んでみたいのです。地球の誕生から今日までの壮大な地球史を、「僕」という地球自身が一人称で語る、誕生と成長秘話なのです。大人の絵本です。

 朗読とは、読書の感動を伝えるために「声に出して読み」、聞く側にとっては「聞く読書」という形になるわけです。本の感動を伝える「読書会」です。そんな朗読会が、鶴岡では、けっこうあるのです。

 しかし、朗読という表現活動は、なかなか難しくて指導者から指摘してもらい、何とかやれてきたのが、指導者の急逝で、放り出された状態で、読みたい本があるけれど、ちゃんと人前で読めるものかどうか、です。それでも、この本を読んで聞いて頂きたいと一人気持ちを高ぶらせています。ぜひ『僕は46億歳』この本を読んでみてください。作者は、構想から20年間も暖めて出した絵本とのこと。素晴らしい本です。

2019年3月6日(水)

    ♪『ゴリラからの警告』 人間社会ここがおかしい

  胸がすく本を読みました。霊長類・人類学を専門とする山極寿一氏の著書です。京都大学の総長でもあります。図書館から借りた本なので、おおっ!と思ったところに線を引くわけも行かず付せんをはって読み進んでいくと、付せんだらけになってしまいました。

  ゴリラの研究をするため、ルワンダのジャングルでゴリラと一緒に過ごしながらゴリラ理解を深めていく話が説得力があります。それが現代の人間社会に照らしながら語っていく文章がとても分かりやすく、ナットクしながらスローリーティングでじっくり時間かけて読みました。

 ゴリラは霊長類のなかでオスが子どもの世話をするまれな種で、イクメンなのでした。しかし、自分の意思だけでは父親になれない。まずメスから信用されて子どもをあずけられ、次に子どもから頼りにされなければ、父親としての力を発揮できない。ナルホド。父親になったオスは、メスや子どもたちの期待にこたえるようにふるまうのだった。

  複数の家族で集団で暮らすゴリラの父は、子どもたちを分け隔て無く守り育てるという。子育てを共同体内部に拡大して、共感に基づく社会をつくったというのです。現代の人間社会では、母親と子どもだけで子育てをすることが多い。家族を超えた共感能力は、子どもとのふれあいで鍛えられると説く。そのアイデンティティーと共感力が失われたとき、人間は、自分と近親者の利益しか考えない極めて利己的な社会をつくりはじめると危惧し、父親を失いつつある日本社会を憂いています。

  芥川龍之介の短編「桃太郎」の作品では、桃太郎が犬、猿、キジを引き連れて鬼退治に行くお話を、鬼の立場で書いているのを紹介していました。鬼たちが平和な暮らしを突然襲われます。なぜこんな目にあうのか。鬼はおそるおそる、何か自分たちが人間に悪さをしたのかと尋ねます。すると桃太郎は、日本一の桃太郎が家来を召し抱えたため、何より鬼を征伐したいがために来たのだと答える。鬼たちは自分たちが征伐される理由がさっぱりわからないまま皆殺しにされてしまう。

  これらのことは、鬼に限らずインデアンの例やイラク、アルカイダ、イスラエルとパレスチナなど悪の巣として物語りされて抹殺が正当化されてきたのだと。そして、ゴリラもジャングルの凶暴な人間を襲う野獣としてものがたりされ、信じられてきた。人間は物語を作らずにいられないのは、言葉を持っているからだと作者は言う。

  言葉の壁、文化の境界を越えて行き来してみれば、どこでも人間は理解可能で温かい心を持っていることに気づかされる。グローバル化した現代、私たちはさまざまな地域の文化の情報を手に入れることができるようになった。つくり手の側から物語を読むのではなく、ぜひ多様な側面や視点に立って解釈してほしい。新しい世界観を立ち上げる方法が見つかるはずである。と、ゴリラと心を通わせた山極氏は訴えるのでした。

 『ゴリラからの警告』 (毎日新聞出版) この本、ぜひ読んでみませんか。素晴らしい示唆にとんだ内容で、オススメです。

2019年3月5日(火)

   ♪まちじゅう図書館マップ発行記念&交流会

 鶴岡市内に、まちなかの図書コーナーのあるお店や喫茶店などいろいろな施設を調べて、まちじゅう図書館マップを昨年10月に発行しました。60カ所もあったのです。さて、その活用が肝心なところですが、初めてのマップづくりに精一杯で、市内一円に配布して、ほっとしていました。しかし、それでは、せっかくのマップも活かせません。

 2月末に、掲載した施設に呼びかけて交流会を開きました。そこで、ブレーンストーミングの手法で、グループに別れてのアイデア交換会をしました。いいアイデア、意見がたくさん出ました。

  例えば「ミステリーツアーでマップ掲載施設を回ろう、ランチ付きで」、「施設にどんな本があるのか、特色の情報も発信したらいい」、「空き家がたくさんあるけれど、そこに本もあるが、捨てるだけではもったいない」、「リサイクル本の置き場所・仕組みががあれば、必要な施設が持って行くといい」、「ネットでまちじゅう図書館を発信しよう」、「PRが足りない」、「お店でもまちじゅう図書館をやっていることを宣伝したら」、「まちじゅう図書館をやっているところとネットワークと交流をしよう」、「絵本でまちづくり」、「スタンプラリーの宣伝ももっと」、「そこで、読書会をやろう」、「季節や行事にあわせて本紹介をしよう」、「本に縁遠い人に向けた活動」、「お店の店長さんのおすすめの本をピックアップ」、「このマップを改訂しながら続けることが大事」などなど

 集まったアイデアを集約し、具体化できることを絞って知恵を加えて実現に向けてやってみようと、動き出しました。早速、空き家対策をしている方が、空き家を本の置き場所に出来ないかと検討しています。鶴岡は、本を置いている施設が、公的なところも民間の施設も多く、マップに掲載しなかったところもまだまだあるのです。

 これで、何かまちおこしができそうで、ワクワクしています。またここにいい報告が出来ると思います。お楽しみに…

2019年2月17日(日)

    ♪これから教師になる大学生たちに

  司書教諭課程の講座を受けている秋田大学の学生さん達に、学校図書館の話しをする機会があり、2月初めに行ってきました。「読書と豊かな人間性」の最後の講座ということでした。大学生の皆さんに話しをするのは、北九州女子大に数年前に伺って以来です。担当の先生からは、「これから学校で司書教諭をすることの大事な意味を伝えて欲しい」と期待されました。

 初めに、学校図書館は、殆ど全ての子どもが入学したての時から図書館の利用者として限定されカウントされている唯一の図書館、だから全ての子どもに読書体験・図書館体験をさせることができるし本好きを育てられる図書館であること。公立図書館はそうはいかないでしょう。しかし、言い換えれば、学校図書館が子どもたちをほぉっておいたら、本嫌いをも育ててしまう可能性があることを伝えました。

  同時に学校図書館の利用対象者は、児童生徒と教職員です。教職員からどう図書館を活用してもらうのか、が大事であることも伝えたいと思いました。具体的な話しは、図書館活用で「学ぶ力」を育むための三つの改革として、1.全ての子どもに本を読む喜びと読書力を育てる改革。2.図書館を「学習情報センター」に改革。3.図書館を教育に活かす意識改革。について事例中心に話しました。

 1.読書の喜びと「読書力」は、朝暘第一小学校での体験や、他校の取り組みなど取り混ぜて、低学年から中・高学年・中学生の自立した読書へのポイント的な話しです。後で送られてきた学生さん達の感想に「学校の中に当たり前のように本を読む子が増えるように頑張っていかなければと」。「活字離れは、アプローチ次第でくいとめることができるのだと思った」など、受けとめてくれました。

 3.の意識改革について、学校内の現実から見れば、先生達は図書館活用どころではない超多忙のなかで、押しつぶされそうな日々があります。しかしながら、教え込み・知識注入教育から、子どもたちの主体的な学習へと転換しているはずが、学校現場ではなかなか進んでいないというのが本当のところのようです。

 司書教諭の仕事は、単に図書館主任として学校図書館の運営・経営をする役割にとどまらず、まさに教育改革を実現するためのアクションを起こすことだと伝えたいのです。これから新米教師になる学生さんはびっくりしたかもしれません。でも時代を変えるのは、いつも若者です。例が悪いですが、いもを洗って食べた最初のサル、勇敢な最初のペンギンも若者でした。

 「自分はどちらかというと受動的にこの職業を考えていたのですが、自分が変えて行けるんだ!!と、とてもやる気が湧きました。」こんな感想を持った学生がいたことに感動しています。もはや、昔の経験を語るしかない私も、勇気を頂きました。ありがとう。

2019年2月9日(土)

  ♪出る杭は打たれる。しかし、出ない杭は朽ちる

  このHPを初めたのは、2010年の10月、もう9年目です。途切れながらもなんとか続けたいところです。ところが、地元のまちで、読書サークルやらいろいろやっているので、それらの忙しさでついついサボっているという状態です。呆れて訪問してくれる方も少ないのではと思いますが、懲りずに開いて下さる方もいらっしゃるので、恐縮です。実は、書きたいことがどっさりあるのです。しかし、書く時間がありません。発信したい素材をパソコンの近くに置いて、いつか・と思いつつ月日があっという間…です。

  朝日新聞2018年7月6日付けの「語る〜人生の贈り物〜」に載っている考古学者、大塚初重氏の連載、最終号に載っていたことば、「出る杭は打たれる。しかし、出ない杭は朽ちる」にぐっときました。91歳の大塚氏は、この言葉の後に、「心に刻んできた言葉です。体の続く限り、考古学と向き合っていきたいと思っています。と結んでありました。こんな生き方を、すぱっと言える生涯に感動します。

  図書館活用教育を、若いときから何十年も続けてきた司書教諭三浦弘美先生が、鶴岡市学校教職員褒賞が授与されました。朝暘第一小学校の初代司書教諭でもあります。との学校に転勤しても、必ず図書館と関わり、読書指導、図書館活用の授業をたえず研究して、調べ学習などを校内に広めてきた先生です。子どもたちにしっかり力をつけてきた教師です。

  私は、三浦先生に励まされ、教えられて、何とか学校司書の仕事をしてきました。朝暘第一小学校での仕事の殆どは、三浦先生からの指導があって実現したものです。その先生が、教職員褒賞という、毎年ほんの3人程度しか選ばれない優れた功績のあった教師として受賞されたことは、とてもとても嬉しいことです。特に図書館活用教育で表彰されたことに、格別の思いを持ちます。これからも、図書館活用教育を広めてほしいと願っています。

2019年1月23日(水)

    ♪椎名誠氏の講演会「本の夢 本のちから」

 以前から、椎名誠さんの本の愛読者です。鶴岡で講演があると聞いて、出かけて行きました。話しは、かつての探検や冒険の話しなど、すでに本で知っていることでしたが、ご本人から聞けてよかったのですが、時計を何度も見ながら、話しは苦手で…という感じで、気の抜けたような語り口調でした。肩の力が抜け過ぎというか、お疲れモードというか。がっかりしました。

  演題にもなっている著書『本の夢 本のちから』を会場で購入し、サインもして貰いました。帰ってから早速読んでみると、講演での気のぬけた話しと違って、なかなか読み応えがある内容です。椎名氏は、とても読書家です。読んだ本から触発されたエピソードやら、本から得たびっくりするような情報を、興味深く書いてあります。こんな内容を話してくれればいいのに、と思いました

 やはり、話すより書く方が得意という人なのでしょうね。売れっ子の作家で、講演では期待したような話しは聞けず、拍子抜けという人がよくいます。作家は書くのが本業ですから、講演はそんなに力が入らないのかもしれません。高いギャラを払い、聞きたい方がとっさり会場にあふれているのに、もう少し気持ちを入れ、準備をして語ればいいのに、その時の思いついたことをおしゃべりして終わり、ではね。

2019年1月19日(土)

  ♪読みきかせ絵本のはなし

  年末年始に娘たちと孫たちが集まり、連日大賑わいでした。小さい子は、4歳の男の子と2歳の女の子、高校生、中学生、小学生もいます。小さい子たちは連日外遊びなど活動的な1日ですが、たまに読みきかせをしたいと思い、ちょうどのタイミングで読んで上げるというと、たちまち寄ってきました。

  読んであげた本は『ゆうたはともだち』(きたやまようこ)と『かいじゅうのこんだて』(中川ひろたかのことばあそびブック)。『ゆうたはともだち』は、二回読んで満足したのですが、『かいじゅうのこんだて』に、上の4歳の男の子にヒット。読み終わるたびと「もっかいよんで!」と何度も催促します。

 読むたびに笑い、自分も「1じ、いちじく いっこ」、「2じ、にんじん 2ほん」と一緒に声を出します。3回目からは、食べるまねをします。「9じ、くじらを9とう」のところでは、だきまくらクッションにかぶりつくまねをします。かんぺきに絵本の世界で遊び、喜びを満喫していました。とうとう7回読まされました。すっかり暗記してしまい、ページを開くたび読む前に、自分で言います。8回目の「もっかい」で、さすがにくたびれて断りましたが残念そうした。久しぶりで絵本の読みきかせで至福のひとときでした。

  昨年のクリスマスで、中学1年の孫へのプレゼントは、『僕は46億歳』(豊田充穂作絵)という地球史の絵本でした。この絵本を見つけてから、何度読んでも素晴らしいので、反抗期が始まった彼へのプレゼントを思いついたのです。地球の誕生から今日のでを1年に当てはめると人類誕生は、12月31日夜11時というのですから、地球の歴史の長さは想像を絶する年月です。

 プレゼントしたときは、彼は「また本か」という表情でしたが、ケーキも食べゆっくりしたとき、読んで上げました。断られるかなと内心思いましたが、ページを読み進むうち、真剣に耳をかたむけ、絵本から目が離れませんでした。素晴らしい本です。言葉も美しく、やさしく、分かりやすく、書き手の思いが伝わってくるいい文章です。絵がさらに圧倒的な迫力と説得力があります。どのページも手抜きのない丁寧な絵が素晴らしいのです。

  この絵本を何度がよんでいるうち、今やっている朗読の会で、やってみようかと思いつき、1月の例会に持って行きました。けっこう長い本です。44ページもあります。大型の絵本です。しかし、1ページずつ読み切りになって、ページごと次の時代が展開するというかたちなので、途中を飛ばして、限られた朗読時間に合わせられる内容です。朗読の発表会に聞きにくる方は、「本の内容」を楽しみに来るとよく言われます。これは、きっと聞き応えのある内容だと、聞く人にも満足していただけると思います。

 

2019年1月1日(水)

   ♪明けましておめでとうございます

  昨年中は、大変お世話になりました。今年もよろしくお願いします。

  我が家は、現在11名の大所帯で正月を迎えました。娘3人の子どもたちなどにぎやかに、狭い家の中を走り回っています。朝昼晩の食事も民宿のように、てんやわんや。お風呂に入るのも、隙を縫って入り、1人残らずこぼれないようにするのも大変です。

 1番小さい子が2歳4か月、この子が可愛くて、その上お喋りで何でも言葉にして表現しますからびっくりするやら、可笑しいやら…。孫の1番大きいのは、高校2年生で、185pの身長で、いとこの2歳の女の子と遊んでいるところはなかなか見ものです。2歳に振り回されているというところです。

 おばあちゃんの私は、ひたすら三度三度の食事にあくせくしています。でも、実家帰って来た娘や孫達が満足して過ごせるように、心を砕くことも幸せなのだなと、へとへとになりながら、娘達の力を借りながら過ごしています。

 昨年も、忙しく過ごした1年でした。地元での読書に関わる活動では、「子どもの読書を支える会」と「読書のまち 鶴岡」をすすめる会の2つが、それぞれ事務局メンバーですから、常に気がぬけないこまごまとしたことが日々ありました。

  昨年は、「読書のまち」の活動で、まちじゅう図書館マップを作ることに心血をそそぎ、完成し出版にこぎ着けました。町中の喫茶店や用品店、育児支援施設など図書コーナーがあって閲覧や貸し出しのできる施設を紹介するマップです。今年2月25日には、掲載施設60箇所の交流会を予定しています。

  更に、市長さんとの懇談で要望していた、鶴岡市の総合計画(2019年度より10年間の基本計画)の中に、読書活動の推進が盛り込まれ、間もなくパプリックコメントが始まり、3月議会で決まります。これからは、具体的に何を企画し、予算化していくのか、絵に描いた餅にならないように、提案していく必要があります。

 学校図書館に関わることでは、市に要望していた学校司書の研修会が、ついに実現することになり、15年間、毎年のように市教委に要望し続けても殆ど成果がなく、空しい思いをしてきましたが、何とか開けてきたかなというところです。

  私の生涯のテーマは学校図書館です。学校図書館に関わる講演を頼まれれば、私の専門ですから、できるだけ伺うことにしています。特に学校司書の皆さんと語り合い、現場の話しをすることが喜びです。学校現場を離れてから、もう10年近くなります。そんな昔の話しが通用するのかと危惧しますが、学校現場が余りにも進んでいなくて、びっくりすることも有り、もう少しは役に立つのかもしれないと…。

 喜んでいいのか、悲しいことなのか、学校図書館は理解されにくいことなのだなと改めて思います。諦めず、できることを一歩ずつですね。

 今後ともよろしくお願いします。

2018年12月3日(月)

   ♪秋田から訪ねてこられました

  学校図書館のことなどを話しに遠くへ出かけることはありますが、わざわざ研修を聞くためだけで訪れて来る方は、めったにありません。ところが、隣の県とはいえ秋田市は特急で2時間以上かかります。その秋田市から8人もの学校司書の方々と県立図書館の司書の方が鶴岡にお出でになりました。秋田市は、昨年と今年から全校に司書を配置する計画で、今年は、週に1日4時間の勤務で、4校とか5校勤務だということです。

 まだ学校司書に成り立ての方もいましたが、皆さんとても熱心です。1日4時間だけの勤務で、毎日別の学校に渡り歩くという過酷な勤務です。しかし、学校司書として何をするべきなのかと、食いつくように聞き、熱心にメモしています。その心意気に感じて、こちらも熱が入りました。

  しかし、私は現職を離れてから10年にもなります。今、学校図書館の仕事を始めたばかりの司書さんに一昔前の話しばかりでなく、新鮮な実践の話しを聞いて欲しいと思い、今年の夏に全国大会で発表されたNさんに声をかけました。新庄市で長く学校司書をされて大きな成果を残されたNさんは、新鮮な学校図書館の改革の8年間を物語ってくれました。

  図書館が、文学と調べ学習の本が別々の図書館に別れてあり、それも校内に2つ図書館があるとは知らずに、しばらく経ってから分かった小学校。ラベルが様々だったり、やりたい仕事があっても殆ど手が回らない状態で勤務時間が終わり、次に行くときは1週間前に意識を戻すことから始めるという5校勤務。勤務始まりが午前10時から午後2時までの4時間、ところが昼休みが無く、それでも昼食は取ってもいいとのことで、仕事しながら食べているなど、余りに過酷な勤務の実態に、唖然としてしまいました。

 それでも、それでもです。学校図書館の仕事は素晴らしいと思うから、学校司書として何をするのか、何をするべきか学びに、わざわざ休日に鶴岡まで出かけてきたという、そのことだけで頭が下がりました。

  秋田県は、学力日本一を続けている有名な地域です。読書活動もどんなに進んでいるだろうと思っていました。でも、学校図書館に関しては地域で格差があり、まだ紀元前のところもあるようでした。

  その方達に、「学校図書館は未開拓であればあるほど、改革の余地がたっぷりあるということだから、ビフォーがひどいほどアフターの変化が大きいから面白いのだ」などと自分の若いときの例を引き合いに語ってしまいました。そんなことが言える場合じゃないほど大変な立場なのにと申し訳なく、恥ずかしくなりました。

 それにしても、どうしてこんな過酷な勤務を強いるのだろうと、それも学校図書館の仕事なんて、それで済むと考えることに、教育行政のお粗末さが悲しくなります。でも、私が小学校で仕事を始めた頃は、アルバイトとして月給6,000円でした。そのころから、不屈の精神が養われてきたかもしれません。物語りだって、苦労と苦しみを経てこそ得難い何かを手にする主人公に感動し学ぶのですもの。

 大変な状況を語る若い人たちの、きらきらと輝く瞳を見つめながら、こちらが浄化されていくようでした。少しでも、働きやすい状態になりますように、と祈るばかりです。そうすれば、きっと素晴らしい学校図書館を築いていくことでしょう。

2018年11月23日(金)

    ♪この本読んでみない?

  今朝、嬉しいことがありました。我が家の中学1年生の孫(男子)から、「この本、読んでみない? 学校から借りてきたんだけど」と朝食後に一冊の本を持ってきました。中学校に上がってから本なんか借りてきているのか、どうか。「読書」をしている気配は全く感じられませんでした。「たまには本を読んでは」、などと、どうもへたな誘いはしていたのですが…。それからしばらくして「読んでみない?」と言うのですから、内心キャッと喜んでいることは顔に出さず、どれどれと手に取ってみました。

  『注文をまちがえる料理店』小国士朗著・あさ出版。前書きを読んでみると、テレビ局のディレクターをしていた小国氏が、認知症になっても、最期まで自分らしく生きていく姿を支える」ことを信条にして介護をしているグループホームを続けている和田行男さんに出合ったことから始まったドキュメントでした。

 認知症でも、買い物も料理も掃除も洗濯も、自分でできることを、できる範囲でやっているホームでした。そこに取材に行って、お年寄り達がつくる食事をご馳走になったとき、確かハンバーグの献立のはずが、餃子が出てきます。「あれっ」と思います。が、間違いが起きても誰も困らない。そこはおおらかにやっています。

 そのとき、小国氏はひらめきました。 『注文をまちがえる料理店』を実現できないだろうかと。発想の根底には、宮沢賢治の「注文の多い料理店」があります。認知症の人たちが、ここのグループホームのように、間違っても忘れてしまっても、おおらかに笑いあえるそんな空間が広がるレストランができないだろうかと思いついたのです。それから5年、あたためて、いろいろな有能な人たちを誘い、実現に向けて進めたのです。マスコミ畑の人です。人脈もあります。英知を結集して、心を響き合わせて、とうとう開店します。

 その2日間のレストランで起きたおばあちゃんたちのこと、注文を受けても直ぐ忘れてしまってもフォローし会う食事に訪れたお客達、料理店にあふれるあたたかなぬくもり、ピアノ演奏をしてくれた認知症のピアノの先生のこと、何度も演奏が中断しても、耳を傾け聴き入る人たち。なぜか感動し涙が止まらないのです。

 「認知症の状態の人は、ずっと自分の意思を行動に移すことを、止められてきた歴史なんですよね。でも人間て何がステキって、自分の意思を行動に移せることがどれほどステキか。人間が、脳が壊れたからといって、その人間のいちばんステキなところを奪ったらアカンと。できるだけそのことを守っていくというか、守り手にならなアカンって思っているんです。」グループホームの和田さんの言葉です。

 これを貸してくれた孫に、どうしてこの本を選んだのと聞くと、題名が面白そうだったからと。今日は、いい読書ができました。ステキな本に会えました。ありがとう。

2018年11月12日(月)

   ♪学校図書館を応援する市民の力

 すっかりご無沙汰していました。先月から、秋田、青森、北海道と出張があったことと、「読書のまち 鶴岡」をすすめる会の大きなイベントが2つ、11月4日「古典の日の集い」と11月25日には、第9回読書で元気なまちをつくろう・市民の集い、高橋義夫後援会があり、その準備などでばたばたしていました。

 北海道は、富良野市と旭川市に行きました。どちらも読みきかせボランティアと学校図書館を考える会の市民の方達からの声かけで伺いました。それでも、教育委員会と連携しての研修会が設定され、市教委の方達も参加しての会が開かれていました。

 今まで鶴岡では、市民の側からの提案で、公的な機関と一緒に学校図書館の研修会が開かれたということは、記憶にありません。鶴岡が特別なのか分かりませんが、官と民間が共催してというのは、行政の企画で市民が参画するという形しかあり得なかったような気がします。鶴岡は城下町ですから、上意下達が本来の形として、民間からの提案で、行政が共に動くなど考えられなかったのかもしれません。でも鶴岡は市長も代わりましたし、これからは違うのかもしれません。

 他市の市民と行政が、共に開催する研修会を実現したボランティアの方達は、どんな方だろうと…。会って話をしてみると、目のきらきらと美しい、高校生のような純な雰囲気を持った女性達でした。学校司書をちゃんと配置してほしいと、きちっとした理論と思いを熱くして行動する彼女たちは輝いていました。子どもたちの為にと、知恵とそのエネルギーを持続してすすめていることに、私は感動するのです。

 朝日新聞11月11日の「天声人語」に、国民の為に働くはずの大臣が、総理への忠誠の言葉しかでてこない、国民の側の発言には、あしらって終わることへの矛盾を指摘していました。こんなことが私の身近なところでも普通にありましたから、すっかり慣れてしまって、そういうものだと思い諦めていました。でも江戸や明治時代じゃあるまいし、市民の英知を活かしながら行政を進めていってほしいです。

  ボランティアの方達もステキでしたが、教育長さん、教育委員会の方も発想が豊かで魅力的でした。きっと開拓精神の溢れる北海道ならではの柔軟な精神をお持ちなのですね。学校図書館はまだ未開拓だとのことですが、きっと素晴らしい学校図書館を築いていくのではないかと期待しています。

2018年10月14日(日)

   ♪まちじゅう図書館マップができました

 鶴岡には、図書館だけでなく、私的な蔵書などたくさんの本が置いてあり、自由に読める図書コーナーがある施設や事業所があります。例えば、医院の待合室やお店の片隅、喫茶店。公的な施設では、コミュニティセンターや公民館、育児支援施設や観光施設などなど。調べたら80箇所を超えました。

 いつでもどこでも本と出会える読書環境を、市民の皆さんに知らせるマップを作ろうと3年前から調査を始め、とうとうマップが完成しました。掲載施設は、公的施設と民間施設合わせて60箇所です。マップ掲載を了解した施設です。

 まず、市長さんに贈呈し、新聞社など報道関係者にも取材してもらい、市民にも広くお知らせしました。その上、スタンプラリーも欲張って行い、10月15日から始まります。それらの準備に奔走していました。まちじゅう図書館マップがとても評判で、実際に各施設に配布する前に報道されたので、問い合わせ電話が盛んに来たり、てんてこまいでした。うれしい悲鳴です。

 一方、地域新聞に「学校としょかんの今」を、連載していますが毎週定期的に掲載され、8回目(10月5日)と9回目(10月13)日は、司書教諭の先生方が図書館を活用した授業の様子と子どもたちの姿を書いてくれました。来週は2回連続で、全国学校図書館協議会の元理事長の森田盛行氏が執筆された「学びを支える学校図書館」と「学校図書館はチームで活動」を10回目と11回目に掲載されます。

 掲載された荘内日報を購読していない方は読めないので、12回目終了したところで、子どもの読書を支える会の会報臨時号に載せたいと準備中です。素晴らしい内容なので皆さんから読んでいただき、感想やご意見も頂きたいです。

 子どもの読書を支える会の第15回総会が、12月2日(日)の午後1時30分から、鶴岡市勤労者会館で行われます。記念講演は、10回目の執筆者の柴田陵子先生が、「学校図書館で育つ子どもの姿」と題してお話します。シリーズ「学校としょかんの今」についても語り合います。ぜひご参加下さい。

2018年9月24日(月)

  ♪最近の積もる話しを・・・

  あいかわらず目まぐるしい日々を過ごしております。ご報告したいことがたくさんありました。一つは、新聞にシリーズで掲載しています「学校としょかんの今」、前回報告してから、毎週1回ずつ連載がつづいています。一回目は8月23日、「シリーズを始めるにあたって」を代表の戸村さん。二回目は、8月24日大規模校で学校司書をされ、お産で仕事を切られた元司書の方の実践報告。「光あれ 子どもたちと学校図書館に」。

 三回目は、8月30日、小規模校に勤務していたSさんの「学校図書館業務から生涯学習としての読書活動へ」。小規模校二つの学校に勤務していたが、2校とも閉校になった。その学校の本を、地区の公民館に一部置かせて貰い、図書の貸し出しやお話会を始めた元学校司書のレポート。四回目は、9月6日、Mさんの「給食・図書パートの仕事」。給食と図書館の仕事の兼務ながら大奮闘して、子どもたちの図書館活用を支えました。

 五回目は、9月13日、「大好きな子どもを育てたい」と題して、不読傾向の子どもにも本の楽しさを味わってもらう様々な取り組みのなかで、本好きに変えた実践と10年で雇用止めまで後半年、Uさんの思いは、心を打ちます。

 六回目、9月18日、鶴岡が故郷の荒川区の学校司書の流王さんから、荒川区の学校図書館施策と、学校司書の研修体制などをご報告いただきました。鶴岡との余りに大きい格差に、驚くばかりです。このことを解って頂きたいと願うばかりです。

 七回目は、今週載る予定です。新庄市で学校司書をされたNさん。今年の夏、全国学校図書館館研究大会で実践発表された内容も含めて、「本を読む子は必ず伸びる」と題して、学校図書館の可能性を訴えています。この後も続きます。

 掲載紙は、鶴岡市に本社のある荘内日報社に問い合わせ下さい。

 もう一つお知らせしたいことがあります。前文部科学事務次官の前川喜平さんの講演が、鶴岡市の文化会館でありました。建設したばかりの会館は、1200席足らずなのに、1350人余が入り、第2会場を儲けたほどの大盛況。何とか席を取り座って聞けました。演題は「これからの日本、これからの教育」。

 「うそをついていると分かっていても『安倍一強』では総理を支持しなければならない。それが今の政治の問題だ」と具体的に語ってくれました。間違っていると明らかなのにそれがまかり通っていく怖さ。何でもやれてしまう。まるで戦前のあの時代のようなことがおきています。鶴岡で、前川さんの話しを聞きにくる人がこれだけいると目にし、納得いく話しを聞いたら、少しは期待が持てました。

2018年8月27日(月)

   ♪学校司書・夏期自主研修会と学校図書館からの発信

  鶴岡出身で東京荒川区で学校司書をしている方がおられます。Rさんがお里帰りをする8月に、鶴岡の学校司書の皆さんと自主研修をしませんかとRさんからの声かけがありました。それをきっかけに8月19日土曜日に市立図書館をお借りして、司書達が集まりました。お盆休みは、町の行事やら家庭のあれこれがあって、その上、この日は鶴岡の花火大会もあり、予定の取りにくい日程でしたが、午前中に行いました。

  十数人でしたので、車座になり座談会ふうに話し合いました。Rさんは全国SLAの学校図書館研修会の講師をされた方。司書の方への案内に事前に疑問・質問・聞きたいことなどを書いていただきました。分類4類の配架、本以外の資料整理や収集方法、古くなった場合などがありました。

  当日参加の皆さんから、自己紹介と一緒にお聞きしたいことが出されました。分類についての質問のひとつは、分類916ノンフィクション(記録文学)の分け方で、スポーツ選手の半生を書いたものは、分類78スポーツに入れるのがいいのかどうか? 人物について記載された本は、289伝記に入れる方法、書かれた人の専門分野に入れる方法、916記録文学に入れることと3つの選択肢がある。分類や目録の専門家の教授に聞くと、そのどこでも可であると伺ったことがあります。しかし、その学校では貫性を持つことが肝心であると。と教えられました。

 ちなみに、朝暘第一小学校の場合は、28伝記に入れてます。イチロー選手の半生などが28伝記にあると、伝記の棚が良く借りられるようになるということもあったのです。また、質問の1つ、「先生方とのコミュニケーションをどううまくしていくか、時間も無いし」Rさんの体験では、例えば教師に「選書で困っている」と言うとなかなか解決しなかった。とにかく具体的な質問をする。「タレントの本の希望あるけれど買った方がいいか?」など。即、応えられる聞き方を考えるというのは、応える側にとってもいいわけです。なるほど。

  荒川区の学校では、1人にタブレットが一台ずつある。調べることも本など使わなくても事足りる。修学旅行にはタブレットは持って行かないのだけれど、時刻表が読めないということもあり、改めて時刻表の読み方を指導する必要もあった。本もタブレットも、情報が専門家の者か出所はどこか、著者・発信元を意識して記入する習慣をつけることも大事などRさんのアドバイスは実践的です。

  分類は、細かすぎても意味がない。が、小学校でも3ケタにすると混乱しない。中学校のスポーツは4ケタにすると球技でもバスケ・ハンドボール・テニスまで分けられる。配列の場合、見出しで表示して分けると良かった。別置はほんの一時期の展示・別置はあっても、常に置く別置はしない。図書の配架は0類〜9類まで、グルリと順番通り並んでいるのが最も探しやすく、戻しやすい。などなど参考になる話しが次々と出てきて、とてもとても勉強になりました。

  荒川区では、学校司書が参加する研修会が、年間13回と聞いてのけぞりました。その他、新採研修は6回、今年の新採は1人だけでしたが、その1人のために6回の研修が実施されたと・・・。言葉を失いました。

  鶴岡では、学校司書が全校配置になっているのに、公的な研修会がありません。新採研修だけが1回あるのみ。それも年度当初に採用された人だけが対象です。15年間も、いやその以前から何十年間も要望しても実現しません。今回、夏休みの最中にかかわらず自主研修会に集まってくる学校司書の皆さんに頭が下がります。こんな研修会が時々やれたらいいなぁ、と思いました。1人職場で、悩みつつ仕事をしているのですから。

  6月行われた「学校図書館を語る会」の報告をこのページで4回に渡ってお知らせしました。実は、その前に荘内日報に語る会の記事が掲載されました。学校図書館のことがなかなか分かってもらえない、というジレンマが長年ありました。教育委員会の方でさえ学校図書館の司書がどんな仕事をしているのか理解していないようです。まして、市民の間でも学校司書が単なる貸本屋的なことしかしていないと思われているだろうことは想像に難くありません。

  語る会で話された学校司書の実践発表は、一般の参加者にも学校図書館関係者にも感銘を与えました。それなら、学校図書館がどんな役割を持ち、司書たちがどのような仕事に取り組んでいるのか、一言では説明できないことを新聞に連載してはどうだろうか。と話しはまとまり、新聞社に相談すると了解して頂きました。シリーズの冠タイトルや字数などもアドバイスして下さり、いよいよ8月から掲載が始まりました。

 荘内日報に、8月23日が一回目、子どもの読書を支える会の代表、戸村さんのシリーズ『学校としょかんの今』の趣旨説明。二回目は、翌日24日にTさんの「光あれ、学校図書館と子どもたちの未来に」と題した熱い思いが載りました。あとは、週に1回ずつ掲載の予定です。ぜひご覧下さい。

2018年8月16日(木)

  ♪第41回全国学校図書館研究大会 富山・高岡大会

  8月8日から10日まで3日間の全国大会に参加してきました。早朝鶴岡駅を5時47分発に乗るため4時30分起きして、ほぼ5時間の旅。富山駅に到着したときは、もうヘロヘロでした。飛行機でパッと飛んでいける旅が多いので、きつく感じるのかも。

 さて、大会は富山県民会館と高岡市のウイング・ウイング高岡の会場を使って、講演、分科会、シンポジゥムなどが100件も催されました。1年おきに開催されるのですが、毎回、参加したい分科会や講演が多く、選択に悩みます。今年は、記念講演が、言語学者の金田一秀穂氏。何を言いたいのかよく飲み込めない話しでしたが、「外国に行っても通訳してくれるコンパクトな機器はあるし困らない時代だ。が、それよりちゃんと日本語で表現できるのかということが大事だ。」と述べられていたことだけ、頭に残りました。

  分科会での実践発表は、新庄小学校の新野紀美子さんの発表、江東区立第一大島小学校の司書教諭、橋本友美先生の実践発表、鶴岡市立豊浦小学校の三浦弘美先生の発表、熊取町立熊取中学校の紀之定美知代先生の実践発表等が優れていて、学ぶことの多い大会でした。

  講演は、作家、角野栄子氏の「物語が生まれるとき」。かなり以前に、やはり全国大会で角野氏の講演を聞き、そのときは、『魔女の宅急便』が評判だったときでしたので、彼女の雰囲気が、どこか魔女めいていたのが記憶にあります。今回は、もっと身近なおばさんでありました。

 村中李衣氏「本と人との関係をもっと豊かに:読みきかせから読みあいへ」。タイの少年院での読みあいの様子を画像で見せてくれました。15歳から18歳の男の子たちが、読みきかせを楽しみ、読みあいで、自分に読んでくれる絵本にきらきらと実に嬉しそうに期待のまなざしで見つめるところは、学校で5年生達の読みあいのときと「同じだなぁ」と嬉しくなりました。

  前回は娘の出産があり、参加しなかったので久しぶりの感じで、大会の空気に触れ、大いに刺激されました。次回大会は、高松での大会です。

2018年8月6日(月)

    ♪『学校図書館の出番です!』

    高松市で、「本があって人がいる学校図書館を願う会」ニュースに、代表世話人の田中紘一さんの巻頭言に、肥田美代子著『学校図書館の出番です!』が紹介されていました。早速購入して読んでみました。肥田美代子さんとの縁は、朝暘第一小学校が学校図書館大賞を頂いて、その翌年紀伊國屋で制作出版したスクールライブラリーシリーズ「学校図書館を生かす 学校は変わる」の試写会が行われた紀伊國屋ホールで出合って以来です。

 肥田さんの活躍は、児童文学作家として、国会議員として子どもの読書活動推進法の制定や学校図書館法の改定、文字活字文化推進法の制定などなどに大きな力を発揮して実現されたことは周知の通りです。学校図書館関係者にとって、大事な恩義のある方です。現在は、文字活字文化推進機構理事長、大阪樟蔭女子大学客員教授などなさっています。

 『学校図書館の出番です!』の内容は、69年前に出された『学校図書館の手引』に着想を得て、それを発展させるかたちで、言語活動の充実やアクティブ・ラーニングの視点による授業改善に役立つ「新・学校図書館の手引」のつもりでまとめた。と前書きにあります。

 学校図書館がなぜ法的にも、学校現場でもなぜ不遇な歴史が延々と続いてきたのかを延べてあるところで、「そうなんです!」とナットクしていました。日本の教育が前時代時代の一斉指導、暗記教育から出ることができない諸々の事情などがきっちりと書いてくれています。学校司書の第15章も必読です。

 学校図書館関係者だけでなく、ぜひ読んで欲しい一冊です。表現も解りやすく、すーっと言葉が胸に入ってくる読みやすさは、さすが児童文学作家です。一気読みしてしまいましたので、もう一度読もうと、線まみれ、付せんだらけになりましたが、今度は、じっくり噛みしめながら読もうと思っています。

2018年7月23日(月)

     ♪鶴岡の「学校図書館を語る会」 その4

 4人目の発表は、中規模小学校に勤務されたNさん。学校統合があった学校で、大変なご苦労をされて、その仕事量の膨大さに苦しみ、努力の限りを尽くされた姿を身近に見ていました。ついにやり遂げられなかった無念な思いもあったでしょう。ご本人は伝えたいことがたくさんあったようですが、「語る会」では十分語れなかったことも含めて、ここに記載します。

 Nさんは、学校統廃合ので受け入れる側の小学校として、どう準備をしたらいいのか、統廃合を経験した学校の司書教諭の体験に基づいた研修会にも参加し、進め方や段取りを考え計画を立てていました。

 相手校との事前打ち合わせの1回目は、夏休みに入ったころにどんな本があるのかを見るために相手校の図書館に行きました。メモをする代わりに、図書館主任が本棚の写真を撮り、それをもとに受け入れたい本をチェックしました。それを基に10月ぐらいに必要な本にシールを貼りました。更に検討した後、もう一度相手校の図書館に行きたいと申し出ましたが、相手校の都合で行けず、3月の終盤の打ち合わせにも同行させてもらえず、肝心のところが通じ合えないもどかしさもありました。

  2学期ころに教委から、廃校になる学校に移動する備品のリストづくりに関する指示がきます。それには図書館の本も入っていて、リストを作るように指示されていました。が、学校側でそれを見逃し、何も準備をしなかったのでした。そのまま3月となり、図書館主任同士の打ち合わせの際、リストを作っていなかったことが判明。

 学校の統廃合に伴って図書館の蔵書の廃棄や移転・相手校での再登録が行われるわけです。蔵書の受け入れ校では、新たに入る蔵書の分類別の冊数だけでなく、書架に挿入するときの幅が何pになるかを分類別に図ったデータが必要です。蔵書目録データも必要です。それらを周到に打ち合わせて、図書や備品類の移動となります。

 それがなければ台帳上の蔵書受け入れと、書架へのスムーズな挿入もできません。ラベル記号の張り替えなど膨大な作業がスムーズにいくために欠かせない事務上のあれこれがあります。それは図書館の基本のきです。図書館の専門的な知識が必要な作業です。

  ところが、閉校となる学校側で、蔵書を相手校に移行するためのリストも作っておらず、お手上げ状態であること、種々の作業が出来ないことを教育委員会に相談したところ、仕方がないので「蔵書の除籍だけしてもらえれば良い」という指導をうけました。いろいろないきさつがあってのことでしたが、市教委の図書館や蔵書に対する扱いの認識が小さかったと思うのです、

 その上、相手校の図書データも紙リストだけ残して消されてしまうというアクシデントも重なりました。そのため、受け入れ校側で、全ての本を改めて一冊ずつ受け入れ作業データ入力をしなければならない事態となったのでした。

  鶴岡市では、小学校の統廃合が毎年立て続けに行われ、ついに14校が廃校となりました。図書館の移転については、当事者の学校間で、担当者が周到な打ち合わせを行い新刊本の調整やら2年前から準備に入るのが当たり前でした。廃棄する本、相手校に持ち込む本の選別を両校で行っていました。その多くを学校司書が準備をします。

 しかし、今回の廃校になる学校では、学校司書が図書館の仕事より、給食や職員室の電話番、お茶だしや職員室の雑事などが求められ、勤務時間も4時間程度ですから、図書館の移転に関わる仕事が出来なかったというのが本当の実態だったようです。

  統合受け入れ校の司書Nさんも給食・図書パートという立場で、日々給食の配膳やお盆洗いに翻弄され、図書館の仕事時間をどう捻出するかが課題でした。それでも図書館の仕事に情熱を持って取り組んでいました。しかし、春休みの勤務は卒業式で終了です。移転作業当日も勤務日ではありません。本の受け入れ事務、ラベル張り替え、一冊ずつのデータ入力等々、新学期になっても半年は開館できないかもしれないという、とんでもない事態まで予想されました。図書館主任の先生も連日Nさんとタッグを組んで本の受け入れ作業に取り組んでいました。私と元司書たちもボランティアで協力しました。

 ところで、Nさんはパートの年限7年を超えていることから解雇を予告されていました。 移転作業という困難な仕事を新しい方に引き継がねばならないのが気がかりです。もう1年雇用を伸ばしてもらえれば、図書館改造の仕事も収められると、勤務延長をお願いしていました。しかし、春休み中の勤務は何とか了解してもらいましたが、新年度の勤務については、定年55歳と言われ、辞めざるをえませんでした。

  新年度4月、すで解雇になったNさん、半端な状態で仕事を残した図書館が心配で、図書館でこっそり仕事をしている姿が…。

 学校図書館がこれほど仕事量があり、専門性と技術が求められる仕事であることを、学校も教育委員会も理解していないのではないでしょうか。学校統合という大変な事業に伴う図書館移転、受け入れ作業、それらをパートや臨時の勤務実態と見合わない仕事量を考えることなく、任せていること、余りの無理解が無念で仕方ありません。

 学校図書館がどのようなことをするのか、学校図書館に今求められているのは何なのか、学校教育に図書館がどんな役割をはたしているのか。そのことを学校や市教委はもちろん、市長さん、市民のみんなにも分かって貰うことをもっとやらねばならなかったと、今さらながら思うのです。学校図書館の本当の姿をもっと発信さねばならないと思いました。

2018年7月20日(金)

          ♪鶴岡の「学校図書館を語る会」 その3

  「学校図書館を語る会」の報告のつづき3回目です。山の中の小さな小学校に17年間も勤めた司書補のSさんの実践発表です。勤務時間は2時間程度でした。最後の5年間は2校兼務となり、仕事は倍増しましたが、短い勤務時間の中でも、子どもたちの読書への興味関心を促しながら、本好きな子どもが育っていきました。

 学校図書館の全てを任され、図書館内の改造から選書、教科書との関連を考慮して、学びに活きる資料の充実、読みきかせやブックトーク、図書館だより、授業への支援等々、考えられること全てに取り組んだと、ご自身で言う以上に頑張ったことを私は知っています。教育雑誌などにも実践を発表していましたから。

 しかし、その後に待ち受けていたのが、勤務する小学校の閉校の決定でした。今まで努力してきたことが全て水の泡になるとシュックでした。が、さすが彼女です。その絶望感にさいなまれながら考えたのが、「生涯学習」としての図書館の活用でした。司書補の資格を取ったときに知った言葉、「子どもだけ相手の図書館から大人、高齢者まで、地区の全ての方に読書を通じて、よりよく生きる張りになれば」と、思い至ったのでした。損得無しの図書館・本への情熱だけが燃料です。

 学校の統廃合で廃校が決まったとき、学校の閉校と同時に、Sさんは行動を開始します。せめて、寄贈本くらいは地域に還元してほしいと働きかけました。地域にある2つの公民館が学校図書館の本の受け入れと管理を希望してくれました。T地区の公民館に図書室造りをしましたが、常駐している人もいないし、施錠されているため、図書館設置でSさんの作業は終了でした。

 もうひとつのY公民館は、すでにあった図書室に蔵書300冊を加えてリニューアルオープン。2年間は、年に7回のお話会を開きました。毎月回覧板でお話会を紹介してもらい、仲間も増えました。リニューアル前は、年間20冊ほどちょぼちょぼの貸し出し数が、230冊になり、さらに3年目は、団体貸し出しも利用し、6か月で200冊の利用がありました。お話会も維持しています。生涯学習の推進は順調に進みました。地域の人からリクエストがあると、Sさんが図書館に借りに行って、橋渡し役をするという大サービス。

 利用者は、最高齢は91歳から1歳の赤ちゃんまで、自動車いのちの男の子、毎月10冊読破する読書家、体や病気など身近なテーマやら、好きな作家、古典など1人ひとりの個性が光ります。以前に勤務していた学校で使っていた掲示類も活用し、魅力的な掲示で宣伝効果もありました。

 Sさんは、平成15年から地域の読みきかせサークルを立ち上げ、学校はもちろん、保育園や幼稚園でお話会をしてきました。今、公民館でのお話会では、子どもたちだけでなく、お年寄りやお母さん達も一緒に聞いてくれます。近頃子どもを見かけなくなってきたけれど、と目を細める年配達がいます。

 学校図書館は、本好きな子だけでなく、苦手な子も学習活動で利用する場であり、読書好きになるチャンスです。教師と司書がそのことを理解し協力しあって子どもたちを育てて欲しい。学校を離れた今、地域でもフォローする身近な図書館をこれからも続けていきます。と語るSさんの発表には、感銘を受けました。次回へつづく

2018年7月16日(月)

     ♪鶴岡の「学校図書館を語る会」 その2

 7月8日に行われた「学校図書館を語る会」の報告のつづきです。

  現職10年目のUさんの発表は、学校司書としての1日の仕事内容や学校図書館に関わる具体的な日常を語ってくれました。1日の勤務時間は7時間45分。朝の貸し出しに合わせて7時50分からの勤務ですが、もっと早く勤務して子どもたちの朝の貸し出しに対応します。本を借りに来る人数は日々1日通して300名以上。特に月曜日金曜日に混み合うとか。朝暘第一小学校時代の図書館大混雑を思い出しました。

 この度の語る会の打ち合わせで、何回か学校図書館にも伺ったのですが、いつも子どもたちや先生方が図書館に来て慌ただしくしていましたから、司書さんとの打ち合わせは隙間を縫って話すしかありませんでした。学校図書館が貸し出しだけでもこんなに忙しいことを一般の人は知らないのではないでしょうか。

 日常本の貸し出しのほか、新刊図書の選本、そして新刊の登録や装備の作業、図書館だよりの発行や掲示展示、日々の環境整備、本の修理や除籍作業、本棚整理などもろもろの図書館運営の作業を殆ど1人でこなします。それだけではありません。

 児童図書委員会が年間8回、図書館の主担当の先生と委員会を運営しますが、担当の先生は担任を持っていますから、日常の委員会児童への具体的な指導や手立ては学校司書が受け持ちます。また、職員会議には参加していますが、指導部にも所属し、年11回の職員会と指導部会への参加があります。

  先生方と勤務体系が違うところは、夏休みの間、一度雇用が切れて、8月に再雇用となります。このため、退職ということになり、保険や年金を切り替える必要があり、家族の扶養に入るか、国民健康保険に一時的に入ります。雇用空白期間が無休になるのに、3万円ほどの保険料の支払いがあります。 

 夏休みの間は仕事が無いと思われがちですが、子どもたちがいない間だからこそできる様々な仕事があるのに、そのため勤務があればなと…。 このことは、学校司書の仕事が理解されていない象徴的な勤務体系であると思います。

 ここまでが、日常業務と勤務体系についての発表で、ここからが本題です。

 「本好きな子どもを育てる日常活動」では、本が苦手な子にも読書体験をしてほしいと、イベントを年2回「本でビンゴ」を行う。お題が示されているマスに示された本を自分で選び、ビンゴを目指して読んでいきます。読書週間には「読書のたび」で、学年でページ数は違うが、期間中に1000ページ読破に取り組んでいます。達成の記念品もあり、普段本を余り読まない子も図書館に訪れ、滅多に読まれないような本も借りていくのです。 様々な本を手にする機会をつくるため、「おすすめの本」の選定もあります。完読達成は4割とのことですから、大規模校としてはかなり読書指導が進んでいると思います。

 次に図書館の「学習支援」について。4月のオリエンテーションは、Uさんが25学級以上を1人で行っています。学年に応じて図書館ルールやラベルの仕組みと分類などですが、高学年には質問やクイズを混ぜて行っています。また、各クラスの図書館の利用時間の割り当てがあります。この時間に調べ学習がよく行われているので、事前に図書資料を調べておいたり、担任にそろそろこの授業で図書館を活用を…と声かけします。TTで授業に関わることあります。

 授業への応援では、4年生で読書感想文の本を「読みきかせ」をして、描く本を決めるという授業スタイルに参加したこともあり、やりがいがあります。

 Uさんの発表は、学校司書の日々が具体的に想像できましたし、その専門性と日頃の半端でない努力に惜しみない拍手が贈られました。ありがとうございます。実践発表の報告は、まだ2人目です。 つづきは次回に…

 

2018年7月11日(水)

  ♪鶴岡の「学校図書館を語る会」

 鶴岡市立図書館を会場に「学校図書館を語る会」が開かれました。子どもの読書を支える会で毎年行っている集いです。今回は、学校司書の現職と経験者含めて4人の発表でした。発表の内容を少しかいつまんでお知らせします。

 初めは、朝暘第三小学校の司書をされていたTさん。『図書館へ行こう・図書館クイズU』の図書館クロスワードなどを書かれたすごい方です。Tさんは、年間指導カリキュラムを司書机に張って置いて、どの学年がいま何の学習をしているかを把握しつつ、関連の本を調べ、リストアップしておきます。そして、常に先生方や子どもの要請に応えられる準備をしていたこと。 その図書資料は掲示、展示に活きるし、先生方の図書館活用への相談にも応えられるように備えるだけでなく、働きかけることもできるわけです。

  この学校の司書教諭が、朝暘第一小学校の初代司書教諭でしたから、若い優れた学校司書さんと連携して、素晴らしい学校図書館経営であったことは間違い有りませんでした。当時、私が学校図書館の支援員をしていましたから、図書館の大改造も一緒にやりました。学校司書の仕事がTさんの天職ではないかと思う程の方でした。

 しかし、Tさんは、勤務3年目でお産のため辞めざるを得なくなり、出産した後に復帰することもできなかったのです。鶴岡市の臨時職員には、産前休はあっても、復帰の保証はないのです。その後、しばらくして再び別の学校の図書館に新たに採用がかないましたが、それも2人目のお産で、泣く泣く辞めることになりました。そのような学校司書の勤務実態が、現場の人の声として聞き、参加した人たちの胸に響きました。

 2人目の実践Uさんは、現職の方で、今年で10年目です。鶴岡の学校司書は、5年で別の学校に換わり、2校勤務して10年を限度に雇用止めとなります。再雇用はありません。Uさんは、学校司書の日々の仕事を朝の貸し出しから丁寧に説明し、大規模校の早朝から放課後までのてんてこ舞いの様子を見えるように語ってくれました。こんな実践発表は初めてかもしれません。皆さん驚いていました。

 夏休み間期間、学校司書には仕事が無いと考えられて、雇用が切れて、保険も国民健康保険に切り替えられるか、夫の社会保険の家族として事務手続きを毎年しなければなりません。国民健康保険に入る人は、雇用止めで無休になるのに、わずか2〜3週間の加入のために3万円ほどの負担があります。雇用されているのに、そのような空白期間がもうけられていることに、働く立場の人のことを全く考えない実態に驚きです。

 このつづきは次回に

2018年1月〜6月