裏銀座縦走
烏帽子岳 2628m 2005年7月23日
水晶岳 2978m 鷲羽岳 2924m 2005年7月24日

ちょうど1年前に表銀座の縦走路から見た裏銀座の稜線がとても魅力的だった
「来年は裏銀座を歩こう!」と決めていたのである。

ムーンライト信州のグリーン車に乗る。梅雨明け直後の週末なので指定席は
満席でした。チューハイ飲んで爆睡!目が覚めたら塩尻に着いてました。
松本でかなりの人が降りたが、接続する「急行ちくま」からいっぱい人が乗って
きた。降りる人と乗る人同数くらい。
そして信濃大町で下車、改札を出て目の前がタクシー乗り場でタクシー会社の
おじさんらしき人に「高瀬ダム!」と伝えるとすぐに相乗り相手を見つけてくれた。
1台に3人乗り出発、途中の七倉にあるゲートで登山計画書を書かされる。
自宅で書いて来た計画書を提出する。
相乗りしたうちの一人は今日中に野口五郎小屋まで行くらしい、もう一人は
烏帽子小屋泊まりと言っていた。テント泊は自分だけである。

タクシー代は割り勘で2500円少々、高瀬ダムに着くと野口五郎まで行くと
言っていた人は早々に出発、もう人はのんびりと景色を見ていた。
テント泊のため重たい(18キロ)ザックを背負い出発する。(テントの割には軽い?)
奥のトンネルをくぐる

薄暗いトンネルを出ると長い釣り橋を渡る。「仮登山道」と書かれた砂地を歩く
非常に歩き辛くかなり体力を消耗してしまった。そして北アルプス三大急登の
「ブナ立尾根」登山口に到着、最後の水場で水を汲み1キロ荷物が重くなる。
今日のゴールは烏帽子小屋なので「ゆっくり登ろう!」と思いながら登り始める。
ここがブナ立尾根のスタート

ゴールの烏帽子小屋までを12分割し番号が書いてあるので試しに通過タイムを
記録してみる事にした。下の表がそのタイム。
ゆっくり登ってるつもりなので、かなり時間が掛かると思っていたが、すぐに11に
到着する。そして同じような時間で10に、そんな感じで登り途中2回ほど休憩をとり
烏帽子小屋に到着する。終わってみれば3時間20分しか掛からなかった。
ゆっくり登ったのが逆に正解だったのか、辛い登りではあったが、ほとんど
バテる事も無く登りきれた。

ブナ立尾根登りタイム
スタート 6:20
11 6:35
10 6:50
9 7:02
8 7:13(11分休憩)
7 7:34
6 7:54
5 8:13
4 8:32(6分休憩)
3 8:57
2 9:12
1 9:27
ゴール 9:40

烏帽子小屋でテントの受付をしてテント設営、しばらく休憩したあと烏帽子岳に
行ってみる。途中コマクサが咲いていた。前(ニセ)烏帽子岳を越えると烏帽子岳が
現れる。
烏帽子岳

一旦下ると船窪岳方面の分岐があるので左折、頂上に近づくとクサリ場が
ありそれを超えると山頂に着く。誰もいないので山頂独占し反対側をのぞいたり
してしばらく休憩。
烏帽子岳山頂

烏帽子小屋のテン場に戻りゆっくりする。気が付いたら昼寝をしていた。
午後6:50に小屋へ天気予報を見に行く、明日は前半ほど天気が良いようなので
速攻寝て3時半起床、テントから出ると星が見えていた。

5時出発、三ツ岳の登りになる。烏帽子小屋から見ると急な登りに見えるが
実際はそれ程キツく無かった、眼下は雲海でした。
表銀座方面の景色と雲海

登りきると、待ちに待った稜線が始まる。天気もまずまずで景色を楽しみながら
野口五郎小屋を目指す。水晶岳や鷲羽岳はまだ遠い。
小屋に着くと布団干しを始めていた。ポカリを一缶飲んで山頂へ向かう。
野口五郎小屋

ひと登りすると野口五郎岳山頂に着く。かなり広かった。


右に五郎池を見ながら真砂岳方面へ下る。ここから東沢乗越まではアップダウン
の連続でかなりキツイ登りもありる。やせた尾根ではハイマツにトラロープが張った
だけの場所もあり慎重に歩く、最後は水晶小屋にかけての急登をどうにかのぼる。
水晶小屋、小さい!

ザックを置かせてもらい空荷で水晶岳へ向かう。だんだん雲が迫って来たのが
判ったので急いで登るがここまでの疲れが出て思うように先へ進まない。
どうにか視界の良いうちに山頂へ着きしばし休憩、4方向山ですばらしい景色でした。
水晶岳山頂

水晶小屋へ戻る。途中からガスになり展望がなくなってしまった。ある意味ラッキー
だったが、これから向かう鷲羽岳は完全にガスの中のようだ。
水晶小屋では慌てて屋根に干してあった布団取り込みを行っていた。

ガスの中をワリモ乗越へ下り、また登りになる。「これを登れば鷲羽岳だ」と思いながら
やっとの思いで登り切るとワリモ岳だった。ガスで見えないのと自分の勝手な思い込み
ではあるがガッカリ!気を取り直し、一旦下ってまた登ると本当の鷲羽岳へ着く。
ガスでまったく展望無し。
鷲羽岳山頂

浮石の多い道を注意しながら今日の最終目的地の三俣山荘に向かう。
ジグザグの道で「登りは辛そうだな」などと思いながら下る。
山荘に着いてテントを張りビールを飲んでいると雲が切れて鷲羽岳が頂上まで
見えた。タイミングが悪かったようである。
鷲羽岳とマイテント シュラフ干し中

テン場では近所のテントの人と色々話をする。一人は黒部五郎から来て、水晶小屋
から読売新道へ行くと言っていた。もう一人は同じく黒部五郎から来て双六小屋
を経て笠ヶ岳へ行くと言ってた。みなさんすごい
昨日と同じく午後6:50に小屋へ天気予報を見に行く。台風が接近していて2日後は
大荒れになりそうだった。翌日も後半から雨になるようだった。
テン場に戻り、先程の二人へその事を伝えると二人とも予定を変更し朝一で
鷲羽岳だけ登り新穂高へ下山すると言っていた。

昨日と同じ5時出発、天気予報通り曇りで三俣蓮華岳へ登る途中から完全にガスの
中になる。三俣蓮華岳の山頂は頂標しかなかった。
富山・岐阜・長野の県境らしい

双六方面へ向かって稜線を歩く。ガスで景色が見えないので双六岳は登らずに
中道を通り双六小屋へ、山頂からの道と巻道が合流すると後は双六小屋まで
下りとなる。上から見る小屋は思ったより大きかった。
双六小屋

後は新穂高へ向かって下山するのみ「もう登りは無いぞ」と思っていたが、考えは
甘く小屋から稜線まで登りが待っていた。弓折岳直前の分岐で左折し鏡平へ、ここ
からは登りは無く下る一方になる。稜線から見えていた鏡平山荘は意外と遠かった。
鏡平山荘 横には池がある

整備された小池新道を下る。途中雪渓があった。
登山道から砂利道に変わり、しばらく歩くとわさび平小屋へ着く何か食べたかったが
それ以上に早く風呂に入りたかったので先を急ぐ。
わさび平小屋

10分ほど歩くと笠新道入り口がある。ここも登りは大変そうだ
笠新道入り口

あとは新穂高温泉まで歩くのみ、どうにか雨に降られずに済んだ。
バス停へ着くと平湯温泉行きのバスが停まっていた。
土砂崩れで松本行きのバスが運休中、上高地・白骨温泉経由で松本へ行けるのは
判っていたが、すごく時間がかかるので高山経由で帰る事にする。
平湯温泉のバスターミナルにある「笠の湯」に入り、バスで高山へ、
高山駅

「ワイドビューひだ」と「のぞみ」を乗り継いで帰る。
テント担いで歩き回り、かなり疲れたが楽しい山旅でありました。

コースとタイム

7月23日
高瀬ダム 6:00
登山口 6:20
烏帽子小屋 9:40(1時間半休憩)
烏帽子岳 11:50(10分休憩)
烏帽子小屋 12:45
7月24日
烏帽子小屋 5:00
野口五郎岳 7:30(5分休憩)
水晶小屋 9:50(10分休憩)
水晶岳 10:30(10分休憩)
水晶小屋 11:05(20分休憩)
鷲羽岳 12:50(15分休憩)
三俣山荘 14:00
7月25日
三俣山荘 5:00
三俣蓮華岳 5:40(5分休憩)
双六小屋 6:55(15分休憩)
鏡平山荘 8:25(10分休憩)
わさび平小屋 10:30(10分休憩)
新穂高温泉 11:35

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