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5/20.読みきかせサークル交流
5/8.初体験、ワンちゃんと暮らした4日間
5/5.憲法をもっと身近に考える・・・大阪弁で翻訳!!
4/28.ナイナイづくしの学校図書館に赴任したSさんへ
4/17熊本の大震災、お見舞い申し上げます。
4/10.♪第18回鶴岡江戸川友好交流演奏会
4/3.八千代市 学校司書 実践報告集
3/27.私のスローリーディング つづき
3/20.私のスローリーディング
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全国SLA

高鷲忠美先生のブログ

鶴岡市朝暘第一小学校




















あんなこと こんなこと

2016年5月23日(月)

      ♪読みきかせサークル交流会 その2

 前回の続きです。読みきかせサークル交流会の後半は、サークルの情報交換や話合いです。皆さんから出た発言や話題を拾ってみます。まず、 昔話を語ったSさんから、民話・昔話には残酷な話しが多く、残酷性については以前から議論のなるところで、皆さんはどう思われますか、と質問がありました。

 Sさんが昔聞いた民話の中で、ずっと引っかかっていたのが、サル婿のお話。3人の娘がいる家で、サルに嫁がなければならないことになる。上の2人は嫁に行けない理由を言い立てて断るが、3番目の娘がサルのお嫁になることになった。嫁に行ってしばらくして里帰りのとき、サル婿を木に登らせて落ちるようにしむけて川にお落とし、赤子も川に流してしまう。それが頭から離れず、なぜ異類との結婚が民話のなかにはたくさんあるのだろう、と。

  人間と異類との結婚はたくさんの昔話が残っているが、お話のなかでは必ず去っていく運命がある。なぜなのだろう。 京都でもそうだが、洛中洛外などと差別の意識が根強く残っている。鶴岡は城下町なので、部落差別が残っていて、その地名を言っただけで違う人々の地域という差別意識があった。

  そのことと異類との結婚という昔話のなかで、動物に置き換えて語られたということが無関係ではないという。昔話の中には、今なら言ってはならない差別言葉が出てくる。民話伝承だからと、深く考えずにそのまま伝えていいのかどうか、精査する必要もあるのだと、意見がだされました。

  読みきかせでも対象の子どもたちの状態や、配慮しなければならないことは多い。子どもたちにお話を語るとき、15分も語ると子どもたちは長くて疲れてくる。12分程度で収まるお話だと、特に集団に話す場合は、気を付ける必要がある。 学年100名もの子どもたちに読みきかせをするときは、意識してゆっくり間をとって読んでいる。子どもが思い描き考える時間を考慮しなければならない等々、読みきかせや昔話の素語りで配慮していることが出されました。

  週刊誌「女性セブン」4月28日号に、「本を読む子と読まない子の頭ん中」の見出しで、とてもいいことが書いてあった。この手の週刊誌は美容院くらいでしか読まないだろうけれどとても、分かりやすくナットクいく書き方で読書につい表現してあったそうです。こんど次美容院に行ったら、ぜひ読んでみようと思いました。

  ブックスタートで、絵本を読んでもらっている子とそうでない子の違いは、6か月でわかるとのこと。ページをめくると、赤ちゃんの目が離れないでじーっと見つめる。しゃべれない時代の読みきかせが大事だと。スマホがコミュニケーションを無くしている問題も出されました。スマホがテレビより悪いのは、スマホはどこにでも持って行けること。

 読みきかせをして、お話に入り込んでシーンとして聞いていることも大事なのに、受ける・受けないという読みきかせの評価は、あやしいのでないか。高学年の読みきかせは、あり得ない話ではなく、あり得る話を選ぶことが必要でないか。「この人下手だ」と思うと聞いてくれない。朗読の勉強はきちんとする必要がある。

 我が子は高校生と大学生になったけれど、親たちが楽しんでやっていると子どもも楽しいだろうといつも思う。こういう読みきかせの交流会で勉強すると楽しく元気になる。新鮮な気持ちで子どもたちに向かえるように、学びあい、刺激し合っていきましょう。

2016年5月20日(金)

     ♪読みきかせサークル交流会

 子どもの読書を支える会が主催で、毎年恒例にしている「子どもの本・学びの会」の第二講座、読みきかせサークル交流会が行われました。前半は、読みきかせサークルによる読みきかせの実演です。

  初めは、朝暘第三小学校の読みきかせサークルダンボのみみの皆さんによるペープサート「きつねと羽黒山伏(やまぶし)」。地元に伝わる昔話です。山伏が松の勧進(年末から正月に行われる「羽黒山松例祭」への寄進を集めるために、山伏がホラ貝を吹きながら一軒づつ回りつつ集める)のために街にやってきます。我が町の12月の風物詩ともいえる年中行事です。

 

  その山伏が、きつねが橋の上で気持ちよく昼寝をしているのを見かけ、いたずら心でほら貝を耳元で吹いてびっくりさせて、きつねを川に落としてしまいます。すると間もなく、まだ昼のはずなのに夕暮れとなり、ついにさんざんな目にあってしまう。実はきつねの仕返しという、ちょっと恐い民話です。語りをしたのがダンボのみみのメンバーで、年配の男の方お二人です。演劇もやっている方ですから、真に迫っていてどきどきでした。

  

 次の実演サークルは、朝暘第四小学校のおはなしオルゴールのみなさんのスクリーンシアター『したきりすずめ』です。ボランティアを始めてからもう17年にもなる歴史のあるサークルです。朝の読みきかせだけでなく、低学年に学期1回はお話の時間があり、授業時間を使って、読みきかせだけでなく実演や昔話の素語りをしたり、頑張っています。

 

 三つ目の実演は昔話の語りです。大先輩のSさんの語りはファンも多く、この度もリクエストがあって実現しました。演目は、庄内に伝わる“さるときじ” さるかにがっせんのお話の要素もあり、なまけてズルをするさるを栗や蜂、うす、うんこたちがさるをこらしめるというお話でした。庄内弁で味わい深く語り、楽しみました。

 

  後半は、サークル同士の交流会です。とても内容の濃い話合いになりました。Sさんから民話や昔話についてのお考えや疑問なところなども話題になり、大いに盛り上がりました。その報告は、次回にします。 つづく

2016年5月8日(日)

  ♪初体験、ワンちゃんと暮らした4日間

  犬がとても苦手な母からの影響でしょうか、小さい頃から犬が恐くて嫌いでした。我が家の娘が小さいとき、「犬を飼ってー!」と連日のようにねだられことがありましたが、決して飼うとは言えませんでした。だって恐かったのですから、とてもとてもです。

  さて、その娘が、連休中にトイプードルを連れて実家帰りをするということなりました。我が家では、全員犬と暮らしたことがないのですから、どうなることかと戦々恐々。ところが、やってきたパン君(と孫がつけた名前)、つぶらな瞳でじっと見上げて、しっぽを振っています。ワンとも言わず、フレンドリーな態度と表情でご機嫌です。

  なでるところの注意などを娘から教えられ、恐る恐るなでてみると、ご本人まんざらでもなさそう。きっと気をつかってくれたのかも。その内、身を寄せてきて、もっとなでてと言わんばかりにごろんと横になり、リラックス姿勢で、全面信頼の雰囲気です。もうこうなっては、宗旨替えをせざるを得ません。パン君にノックダウンです。 生まれて初めて、犬って可愛いと思った私でした。

  連休が終わり、昨日帰ってしまいましたが、残念、写真を撮らないでしまいました。まるでぬいぐるみのようなかわいいトィプードルです。他の犬もどうかと言われたら、やっぱり大きな犬は避けたい気持ちは変わりませんが、それでも犬と近しくなれた体験は、我が人生で画期的な出来事でした。

  これを機に、ひょっとすると、苦手な人とも抵抗感を持たずに繋がりあえるようになるかもしれません。自分の殻を破ればいいのですから… ん? それとこれとは違うだろうって? いやいや案外思い込みから来る狭さでバリヤを張っているのは自分かもしれませんからね。パン君に見習って、全面信頼で当たっていけば、相手も応えてくれるかもしれないです。

2016年5月5日(木)

   ♪憲法をもっと身近に考える・・・大阪弁で翻訳!!

  私は、戦後産まれなので戦争体験はないのだけれけれど、小・中学校では、先生方が真剣に戦争への反省と平和教育をいろいろな場面で話してくれたのではないでしょうか。戦争をあたかも体感しているような感覚がどこかに残っています。物語、小説のなかでも戦争の存在が人生を狂わせるおぞましい体験として体に染みつくほど読んできました。  だから、近頃何かと戦前の軍国思想の気配がはびこりつつあるような動きに、敏感になっています。ことに憲法を変えようとしている動きや世論に不安を感じています。 

  「全日本おばちゃん党」というグループを作って、フェイスブック上で憲法問題について発信している法学者の谷口真弓先生(大阪国際大学准教授)のことが、5月4日の朝日新聞に大きく取り上げられていました。憲法なんてなかなか身近に感じられないという声に対し、日本国憲法を“大阪おばちゃん語訳”で、とても親しみやすくしているのがユニークです。一部引用させて頂くと

【日本国憲法前文】

日本国民の皆さんは、まっとうな選挙で選ばれた国会議員をとおして政治にもちゃんと参加しなはれや。よその国の人らとも仲良うしながら、日本のすみずみまで自由であることがええなぁって思ってますねん。 (中略) もう戦争はしやしまへんってきっぱり決めましてん。そのためには、主権は国民にあるってちゃんと宣言しときますな。

  谷口さんは、改憲や護憲を語る前に「知憲」から始めるということだと語る。憲法議論に欠けているのが、次の世代の人たちが今より良くなるようにという視点だ。権利が拡大され、それによってしんどい人が減るのであれば変えていい。けれども、改憲を言う人たちは、権利を制限する方向で進んでいると。しかし、多くの国民はその中身も知らずにいると懸念する。

【11条】 国民は、すべての基本的人権をもってますねん。基本的人権っちゅうのは、人が生まれながらにしてもってる権利(自然権)のことですねんわ。(中略)いまの私らにも、将来の世代の子らにも永久の権利として与えられまんねんで。

【12条】 この憲法が国民に保証してる自由とか権利は、みんなで普段から絶え間なく努力することで持ち続けていかなアカンねんで。ほんで、私らもこれを自分のためだけにつこたらアカンねん。ひとさまにご迷惑おかけせーへんようにつかわなアカンねんで。自分だけが大事とか言うてたらアカンねんで。

  なぜ「おばちゃん」なのか? 隣に困っている人がいたら助けて上げる誰かのために労力をいとわず何かをしてあげるおせっかい感や他者への配慮が「おばちゃん」だと。その正反対の存在が「オッサン」。ありがとう、ごめんなさい、おめでとうの言えない人たち。政治の世界も力のある組織もいまだ「オッサン」が中心。「オッサン政治」に嫌気がさして「全日本おばちゃん党」を立ち上げたそうです。

 おばちゃんと同じように、不当な扱いを受けている人を守ろうとすることができる男性は「オッチャン」と呼ぶ。できない女性を「オバハン」と。…なるほど、何と明快なことか。  憲法を考え、自立した考えを持つ個人はまだまだの社会。めんどうでも声をあげていく必要がある。そのためにも、おばちゃん目線で「オッサン政治」にツッコミを入れていくことが大事だと強調しています。

  難しげな理論や法律を、一般大衆にも分かりやすくして、みんなのものにしていく。そうだ!「大阪おばちゃん語訳」でやってみよう。と、これを思いついたとき、谷口先生、ワクワクしながら大阪弁に翻訳していたのではないでしょうか。あっぱれな発想です。おせっかいおばちゃんの傾向が強い私としては、大いに賛成です。勉強します。応援します。

2016年4月28日(木)

  ♪ナイナイづくしの学校図書館に赴任したSさんへ

  先日、嬉しいメールが届きました。「いままで学校司書不在、本も無い、お金もない、利用者もいない、貸し出し冊数130冊余(一人当たりではない、全校で一年間の貸出総冊数)という私立の学校に勤務することになった!」という便りです。

  ばりばりと学校司書の仕事で成果を上げ、教職員も巻き込んで図書館だけでなく、学校まで変えた学校司書のSさん。鶴岡にも研修会に来ていただき、その実践を学ばせていただいた方です。しかし、事情があって3年前から学校司書の仕事を辞めていました。あんなに活躍していた方ですし、私は、残念で残念で仕方ありませんでした。

  発展途上にある学校図書館、その人的な課題のひとつが学校司書への期待です。学校司書がどんな仕事をし、役割を担うのか。教育者である先生達に図書館活用を触発し、教育活動に新しい学びのをどう促していくのか、学校司書の果たさなければならない職務を具体的に切り開いて見せてくれたのがSさんなのです。それも図書館活用が難しいとされている中学校で、年間、図書館活用授業が200時間にものぼる学校に変えていったのです。

 その先駆者である学校司書の活躍が、これからの図書館活用教育を切り拓くと思っていたので、辞めると聞いてショックでした。それでも、今年から、ナイナイづくしの学校図書館に赴任し、マイナスからの出発をすると聞いて、一人飛び上がって喜んでいました。

  彼女のメールには「ワクワクしています。早速、図書館の大改造を終え、まずは生徒にアクションしていきます。やはりやはり、水を得た魚のような気持ちです。」とありました。嬉しくて、泣けてきました。あんまり無理しちゃだめよ、なんて野暮なことは言いません。どうぞ、あなたの住むべき水の中で、存分に信じるやり方でやってほしい。気の済むまで、とエールを送ります。 いつか、その学校に行ってみたいです。

 『学校図書館ビフォーアフター物語』(国土社刊)89pに彼女の実践が載っています。ゼロからの学校司書の奮闘記です。お読みください。素晴らしいです。

2016年4月17日(日)

 ♪熊本の大震災、お見舞い申し上げます。

  東日本大震災から5年、復興もはかばかしく進んでいないのに、追い打ちをかけるように九州に大震災が起こり、日本は地震の国であることを思い知らされました。どうお見舞いの言葉を伝えたらいいのか…。どうぞお体をいたわってこの苦難を乗り切ってほしいとしか申し上げられないところです。

  つくづく震災は、よそ事ではなく、いつ我が地域に来ても不思議ではないと思われた方も多かったのではないでしょうか。それにしても、日本中にある原発に少しでも地震が影響すればどうなるのか、福島の原発で分かったはずなのに、もう一度、日本の原発について考え直す必要があるのではないかと考えてしまいました。経済効率だけでしか思考できないトップに響かないのでしょうか。

  ところで、全国学校図書館協議会の月刊誌「学校図書館」4月号、もうご覧になったでしょうか。鶴岡市立朝暘第一小学校で研究主任・図書館主任をなさっていた柴田陵子先生の連載が始まりました。51p 図書館活用術のタイトルで、図書館を活用した授業実践を10回、紹介するとのことです。

 今回は、4年総合的な学習の障がいのある方から生き方を学ぶ「ハンディをのりこえて」の授業から、子どもたちが、どう受けとめ、自ら働きかけて学んでいったかを書いています。この授業には、資料面でどう支援するのか、図書だけにとどまらず、映像やネット資料、多方面の情報資料などを集めました。学校司書としても鍛えられた授業でした。子どもたちがとても生き生きと授業に取り組んでいたことが目に浮かびます。

 市の福祉協議会の方にもご協力いただいて、障がいのある人たちの日々の苦労を自分たちも体感して、実感してみることまでしていました。もちろん本からも読み、知識としてだけでなく、物語などからも障害を持つ人の思いを受けとめていました。参考図書リストは、「視覚障がい者」、「聴覚障がい者」、「高齢者」など障がい別に「障がいのある人の理解に役立つ本」のタイトルで、かなり膨大なリストを作りました。

  柴田先生が、朝暘一小を卒業した子たちに、心に残った授業の思い出を聞いたら、「ハンディをのりこえて」の授業は、直接人ともふれあえて、驚きの連続で、大切な学びだったと一番に上げたとか。10年も経て、子どもの心に残っている授業だったなんてすごいことです。

  もう一つ、中学校の司書教諭の先生の素晴らしい実践の連載も4月号から始まりました。77p「キラリ! 司書教諭」、教科等のコラボで図書館利活用を広げる図書館をみんなのものにするために〜 6回の連載になるようです。

 中学校の図書館活用は、多くの学校が開館時間が昼の20分だけとか、貸出冊数もほんのわずかとか、情けない実態を聞くことが殆どです。ところが、大阪府の熊取町立熊取中学校の司書教諭のk先生の実践発表を聞いて、感激でした。教科を超えて、先生達が図書館を活用した授業を工夫してばんばん使っているというのです。それには、やはりちゃんと仕掛け人がいました。

 司書教諭のk先生は、ご自身の国語科で図書館を活用した授業はもちろんのこと、他教科の先生とコラボレーションして調べ学習を展開したり、教科と図書館をつなぐ見事なまでの司書教諭の役割を果たしているのです。

  4月号に掲載されている「図書館活用年間計画」78pの一覧を見て下さい。一年間だけでなく、数年間で行われた図書館を活用した授業例が載っています。このような授業ができるという可能性を、新学期に先生方に見せて、新年度の予定を書き込む用紙も一緒に配ります。年間指導計画を組むときに、図書館活用も一緒に予定に組み込んで貰うという司書教諭としてもドキドキの勝負を仕掛けます。

  熊取町では、2001年から学校司書の全校配置を実現しています。教育委員会の姿勢からすでに優れています。だから学校現場でもいい教育が展開できるのです。そして、学校司書との連携があってこそ、司書教諭の活躍が一層効果的に校内に浸透していくことは間違い有りません。

  K先生の画期的な取り組みをぜひ注目して読んでみてください。図書館担当の教師を増やしたり、図書委員会のユニークな取り組みやら、目を見はるような企画や創意がたくさん出てきます。中学校の図書館担当の方には見逃せない実践です。ぜひ読んでみてください。ヒントになるものがいっぱいあると思います。

2016年4月10日(日)

 ♪第18回鶴岡江戸川友好交流演奏会

  鶴岡にも桜が咲き始めました。今日は満開です。つい先日梅が咲き始めたと思ったら、桜も同時にほころび始め、町中いっせいに花が溢れています。我が家のすぐ近くにある鶴岡北高校の校庭の桜とそのななめ向かいにNHK文化センターの見事な桜の大木です。

 

  この4月24日(日)、鶴岡市と姉妹都市にある江戸川区との友好交流演奏会があります。毎年、交互に合唱の演奏会を行ってもう20年近くなります。今年は、鶴岡での演奏会が予定されていましたが、鶴岡の文化会館が建設中なので、隣町にある庄内町文化創造館 響ホールでの演奏会です。

  いつもの演奏会は、オーケストラ演奏付きの大曲を歌い上げるのですが、この度は、会場が640席の中会場ですし、フルオーケストラは無理なので、プログラムは、第一部が日本の歌、二部が外国の歌、第三部に小編成のオーケストラを向かえて、ヴィヴァルディのグローリアを歌います。一部も二部もすてきな曲ばかりで、練習で歌っているときもほれぼれします。

 演奏するフルオーケストラは、創立50年の歴史のある酒田フィルハーモニー管弦楽団です。先週初めての音合わせをしましたが、プロのオーケストラではないにしろ、みごとな音色で、わくわくしました。酒フィルは、オペラの演奏もこなす歴史有る管弦楽団です。

 合唱団に私も長らく参加しています。どきどきですが、楽しみです。お近くの方はぜひ聞きにきてください。また席はあります。

  江戸川区とは、交流演奏の縁もあって、長くかかわっていますが、江戸川区の学校図書館には「人」を置かないという方針らしく、学校司書が配置になることは殆ど有りませんでした。その替わりというか、ボランティアの方達が一生懸命支えていましたし優秀な方々も育っていました。が、その方達も他の区にどんどん流出していました。

 それでも江戸川区に「読書科」を立ち上げたり、学校図書館の活用や読書活動を頑張っている先生達もおられます。こちらでは何の応援もできなくて…と思っていましたが、「学校図書館」4月号に、何と江戸川区に10人の学校司書が配置されたことが、稲垣達也先生の報告レポートに記載されていました。これこそびっくりぽんです。

  全国的にも学校図書館が学校司書配置で機能化の方向にすすむ中、江戸川区だけ取り残されるのではと諦めていましたが、荒川区で大活躍したスーパーバイザーの藤田利江先生と、一昨年学校図書館大賞を受賞した稲垣達也先生が区教委指導室長で活躍しています。「読書科」を活かして、学校図書館の先進地が立ち上がるかもしれません。期待しています。

2016年4月3日(日)

   ♪八千代市 学校司書 実践報告集

  毎年、年度末になると学校図書館の実践報告集が届きます。千葉県八千代市の学校司書たちの1年間の仕事内容をまとめた実践集です。33小・中学校に22名の学校司書が勤務校での活動を各2ページにまとめてあります。

 内容は、読みきかせや授業支援内容、図書委員への活動支援、ブックトーク、アニマシオン、オリエンテーション、並行読書や調べ学習等への資料支援、クラスへの図書紹介、公共図書館との連携やボランテイア・PTAとの協力状況、図書館改革などなど、学校司書が1年間でどんな仕事をしていたかが報告されています。例えば、教科単元への資料支援など1年間で各学年に十数回、79件の授業への関わりの事例を記録してある学校もあります。

  写真あり、図あり授業支援一覧ありと各人の2ページ編集は個性的ですが、必ず記載してあるのが、その学校の児童数等の基礎的な項目の他に、司書の勤務日数、勤務時間、学校司書の読みきかせ授業支援の概況、ボランティアの協力状況、学校司書と図書委員とのかかわりの記載項目もあります。ちなみに学校司書の勤務日数は、多い学校で週に3日、年間108日、4時間勤務、少ない学校で週1日、38日です。

  加えて、どの学校のページにも「わくわく学校図書館」のコラムがあり、図書館主任が図書館の活動の様子や学校司書の活躍ぶりを書いています。こんな記載もありました。「『世界遺産白神山地の提言』で授業をするとき、学校司書の先生は世界遺産の本、自然の本、環境問題の本、とあらゆる種類の本を用意してくださった。驚いたのは、白神山地に関係している全てのページに付せんが貼ってあったこと…子どもたちは図書の時間が大好き。これからも学校司書の先生とともに、図書室大好き!読書大好き!子どもが思う指導をしていきたい。」と。

  八千代市の学校司書との関わりは、学校司書Sさんとの出会いが始まりでした。八千代市で平成6年から2名の読書指導員を配置したころから勤務していたSさんの奮闘ぶりに驚きました。週2日、1日4時間勤務のなか、各学級への授業支援からブックトークなどをこなしていたのです。絶対的な時間不足のなか、学校司書の仕事の大切さに真剣に取り組む真摯な姿に頭が下がりました。

  しかし、学校司書の仕事はなかなか理解してもらえません。学校司書配置が少しずつ増えてきた平成14年当時、自主研修組織「ルピナスの会」を立ち上げ、毎月1回研修会を行い、情報交換や学びあいを行い、「読書指導状況」報告書を毎年発行します。それが、この実践報告集として教育委員会指導課から発行されるようになったそもそもでした。

 学校司書が何をするのか、どんな仕事をし、教育に関わっているのかを示してきたこと、まさに「継続は力なり」です。Sさんの頑張りが『学校図書館ビフォーアフター物語』(国土社刊)に、116p〜「学校図書館に命を吹き込め!学校司書、十年のあゆみ」を執筆しています。ぜひ読んでみて下さい。学校司書の先駆者として苦悩と夢と情熱をしたためています。今、改めて読んでも、感動がよみがえります。

  学校司書の法制化も実現し、学校司書配置が努力義務になりました。しかし、学校司書は増えても、その仕事への無理解と待遇の劣悪さは増大していると言わざるをえません。それでも八千代市の学校司書の皆さんが続けてこられた「学校司書実践報告集」のように、少しずつでも努力し認められていく方法が有るのではないかと期待するのです。多くの学校司書たちの参考になると思います。

  八千代市では、昨年度から「読書指導員」の名称が「学校司書」になりました。これからも更に学校司書としての仕事が充実し、勤務状況も確立していくことを期待しています。子どもたちの「学びの場」としての学校図書館の機能アップは、人的充実に他なりません。学校図書館の機能の格差が、教育環境の格差となって、「学力」の格差になっているのですから。

2016年3月27日(日)

    ♪私のスローリーディング つづき

 前回のこのページで『座右の古典』について紹介しました。その中のアドラー著『人生の意味の心理学』に惹かれました。この本のあらすじには、こう書いてあります。

「人が人生に意味を見出すときは、自分にとって納得できる意味があるときだけである。人間の活動は、劣等から優越へ何らかの目的に向かって行われる。この方向性(目的)はライフスタイル(考え方の枠組・思い込み)を形づくる。このライフスタイルは他人とのかかわり方を決定するが、自分で変えようと思えばいつでも変えられる。」というもの。 また、アドラーは、個人の心の問題をすべて人間関係の問題としてとらえています。

 アドラーの著書を探しました。見つけたのが、図書館にあった『アドラー心理学』。分かりやすい解説付きの一冊です。「人生を変える思考スイッチの切り替え方」と副題がついています。ナルホドそうだ、とナットクすることばかりです。

 例えば、人間関係に悩むとき、どう解決していくのか。何を変えていったらいいのか。人間関係の4大要素は、@自分がどうとらえているか、A相手が自分をどう受けとめているか、B関係、その場面における他者との関係、C環境、自分自身の置かれている場面の4つ。この要素のうち、変えられるのはどれか。相手を変られそうで変えられない。結局残るのは、自分を変えることです。と延べ、その変え方をありそうな現実問題に照らし合わせながら提案しています。

 貴重な一冊です。 現在、このアドラーの本と、『座右の古典』と、重松清のまだ読んでなかった一冊を見つけ、同時進行で、あっち読んだりこっちにはまったりしながらスローリーディングしています。

2016年3月20日(日)

    ♪私のスローリーディング

 いまひとつ元気が出ないとき、忙しさに忙殺されているとき、心に鬱屈をかかえているとき、少し浮かれぎみのときも、とにかくちょっとした時間に何かと本を開く癖があります。毎日お茶を飲みたいのと同じような習慣になっているだけのことで、読書と言えるかどうか疑問な「本読み癖」であり、隙間読書に過ぎないのだけれど、先日いい本を見つけました。

  読みたい本を見つけるきっかけは、読書で元気なまちをつくろう「私の一冊」というタイトルで地方新聞に連載をしていますが、執筆してくれた方から次の方へリレーしていく本の紹介です。その事務局をしていますから、私の所に原稿が送られてきます。これがなかなか素敵な本の紹介があるのです。おっ!と思ったら直ちに鶴岡市立図書館に予約して本をゲットします。

  その一冊です。京大一の人気教授、鎌田浩毅著『座右の古典』、帯に「いまこそ読みたい“使える”古典、50選」とあるように、鎌田先生が今まで読んで役に立った、教えられ!という古典を紹介している本です。一冊6ページでコンパクトにまとめ、ポイントの一言、あらすじ、覚えておきたい一言、そして、その本との出会いや学んだことが魅力的に語られ、とても興味深く読んでしまうのです。

  紹介されている古典は、『論語』から始まり、ヒルティの『幸福論』、プラトンの『ソクラテスの弁明』、神谷美恵子の『生きがいについて』、ダンテ『神曲』、福沢諭吉『学問のすすめ』、デカルト『方法序説』、ルソー『学問芸術論』、ロマン・ロラン『ミケランジェロの生涯』、ガリレイ『新科学対話』などなど多彩です。鎌田先生が少年の頃から読んで、座右の書として大事に読みついできた本たちであることを述べています。

 その中で何度も読み返したのが、ベルクソン著『時間と自由』です。人間はいかにしたら自由に生きられるか、という大問題を取り上げ、“人間の自由は時間の問題から論ずることができる”とした哲学の書です。

  時間には二つの側面があるという。時間は世界中同じに進行する。これが「物理的時間」。もう一つが、人間には、同じ時間でも感じる長さが違う「心理的時間」があると述べる。ベルクソンは、心理的時間のことを「流れつつある時間」と表現した。物理的時間は刻一刻と過ぎていき、一秒前は過去の時間に属し、どうすることも出来ない。

  「人が生きているのは、今この瞬間だけなのだから、今を大事に生きていくことが、最も人間らしい生き方につながるのだ。それに対し、流れ去った時間を振り返るのは、物理的時間に固執することである。過去の栄光にすがって生きることほど愚かなことはない。この世に生を受け、流れつつある時間を十全に生き抜くことが、一番重要なのである。」

 「自由行為は、流れつつある時間の中で行われるもので、流れ去った時間の中で行われるものではない」のであり、過去の流れ去った時間に翻弄されたままでは、いつまで経っても自由は手に入らない。」と展開する。

  火山学者である鎌田先生は、「科学上の時間と人生上の時間との乖離(かいり)を初めて明快に説明してくれた。心理的時間(流れつつある時間)を過ごしたときこそ、自分本来の人生を創ることができ、人は自由になれることを教えられた。」と感動しています。

  考えてもみなかった論理というか、独創的な哲学に、何度も読み返し、自分の日頃の行動や考え方を点検してみないではいられませんでした。今、この時を生きる行為が意味のある自由なことなのか。「人生とは、時間である」と日野原先生の言葉を思い出します。限られた時間を生きるしかない一生の、残された時間、今の時間をどう行動しているか。私の「今」がとても貴重な時間に思えてきました。

  この本から学ぶことが、まだまだたくさんあります。古典をひもとくことができれば、もっと何かつかめるのかもしれませんが、『座右の古典』の、スローリーディングは続きます。

2016年3月13日(日)

  「読書のまち 鶴岡」宣言の請願が……

 「読書で元気なまちをつくろう」をキャッチフレーズに、鶴岡のまちをもっと豊かに住みよい活気のあるまちにするたるにも読書で「知」のまちづくりを提唱して「読書のまち 鶴岡」宣言をすすめる会を立ち上げたのは、今から5年前、東日本大震災の起こった同じときでした。

  あれからいろいろな取り組みを行い、そして、昨年11月に鶴岡市議会に13,211名の署名を添えて請願を提出しました。12月市議会では継続審議となりました。3月議会の市民文教常任委員会で、再び請願についての審査が行われましが、賛成が少数として不採択が決議されました。13,211名の市民の願いは、却下されました。最大会派の保守党の賛同を得られなかったのです。

 請願の主旨には賛成だが、読書だけでなく文化施策はたんさんあるのでとか、なぜ「宣言」なのか、これだけの署名が集まったからと、いろいろなスポーツのまち宣言とか音楽のまち宣言などど請願があったら全て通さなければならないのか等々、反対意見が出されました。肝心の「読書のまち」については賛成だとしながら、不思議な理由で否決されました。

  鶴岡には平和都市宣言があり、その条文のなかに「私たち鶴岡市民は戦争のない永遠の平和と文化を構築し、ここに平和都市を宣言します」… の「文化の構築」と文言が入っているから、読書も包括的にとらえていいのではないか。という発言もありました。

 「読書のまち」の大切さを理解する方は、本を読み、読書を糧としてきた人が多いのではないでしょうか。本を読む重要性は、読まないできた方には、突飛な提案と受けとめられたのかもしれません。読書の大切さを一層実感しました。私たちの運動もまだまだこれからです。いえ、否定されてからが本当のスタートなのかもしれません。

 3月24日、午前10時から鶴岡市議会の本会議で、読書のまち宣言の請願についての討論が行われます。ぜひ傍聴にいらしてください。たくさんの目で、「読書のまち」宣言がなぜ否定されるのか、どんな理由なのか、市民の願いを払いのける発言を見届けてほしいと思います。

 3月11日震災5年目のナイトキャンドルに、はらはらと雪の舞い落ちるなか、孫と一緒にキャンドルをともしてきました。ささやかな灯をひとつ祈りに代えて…

 

 鶴岡市立図書館の入り口から入ってすぐの掲示版に、読書で元気なまちをつくろう「本を読む風景」と題したミニミニ写真展ですが、展示しました。「わが家の読書クラブ」は、お婆ちゃんと大きいワンちゃんがこたつに入り、腹ばいになって本を読んでいます。「お兄ちゃんの読みきかせ」は、5歳くらいのお兄ちゃんが妹と弟に読みきかせをしています。真剣な目で絵本を見つめる赤ちゃんはまだ1歳にもなっていないとか。ただ今展示中ですので、ぜひご覧下さい。

2016年3月6日(日)

 ♪鶴岡雛物語…城下町つるおか子ども方言かるた

  城下町つるおかには、昔から伝わるおひな様があります。京都・大阪方面から日本海を北前舟で盛んに海運が行われていた江戸時代、京都のおひな様が庄内地方に入ってきました。商家や神社に伝わる古い貴重なおひな様を「鶴岡雛物語」というイベントにして公開しています。3月1日から4月3日までです。

 その特別イベントに、お雛菓子づくりと子ども方言かるたをおひな様の前で楽しむ企画があります。今日は、その第一回目が荘内神社で行われました。お雛菓子づくりは、鶴岡に昔から伝わる季節限定の和菓子です。鯛や鮎、みかんや孟宗を練り菓子で精巧に手作りする伝統お雛菓子。でも雛菓子をつくる菓子職人がだんだん少なくなって、後継者を育てなければすたれてしまうとお菓子屋さんは心配していました。

  

 右端のみかんは、みかんの皮がめくれて中の房が白いすじも見えて、まるでみかんそのままという雛菓子ですが、私も教えられたように作ってみましたが、最後の皮のめくれがうまくいかず失敗!でも美味しかったですよ。

 次は、昨年私たちが創って出版した「城下町つるおか 子ども方言かるた」で遊びました。子どもも大人も一緒になって、方言丸出しのかるたをきゃー、わーと大賑わい。

 

  かるたの読み札から、「車からすぱねかげらいで、やばちごど」=車から泥をはねられて、ぬれて気持ち悪いなぁ。「ちゃっちゃどさねど学校さおくれんぞ」=さっさと支度しないと学校に遅れるよ。「にわがに日照ってきて、かがぼしのぉ」=急に日が照ってきたので、まぶしいね。 どうです?わかりますか。

 といった鶴岡の少し昔の方言です。近頃は、子どもたちが共通語を話すばかりで、ほとんど方言が使われなくなってきました。もっとこの地域の文化である方言に親しんでほしいと願って創った方言かるたです。近頃、このかるたを楽しむ機会があって、大いに喜んでいます。

  かるたの後は、鶴岡の方言で語る昔話を聞き、昔から伝わる遊び歌「ちょんびなはん」の歌もうたいました。ちょんびなはんとは、紙で創ったおひな人形のことです。内裏様の脇に飾ってあったので、「おらいのちょんびなはん、なみだがぽーろぽろ、ぽーろぽろ」と歌い始めたら、年配の方達が一緒に歌い出し、昔の記憶がよみがえって声に出して歌えました。せっせっせーのように、手を打ち合って歌います。

 

  こんな遊び歌の文化が、今の子どもたちには殆どないのかもしれませんね。地域で育まれてきた方言文化もそうだし、地域に根ざした文化が、世代を超えて繋がっていく貴重さを改めて感じています。失って始めて大事さを実感するのかもしれませんね。

2016年3月3日(水)

  ♪読書のまち、恵庭市「まちじゅう図書館」の取り組み

  先週、千歳市で行われた研修会に呼ばれて行ってきました。せっかくの機会ですので、千歳空港に降りて直ぐにお隣の恵庭市に訪問し、学校司書の方々と交流した後、恵庭市の読書のまちの取り組みについて、図書館の方にお聞きしてきました。

  恵庭市は、平成12年度より全国に先駆けてブックスタートを始めた市です。学校司書の全校配置も実現しています。私が現職中、当時の恵庭市長さんが朝暘第一小学校に視察にいらして、いろいろ参考にしていきました。その後、25年度にfは読書条例も制定して、全市を上げて読書活動に取り組んでいる先進的な読書のまちです。

 この度お聞きした「読書のまち」の取り組みのなかで、鶴岡でも参考にしたいという企画を二つ取り上げてみます。一つは、「恵庭まちじゅう図書館」の実践です。

  いつでも・どこでも・だれでもが本と出会えるまち、というキャッチフレーズで、お医者さんの待合室やそば屋さんやレストラン、種々お店屋さん、カフェ、公民館、子ども園、子育て支援施設、家庭文庫、郵便局、お寺さん、ドコモショップ、ギャラリー、美容院などなどちょっとしたスペースなどに「店長やスタツフのお気に入りの本を展示し訪れた人に自由に読んで貰う」というまちじゅう図書館企画です。

 図書館として応援していることは、「まちじゅう図書館」に参加したところのマップをつくり「恵庭まちじゅう図書館」のフラッグをつくり、参加店の書架に掲げて目印としています。紹介しおりマップには、参加店の場所・営業時間・休日・電話番号やメールアドレス等が紹介され、3行ほどのミニ図書館情報も掲載しています。

  お寺さんまで参加しています。コメント欄には、「恵庭で一番来づらくて、入りづらい図書館 !? いえいえどなたでもお気軽に。昔ながらの懐かしい絵本が並ぶお寺です。」と記載され、時間のところには「常識的な時間」とありました。

  この企画、鶴岡でもできそうです。だって庄内空港にも本コーナーがあったし、田澤稲舟の生家の木根淵医院の待合室にどっさりの本コーナーがあったし…、気を付けてみたら、まちじゅうあちこちにありそうです。

   2つ目の企画は、「子どもの読書活動を支える寄付制度」です。ただ寄付をもらえば、というケチなものではなく、「学校や保育園の図書購入費として寄付された同額を市が補助し、寄付金の倍額を配当する」制度なのでした。18年度から開始してこれまで58件、378万円の寄付があり、倍額の756万円を学校や保育園に図書費として当初予算に上乗せして配当したという全国でも例の少ない寄付制度とのことです。  「倍額を配当」は真似できないにしても、「子ども読書への寄付制度」は可能な気がします。

 鶴岡の読書のまち宣言をすすめていますが、できることから始めるとしたら、恵庭市の「まちじゅう図書館」がすぐでもできそうで、まちじゅうの本のあるミニ図書コーナーを写真に撮ってこようかなと… ちょっとわくわくしてきました。

2016年2月21日(日)

   ♪ビブリオバトル、おもしろかったー!

  第一回子どもの本学びの会が昨日2月20日(土)、小学校の先生による、授業でもやっている形を紹介していただきながら、ビブリオバトル初体験をしました。初めは、ビブリオバトルの公式ルールの説明からありました。

 @発表参加者が読んでおもしろいと思った本を持って集まる。A順番に1人5分間で本を紹介する。Bそれぞれの発表の後に参加者全員で、その発表に関するディスカッションを2〜3分行う。Cすべての発表者が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員一票で行い、最多票を集めたものをチャンプ本とする。

  講師の先生が、まず、タイマーをかけて3分間で本の紹介をして見せました。次に、参加者全員を4人ずつのグループに分けて、持ってきた本の紹介をするためのさっとしたメモ書きをします。そのメモを参考にしながら、3分のタイマーをつけて、各自が練習をしてみます。メモ書きのワークシートです。ふせんも配って、引用したい箇所に貼ります。

 

  私は現職中に気になりながらもとうとう読めないでしまっていた本で、最近ようやく読み始めたら、まはってしまった『ゲド戦記』を持って参加しました。ブツブツと小さい声で練習してみたものの、あっという間に3分がきて、まとまらないうちにいよいよグループでのビブリオバトルとなってしまいました。が何とか紹介しました。1票は入りました。

 グループでは、質問が1分です。グループ内での紹介本は、『天山の巫女のソニン』、『11ぴきのねこ』、『イワンとふしぎなこうま』この本は、『イワンの馬鹿』で知られたロシアの民話を基にしたピョートル・エルショーフ作ですが、韻を含んだ詩の形で書いた物語、新訳です。

  

 次に各グループから選ばれた方が、グループ内で、紹介の内容などでアドバイスを頂いたり、ディスカッションをして、今度は5分間の本格的なビブリオバトルに挑戦です。今度は、小さい紙に発表者の番号を書いた紙を先生が集め、チャンプ本を発表しました。『マチルダはちいさな天才』がチャンプ本になりました。

 すべての参加者と読書体験を分かち合おうとしているので、十分なフィールドバックをできるような工夫がほしい。と講師の先生からの提案で、配ったふせんに、発表者全員に対して、「どのようにしてその本が読みたくなったか」を書いて、「ありがとう」の台紙に貼って、ご本人にプレゼントされました。発表者はとても喜んでいました。

  クラスでやる場合は、45分間の1時間だけで完結するために、何日か前に予告して好きな本の準備をさせます。ワークシートに紹介メモを書き、練習時間を設け、グループ予選は3分間、読みたいと思った本を指差しできめます。その後グループ代表によるビブリオバトルを行い、クラスのチャンプ本を決めます。

 グループ代表になったバトラーにも、チャンプ本にならなかった方に対しても、大きなボードに発表者ごとのエリアにわけておき、全員が付せんにどんなところが興味持ったか、など書いて貼る。「分かち合い欲求」が高まる中で、発表者と聞き手が相互に交流する機会をつくることの大事ではないだろうかとありました。

 学校で全員参加で行うビブリオバトルの場合、否定された感が残るバトルの難しさと効果的に活かす方法を工夫する必要がありそうです。

2016年2月15日(月)

   ♪ビブリオバトル・小学校版を体験

 子どもの読書を支える会、今年最初の子どもの本・学びの会の講座は、「本の楽しみ方、選び方 〜本が読みたくなる書評合戦〜」と題してビブリオバトルの体験です。小学校でビブリオバトルを実践している先生を講師に、参加者全員がバトラーとなって、ビブリオバトルをやってみます。

 2月20日、午後1時30分〜鶴岡市勤労者会館です。ぜひご参加下さい。

 紹介したいお気に入りの一冊をお持ち下さい。どんな本でもいいです。

2016年2月6日(土)

  ♪あまんきみこさんに会ってきました!

 大阪子ども読書活動推進ネットワークフォーラムが2月4日にあり、行ってきました。午前中は、児童文学作家のあまんきみこ氏の講演でした。「今、こどもたちに伝えたいこと」と題して、対談の形でのお話。ゆったりと優しく語られる口調が心地よく、お話なさることばのひとつひとつがこちらに沁みてくるようでした。 あまんさんのお話なさったことを少し紹介します。

  満州で生まれて育った子どもの頃の一番最初の記憶について、子守歌と本を読んで貰ったことを語られ、その頃読んで貰った絵本の記憶では、母の膝に座りだっこされながら、母の読んでくれる言葉が後ろから聞こえてくる思い出がよみがえってくる、と。

 一人っ子で、幼い頃は身体が弱く、病気ばかりしていたので生きていさえすれば、という具合でとても甘やかされて育ったこと。7人家族のたった一人の子どもで、大人達からいっぱいお話を語って貰った思い出がある。祖父母は、偉い人の話が好きで、祖父は昔話、母はいい子になるお話が多かったし、叔母が2人いたが、お姫様や王子様の話をしてくれた。

 作品の登場人物について、司会の方からの質問に対し、「作者はいっぱいいっぱい思いがあって、書きたいことが溢れている。例えばラブレターを書くとすれば、相手から呆れられるほど何十通も書いて出すほどの思いがあるけれど、本になるときは、作品という一通のラブレターしか出せないで仕上げるようなもの。だから、なぜここにこの登場人物が? と問われても、自分でも説明できないわき上がる思いで書くので、答えられないこともあるのです。」

 「子どものころ、心の中でいろいろなお話や思いが広がるけれど、言葉では言えなかった。言えなかったことがいっぱい体のなかにあって、それを書いているような気がする。」 あまんさんの純な作品世界は、子どもの心を半分持ちつづけ、言葉にしているのかもしれません。

  あまんさんは1931年生まれ、八十代とは思えないほんわかとした若い可愛い雰囲気なのです。読みきかせをひとつしてくれました。『車のいろは空のいろ』のなかの「すずかけ通り三丁目」。ゆったりとていねいに読みながら、情景や松井さんの思い、タクシーのお客さんの言葉が、実際に今ここで画面でも見ているように繰り広げられるのでした。

  最後に「戦争は、どちらの国でも正しい理由があって行われます。でも絶対起こしてはいけない。起こしたら悲劇、死があるだけです。戦争を起こさないことが一番大切です。戦争を起こす理由なんて無いのだが、たくさんあるのだ」と。 満州から引き上げてくるときの凄まじい体験を直接語りはしませんでしたが、どんなに恐ろしい有様であったか、語らなくても伝わってきました。

 「子どもに伝えたいのは、人生は子どもも大人も光のなかを歩いてほしい。光のなかにいながら、影のことも思ってほしい。例えば、自分の影のことも。うずくまっている子どものことを。子どもなりにつらいことがいっぱいある。光と影があることを…。人間って素晴らしいと思う、そのことを作品のなかで感じていただければ嬉しい。」と結ばれました。あまんさんの作品はまだ読んでいない本もたくさんあります。とても読みたくなりました。

 あまんさんとツーショットを撮させていただきました。感激です。

2016年1月29日(金)

 ♪図書館の原点 「公の使命 ビジネスが浸食」

  公立図書館に民間活力を、という理由で指定管理があちこちで行われていることに疑問を持っていました。おととい1月27日の朝日新聞紙上に、福岡県の小郡市立図書館館長の永利和則氏が、図書館の民営化の問題について、スカッと発言していました。

 「図書館を指定管理にゆだねる理由は、コスト削減のためであり、民間に丸投げする自治体もある。しかし、図書館の運営は民間にはそぐわないとして、3年間民営化した小郡図書館を、市の直営に戻した経験から永利館長は、その問題となにが大切なのかを語っています。

 公立図書館は行政サービスであり、自治体の責任で設け、住民の税金でまかなわれる。地域の未来を良くし、良き市民、現場で民主主義を支える人材を育んでいくのが公立図書館の役割。学校支援と社会教育、この二つの教育分野こそ公立図書館の担うべき責務だ」と明快です。

 「民間が運営する図書館を見にいくと、雑誌販売などビジネスに浸食され、児童スペースが圧縮されていた。公立が教育の視点が抜け落ちた象徴のように見えた」、と民間委託の問題を突いています。

  税金を使って建てた図書館を、まるまる民間のビジネスとして金儲けにゆだねること事態、許されないことと思うのです。片山善博氏が鶴岡での講演で、「図書館を指定管理にすると、優秀な司書が、市民サービスのレファレンスも許されず、低賃金のただの道具として効率だけ求められることになっている。」と民間委託の危険性を指摘しています。

  永利氏は、鶴岡に5回も訪問され、朝暘第一小学校を視察されたり、講演をしています。こんなに真剣に公立図書館や学校図書館のことに取り組んでいる館長さんがいたら、素晴らしい図書館ができるだろうなと羨ましく思います。

2016年1月24日(日)

    ♪学校図書館の現状を語る会

  学校図書館法の改正もあって、学校司書の配置が努力義務となり、全国的には学校現場への配置が少しずつ増加している傾向にあります。2015年12月7日現在の文科省の調査結果では、公立小学校の配置率が54.4%、中学校が53.1%で若干増加傾向にあり、公立高等学校が、64.4%と減少傾向にあるとのことです。

  鶴岡市の学校司書の配置状況は、一応全校配置とはなっていますが、大きい学校と小・中規模の学校では、格差が大きく、なかなか難しい課題があります。子どもの読書を支える会では、子どもたちの読書環境を良くするという会の目的から、実際に学校現場の司書の方々から現状についてのアンケートを取り、勤務時間や兼務の実態について調査しました。

  そして、昨日は、その調査結果と共に、学校司書の方から直接に実態についてお話を聞く集まりをしました。様々な問題が出されました。大規模校12校については、司書資格を有する方がフルタイムで配置されています。しかし、他の30校ほどには、他の業務と兼務の形で時間も限られて配置されています。

  小・中規模校の学校司書は、給食業務と兼務の「給食・図書パート」という職名で勤務されている方、事務と兼務で休み時間に図書館にも行けないという実態など、びっくりする現状が出されました。全校配置とは名ばかりです。パート勤務のところは、2時間勤務から6時間勤務まで、学校規模で決められ、その上兼務ですから、実際に図書館の仕事ができるのは、わずかな時間しかありません。

  勤務日数も、春休みや夏休みの児童が休みで仕事ができる日は、勤務が切れていますから蔵書点検も出来ないのです。アンケート調査では、仕事内容についても答えて頂く項目で見ると、学校司書としての職務を短時間の中で何とかこなしていることもわかりました。しかし、図書館を活用する授業への支援については、図書館業務2〜3時間の学校では、殆ど関わることができない状況でした。

  学校司書がいることになっていても、殆どの時間帯で図書館が無人状態というわけです。学校の規模によって、こんなに格差があり、同じ市内の子どもたちなのに図書館サービスが受けられる学校とそうでない学校がある状態を何とかしなければと思うのです。

  市民団体の子どもの読書を支える会が、学校内の実態について、教育委員会と話し合ってきましたが、なかなか改善が難しい面があります。それでも、研修が全く無かったのが、初任者研修だけは、話合いの結果行われるようになりました。声を出さなければ、もっと悪くなる可能性があります。学校司書自身の校内での努力もあります。一人職場である学校司書にとって、そのためにも、研修や交流活動は重要です。 

  学校図書館の応援団としての市民の会ですが、多くの方に知っていただきながら少しでも子どもたちの読書環境・学校図書館が良くなればと願っています。

2016年1月21日(木)

  ♪恩師 高橋先生のこと

  先日、久しぶりで高橋先生のお宅に訪ね、なつかしい話しをいっぱいしてきました。高橋先生は、今から40年近く前になりますが、朝暘第五小学校に学校司書として勤務していたとき、図書館主任をしていました。男の年配の先生で図書館主任をなさっている方は少ないのですが、とても頼りにして、学校司書として基本的なことから教えて頂きました。

 何と言っても忘れられないことがあります。当時、本を読まない、読めない子をどう本に興味を持ち、読書体験をさせて、読書を楽しむ子に育てるかが、学校司書として大きなテーマだと考えていました。そして、不読児童対策の実践研究に取り組んだのです。本が嫌いとか本を借りないなど不読傾向の子ども一人ひとりの読書カルテを作り、担任と図書館からの働きかけと、本人の読書に関わる記録をつけていきました。

  さて、それを2年間続け、125人についての驚きの成果や 結果が見えてきたとき、「本を読む子は必ず伸びる」という実証が確信になりました。このことをレポートとしてまとめ、教職員の研究物展に出す計画を立てました。困ったのが、レポートの書き方です。図書館主任の高橋先生に教えを乞いました。

  高橋先生は、ご自身が以前に研究物展に出した大山小学校の「図書館づくりと親子読書の取り組み」の研究レポートを見せてくれてました。厚さ5センチもの分厚いレポートに驚きました。レポートのまとめ方、箇条書きの番号のふり方、写真や図の効果的な入れ方など、懇切丁寧に教えてくれました。

  全て手書きの時代です。一枚一枚書いては先生に見て頂く、一緒に取り組んだ担任の先生からも資料やコメントをいただき、グラフを作り、写真を貼り……。秋から一冬かけての大作業でした。パソコンで印字していく今と違って、一行直すには、切り貼りするか、その一ページ全て入れ替えとするしかありません。

  私も大変でしたが、添削してもらい、教えていただいて直したものを毎回持って行ってはまた見て頂くという高橋先生こそたいへんだったことでしょう。担任を持って学期末の超忙しいときも、「あんたも頑張るのー」と言いつつ迷惑そうにもせず、直ぐに読んでくれて、いいレポートができるように指導してくれました。

 そして、この「読書の喜びを全ての児童に 〜不読児童へのとりくみ〜」と題した実践レポートは研究物展で最高賞を受賞しました。この後、学校司書が研究レポートを出したことで、いろいろな波紋もあったのですが、高橋先生が盾になってくれました。高橋先生は、まさに私の恩人、恩師であります。拙著『夢を追い続けた学校司書の四十年』に、このあたりのことを記しましたので、読んでしただければと思います。

  高橋先生に先日伺ったとき、お年を聞くと89歳とのこと。朝3時に起き出し、執筆の時間にしているそうです。代用教員時代、低学年の子どもたちをどうしたら静かに集中して授業を聞いたりおとなしくしてさせたられるのかと悩んだ末、昔話や物語を語ってやると効果あることをつかみ、毎日語ってやったそうです。絵本の無い時代です。

 「物語を聞いているときの子どもの真剣さ、集中力はすごいもんだ」と。それ以来、語れるお話を増やし、「帰りのしたく早くできたら昔話を語るぞー」と一言言えば子どもたちはたちまちランドセルを整え、立派にして先生のお話を待つ。うるさい子がいれば、「早くして昔話きくなだぞ」と互いに注意し合って、お話が始まるのを待つのだったとか。

 そういえば、高橋先生の担任した子どもたちは、実に子どもらしくて、仲良くて、いい子たちだったなあ。子どもたちに伝えたいことを昔語りの中で、ゆったりと楽しみながら語っていたのだと。それって本を読む子が豊かに自ずと伸びていくのと同じことだったと今さらながら思います。

 そうして語ってきた昔話が200話以上。それを息子さんが本にまとめるというので、早朝の執筆の日々となっているのです。お孫さんに美術をしている方もいて、さし絵も付けるそうです。高橋先生の特技はまだまだあります。代用教員や師範時代から始めた演劇活動のために作成したシナリオも相当数あり、それも本にまとめています。

 高橋先生は、老いてなお忙しい日々を過ごしています。身体は活発にとはいかなくなっても、口だけは元気だから、と親しくしていた方が訪ねてくるのを何より楽しみにして、楽しい話しを聞かせてくれます。

2016年1月16日(土)

   ♪図書館を活用して英語の授業

  様々な地域から、学校図書館に関わることで呼ばれると、都合さえつけばできるだけ伺うことにしています。もう現職を離れてから大分経ちますが、少しでも私で役に立つことがあれば、という気持ちで出かけています。

  ところが、出かけた先で、研修会の講師など何か話しはしますが、逆にこちらの方で学ぶことが多くて、遠くに出かける苦労も帳消しどころか、返ってありがたいと思うことがあります。それに、その地域の学校図書館の活性化をすすめている熱心な方々との関わりがとても嬉しいですし、勇気をいただきます。

 先月12月半ばに、高槻市で二つの学校の図書館の大改造を行ったのですが、第十中学校の英語の先生の調べ学習を取り入れた授業の実践を聞き、「おおー!英語科で調べ学習?」とびっくり。授業をされた先生から直接聞くこともできました。これがなかなか斬新で、素晴らしいのです。許可を得ましたのでここで紹介します。

  外国の人に日本の文化や観光地など、日本を紹介するという授業の形です。まず、落語とか神社、漫才、能、まんが、七夕、着物やゆかた、正月のおせち、お花見、観光地など日本ならではの文化のテーマを一人ひとりが決め、図書館で調べます。例えば「いただきます」は日本にしかない文化だとか。英語には無いそうです。それらの調べメモを基にまず日本語で相手に説明をする文章を作ります。

  生徒たちの調べメモを見せていただきましたが、さすが中学生、図書から調べた内容を上手に図解したり簡潔な文章でうまくまとめています。調べる本も何冊も使い、深めていました。

  次に紹介文を英文にするのですが、単語は35程度でおさめるという制限もあります。さて、英語にしたら、二人一組になって、英語のスピーチを聞いて貰い、感想、反応を聞きます。「何言ってるかわかんない」、とか「そこくどい」とか。この二人が仲が良くなっていくという姿があったとか。苦労しながら辞書と首っ引きで英文にしていく過程も大変だったでしょうが、きっと楽しんで学習しているような気がします。

  新学習指導要領では、全ての教科で「言語活動の充実」が重点になっていますし、児童生徒の主体的、意欲的な学習活動を図書館を活用して…とありますが、中学校の現場では、教科学習の中ではなかなか進んでいない現実があるようです。それでも、英語科で、図書館での調べ学習を取り込んだ授業を工夫して、生徒達がいきいきと取り組んでいる新しい授業スタイルに感激です。これを広めたいものです。

 先日、和歌山県に行ってきましたが、有田市の保田中学校では、図工科で、平和について考え、図書館で調べ、絵にして表現するという授業に取り組んだ事例をお聞きしました。先生達が図書館の活用を意識したら、もっともっと主体的、探究的な工夫した授業がたくさん出てきそうです。

2016年1月1日(金)

     ♪あけましておめでとうございます

  新しい年がめぐって参りました。いかがお過ごしでしようか。私は、お正月の準備がほぼできた年末31日の昼頃から熱が出て、寝込んでしまい、とうとう寝正月になってしまいました。夕方にようやく起き出し、おせちなどを食べて何とか復活しました。

 我が家には、孫達が賑やかにあつまり、笑い声が溢れています。元旦が誕生日の孫もいて、ハピバースディの歌やケーキを食べて元気になりました。やれやれです。そうそうこの夏に孫がもう一人誕生予定とのめでたい報告がありました。不穏な気配ただよう世の中の動きですが、なおのこと平和であって欲しいと願うところです。

  孫達がテレビ・ゲーム・スマホにほろけている日常に不安を感じていましたが、『メディアにむしばまれる子どもたち〜小児科医からのメッセージ〜』(田澤雄作・教文館)で一層その思いを強くしました。田澤氏の著書『いま、子どもたちがあぶない!』(古今社2006)を読んでゲーム・スマホの子どもの育ちへの怖さは警告されていましたが、あれから10年経って、子どもたちの育ちの尋常でない事例の多さと広がりにぞっとしてしまいました。

 過剰な映像メディア漬けがもたらす四つの弊害をこう述べています。第一は、「親子の絆が希薄なまま時間が過ぎていく」こと。第二は、「社会力の土台が形成されない」こと。長時間テレビ・ビデオ・ゲームで過ごす子どもは、大人のふるまいや現実世界を見ておらず、ままごとや「ごっこ遊び」もせず、大人をまねて社会性を身に付けて、大人になるための社会力の土台が形成されないことです。

  第三は、「心の発達に遅れが生じる」こと。人間の脳(こころ)は、現実体験を重ねることによって成長・成熟していきます。身体は年齢相応に成長しても、心の発達は追いつかず心は幼いままで、気持ちを表現できなかったり、他者の気持ちを理解できない若者が増えています。

 第四は、「言葉の発達」の問題です。自分の気持ちを伝えられる、相手の気持ちが分かるという基本的なコミュニケーションを可能にするためには、事柄を「言葉」として認識できるかどうか「言葉の発達」が重要。同時に人間としての社会性が育つかどうかです。しかし、過剰なメディア漬けの環境のなかで「大人になれない子ども」が育っていること。

  読書をいくら連呼しても子どもたちが熱中している「テレビ・ビデオ・ゲーム」には勝てません。しかし、ゲームを買ってやるのは大人です。その大人が、メディア漬けに対して気づいていない現実の怖さです。もっと世論を高めていくしかないのかもしれません。

2015年12月13日(日)

   ♪「読書のまち 鶴岡」宣言の請願のゆくえ

  鶴岡を読書のまちに、と鶴岡市議会に請願書を提出しました。請願の審査が市民文教常任委員会で行われました。紹介議員による請願主旨の説明と質疑応答がほぼ1時間に及んで行われた後、継続審議が全員一致で可決されました。

  市民からの請願は、殆ど採択されることが無いという保守的な市です。不採択にならなかったのは、市民の約一割に当たる一万三千余の賛同署名の後押しでしょう。署名して下さった多くの皆さんに感謝です。

   ♪大人の「読みあい」

 先月、宮崎市での研修会の最終日、サタディースタディー(通称サタスタ)という自由参加の研修があり、「読みあい」の実際をやってみることにしました。「読みあい」というのは、村中李衣氏の提唱で始まった絵本の読みきかせのひとつです。

 ペアになって、相手の好きなこと、気になっていることなどを聞き、「出あいシート」に書き、それをもとに相手にふさわしい絵本を選んで読みきかせを互いにする。読み終わった後は読んで貰った感想を伝え「読みあい」に記入して交換するという取り組みです。

 これを今まで4年生や5年生のクラスで何カ所かやってみたのですが、自分のために選んだ本を読んで貰うという幸せ感に、子どもたちの満足そうな表情が忘れられずにいました。

 宮崎市では、教師や図書館関係者、大学院生や一般の方も加わって、子どもと同じく知らない者同士からペアを組んでもらい始めました。まず初めは相手について伺います。これが、ホントに初対面の人同士? と思うほど親しげに、自分の人生やら家族のあれこれやらを語り、実に楽しそうなのです。時間配分はだいたいの目安はありましたが、この語り合いが止まりません。聞いて貰う嬉しさ、語る喜び…そんなひとときかもしれません。

  

 次は絵本選びです。県立図書館が会場でしたから、50人に対し150冊も準備してくれましたが、みなさん真剣に吟味しなかなか決まりません。それでも何とか一冊を選び、事前に読みの練習、ここも子どもの場合と同じ流れでやって頂きました。

 

 そして、いよいよ読みあいです。読む場所は、会場と廊下も使えます。自由に選んでいただき読み始めました。読んもらうってこんなに嬉しいことだったのかと思うような、いい表情で楽しんでいます。そして、読んだ後の語り合いが続きます。

   読んだ後も話し込んでいます。

 読み終わった後は、感想を書きますが、読みあいをした後も語り合いがなかなか止まない皆さんを呼び集めて、次の段階の「読みあいシート」に書いて交換し合いました。

広い廊下に椅子を出して雰囲気づくり…

 最後に感想をいただきました。「読みあいとはどんなものかと思ったが、、わずかな時間で私を理解しようとしてくださって、それをもとにし、私の大切にしているものをくみ取って本を選んでくれた。幸せな気持ちにさせてくれました。」

 「今日は、参加できたことが、幸せなことだった。そう考えることが大切なことだと、それで、今に感謝している本がないかと探したら『わたしはほんとうに運がいい』があったので読んだ。いろいろな視点で絵本を選ぶことは、中学生を相手にした仕事なので、中学生にも十分できると思った。」

 「読んで貰うことがこんなに幸せな気持ちになるとは…」、と参加者のみなさんの感想だったようです。人と人との関わりが難しいと言われるこのごろです。クラスの中の空気まで変えてしまうような、絵本を介在したやさしい心の交流のひととき、絵本の持つ力がきっと役立っているのではないでしょうか。

2015年12月7日(月)

    ♪ご無沙汰しておりました。

  冬支度も一段落、すっかり寒冷地仕様で過ごしています。皆様いかがお過ごしでしょうか。あわただしい日々ですっかりご無沙汰しておりました。書きたい素材がたまる一方ですが身も心もなかなかここには向かえない状態でした。失礼しました。近況報告から…

 11月は、19日から宮崎県へ3日間、27日から大分県に3日間、それぞれ研修会があり、出かけておりました。その間、「読書のまち 鶴岡」宣言をすすめる会で鶴岡市議会に読書のまち宣言の採択を求める請願の提出の準備におわれていました。

  請願と共に提出した賛同署名は、何と13,211筆となり、鶴岡の人口が13万2千ほどですから、約一割の署名が集まったことになります。請願を市議会に提出し、9日水曜日午前10時から、市民文教常任委員会で請願に対する審査が行われ、不採択か、継続審議か、採択かが決まります。常任委員会には傍聴が出来ますので、ご都合つく方は9日当日、10時前に市役所2階の市議会事務局に申し出てから傍聴していただければと思います。

   ♪高校の学校図書館の取り組み例

 宮崎県での研修テーマは「児童生徒が本好きになるための秘訣」。小・中学校の場合であれば、少しは事例を挙げながら提案できるものもありますが、高校図書館の勤務経験も無いし、はて? と考えました。文献もあさりつつ、ここは餅屋はもち屋、地元の3人の高校の学校司書さんにいろいな高校の実践例を上げて頂きました。

  司書さんに伺ってみると、貸出冊数や本好きな生徒を育てるというより、探究的な学習をどう増やすかという取り組みに力を入れているので、読書推進だけが中心課題にはならないという高校もあり、学校図書館が進化している時代に入ったと実感。なるほどです。

 少し前iに『図書室のキリギリス』(竹内 真著・双葉社)を読みました。バツイチになったのを機にひょんなことから高校司書の仕事に就く。戸惑いつつも次第に生徒達との関わりを通して学校図書館にはまって…。なぜあの生徒はしょっちゅう書架の本を物色ばかりしているのか?前任司書がなぜ突然辞めたのかなど、途中謎めいた出来事を推理しつつ、本を介在して解き明かされていくどきどき感もあったり、高校図書館の空気がなつかしくなるような、そんな興味深い物語でした。

 『図書室のキリギリス』

  物語のなかで、「ブックマークコンテイト」(本の紹介しおりコンテスト)とか、図書委員による「ブックトーク」が出てきたり、「ブックテーブル」(テーブルごとに置いた本をテーマに読書会)など、図書委員による様々な企画が展開していくところもなかなかです。

  さて、高校図書館の取り組みですが、ちょっとした工夫の例を並べてみます。

★子ども読書の日(4月23日)に1時間学活の時間を使って担任も一緒に読書をする学校。こちらはちょうど桜の季節、桜の木の下で読書というクラスもあったり。

★学校司書の進める本を、司書の研修会の日にA5にカラーコピーして、各校に配り、「司書のすすめる本」コーナーに、どの学校でも同じ本を紹介している工夫。これ、なかなかのアイデア。

★「読書おみくじ」をつくり、引くと大吉や小吉のくじに、「小吉のあなたにこの本がおすすめ…」などと本の紹介が書かれている。意外と人気だとか。やってみたいな

多読書賞にブックカード(予算はPTA費らしい)プレゼントの賞欲しさに本を借りては読みしているうちに、火が点いたように読み続けている女の子がいた。読書のきっかけっていろいろ有りでいいですよね。

★小・中時代ではさほど本を読んでこなかったけれど、高校の図書館からは、新刊案内とか様々な本の紹介が次々とあって、いつの間にか読書にはまっていたという大学生からの体験談を聞きました。

書架の空きスペースに本の面だし展示、意外と注目されるし借りられるとか。センス次第かな。

★短期ミニ特集展示を各所で…例えば展示特集の例としては、「空を見よう」「地元作家の特集」「ミステリー特集」「修学旅行」… 常設にしないで、短期間で変えることがコツとか。

★近くの小学校や学童に行って読みきかせ活動をしている高校は、その実践も含めて「読書活動優秀実践校の文科大臣賞」を受賞した。 

などなど、高校もいろいろな活動ができて楽しそうですね。

2015年11月14日(土)

   ♪ましませつこさんのすてきな講演会

  子どもの読書を支える会の第12回総会が先週日曜日行われました。支える会が発足したのは2003年の10月です。あれからまる12年が経ちました。総会の記念講演は、鶴岡出身の絵本作家ましませつこ氏。ましまさんは、支える会の顧問にもなっている大事な方です。私たちの会にお呼びしてお話していただくのは、4回目です。

  演題は本を通して子どもたちにつたえたいこと」。 ましまさんは以前、「故郷の鶴岡の方から呼ばれると何はともあれ行かねばと思うのです」とおっしゃっていましたが、この度も「鶴岡の秋もいいかな」と、快諾していただき、お話を伺うことができました。

 

  戦後70年の今年、戦前のことから語れる者として、戦中・戦後の鶴岡のこと、育った家庭や家族のことからお話してくださいました。ちなみにましまさんのお父様は、鶴岡の文化を育て支えてきた有名な方です。

 小さい頃の体験が、その後の絵本作家としての原点であったこと。戦争中は何も無くて、絵本も食べ物も不足していたが、庭に鶏やいろいろ飼い育てていた。アンゴラウサギも飼って、毛を刈りとって毛糸と交換してもらったこと、その毛糸で編んだセーターの思い出も…。

 庭に花壇にする場所を、兄と弟と三人分それぞれ分け与えられ、機械好きな兄は球根を植えて世話をしなくても自然に出てくるのを待つだけ。私は花を植え、花のつぼみの美しさに感動して写生をしていました。それがきっかけで、近くにいる美術の先生の斎藤求先生に絵を習いにいくことになった。下の弟は、さんざん考えていつまでも土のまま。そのうち花壇に一本にょっきり木を植えただけ。この弟が将来造園士になったのです。親は子どもの才能を育てることも考えていたのでしょうね。

 父が文化運動をしていて、新劇をしていたことから戦時中つかまったこともあったし、新劇をしていた方をかくまって助けていたこともありました。家には、俳優や地域の文化運動をしている方々がよく見えられていましたし、滞在していることもあり、その方々との関わりも思い出としてあるとのことです。

 小さい頃の体験が絵本づくりの元になっているというお話は興味深く、三歳の時に着た赤い着物が嬉しくて、頭に残っていたのでしょう。最近作の『さくらひらひらとんぴんぴん』のなかで、女の子が着ている着物が偶然にもこのときの着物の柄とそっくりなのです。この時の着物は、すでに他の方に渡っていると思っていたのでしたが、と、実家の蔵から見つけてきた子どもの着物を見せてくれました。

 

 もっと素敵なお話をたくさんして下さいました。ましまさんは70代後半ですが、かわいらしい少女の雰囲気がそのまま漂う可愛い方です。絵のなかの子どもがそのまま年を召したような方です。温かい絵本のなかに遊びにいったかのような、嬉しいひとときの講演会でした。 

2015年11月10日(火)

   ♪芸術の秋 「長月の会」、朗読発表会

 半年ほど前から、ひょんなきっかけで朗読集団「長月の会」に加わって、朗読のなんたるかも分からないまま「読み」のまねごとをしています。そして、恥ずかしながら先日朗読発表会に出ることとなったのでした。

 自分の出来はともかく、素敵な朗読会でした。会場は、昔の豪商の住まいをリニョーアルした「江鶴亭」の二階。和室4部屋を開け放して、床の間の前に四季の屏風を立てて舞台に見立て、雰囲気は江戸時代情緒たっぷり。読む作品は、宮部みゆき作「器量のぞみ」と「鬼子母火」どちらも時代も背景も江戸の物語。 賛助出演していただいたのが琵琶の名手、市川清治氏の琵琶演奏ですから、なおのことです。

  

 出演者は長月の会のメンバー10人と賛助出演の琵琶奏者の合わせて11人。聞きにこられる方々も年配の方も多いので、パイプ椅子を畳の上に絨毯やござをしいた上に配置し、お茶とお菓子の準備もあり、みんなで力を合わせて周到な準備の有様にただただ感心していました。上と下の写真はリハーサルと準備の様子です。

   

 私は写真係でしたが、前半は撮していたのに、自分の出番の後は、パカッと抜けてしまって、他の方の朗読にただ聞き惚れて、肝心の本番を撮さないでしまったというぬけ作をしてしまいました。「鬼子母火」は、琵琶との共演があったのに…です。

  

 今年で7年目の朗読会だそうで、毎年聞きに来る方が次第に増えて、準備した椅子が足りずに、お客さんが来始めてから追加椅子を置いたり、お菓子とお茶のお盆を増やしたり、楽屋裏はてんやわんやでしたが、朗読は、さすが見事なもので、お客様を物語の世界に浸らせてしまいました。

 長月のメンバーと記念写真

 私もいつかこんな朗読ができるようになりたいものだと…。 でも小学校での読みきかせが少しいい感じになってきたかも、なんてね。

2015年11月3日(火)

  ♪「読書のまち 鶴岡」宣言の請願に向けて

  あわただしく過ごしているうち、半月もご無沙汰して失礼しました。「読書のまち 鶴岡」宣言の請願の採択を求める署名活動に向けて、文字通り奔走していました。今年7月に片山義博氏をお迎えして、「読書環境と知の地域づくり」と題してご講演いただき、この時に鶴岡を読書のまち都市宣言をするための署名活動を始めることを表明しました。

  「読書のまち 鶴岡」宣言をすすめる会を立ち上げたのが今から4年半前。当初は、市議会で賛同得られるものと考えていましたが、市民からの提案はそう簡単ではありませんでした。ほぼ5年間研修会やセミナーの開催、新聞紙上での「私と読書」リレーエッセーは200人にバトンされ、その出版が2冊、そして、毎年欠かさず講演会を開き、「読書のまち」について活動を行ってきました。

 いよいよ今年の12月市議会に請願を提出という段階にこぎ着けました。鶴岡は元々「読書のまち」と言っても認められるほどの読書文化都市です。しかし、市民の側からの「読書のまち」の提案が、市民の皆さんからどれだけ賛同が得られるのか皆目検討がつきませんでした。署名活動などと政治的な色合いの運動をするのもいかがなものかと、さんざん迷い、試行錯誤の末に署名を始めました。

 それから4ヶ月、「読書のまち?それはいいんじゃないの」、「読書のまちって別に反対する人もいないよ」、頑張れと励まされたり、予想以上に広く賛同の署名が集まってきて、現在8000筆ほどです。集約締め切りは、今月15日ですが、一万筆も集まればと、期待しています。市内書店やNHK文化センター等に署名用紙がありますので、今からでも間に合いますので、署名をお願いします。

  いま、読書週間に合わせて、荘内日報では、鶴岡市内の読書活動をしている11団体の活動を紹介しています。一回目は、「子どもの読書を支える会」の12年間の活動の様子を。二回目は「温海絵本読み聞かせ隊ポッケ」の13年間の活動展開について。三回目は、朗読集団「長月の会」の平成20年発足以来続けてきた朗読会の紹介。四回目は、「鶴岡藤沢周平文学愛好会」18年間の歩みを紹介。五回目は、藤島地域の読みきかせサークル「おはなし玉手箱」の24年間のたゆまない活動を。6回目は、鶴岡市内の読書文化を支えてきた「鶴岡書店組合」の昭和5年発足以来の衰勢を語り、現在この連載はまだまだ続いていきます。

  これらを読むと、鶴岡は、まさに「読書のまち」なのだと我が町ながら感心してしまいます。読書のまち宣言の請願を実現して、行政も市民も共に、まずは鶴岡にふさわしい読書のまち宣言の草案を考えるところから始めて、「読書で元気なまち」づくりをスタートさせたいところです。

2015年10月18日(日)

     ♪朝の読みきかせ、『おおきなおおきな木』

 近所の小学校で朝の読みきかせボランティアを始めて8年になります。初めは、ボランティア立ち上げに頑張りましたが、今では、現役の保護者が中心となっているので、人が足りないときの助っ人要員としてお呼びがかかったら参加する気楽な立場での参加です。もっぱら低学年担当にさせていただいていますが、先日2年生の読みきかせがありました。

 我が家の絵本棚で見つけた『おおきなおおきな木』(よこたきよし著・いもとようこ絵・金の星社)。自分で購入した記憶が定かでないので、多分娘が買った絵本らしい。子ども達には始めて読むので、何度か声に出して読んでいるうち、これって大人の絵本かなあ、と思いつつやっぱり2年生にも読んであげたい気持ちになってきました。

 「ねっこさえしっかりしていれば、えだをひろげて はなもみもたくさんつけることができる。ねっこはだれにもみえないけれどね…」。おおきなおおきな木の穴のなかで見た夢の中、老いた木が旅人に語ることばです。2年生たちには、ピンとこないかもしれない。

 最後のページのことばは、「さいごのきのみは、わかもののうちのにわで めをだしました。『おおきな木になるためには、しっかりねっこをはらなければならない』おおきなおおきな木のこえがきこえてきます」。… おしまい。……みんなのねっこってなんでしょうね。と本を閉じながら、つい無粋なことを言ってしまった。担任の先生はにっこりほほえんでいました。 年のせいか、どうもくどいもの言いをしていまうのを嫌っていたいたはずなのに…。

  この本の読みきかせの前段は、さんざん迷ってから『ふたりはいっしょ』(アーノルド・ノーベル作・三木卓絵・文化出版局)のなかの「はやくめをだせ」にしました。がまくんとかえるくんのお話は、1年生の教科書の最後に載っていますから、馴染みの登場人物、小さい寸法の本だし挿絵的な絵だけれど、楽しんでお話のなかにすっと入っていくのがわかりました。がまくんとかえるくんって、この子達と精神年齢が同い年かもしれないですね。

 読みきかせって、やっぱり楽しいけれど、毎回どきどきです。

2015年10月10日(土)

  ♪『永遠平和のために』カント著

 子どもの読書を支える会の定例会、「絵本でテイータイム」のときに、絵本ではないけれどと2冊の本を紹介してくれた方がいました。哲学者カントについて、その生活ぶりや就職活動やらお金のこと、友人とのことや老いなど単なる伝記ではない興味ぶかく書かれた『カント先生の散歩』(池内紀 著・潮出版社)と『永遠平和のために』(エマニエル・カント著 綜合社発行)です。

  

 哲学者カントの名前は知っているものの、その著作を開いたことも無いが、その友人の書評に誘われ、借りて読んでみました。200年以上も前の暮らしぶり、その時代の学者先生の日々の様子や友人関係、人柄がいまそこにあたかも居られたかのようにえがかれていました。彼の哲学に対する著述内容にはほとんど触れていません。が、ただ一冊、言及している本がありました。

  フランス革命を体験し、その後の政治の混乱と相次ぐ戦争と経済の不安定、困窮する庶民の有様を目の当たりにしたカントは、検閲の目を意識しつつ70歳にして薄っぺらな本を出版します。それが『永遠平和のために』。当時の不穏な社会情勢のなかで、大胆な提言と為政者への意見を述べているのです。

 2007年に“16歳からの平和論・この小さな本から「国連」や「憲法第九条」の理念が生まれた”のキャッチコピーで、わかりやすい平易な言葉で訳し、高校生でも読める一冊にまとめたのが、この本。カントの言葉が1ページ2行〜数行、あとは全てのページが、世界各国の庶民の写真や景色、言葉を象徴するような写真です。後の半分に翻訳全てと解説が掲載されています。

 「じっと世の中を見てきた老哲学者が、やむにやまれずペンをとった。哲学ではなく、平和を語った。いかにすれば地球上から戦争をなくすことができるの。」帯に記されている。内容の一部を引用します。

戦争状態とは、武力によって正義を主張するという悲しむべき非情手段にすぎない。

国家は所有物でも財産でもない。国家は一つの人間社会であって、みずからで支配し、みずからで運営する。みずからが幹であり、みずからの根をもっている。

いかなる国も、よその国の体制や政治に、武力でもって干渉してはならない。

殺したり、殺されたりするための用に人をあてるのは、人間を単なる機械あるいは道具として他人(国家)の手にゆだねることであって、人格にもとずく人間性の権利と一致しない。

国の軍隊を、共通の敵でもないべつの国を攻撃するため他の国に貸すなどということはあってならない。

行動派を自称する政治家は、過ちを犯して国民を絶望の淵に追いやっても、責任は転嫁する。

戦争を起こさないための国家連合こそ、国家の自由とも一致する唯一の法的状態である。

 これが200年前のいち哲学者によって提言された平和論であることに驚く。今日の社会にもちっとも古びていないだけでなく、あまりにもぴったりと当てはまるのです。

2015年10月4日(日)

    ♪脇明子氏の研修会・講演会

  鶴岡で読みきかせの勉強会を続けている「サロンおはなしの部屋」の主催で、脇明子氏(ノートルダム清心女子大学名誉教授)の研修会と講演会が、10月2日と3日の2日間行われました。 2日は、絵本の善し悪しを見分ける研修会、3日は、午前が「生きる力を育てる絵本選び」、午後は、「読む力が未来をひらく」講演会でした。

 講演会のチラシに、私たちは子どもたちにどんな本をどうやって手渡せばよいのでしょうか。の問いかけ。10年ほど前にも、お聞きしたことがありましたが、時間をやりくりして参加しました。学ぶことがたくさんありました。

 「本を読む力」はなぜ必要か。「話し言葉」 と「書き言葉」の違いは、「書き言葉」以前には、抽象概念やカテゴリーはなかったこと。現代文明は「書き言葉」で発達し、日本の文化の発達を可能にしたのは「和紙」と筆の文化であり、江戸時代も識字率が高かったこと。

  しかし、いま子ども達は「書き言葉」の世界から脱落しかかっている、と言います。確かに活字離れの傾向はあります。顔文字や決まり文句、しゃべり言葉で通信しあい、まさに「書き言葉」の要素が激減しています。だからこそ、本を通して「書き言葉」の世界に導き入れる努力が必要であると。

  絵本の読みきかせから、「物語の本を自分で読む」までのステップは、興味深いテーマです。昔話に近い創作物語を読んでやってこそ、本の力が伝わる。というお話はナットクです。しかし、読むのが苦手な子に、どのようにして自立して読む子に出来るのかは、やはり学校現場の先生の方が説得力があります。

  学校でやりがちな「何でもいいから、たくさん読みなさい」など丸投げは厳禁。冊数競争は絶対ダメ、というお話は、確かにそうですが、「一人ひとりに選んでやる」、選本の手助けが大事といわれても、毎日200〜300人以上もの子ども達が殺到する学校図書館の様子は見たことがないのかな…。

  子ども同士が互いに読んだ本で情報交換しあって読みたい本を選んでいる様子も見て貰いたいなぁ、と思いました。子どもはいろんなきっかけで本と出合うのです。そして、乱読のなかで、興味有る本、いい本を探り出し、読む力を付けていき、選本の眼力もつけていく。大人の視点で選んだ本を与えることだけが最良とは思えないのですが。

  「読書の意味」のお話で、本を読むことのプラスアルファーの第一は、楽しく本を読んでいるときは記憶力・思考力・創造力がフル回転している状態。読んだことが、自分の体験に近いものになり刻まれること。読書のプラスアルファーの第二は、想像力がリアルに働く段階になってこそ、感情移入が可能となり、自己認識力(メタ認知能力)が育つ。読書のプラスアルファーの第三は、よくできた物語だと、「話し言葉」に近い部分に助けられて、抵抗なくお話の世界に入っていける。物語で「書き言葉」に親しめば、書くのがラクになる。ナルホドです。

 物語での間接体験でとりわけ重要なのが、逆境と不快感情の体験。主人公の逆境に感情移入して一緒に乗り越え、成長の喜びをかみしめる体験は、現実の逆境に立ち向かうときの力になる、という話しは、本当にナットクです。

 いま、子ども達は寒さや暑さ、苦しい体験が少なくなっていることは確かです。楽なことを良し、とする風潮のなかで、苦しさに耐える力を何で得られるのだろう、と考えると物語を読む重要さが増していると思うのです。

 紹介された本の殆どが外国の物語であり、我が子が子どものころに読んだ本や脇さん自身の子どものころに出版された本かそれ以前の本でした。日本の作家の物語や最近出された本の中にも優れた作品が多いのにな、紹介してほしいなとちょっと不満。また、女の子が主人公という物語の事例が多い傾向に対し、後で質問されていました。

 紹介された本で、図書館に探しに行こうと思うのと、買わなくてはと思う本が増えました。読書の秋です。

      2015年10〜12月